ベトナム:皮革履物メーカー各社、第3四半期まで注文埋まる
南部地域の多くの皮革履物メーカーは、一部の顧客の中国からの生産移転のために2014年第3四半期までの輸出向け商品の受注契約を完了した。
ビンユーン省Lien Phat靴によると、同社は現在、対前年同期比20万足増の約100万足の注文を受け、9月末まで注文が埋まっている。
Lien Phat社社長Truong Thi Thuy Lien女史によると、2つの理由から同社の今年の受注は対前年比でおよそ15%増加している。
まず、海外の顧客が環太平洋経済連携協定(TPP)の旨味を睨んで、中国からベトナムへ生産をシフトしていること。次に、中国の労働コストが上昇するとともに、ラオスやカンボジアでは労働資源の確保が十分ではないこと。
ホクホクしているのはLien Phat社だけではない。ホーチミン市皮革履物協会総書記Nguyen Van Khanh氏によれば、少なからぬメーカーが6月か7月までの長期の注文を受けていると述べている。この状況は、この時期3月いっぱいまでの注文しかなかった前年度からは程遠い。
Khanh氏はまた、皮革履物製品の注文が今年年初からこれまで急騰している原因は環太平洋経済連携協定(TPP)の下での税制上の優遇措置を享受するためにベトナム製という原産地資格を求めて、海外の顧客が中国から生産を移転しているためと述べた。
注文の急増に対して各メーカーには懸念材料もある。
協会会員企業を調査して、各社が現在最も心配しているのが労働力不足であることをKhanh氏は明らかにした。この数年の不景気の状況下で、靴部門の多くの労働者が他業種へ転業した。各企業はまた、原価コストが不安定で、注文をうまく継続できるかという心配もある。
Khanh氏によると、それでも2014年以降、履物企業は有利な経営環境を享受できるという。
具体的には、2014年、ベトナムの靴部門はEUの受益対象外リストから外されており、2014年1月1日から3年間は特恵関税制度(GSP)受益対象国となる。このため、今後3年間、ベトナム製履物製品に適用される税率は、以前の13-14%から3.5-4.0%と削減される。
市場の積極的な変化とともに、 業界各メーカーは、履物・鞄業界の2014年の輸出目標は十分に手の届く範囲で、少なくとも120億米ドルに達すると見ている。2013年は103億米ドルで、そのうちの履物は87億米ドルである。