インドシナニュース

2017年07月 のニュース一覧

ミャンマー:アパレル工場が電気料金抑制のために太陽光発電システムを設置(後)

(前編より)

 

太陽光エネルギー活用の増加は、ミャンマーのエネルギー需要の高まりに対して送電線による電力供給の不足が深刻であるということを意味する。

このエネルギー供給不足と代替の選択肢がないことは、大企業、多国籍企業、中小企業、都市部と農村部の住民に影響を与えてきた。

先月ミャンマーにある日本商工会議所の中川勝司会頭はMyanmar Times紙に対し、電力供給の不安定さは、同国でビジネスを進める上で最大の障害であると語った。

十分で安定的なエネルギー供給がなければ、製造会社は最適な生産能力を保つことができない。

IFCの調査データによると、ミャンマーの人口の65%にあたる約700万世帯が送電線による電力供給サービスを受けられないという。農村部では3分の2以上の家庭がろうそく、灯油、低品質のバッテリー、ディーゼル発電機を利用してエネルギー需要を賄っている。

世界銀行グループやその他の支援団体の協力を得てミャンマー政府は、送電線の延伸と自家発電プログラムの組み合わせにより、2030年までに安定的な電力サービスに国民全員がアクセス可能となることを目指す国家電化計画を採択した。

太陽光エネルギーは外国人投資家によって主導されているが、また一部の投資家は太陽エネルギーへのアクセスを分散させることを目指している。

7月6日Greenlight Planet社は、バゴー地区にSun Kingブランドの小売店を開店した。この店では様々な太陽光ランプや家庭システムの購入に対し、EasyBuy(と呼ばれる分割払いサービス)と一括払いのオプションを提供している。

Sunlabob社は地元の協力会社と共に製品の導入やメンテナンスサービスを提供し、商業・産業向け太陽光発電技術の開発をリードする最初の国際ソーラーカンパニーになることを目指している、とScandling氏は述べた。

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最終更新:2017年07月26日12:02

ミャンマー:アパレル工場が電気料金抑制のために太陽光発電システムを設置(前)

