インドシナニュース

インドネシア:繊維各社、アセアン経済共同体(AEC)に対し法的な確実性を要求

インドネシア繊維企業は、徐々に増加している輸入繊維製品の流通に対する、より法的な確実性を政府に対し主張している。流通の増加は、2016年に開始したアセアン経済共同体(AEC)の実施の結果である。アセアン経済共同体(AEC)によりアセアン加盟国における単一市場と単一生産拠点が構築され、織物や繊維製品を含む商品が地域内で自由に流通できるようになった。しかしながらインドネシアの繊維企業によると、他のアセアン加盟国から輸入された織物製品(すなわち輸入税は免除)は、実際のところアセアン非加盟国で生産されているという。

比較的安い繊維製品の流入は、すでに国内外の要因により圧力を受けていたインドネシアの国内繊維産業をさらに圧迫した。2010年1月の中国アセアン自由貿易協定発足以降、インドネシア市場は中国から輸入された安価な繊維製品で溢れていた。同時に、ルピアの下落が外国からの原材料輸入への依存が高い繊維産業に打撃を与え、ガス価格の高騰と相まって生産コストの上昇を引き起こし、インドネシアの繊維メーカーは世界規模の競争についていくことが難しくなった。

上場繊維メーカーSri Rejeki Isman社のIwan Lukmtinto取締役社長によると、アセアン経済共同体(AEC)は発足から8か月たってもなお課題を引き起こし続けているという。今回の場合は、輸入製品の供給源に疑問が残るという、法的枠組みに関する課題である。アセアン加盟国からインドネシアに輸入された多くの繊維製品は、実際のところ(一部が)アセアン非加盟国で生産されたものであり、インドネシアに積み替えされたものである、すなわち、国内の繊維メーカーは、中国やアセアンのメーカーだけではなく、その他の繊維メーカーとも競争しなければならないのである。

インドネシア繊維協会(API)のErnovian Ismy事務局長は、もしアセアン非加盟国がアセアン地域内の関税免除の恩恵を受けているとすれば、それはアセアン経済共同体(AEC)の違反であり、政府は国内の繊維産業を保護しなければならないと述べた。一般的に、他国からの輸入製品には(通商協定が交わされない場合)15%の関税がかかる。

アセアン経済共同体(AEC)の枠組みのもと繊維製品を輸入するためには、2つの要件を満たさなければならない。(1)生地がアセアン加盟国で生産されていること、及び、(2)同じ国内で縫製されること、である。しかしながら、幾つかのアセアン加盟国は外国で生産された生地を輸入し、縫製プロセスのみに携わった製品をインドネシアに輸出している。これは規定に即していない。

2015年、インドネシアは3億4160万米ドル相当の繊維製品をタイから、2億2740万米ドル相当をベトナムから、6520万米ドル相当をシンガポールからそれぞれ輸入している。特に、シンガポールはアセアン地域外で生産された繊維製品の積み替え基地となっている。

世界最大の繊維生産国である中国には大きく引き離されるものの、インドネシアは世界で大きい繊維生産国の一つである。インドネシアは、国内総生産(GDP)の1.21%を占める繊維の輸出拡大を目指している。国内では現在、300万人が繊維産業に従事しており、本産業は雇用源としても重要である。

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最終更新:2016年10月03日05:54

インドネシア:繊維業界、輸出は伸び悩み、国内市場は低調

インドネシアの繊維・アパレル業界は今年、切迫している状態だ。インドネシアの繊維製品は2016年を通して1%、123億米ドルまでしか成長しないと見込まれている。インドネシア繊維協会(API)が設定した目標値よりも3%低い値だ。API会長Ade Sudrajat氏は第一四半期の輸出は26億米ドルにしか達しなかったと述べた。さらにインドネシアの国内市場でも、ベトナムや中国から輸入される安価な繊維製品と競合する問題を抱えている。

インドネシアで最も古い産業の一つである繊維産業は、東南アジアでも労働集約性がある点から何百万人のインドネシアの人々の雇用を創出し重要な産業の一つだ。現在まで中国が圧倒的に世界最大の繊維製造・輸出国ではあるものの、インドネシアは世界で上位10カ国以内に入る繊維製造業国であり、「小国」というレッテルを張られるべきでもない。

