インドシナニュース

カンボジアでアパレル工場火災、中国人マネージャー死亡

28日早朝にカンボジアPur Senchey地区のアパレル工場で発生した火災により、中国人マネージャー1人が死亡、他3人が負傷した。同工場では米大手小売業Kmartの下請けとしてジーンズを製造しており、今回の火災によって工場建物はほぼ全焼した。同日午後になっても、警察は依然として出火原因を調査している。

今回被害に遭ったのは、中国企業Chang Sheng Garment社が所有する工場。同工場で夜間の見回りを行っていた警備員によれば、同日午前4時40分ごろ、工場建物の裏手から黒い煙霧が発生しているのを目撃したという。同工場では通常、中国人マネージャー約10人とカンボジア人の料理人1人が、定期的に宿泊していた。

警備員Son Vanthy氏は、その時の様子を「煙霧を見た4~5分後に、火の手が上がっているのを発見した。火は瞬く間に広がっていった」と話している。

消防隊が到着したのは午前5時30分ごろだったが、そのころまでに、工場建物は半壊していた。

工場管理責任者Hel Phalla氏の話では、工場内にいた従業員のうち3人の男性が、逃げる途中に軽い火傷を負ったという。一方、品質管理担当マネージャーYang Shi Xion(42)氏は、逃げ遅れたものとみられている。

Yang氏の遺体が安置されているStung Meancheyの仏塔で、警察の取り調べに協力していたPhalla氏によれば、Yang氏は「逃げ遅れてしまったよう。遺体はトイレの前で発見された」という。

午前10時ごろになっても、煙と灰は依然として、黒く焼け焦げた建物の周囲に立ち上っており、建物内部に残っているのは、瓦礫や変形した金属のみだった。一方、消防隊は、まだ火の残っている最後の瓦礫の山の消火に当たっていた。

火災現場の調査に当たったプノンペン消防局局長Neth Vantha氏は、午前9時ごろにはほぼ鎮火していたと話す。だが出火原因についてはコメントを差し控え、「火災の原因についてはまだ分かっていない。ただ建物内にいた料理人の方は、付近の部屋で煙が上がっているのを見たと話している」と述べた。

同氏はさらに、消防車が工場に到着するまでに時間がかかったのは、工場周辺の道路がコンクリート製のパイロンで閉鎖されており、大型車両の進入ができなかったためとした。一方、消防隊員の到着後、消火活動が遅れたことについては、消火用の水源が付近に不足していたことを挙げた。また工場の従業員は今後、火災が発生した際どのように対処すべきか、防火訓練を実施しておくべきだと指摘した。

その後「今後は、厳戒態勢を強化し、火災が発生したとき、自分たちで何ができるのか対策を講じておくべき。と言うのも、消防隊がいつでも100%の体制で消火活動に当たれるとは限らないからだ。せいぜい40~50%ほどだろう」と話し、「消火の方法さえ知っていれば、自分たちで火を消し止めることができる」と続けた。

フン・セン首相が近年たびたび奨励しているのは、十分な設備を持たない各自治体の消防隊を当てにするのではなく、各工場が自社で消防車を購入することだ。

同社中国人マネージャーらの中には、現場で取材を行うリポーターに対してコメントを拒否する者もいた。工場管理責任者Phalla氏の話では、同工場のオーナーは現在上海におり、本日カンボジアに帰国予定だという。また工場は保険に加入しているが、どの保険会社と契約していたのかは思い出せないと話した。さらに工場で働く約850人の従業員の給与について、オーナーが今後どのように対処するのかは定かでないとした。

同工場に勤務する従業員らの多くは、工場建物の正門や裏口付近に集まり、消防隊員が残った火の消火活動に当たっているのを静かに眺めていた。

従業員Chea Heangさんは、2009年から同工場で働き、ジーンズを縫製してきたと言う。職場環境に不満はなく、現在は次の仕事を探すことに不安を抱えている。Heangさんの話によれば、同工場では先週、防火訓練を実施したばかりだった。Heangさんは「ただただ悲しい。職を失い、次に何をしたら良いのかも分からない」と話す。また「今心配しているのは、工場が給与を支払ってくれるかどうか」とも話した。次回の給与の支払日は8月10日の予定で、Heangさんはその日を楽しみにしていた。

同工場に2年間勤務するChhorn Nainyさんは「今後どこへ行ったら良いのかも分からないし、この時期、別の職を探すのは難しいだろう」と言う。Nainyさんはまた、過去数週間分の給与の支払いを気にかけると同時に、工場のオーナーに同情の念を示した。さらに「これまでわれわれ従業員と上司たちの関係は良好だったので、火災が起きたことはとても残念」と話し、「給与を支払ってもらえれば、ありがたいと思う。でも無理だった場合には、この先どうしたら良いのか分からない。工場は焼け落ちて跡形もない」と続けた。

同工場で働く従業員のうち数名は、カンボジア・アパレル労働者民主組合連合(CCAWDU)の代表を務めている。CCAWDU会長Kong Athit氏は、火災の原因が何であろうとも、工場側は何らかの手段で従業員の給与を支払う義務があるとしている。

同氏によれば、今後、工場の再開予定があるのであれば、工場側と従業員は話し合いを行い、再稼働するまで、従業員は通常支払われるべき月給のうち何パーセントの支払いを受けることができるのか決める必要があるという。一方、閉鎖することになる場合でも、工場側は、火災が発生した日までの給与と、退職金を支払う義務があるとした。

だが同氏は、過去のできごとを振り返り「こうした状況において、工場側は通常、給与の支払いを拒否するもの。今回の火災は、過去にJune Textile Factory社で起きた問題とよく似ている」と話し、Chang Sheng Garment社従業員らの先が思いやられると、懸念を示した。

June Textile Factory社における問題とは、2011年3月、首都プノンペンの同社工場で火災が発生し、建物が全焼したときのこと。同工場では当時4000人もの従業員を抱えていたが、工場のオーナーらは、各従業員に対して退職金の支払いを拒否。同時に調停が下した、法的拘束力を持たない決定にも従わなかった。その後、数カ月に及ぶデモ活動が行われたことで、最終的に支払いに応じた。



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最終更新:2014年07月30日

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