ミャンマーのあるアパレル企業では、今後電力料金の上昇が予想されるのを受け、送電線を使った電力消費を削減するために太陽光発電システムを設置した。 7月3日月曜日ラオスに本社を置くSunlabob社は、オーストリア資本の縫製工場であるAnita Asia社に、ミャンマーで2基目となる、ピーク時92.6キロワットもの出力を持つ屋上型太陽光発電設備の設置完了と稼動の開始を発表した。なおミャンマー初の太陽光発電システムは、2016年末にヤンゴンのJunction Cityに設置された。 Sunlabob社の代表は、7月20日のMyanmar Times紙インタビューにおいて、ミャンマーの電気料金が今後高騰するに違いないため、Sunlabob社では太陽光発電事業に注力し、コスト削減を可能とする代替電力を提供していくことを目指すと述べた。 この太陽光発電システムは25年以上稼働できるように設計されており、Anita Asia社の電力需要の25%を自家発電によって賄い、会社に継続的なコスト削減をもたらすことが期待されている。 「現在ヤンゴンにあるAnita社のエネルギー需要の約25%は太陽光発電でカバーされており、費用を節減するだけでなく、環境負荷も軽減させ、事業の持続可能性という我々の誓約を実証するものとなっています。」とAnita Asia社のStephan Seidelマネージング・ディレクターは述べた。 2000年に設立されたSunlabob社はラオスを拠点に再生可能エネルギー開発事業を営み、発展途上国中心に分散型の再生可能エネルギーと浄水ソリューションの提供サービスを提供しており、アフリカ、アジア、太平洋諸島にも進出している。 同社のEvan Scandlingマネージング・ディレクターはMyanmar Times紙に対し、都市部においては商業や産業向けに送電線を使った屋上太陽光発電システムを、農村部では商業や村向けに自家発電の太陽光発電システムを稼動させることに注力していると述べた。この会社では、過酷な環境下でも稼動できるよう設計された発電システムを各所に設置するのを支援している。 2014年の操業開始以来、同社ではミャンマーで初となる2つの太陽光発電システムを建設しただけでなく、日本国際協力システム(JICS)の支援を得て、シャン州とチン州の11の村に(すべての電力負荷を発電機、太陽光・風力・水力など分散型電源から供給する)太陽光発電のマイクログリッドシステムを設置した。 Scandling氏は、アジア開発銀行(ADB)や世界銀行グループのような機関が、ミャンマー市場において太陽光発電という新しい技術に対する認識を広めるのに貢献してきたと述べた。 「3年前にはマイクログリッドシステムはほんの一握りにしか認知されていませんでした。しかしこの3年のうちにADB、GIZ、DRD、世界銀行などからの支援を受け、太陽光エネルギーが利用可能であることを様々なステークホルダーに知らしめたという意味で、大きな進展が見られました。」 「政府関係者もまた、太陽光エネルギーの意義を理解し始めています。」とEvan Scandling氏はMyanmar Times紙に述べた。 「実際に数々のプロジェクトが開始されています。人々は太陽光エネルギーが実行可能な選択肢であること認識し始めたのです。」 「太陽光エネルギーは当初、それが新技術であるために多くの疑念を持たれていました。ですが今では、人々はそれが実行可能な選択肢であるというデータや証拠を得ています。人々の認識と理解が変わったのです。」と彼は続けた。 その将来について楽観視されているものの、この国の太陽光発電はまだまだ意識改革の段階にある。ミャンマーの太陽光発電産業が世界の他の国々と同じ勢いで発展するためには多くの課題が残されている。 太陽光発電部門はその他ほとんどの事業同様、この国における複雑で不明瞭な規制に悩まされている。 Scandling氏は、政策や規制の明瞭性や透明性の確保は、産業界がミャンマーの市場を開発するにあたり明確な指針となり、太陽光発電事業を含むすべてのビジネスに対し、より良いビジネス環境を提供し、その収益獲得を支えることになるだろうと述べた。 そんな中、ミャンマーの首都ネピドーによる太陽光発電産業への支援は注目に値するという。 「政府からソーラーパネル、コンバーター、充電コントローラーへの輸入関税が免除されています。これら3つの設備はすべて、太陽光発電システムを構築する上で重要な部品となります。このことは、政府の太陽光発電事業の重要性に対する認識を示していると言えるでしょう。」とScandling氏は述べた。 彼はまた、政府が今後3〜5年の電力料金の見通しを示すスケジュールを公表すべきだと提案した。これにより業界は、送電線による電力と比較した太陽光発電の競争力を見積もることが可能となる。 また彼は、ミャンマーの主要電源による電気料金が上昇するだけで、ミャンマーの人々にとって太陽光発電システムがコスト節減につながるだろうと予測した。 (後編へ続く)

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最終更新:2017年07月26日06:02

ミャンマー:アパレル調達における倫理問題の舵取りをいかに行うか(後)

(前編より)

 

説明責任の課題

2013年バングラデシュのRana Plaza工場で発生した1134人の縫製労働者が死亡した崩壊事故を含め、アパレル業界内でも労働環境の改善を求める声が高まったいくつかの深刻な事故を受け、欧米ブランド各社は説明責任の必要性を強く意識するようになった。

「今日小売業者は、より広範囲にわたるサプライチェーンに対する責任や、罰金や風評リスクを負っています。」とクラウドサービスでのサプライチェーン・マネジメントを提供するSegura社のPeter Needle CEOは述べた。

「それは単にやるべきことというだけでなく、ビジネスにとっても良いことなのです。」と彼は述べ、株式市場に上場している小売業者は、生産プロセスにおける倫理的な問題が発覚し、株価が大幅に下落するような事態も想定されると指摘した。

ミャンマーではコンプライアンス規制が未整備であることを受け、小売業者や製造業者の双方にとって風評被害のリスクを軽減するための解決策として、情報開示の透明性が採られつつある。

Gap、Reebok、Marks & Spencerなどのブランド各社はウェブ上で、直接取引を行っているサプライヤーのリストを公開し、どこのどの企業が自社の製品を生産しているのを明らかにしてトレーサビリティを高めようとしている。

ミャンマーで2つの工場を運営する中国系製造業者であるDishang社は、すべての生産拠点における包括的で一貫した企業の社会的責任およびコンプライアンス方針が不可欠であるとする。