中国経済が急激に上昇している最低賃金を含むいくつもの問題に直面するなか、インドネシアは世界の繊維業界における役割を拡大させることができる可能性を持ち合わせている。しかしインドネシアもまた、最低賃金の上昇やエネルギーの買い取り価格を含む問題を抱えている。従ってベトナム、カンボジア、ミャンマー等東南アジアにおける他の繊維製品製造国が、国際舞台における中国市場のシェアを奪う可能性が高いようにも見える。さらに驚くべきことに、域内のライバルは近年消費者の購買力が弱まり、可能な限り安価な繊維製品を購入したいと考えているインドネシアの国内自体における市場シェアを獲得しつつある。Sudrajat氏はインドネシアの繊維製造業者の国内における市場シェアは30%以下だと言う。実際、通常は消費が上昇するIdul Fitriの祝日(ラマダン明けの大祭)の期間中、氏は国内の繊維製品が目立って販売が上昇している傾向を見ることができなかったという。

最近インドネシア政府は国内産業を支援すべく、国内の労働集約型の産業に対する電気料金を引き下げた。繊維産業は2011年以降のインドネシア経済の停滞以降、最も悪影響を受けた産業の一つだと考えられている。しかしながらこの刺激策はまだインドネシアの繊維業界にプラスの影響を及ぼしていない。Sudrajat氏は国内の繊維業界を 押し上げ、倒産を防ぎ、大量の一時解雇を防ぐためにはさらなる構造改革が必要とされると述べる。

さらにインドネシアはヨーロッパや米国市場とは自由貿易協定を締結していないため、これらの地域でベトナムと競合するのは難しい状況だ。ヨーロッパに対するインドネシアの繊維製品の輸出は11-30%の範囲の輸入税の支払いを行わなければならないが、ベトナムはEUに対して輸入税を支払うことなく輸出を行うことができる。これによりベトナムの製品はより競争力が高まることになる。

Sudrajat氏は、輸出ベースを拡大するには従来とは異なる輸出市場を模索する必要があるという。例えばトルコやイランは新しくターゲットとなる可能性のある国々だ。間もなくインドネシアの代表団がインドネシアの繊維製品の輸出チャンスを見出すためにこれらの国を訪れる予定だ。

インドネシアの工業省はインドネシアの繊維業界が多様化を図り、国内の盛況なファッション業界に対して生地を提供し始めるべきだと言う。現在国内のファッション業界は未だに輸入に大きく依存している状態だ。

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最終更新:2016年07月18日10:21

インドネシア:TPPは繊維産業に利益をもたらしうる

経済ガバナンスのためのオーストラリア・インドネシアパートナーシップ(AIPEG)の経済・公共政策上級アドバイザーのAhmad Shauki氏は4月18日ジャカルタで、インドネシアはTPPに加盟すると関税が現行の2-5%から無税となり、米国、カナダ、メキシコ、ラテンアメリカ諸国等の主なTPP加盟国へのアクセスを得ることができる、輸出業者は関税免除により13億米ドルの増収となり、3億600万米ドルの貿易転換が起こるであろうと述べた。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)はインドネシアの輸出を少なくとも29億米ドル増加させ、同時に、特に機械、鉄、砂糖、プラスティックといった資本財の輸入増加も予測されることから、加入後には貿易黒字額は31億米ドルから22億米ドルに減少する。しかし、貿易総額は大きく上昇することが予測される。

最大の利益が予想されるのは製靴・繊維産業で、製靴産業は22%、繊維産業は18%の伸びが予測される。製靴・繊維産業で輸出額増加分の70%を占めると予測されている。

インドネシア経済改革センター(Core)のMohammad Faisal調査部長は、TPPに加盟しない場合、この成長のチャンスはすでにTPP加盟を表明しているベトナムに奪われてしまうと話す。ベトナムはインドネシアと商品構成が類似しているため、最大の競争相手となっている。

Faisal調査部長によると、ベトナム、インドネシアを含むアセアン諸国の米国での関税率はほとんど同率であるという。しかし、アセアン諸国では高い輸送コスト、燃料費や人件費の高騰、生産性の低迷といった問題を抱えている。

人件費について見ると、インドネシアはタイ、中国、マレーシアより低いがインド、ベトナム、カンボジアよりは高い。しかし、タイとは異なり、インドネシアでは農村部と都市部の給与差が非常に大きい。

