インドシナニュース

ミャンマー:EUの貿易特権、アパレル部門に警鐘を鳴らす(中)

(前編より)

 

「大きな後退」

ミャンマーのEU大使クリスチャン・シュミッド氏は、9月18日に欧州商工会議所のEuroChamが主催する朝食会談で、「ラカイン州の状況が改善しない場合の」ミャンマーのGSP停止の可能性について欧州のビジネス担当者に説明した。

EuroChamは、主にヨーロッパのバイヤーと投資家がミャンマーのアパレル業界にもたらす優れた労働権と環境基準を強調して、ブリュッセルの欧州委員会にGSPの撤廃を求めてロビー活動を準備している。

「ミャンマーの欧州企業の存在は、ジェンダーの平等、透明性、説明責任、社会的および環境的責任を含む欧州の価値観に影響を与えています」とEuroChamのエグゼクティブディレクターのFilip Lauwerysen氏はFrontierに語った。

同氏は、中国の賃金上昇によって東南アジアへの製造拠点の移管を促したが、中国と同様に、衣料品生産はミャンマーにとって堅実な産業基盤を構築する最良の機会を与えたが、同時に、労働者の福祉と環境への影響を改善する機会も必要であると述べた。

「適切に行われれば、それは前向きなな変化の手段となり得ます。しかし、現在それは失速に向けて深刻な脅威に直面しています。」と述べた。

2013年にミャンマーに進出したスウェーデンの衣料品小売業者H&M(現在、4万3千人を雇用、40の工場を持つ)のスポークスパーソンは、貿易特権の撤回はアパレル業界の大きな妨げになるとFrontierに語った。

「GSPの撤回は、同業界の継続的な発展とそれによって生み出される雇用機会に重大な影響を及ぼし、労働者と地域社会に悪影響を及ぼす可能性があります」と同氏は述べた。

MGMA議長のSoe Myint氏は、業界の規模にもかかわらず、EUを説得したり、ミャンマー政府がEUが指摘するミャンマーの人権問題への取り組みを重視するようにロビー活動をすることは無駄だと主張した。

「何をすることができるのでしょうか?私たちはこれらのプロセスのすべてすら理解していません!」と彼は言った。

 

超過時間

欧州連合(EU)が資金を提供するプログラム「SMARTミャンマー」を指揮するJacob Clere氏は、社会・環境基準を改善するため工場に直接働きかけている。同氏によると、ヨーロッパのバイヤーはアジアのバイヤーよりもはるかに厳しい審査に直面しており、労働者の福祉を改善し、より環境に優しい製法を促進する、とFrontierに語った。

「欧州企業の存在がミャンマーの基準を改善したことは間違いありません」と彼は言った。以前は産業に蔓延していた児童労働を減らし、また、殆どの工場が鉄骨構造になっており、 2階建て以上の建物では無くなった、と付け加えた。

Clere氏は、工場の上層部からの苦情や産業崩壊の予測にもかかわらず、業界は依然として高所得の労働者の中で成長している。ミャンマーの最低日当賃金は2015年の導入時ではK3600で、今年初めにはK4800に増加したと加えた。

さらに、アパレル業界における投資家の永続的な苦情である“熟練した教育を受けた労働者の不足”により、企業はより広い経済的恩恵を享受するために、より多くの訓練に投資することができた。

しかし、Clere氏は、ほとんどの工場、特にヨーロッパのバイヤーに供給している工場は最低賃金を支払っているが、一部の小規模事業では労働者の基本給与から一定額を控除している、と述べた。それらはより長い時間にわたってより困難な仕事に対して報酬を与えるための「ボーナス」として支払われる。 C&Aの委託を受けたアパレル労働力調査では、組合員数は全体の15%にとどまり、ほとんどの人が日常生活費を満たすために残業に大きく依存していることが分かった。

 

(後編につづく)

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最終更新:2018年10月12日

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