「我々は、(英国の倫理的業者推進NGOである)Ethical Trading Initiative(ETI)の倫理基準を最低限遵守すべき基準として採用しています。」とDishangグループの欧州統括ディレクターであるPhilip Roebuck氏は述べた。Dishang社は、Sedex社メンバー倫理的取引監査(SMETA)や廃棄物・資源アクションプログラム(WRAP)などの生産モニタリングとサステイナビリティ監査手法を活用している。また、Business Social Compliance Initiative(BSCI)などのサプライチェーン・コンプライアンス・システムも導入している。

「下請け工場を利用する際にいくつかの企業が直面する課題は、自社で完全にコントロールする制度で運営することによって回避可能です。」とRoebuck氏は述べた。

彼はミャンマーについて、この市場を理解し、サプライチェーンにおける適切なコンプライアンス措置を講じることができるのであれば、投資に値する低リスクの場所と見ている。「ミャンマーは現在政治的にも安定しており、外資系企業が土地を購入して、生産拠点を設立し、ビジネスを行うのに適しています。バングラデシュなどと比較しても、シンプルな輸入・輸出手続きで原材料を持ち込み、最小限のリードタイムで完成品を輸出できるという利点があります。」

ヤンゴンの政府は、労働権の保護や公正な給与支払いに対する取り組みについては不足があるものの、公益事業、交通、通信などのインフラプロジェクトの拡大については強くサポートしている。特別経済区(SEZ)を定める法律には、法人所得税の減税、輸入関税の減免および収用保護機構の条項が含まれており、この国でビジネスを進めることをより簡便に、そして魅力的なものにしている。

中期的には、政府が新しく打ち出した職業訓練に対する投資が、熟練労働者や管理職の増加をもたらすことが予想されている。

ミャンマーの人口は5400万人おり、そのことは縫製工場が大量の安価な潜在労働力を擁することを意味する。そしてこの有利な取引条件は、利益率を気にする小売業者に魅力的なものとなるかもしれない。しかしここでの労働条件は、往々にして妥当な水準からかけ離れている。

Oxfam InternationalのWinnie Byanyima取締役は、ミャンマーに投資する企業がコンプライアンス遵守を求めようとするのであれば、今がその時だと考えている。「ミャンマーは今、他の多くの低所得国が陥った不平等社会から離れるための好機を得ています。グローバルの小売業者、ブランド、ミャンマーの地元経営者らは、この政治的・経済的変革の瞬間を捉え、しかるべき圧力をかけなければなりません。」

 

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最終更新:2017年07月20日12:03

ミャンマー:アパレル調達における倫理問題の舵取りをいかに行うか(前)

ミャンマーは調達先としてますます魅力的な国となっているが、小売業者がそこでビジネスを行う際には、倫理問題の遵守について強く求めるべきである。

ミャンマーは広範囲に急速な変化を遂げつつあり、現在ではアジアで最も人気のあるアパレル調達先の1つとなっている。この国では何十年もの間軍事支配が続き、長期にわたる国際的孤立と内部紛争の末、ようやくクーデター政府が政治から段階的に撤退することとなり、世界経済に開放された。

この東南アジアの国では2015年11月に現代で初となる公正な総選挙を実施し、軍事政権の政治からの撤退に大きな進展が見られた。そしてEUや米国による経済制裁が緩和されたのに伴い、ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)は、大胆な産業の近代化目標を設定した。

現在35万人以上の労働者を雇用しているアパレル産業は、この国で最も強力な成長の牽引役の1つになると見込まれている。ミャンマー縫製業者協会(MGMA)が発行した2015年の白書によると、2024年までにこの業界の雇用者数は150万人にまで増加すると予測している。

隣国の中国やバングラデシュ市場では生産コストの上昇や地政学的リスクが問題になる中、ミャンマーのアパレル業界に対する需要が高まっている。経済の自由化や、投資や経済成長を促す規制改革に後押しされ、Primark、Gap、H&Mなどを含む世界のファッションブランド各社は、ミャンマーからの調達を増加させようとしている。

「小売業者とブランド各社は、常に最良の取引先を探しています。」と英国のファッション・テキスタイル協会(UKFT)のAdam Mansell CEOは述べた。しかし彼は、ミャンマーへ参入を検討している各社は注意してその一歩を踏み出すべきだと警告した。「ブランド各社は、未だ一般に根強く残っているミャンマーの人権に対する考え方について、神経を尖らせておかねばなりません。」