インドネシアから米国への輸出は過去10年間安定しており、2001年から2015年までの成長率は6%であった。しかしその一方で、ベトナムから米国への同時期の輸出はTPP加盟なしでも242%と急増している。

 

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最終更新:2016年05月25日11:49

インドネシア:繊維産業復活への希望

インドネシアの繊維産業はベトナムと比較すると遅れを取っているように見えるものの、専門家らはインドネシアの繊維産業にはまだ将来の成長の余地があると確信している。

繊維産業は世界的な景気低迷のあおりを受けたインドネシアの数多い産業のひとつである。なお悪いことには、ベトナムの繊維産業がインドネシアを大きく引き離し成功を遂げている。しかし、インドネシアの繊維産業にはまだ希望がある。

ベトナムはすでに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟し、またEUとの自由貿易協定(FTA)協議を完了させている。一方、インドネシアは今後2年間TPPに加盟しない。

インドネシアはベトナムとの競争に負けつつあり、生産コスト上昇と販売不振で多くのインドネシアの繊維企業が倒産した。インドネシア繊維協会(API)によると、2015年の上半期には6000人の労働者が解雇されている。繊維産業の国内総生産(GDP)への貢献率も6.1%低下した。

国際通貨基金(IMF)は世界の経済成長率見通しを3.6%から3.4%に改定した。繊維産業は世界経済に大きく左右されるため、繊維製品輸出も確実に影響を受けるであろう。

インドネシア繊維産業の主要市場は米国及びヨーロッパである。総輸出の31%が米国、16%がヨーロッパ向けである。

しかし、2015年には米国への繊維輸出が前年比で5.3%低下し、ヨーロッパ市場への輸出も同様に減少した。この輸出低迷の理由のひとつは、世界市場におけるベトナムとの競争激化である。ベトナムは製靴、繊維産業でインドネシアの最大の競合国となっている。

しかし、こうした状況にもかかわらず、Bank Mandiriのアナリストはインドネシアの繊維産業に希望を見出している。インドネシア投資調整庁(BKPM)によると繊維産業への投資家の関心は高まりつつある。繊維産業は今年順調な回復を見せており、輸出額は6550万米ドルに達する見込みである。

繊維産業が完全に復活するには、政府は輸入を管理し、縫製産業で国内産原材料を利用できるような方策を取る必要がある。

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最終更新:2016年03月05日16:33

インドネシア:TPPの原産地規則がアパレル産業の重石となる可能性 

「インドネシアが環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する場合、ヤーン・フォワード・ルールに気をつけなければなりません。」とBenny Soetrisno氏は言った。

インドネシア繊維協会(API)諮問委員会の委員長は最近の記者会見の場において、米国主導で進められているTPPは、地元の繊維産業に損失よりも利益をもたらすだろうが、国はこの業界すべての製造プロセスにおける体制の準備を支援すべきだ、と述べた。

「TPP加盟国から原材料供給を受けて製造された衣料品のみが、その関税を免除される、とのTPPの規定があります。」と彼は指摘した。

米国主導のこの経済連携協定が一旦発効すると、加盟国間取引におけるゼロ関税適用を認められるためには、加盟国内から調達された原糸や原反を使用して繊維・アパレル製品を生産することを求める、ヤーン・フォワード・ルールが適用される。

インドネシアが最終的にこのいわゆる21世紀型の経済連携協定に参加する場合、同条項が適用されることとなる。

TPPは現在、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、米国の12の加盟国から構成されている。12の加盟各国ではTPP批准へ向けて国内手続きを進めており、その完了には約2年かかると予想されている。

ジョコ・ウィドド大統領は昨年10月に訪米した際、インドネシアがTPPに参加する意思があることを示し、また前回の米国・ASEAN首脳会議に出席した際にも、インドネシアでは現在、TPPに参加する場合の利益と課題の両方を検討している、と述べた。

インドネシアのアパレル産業は、国がTPPに参加することになった場合、その利益を最も享受する部門になると考えられている。

産業省のアパレル、皮革、フットウェアその他産業を管轄するMuhdoriディレクターは、アパレル産業では既に上流から下流までバリューチェーンが構築されており、TPP参加のための体制準備は整っている、と述べた。

