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ミャンマー:成長を遂げるアパレル産業に対する「真の代償」(前)

アパレル工場における差別やセクシュアル・ハラスメントは、労働者と産業双方に多大な代償をもたらす可能性がある。女性の経済的状況を改善するためには、従業員と当局は身体の安全性にも取り組む必要があると人権活動家は主張する。



ミャンマーのアパレル産業は中国のライバルとも目されているが、調査によると、職場におけるセクシュアル・ハラスメントや暴力が女性の就業機会と産業の妨げとなっている。

ミャンマーは衣料品の大量生産市場において中国を追い抜くため、カンボジア、インドネシア、フィリピンなどと同様、自国の衣料品・履物産業を着実に成長させようとしている。ヤンゴンの工業団地には新しい工場が次々と稼働を開始し、毎年30億米ドルもの輸出が計上されている。

一方で、欧米諸国のファッション需要を満たす多くの国々同様、ミャンマーのアパレル産業は労働者の権利をないがしろにしているという指摘に悩まされている。アパレル産業における労働力の約90%を占める女性にとっては、それは嫌がらせと差別に耐えなければならないことを意味している。

調査によると、縫製工場の労働環境が悪いことによる身体的、心理的な負担によって、女性労働者と産業双方に多大な財政的損害が生じている可能性があるという。ミャンマーの縫製労働者の経済的福利を向上させるために、専門家と人権活動家らは雇用者と政府に対し、職場における従業員の安全確保や男女平等への取り組みを求めている。

国際労働機関(ILO)のチーフ・テクニカル・アドバイザーであるCatherine Vaillancourt-Laflamme氏は、ミャンマーの職場における暴力や嫌がらせを、どのように止めさせるのが最善かに関する調査をリードした。この研究報告は第107回国際労働会議に合わせて発表される予定で、調査者は16の外資系工場で働く労働者に聞き取りを行った。彼らは、就業時間中の望まないスキンシップ、工場外での暴行、結婚生活についての質問、暴言など、さまざまな事例を収集した。

Vaillancourt-Laflamme氏は、この調査は多くの女性がハラスメントについて語った初めての取り組みであると述べた。調査結果によると、「友人や同僚との間で交わされる職場での「からかい」や、何が「セクシュアル・ハラスメント」に当たるのかについて、多くが誤解していました。」と彼女は言う。

「職場では、嫌がらせや虐待が発生した場合の正式なポリシーと対応のプロセスが不足しています。」

セクシュアル・ハラスメントや差別がミャンマーのアパレル産業にどの程度損失を与えているのかについて包括的な調査はまだ行われていないが、Care International2017年報告書によると、カンボジアのアパレル産業におけるセクシュアル・ハラスメントによる生産に対する損害は年額8900万米ドルにも及ぶという。その内訳は、労働者が安全でないと感じて職場を離職するコストが85000米ドル、常習的欠勤によるコストが545000米ドル、生産性低下のコストが8800万米ドルである。

この数字に触発され、世界銀行グループのInternational Finance Corporationのジェンダー・オペレーション・オフィサーであるEllen Maynes氏は、ミャンマーにおける職場でのハラスメントの状況を調査し、ビジネスに対する代償がどの程度かを測定する初の試みを計画していると述べた。

「現在のところ、ミャンマーにおけるセクシュアル・ハラスメントやいじめの状況、それによる有病率や、企業や経済に対する金銭的コストを示したデータはほとんどありません。」と彼女は述べた。



(後編につづく)



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最終更新:2018年06月01日

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