インドシナニュース

ベトナム企業経営者、賃金の上げ幅最小限望む

ベトナムの企業経営者らが、来年の最低賃金の引き上げについて、12 %以下に抑えるかまたはいったん見合わせることで雇用の安定化を図るよう求めている。

ベトナム商工会議所(VCCI)雇用局局長のPhung Quang Huy氏は、「厳しい状況は来年も続きそうだ。こうした状況下で最低賃金を大幅に上昇させれば、多くの企業が採用や事業の拡大に消極的になるだろう」と話す。

国家賃金評議会の規則によれば、最低賃金の調整に関わる計画は、雇用者および被雇用者の各代表並びに政府による合意を基に策定されなければならない。

ベトナムにおける現行の最低賃金は、地域によって異なるが、月額190万~270万ドン(90~128米ドル)。

この問題を巡り、ベトナム商工会議所(VCCI)と国際労働機関(ILO)が先日ベトナムで会議を開催。企業経営者ら代表の多くが、来年の最低賃金については、国内総生産(GDP)の成長とインフレの状況に応じて引き上げるべきだと提言した。

同国における地域別最低賃金の伸び率は、2010年が平均9.9 %、12年が同30.1 %、今年が同15.2 %となっている。

ベトナム商工会議所(VCCI)によれば、2010~11年は地域別最低賃金と消費者物価指数(CPI)の伸び率は同等だったが、12年以降は最低賃金が消費者物価指数(CPI)の3倍に推移しているという。

「最低賃金の引き上げを行うには、従業員の給与を保証し、かつ企業の生産を確保するよう努めなければならない」とHuy氏は言う。

最低賃金の調整は、特に繊維産業、靴・履物産業、水産業に影響を与える。繊維産業の労働者数は現在250万人を超え、内80 %が女性である。

ベトナム商工会議所(VCCI)雇用局副局長Vi Thi Hong Minh女史によれば、最低賃金を10 %上昇させると、各種手当やその他福利厚生なども引き上げられるため、人件費は約17 %上昇するという。

国家賃金評議会で企業経営者らを代表しているのは、ベトナム商工会議所(VCCI)、ベトナム中小企業協会、ベトナム皮革・靴組合、ベトナム繊維・衣料協会など。

駐越国際労働機関(ILO)労使関係代表顧問Phillip Hazelton氏は、「キーとなる企業経営者らと、最低賃金の調整について根拠に基づく話し合いを行うことは重要」と言う。

国際労働機関(ILO)は、ベトナム商工会議所(VCCI)が強力なまとめ役となって、他の労働者団体とともに国家賃金評議会やその他協会などに働きかけ、当該問題に関する調査・活動を共同で行うよう勧めている。

Hazelton氏はまた、「最低賃金の調整を行うに当たり、企業経営者らと労働組合側に対しては、社会的かつ経済的な基準を考慮に入れた信頼性の高い統計値や適切な分析データを使用するよう求めている」とも話した。

国際労働機関(ILO)によれば、交渉では労働者の要求を確認し、その要求と経済的要因(例えば競争力など)のバランスをはかることが大切としている。

国際労働機関(ILO)雇用活動上級専門家Gary Rynhart氏は、同国に対して、最低賃金と消費者物価指数(CPI)は切り離して考えるよう勧めている。というのも、消費者物価指数(CPI)は物価の変動を測定したものであり、所得は考慮しておらず、またすべての家計の支出が対象となっているわけでもないからだ。

Rynhart氏はまた、「最低賃金にも限界はある。貧困問題を引き合いに出してばかりではいけない」とも助言した。

 



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最終更新:2014年06月19日

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