一方で産業省の統計データによると、インドネシアは2014年に86億米ドル相当の繊維、糸、織物、衣料品、タペストリー、その他繊維製品を輸入したが、そのうち大きな部分がTPP加盟国ではない中国から来ていると推計されている。

ベトナムはTPP加盟国の一つであるが、まだいくつかのタイプの原反を中国からの輸入に頼っており、以前からヤーン・フォワード・ルールに関する懸念が持ち上がっている。

APIのAde Sudrajat会長は、TPP参加によって国のアパレル産業に利益がもたらされると前向きであるものの、衣料品の全製造プロセスのバリューチェーン開発に対し、政府からの支援が必要であると主張する。

労働環境の面では、例えば生産工場に隣接する場所にアパレル会社が寮を建設することを政府が支援するようなことが考えられる、とした。

「我々が生産工場から離れた地域から労働者を募集することができるよう、政府にアパレル工場従業員のための住宅に助成金を支給するよう求めたいと思います。」と彼は言った。

多くの産業で業務効率を向上させるためにレイオフを行ってきたと伝えられる一方で、アパレルメーカーでは、その事業拡大を支える労働力不足に苦しんでいる。

Surakarta、Boyolali、Wonogiriにあるアパレルメーカーでは、既に1000人規模の新規雇用を行ったが、なおも多くの労働者を求めている。

インドネシア投資調整庁(BKPM)のFranky Sibarani代表は、彼の組織では多くの労働者を必要としている他の業種に誘導できるよう、企業に対してレイオフ計画があれば報告するよう求めている、と以前明らかにした。

APIは、インドネシアがTPPに参加する場合、特にアパレル輸出が急増するだろうと予想している。

インドネシアのアパレル輸出は2005年に86億米ドルであったのが、2014年には127億米ドルに増加しているものの、そのパフォーマンスは、2011年の53億米ドルから2014年には262億米ドルまで達したベトナムの後塵を拝している。

Ade会長は、彼の組織ではTPPによって米国をその主要な取引市場の一つとして取り込むことにより、今後10年以内にインドネシアのアパレル輸出が倍増すると予想していることを明らかにした。

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最終更新:2016年02月27日11:36

インドネシア:アパレル産業に今年ビジネスチャンスは訪れるか(後)

(前編より)

 

異なる視点として、繊維・衣料品部門に対する国内外の投資計画を記録管理しているインドネシア投資調整庁(BKPM)に目を向けることも有意である。BKPMによると、2015年を通じて投資計画の明らかな増加があり、そのことは2016年も労働集約型(産業への)投資が続くのではないかという点について、肯定的な評価につながっている。2015年前期における繊維・衣料品部門に対する投資は明確にプラス成長となっており、例えば、織物繊維加工業では82のプロジェクトから213%増となる2.4兆インドネシアルピア(1億7600万米ドル)、織物製織業では25のプロジェクトから613%増の1630億ルピア、衣料品産業では16%増の9410億ルピア、衣料品アクセサリ業では15のプロジェクトから563%増の2160億ルピアを記録した。

投資計画は、2015年にテキスタイル部門において取得された原則許可数として記録されており、前年比で68%増の総額13.1兆ルピアであった。BKPM幹部のFranky Sibarani氏によると、テキスタイル部門の投資計画には10万1000人の労働者の雇用増も含まれている。これらの投資計画の実現が、政府が2016年の目標として掲げる200万人の雇用創出に対し、大きく貢献することが期待されている。

BKPMの投資データは、アパレル産業に回復の望みがあることを示している。しかし、ナショナル・ブランドの開発、生産に必要な原材料を確保するために現在開発中の綿の物流拠点への継続的な投資や、さらなる経済政策の発動による産業開発の促進など、政府による積極的な努力と支援がある場合にのみ、この業界は回復を遂げることができるであろう。今後、ガス、電気やディーゼルの市場価格下落により、全産業の競争力は高まっていく可能性がある。政府はまた、輸入をコントロールして関税ゼロ政策から国内市場を保護するような取り組みを重ねるなど、業界の業績改善を支援している。政府の政策には、インドネシア国家規格(SNI)の強制適用、財とサービスの調達に際して国産品の強制利用(P3DN)、アパレル・フットウェア業界の機械設備のリストラなどが含まれている。

