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ミャンマー:蓮池からハイファッションへ~美しい生地の伝統を紡ぐ(前)

ミャンマー広域のコミュニティにおいて、熟練した職人が織機を使い、蓮から作られた、世界で最も高価で素晴らしい織物を織る。

 

信仰と献身の心を表現する服装を必要とするのであれば、何万本もの蓮の茎の繊細な繊維を使って、手作業で細かく織り込まれたその織物が、間違いなく本命となるであろう。

その控え目な外観は、創造は簡単だと信じる者を容易に欺くが、それはすべて幻想である。

「この生地1平方メートルを生産するのに、少なくとも2万本の蓮の茎を必要とし、さらに熟練した職人が40日もかけて織ります。」とKhit Sunn Yin蓮織センターのオーナーであるMyint Thein Htun氏は述べた。

彼の作業場は広々とした伝統的な木造建造物で、ミャンマー東部シャン州にあるインレー湖で一番の観光地となっている。

このセンターでは、蓮糸で作られた手紡ぎの製品を展示するだけでなく、この珍しく魅惑的な布地を織ってみたいと、強い忍耐力と揺るぎない決意を持つ地元の人々のためのトレーニングセンターの機能も有している。

この作業場において数多くの織機がカタカタと鳴り響く音は、この手工芸品の制作にチャレンジしようという地元の人々の熱い思いを表している。またそれには当然の理由もある。

「蓮の糸で作られた1メートルのスカーフには、450米ドルほどの値がつきます。」とMyint Thein Htun氏は言った。彼の背後では、一組の旅行者が蓮スカーフの純正品を選んでいるが、その価格は750米ドルにも達する。

この珍しい生地は、1世紀以上も前に湖面を覆って咲いていた蓮の花の美しい繊維に気がついた、Sa Oo氏という熟練した織物職人によって生み出されたと考えられている。

仏教において蓮の美しさは心の純粋さの象徴であるため、この敬虔な職人は繊細な蓮の繊維を、心からの献身と魂の純粋さを表す修道士のローブに仕立てることを思いついた。伝説によるとSa Oo氏は、丸1年かけて蓮の繊維を取り出し、彼女の尊敬する大修道院長のために美しい衣装を織ったという。

今日では、このインレー湖の蓮から成る生地は宗教的な領域を越え、豪華なファッションの世界に展開されようとしている。

イタリアのデザイナーであるPier Luigi Loro Piana氏は、高級衣料品ブランドであるLoro Pianaを弟と一緒に経営しているが、この素材の素晴らしさと精密な生産プロセスに魅了され、彼の商品ラインナップに加えることにした。

インレー湖の蓮の糸で作られたLoro Pianaのジャケットは、5600米ドルで販売されている。

「この生地は亜麻布に似ていますが、生糸にデリケートな繊細さがあります。」とこのブランドのウェブサイトで紹介されている。

「高い鑑識眼を持つお客様のために制作していますが、1日でわずか数メートルの生地しか作ることができません。」

 

(後編につづく)



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最終更新:2018年03月24日

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