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カンボジア対「安い中国」

今週のインタビューでは、中国市場調査グループ代表取締役Shaun Rein氏がカンボジアでの最低賃金論争に加わり、世界第2位の経済大国となった中国の先行きを投資家らが心配する中、増加するコストが当地の製造業に与える影響力について議論する。

 

あなたの本の題名「安い中国の終焉:世界を混乱させる経済及び文化潮流」でも明らかなとおり、中国はもはや、かつてのような誰もが熱望する工業立地とは言えません。どうしてこのような状況となったのでしょうか?

中国の工場の給料は過去5年間毎年の15~20%上昇しています。上昇する給料とともに、急騰するテナント料や高齢化は、メーカーの利益を絞り取り、コスト減のために、カンボジアやインドネシアのような新興国か四川省などの中国内部にシフトしようとしています。例えば、ナイキは中国から製品の35%仕入れているのに対してベトナムからは37%もの製品を輸入しています。

 

こうしたシフトはこの地域にどんな影響を与えるでしょうか?

カンボジアをはじめとするアセアン全般が製造業部門、特に軽工業でシェアを掴む好機です。程よいインフラと政策の安定が見られさえすれば、多くのアパレルや履物の企業がアセアンへの移転を考えるでしょう。タイは自動車産業の投資を惹きつけていますし、バリ島などのリゾート地は中国人の海外旅行の目的地として観光から利益を得るでしょう。

 

カンボジアの位置付けはどうなりますか?

カンボジアは上昇する中国のコストを吸収することでうまく落ち着いています。中国-カンボジアの関係は強いので、中国人企業家には快適なビジネス環境となっています。しかしながら、心配なのは、最近の労働争議により、労働生産性が低いのに、コストだけが上がっていくのではないかと不安に思う企業もあります。インフラの未整備も問題です。今日の世界では、ザラのような世界ブランドは、4半期に1度ではなく、2週間毎に新しい服を売り出すので、製品を工場から販売先まで届ける速度が極めて重要になります。

 

低コストに関するものはそれですべてですか?

私は、アパレル縫製工場の拡大に融資援助するために最近カンボジアに支店を設立しているという銀行員と話をする機会がありました。カンボジアは、工場がシフトする価値を認めてもらえるよう、少なくとも10年間は、熟練途上ある労働者ですから、安価なコストを提供する必要があります。私は著作の中で、ある家具会社を追跡しましたが、その会社は一旦ベトナムにシフトしたのに、あまりに不良製品が多いため、結局中国に戻ってしまいました。安いだけではダメなのです。品質も良くてはじめて十分と言えるのです。

 

最低賃金を今すぐ160ドルまで上げると、カンボジアは本当に苦しむでしょうか?

カンボジアは今のところ周辺国より低コストというメリットがあり、それで他国よりも多くの外国投資を惹きつけています。最低賃金が1カ月あたり160ドルまで引き上げられると、企業はカンボジアに投資するかどうか再考するでしょうね。コスト削減に必要なインフラを欠き、タイより最終消費者から遠いのですから。

 

中国は製造拠点として状態を完全に失いましたか?

中国は全体的に見て製造分野における支配権を失わないでしょうし、世界への輸出シェアは過去10年間上昇の一途です。中国には、他のいかなる国よりもはるかに優れたインフラと企業生態系があります。製造のタイプが変化するだけでしょう。工場は、生産ラインを自動化し、Tシャツに換えて航空宇宙部品を生産しています。

 

カンボジアと中国との関係はこれまで以上に強いものになっています。カンボジアはこの関係から利益を受けていますか?

現状では、中国は多くの隣国と緊張関係を強めていますので、カンボジアにとっては中国と協力し、そうすることで、投資と貿易の機会を惹きつける好機です。中国は友邦国には経済的なニンジンをぶらさげています。南シナ海紛争に関しての日本の首相の軽率な発言が極度の緊張関係を引き起こしていますが、中国は国際関係の場において、カンボジアのような友邦国からの支持という利益を得ることができます。

 

 



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最終更新:2014年01月19日

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