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最終更新:2016年02月23日12:04

インドネシア:アパレル産業に今年ビジネスチャンスは訪れるか(前)

インドネシアにおける2015年の景気減速は、まだいくつかの産業に悪影響を及ぼしており、繊維・アパレル産業もそのうちの一つである。繊維産業の業績は、苦境から脱出するのに必要とされる楽観的な気運が盛り上がらないために、2016年も低調に推移すると予想されている。

世界経済の回復は国内経済同様不透明で、未だ改善の兆しは見られない。インドネシア繊維協会(API)のAde Sudrajat会長は、繊維産業における来年の成長についても悲観的な意見を持っている。

2015年10月時点での繊維業界のパフォーマンスは、満足いく結果からは程遠いものであった。この部門の国内総生産(GDP)は縮小に苦しんでおり、前年同期比で6.1%のマイナス成長となった。この数字は製造業全体の4.3%、インドネシア全産業の4.7%といったGDP成長率と比較しても、悪い結果であった。

世界経済の状況として、国際通貨基金(IMF)は2016年の経済成長見通しを3.6%から3.4%に引き下げた。さらに米国についても2.6%の経済成長しか見込まれていない。インドネシアの繊維輸出は強く世界経済の状況に左右され、特にこの部門の最大の輸出先市場である米国やヨーロッパの影響を強く受けるため、繊維産業の成長率に悪影響がもたらされることとなる。

米国と欧州に対するインドネシア繊維産業の輸出シェアは、それぞれ31%、16%となっており、この数字は例えばアセアン諸国や日本に対する輸出シェアよりもはるかに大きいものである。2015年の繊維輸出実績は、前年の126億8000万米ドルから120億米ドルとなり、前年同期比で約5.3%の減少であったと推計された。

昨年10月時点では、インドネシアの繊維輸出はたったの102億米ドルであり、目標の約77%止まりであった。この理由の一つとして、インドネシアの輸出製品は周辺ライバル国、特に米国や欧州市場においてはベトナムからの衣料品と競争しなければならないことが挙げられる。

ベトナムでは人件費が低いままであるため、加工費がさほどかからず、製品の製造コストが比較的安い。このことはインドネシアの状況と対照的である。この東南アジア最大の経済市場においては原材料コストが上昇しているのに加え、生産コストも人件費の高騰によりかさんでいる。これにルピア安が加わることによって、多くの企業でこうした状況に耐えられなくなり、ビジネスから撤退していることも頷ける。ますます高騰する生産コストが、特に繊維産業において従業員を解雇せざるを得ない状況をもたらしている。

例えばAPIの調査によると、繊維産業はバンドン市の4地区に集中しているが、2015年1月から5月の間に6000人もの労働者が解雇された。こうしたレイオフがもしジャワ島で起これば、数万人~数十万人規模の労働者がその職を失うことが容易に想像できる。APIによると、一般に下流工程産業でこのような緊急レイオフの手段に訴えることが多い、としている。

さらに、インドネシアの繊維・アパレル製品の競争力は低下し続けている。中央統計局(BPS)のデータによると、2014年単年で世界市場におけるインドネシアの繊維製品の競争力は1.3%も低下した。一方でベトナムでは対照的に、前年比1.8%も競争力が上昇した。インドネシアの競争力低下は世界市場において発生しただけではなく、米国や欧州市場においてもそれぞれ25%、3%低下した。

通商大臣のThomas T. Lembong氏は、アパレル・フットウェア部門におけるインドネシア最大のライバルとして、ベトナムに脅威を感じているとした。ベトナムが環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に加盟することにしたのも、一層脅威に拍車をかけている。Lembong大臣の見解では、この競争はベトナムがEUとの間で自由貿易協定(FTA)を締結したことにより、ますます熾烈になるだろうとしている。EU間自由貿易協定によりベトナムが、米国市場より大きな、20カ国以上から構成される欧州市場へのアクセスを獲得することを意味する。Lembong大臣はTPPについても、その12の加盟国は米国主導ですぐに世界市場の40%をコントロールするようになり、そのためインドネシアでも、今後2年以内にTPPへの参加を目指すようになっても不思議ではない、とした。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年02月23日08:03

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