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ミャンマー:競争力のある日額最低賃金を設定

ミャンマー政府は、数か月の長期にわたり厳しく難航した雇用主や労働組合らとの交渉を経て、初めてとなる国家の最低賃金を承認した。

賃金は「平均的な一日8時間労働の場合」3600チャット(2.81米ドル)に設定され、2015年9月1日に施行される、と国営メディアであるGlobal New Light of Myanmar新聞が報じた。

国際労働機関によれば、新しく制定されたミャンマーの月額最低賃金は週6日の労働で約67米ドルになると見込まれている。これにより毎月の最低賃金が90米ドルから128米ドルのベトナムやカンボジアの好調な衣料品製造業者に対し競争上の強みを握ることができる。

最低賃金は従業員15人未満の小規模の企業を除き、「すべての分野や業界」の労働者に適用される。

今回の決定は国際的な制裁がほぼ撤回されたなかで、増加する海外の投資家の関心にこたえ、国に招き入れるための多くの政府の政治・経済改革の一環である。最低賃金政策は衣料品部門を対象に重点的に取り組まれる。

この変革を導いている主な勢力のひとつが成長している衣料品部門である。衣料品部門は2014年に15億米ドル相当の服飾や原材料を輸出(2年間で66%の増加)し、ミャンマーにおいて急速に成長を遂げている分野である。

この分野で働く膨大な数の労働者は、2011年に準民間政府が政権について以来、より良い賃金と労働条件を求めて闘っている。

ミャンマー政府は成長している衣料品部門に焦点をあて、この新しい変化が世界的な衣料ブランドがミャンマーから衣料品を購入するにあたり法律や労働コストの透明性をさらに提供できる一助となるとみられている。

加えて、今回の法律を施行するにあたり関与した企業も数社存在する。

ミャンマーで工場を13拠点展開するスウェーデンの小売大手Hennes & Mauritz、米国の小売Gap Incなどが最低賃金を設けるよう後押しをしてきた。これら西洋の製造業者によれば、低賃金は非生産的であったため、公平な最低賃金を選択するよう、国に圧力をかけたという。

 

アセアンにおける賃金競争、高まる

ミャンマーの衣料品業界は一時期発展を遂げていた産業であったが、米国の強い制裁をうけ、貿易上の特権を奪われ、前軍事政権に関連するリスクを恐れる海外ブランドが離れて行った過去をもつ。

この状況を打破しようとミャンマーの議員らは2013年に最低賃金に関する法律を通過させたが、アパレル業界で働く労働者によるストライキや、中国や韓国が大半を占めるアパレル工場のオーナーが最低賃金が高すぎると抗議したことにより、雇用主、労働組合、政府間の交渉が遅れていた。

この比較的低い水準で合意がなされた最低賃金でさえ、ミャンマーにおける労働者の低生産性により、これ以上の支払いは難しいと訴える雇用主もいる。

ミャンマーでは低賃金が多くの地元民がよりよい暮らしを求め母国を離れる主な理由である。教育を受けた者はよりよい条件と給与をよりよい国で受けることができ、これに二の足を踏むこともめったにない。

しかしながらきちんとした教育を受けてこなかった人々は、自国で得るよりも最低賃金が高い近隣諸国へ出かけ、移民労働者となる。

ミャンマー人が多く働く近隣諸国の代表としてタイがあげられる。タイの国家の最低賃金はミャンマーが新しく導入した最低賃金の3倍の300バーツで、同国の労働力の大きな割合を占める200万のミャンマー人が働いているとみられている。

最低賃金政策が施行されたことにより、ミャンマーは近隣諸国と効率的に競争し立ち向かい、地元の労働力を国内につなぎとめることができると期待している。



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最終更新:2015年09月11日

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