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マレーシア:模倣品に立ち向かうイスラム・ファッション・ブランド(前)

Bandar Sunway の近くにある連邦高速道路には、ある母親の無言の切なる思いを訴える看板がある。「Nak… mak teringin nak pakai telekung Siti Khadijah.」(「わが子よ、私はSiti Khadijahのテレコンをかぶりたい。」)

これは最近になって見られるようになった光景であり、イスラム教礼拝着テレコンのための積極的なマーケティングである。東南アジアのイスラム教徒の女性が祈るために着用するツーピースの服は、ブランドだとか宣伝広告だとかとはこれまでまったく無縁だった。しかし、ムスリムのファッション業界が成長するにつれて、いたるところで商業目的の礼拝服を見ることが増えてきた。

ツドンやヒジャブとて同様の状況である。以前からも女性はスカーフの生地やスタイルついては個別の好みがあったが、ツドンをブランド名と結びつけるようになったのは近年になってからだ。

宗教上慣行に関連する商品の商業化に不満の声もあるが、有名ブランドを持つことにはある種の利点があろう。だが、それに適切な値札が付いていないとすれば、それでも適切な商品だと言えるだろうか?

製品の価格はちょっと高めであるというのは落とし穴である。そうすることで消費者はその商品が欲しくなるわけで、教科書通りのマーケティングである。だが、そうなってくるとブランドとその消費者との感情的な繋がりを利用して模造品が市場に参入しはじめる。

 

無知は言い訳にならない

 

テレコンの製造小売業者Siti Khadijahは、同社の製品が偽造品の餌食となるのを目のあたりにした。Signature PremiumとThe Prayer Outfitの2つのブランドの類似品は、ベトナムの製造業者によってコピーされたことが判明したのだ。

Siti Khadijah HoldingのSahar Sahadグループ最高経営責任者(CEO)は、偽の製品は、元のバージョンに似たパッケージングで「SK(Siti Khadijah)Vietnam」として販売されていると言う。偽物は本物と同じくらいの原価がかかるが、通常はSiti Khadijahの最低価格150リンギットよりも安く売られている。SKベトナムの売り手はFacebookとInstagramに大胆にも広告を出している。

「私たちは、2年前に顧客からの問合せと品質不良に関する苦情を受けて、SKベトナムという会社を見つけ出しました」とSahar氏は言う。「我々はベトナムに工場を持たず、製品を輸入しているわけでもありません。当社のすべての製品は、SelangorのBangi工場で製造されています」

dUCkの創設者であるVivy Yusof氏も、そのスカーフが臆面もなくコピーされているのを見た。 「この1年間、ベトナムでは偽のdUCksを作るための準備が急速に進んでいます。これはビジネス上の現実です。先に進むための唯一の道は刷新することであり、法的手段で偽造者を止めることです」

同社はこの目的のために弁護士を雇う。法的措置には、具体的な詳細が必要となるため、時間と労力がかかる。しかし、偽造は明らかに違法であるため、結局、dUCkは常に勝ち、偽のdUCksの企業や売り手は負ける。

「私には、個人的に非常に多くの「申し訳ありません」という、彼らがなぜこのようなことをしているのかということを伝えるためのメールが来ます」とVivy氏は述べる。「気持ちはわかりますが、規則は規則です。彼らが謝罪するのは、捕まったからなのです」

「通常処罰は罰金になります。違法ビジネスに関わる前に、よく考えてください。多くの学生が我々の弁護士に罰金の額を減らしてくれと懇願しました。でも法律は無知を言い訳に許してくれません」

 

騙された顧客

Siti Khadijahの代表Mohammad Munzir Aminuddin氏は、ブランドが懸念するのは、偽物を作りはしなくても、そうした海賊行為を支持する顧客だと語っている。

「私たちのテレコンは、顔の周りの特別で柔軟なデザイン機能で知られています。それは特別なゴムバンドを使用し、特許取得済みです。使って破れたお客様には、当社のブティックにて、このゴムバンドを取り替えて差し上げています」

「しかし、偽造品修理のため来られた顧客もいました。彼女らは、自分たちが模造品を購入したこと、または贈り物として偽物を与えられたことを知りませんでした。私たちは顧客との長期的な関係を望んでいますが、このような不正行為や粗悪品などの問題に直面した場合、顧客は恥じてブランドから去っていきます」

Vivy氏は、インスタグラムでdUCkスカーフを着用していると言う人の写真にたくさんタグ付けされたが、明らかに偽物を身に着けている人も数えきれないほど多い。彼女は時にそれが偽物であると指摘すると、偽造品を着用している人は驚いて色を失う。

「彼女らのほとんどは、知らずに、騙されたと言っています。彼女らの多くは、知り合いやお気に入りのサイトから購入したもので、それはdUCkだと思いこんでいて、騙されたと言います。しかし、偽造品を身に着けていると知っている人もいます。私はそれについて何もすることはできませんが、いつか彼らが本物を買ってくれたらと思っています」

品質面では、偽のdUCkスカーフは本物とは比べ物にならないくらい劣っている。一部は粗悪な生地を使用して生産され、時にはプリントが鮮明ではない。一部の偽造品は、スカーフを本物と同じく箱に入れて包装しているが、細部がまったくちがっている。

「最も苦いのは、全く目にしたこともない、かつ醜悪なデザインに我々のロゴを印刷されているのを見せられることです。ボーダーの周りに繰り返された口紅のコンピュータクリップアートが印刷されたスカーフに巨大なdUCkのロゴが貼られていました。それがdUCk製品だと思う人がいることが信じられませんでした」

 

(後編につづく)

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最終更新:2018年07月12日

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