多くの近隣のアパレル生産地よりも低く設定されている平均賃金によって、ミャンマーは競争力を得ている。しかし社会保障の欠如、国際安全要件の遵守の不徹底、高い割合の権力腐敗などにより、その秩序が懸念されるような不祥事を引き起こし続けている。

この国では2012年3月まで労働組合活動が禁じられており、労働法や労使関係が整うのに時間がかかることが想定される。例えば1日8時間勤務した場合の3600ミャンマーチャット(2.06英ポンド)という最低日当について、工場経営者と新たに結成された労働組合による激しい労使交渉が、ようやく最終的に合意に達したのは2015年の終わりであった。なお、この賃金制度に残業手当は含まれていない。ミャンマーはこの賃金レートにより、国連の国際労働機関(ILO)の統計によると月額最低賃金が70~115英ポンドの、カンボジアやベトナムなどの東南アジア諸国よりも低い地位にある。

オランダに本拠地を置く多国籍企業研究センター(SOMOとして知られる)が実施した、12工場に対する2017年2月のリサーチによると、ミャンマー最大の都市ヤンゴン周辺で調査対象となった施設の中でも労働権違反が頻発していたことが分かった。雇用契約や苦情解決の仕組みの欠如、ILOが強制労働と定義する違法な給与減額、複数の児童就労の事例が、従業員からの劣悪な労働条件についての証言と共に報告された。ILOの調査によると、労働組合活動に従事する労働者に不利となるような労働法が現存していることが示されており、労働組合の組織率が低いことも判明した。しかし報告書の対象となった少なくとも1つの工場で製造を行っているSports Direct社の広報担当者は、労働者へのインタビューを、「ただの一例であり、事実の裏づけがない」としてはねつけた。

今年3月にロイター通信は、ヤンゴンにある中国系工場で働く縫製労働者が、労働条件や報酬を巡って暴動を起こし、生産ラインを破壊したと報じた。当時この生産ラインではH&M向けに衣料品を生産していたが、H&M社はこの事件を受けてすぐに工場との契約関係を一時停止し、労使紛争に対する懸念を表明した。

この中国系工場の経営者と労働者間の調整を行った労働・入国管理・人口省は、労使紛争解決の法的枠組みを改善するための法律改正を検討していると述べた。

一方で、スーチー氏率いるNLD党は、労働者の安全確保と労働改革を推進するよう、労働者団体や国際的に圧力を受けており、そのことは急速に発展し、歴史的に孤立していた市場に新規参入したいと考えている投資家に先行きを安心させる結果ともなっている。

 

(後編に続く)

 

 

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最終更新:2017年07月20日09:35

ミャンマー:タイや日本など海外からの帰国労働者を対象とした雇用創出が課題に

労働・移民・人口省U Thein Swe大臣は、タイ国内で労働法の規制が厳格化され、ミャンマーからの出稼ぎ労働者が帰国しつつあることを受け、政府は帰国者向けの雇用創出を計画していると述べた。

7月5日の労働省での記者会見で、U Thein Swe大臣は「政府は民間セクターと協力し、タイからの帰国者向けの雇用創出を計画している」と述べた。帰国者を対象とした雇用創出が政府の短期的優先事項となるという。

「大統領の主導で民間セクター開発戦略が実施される。新たな投資法や規制を整備し、ミャンマー投資委員会が国内・海外の企業による投資促進を図る。また、関係省庁が中小企業の資金調達の簡易化のためのプログラムを実施する。現在、帰国労働者は求人中の縫製工場で働くことができる。求人中のポストを埋めるため、ミャンマー商工会議所連盟との共催で就職フェアが頻繁に開催されている」と大臣は述べた。

現在までに3万4069人の出稼ぎ労働者が帰国し、地元で就職を希望する者もいるものの、ミャンマー国内で必要な書類を取得し、すでに職業斡旋業者や工場との繋がりのあるタイに戻ることを希望する者もいると大臣は述べた。

タイ国内にはおよそ300万人のミャンマー人が合法的、あるいは違法に働いていると政府は推測している。

一方で、労働省は求職者を日本に送ることを検討しているとU Thein Swe大臣は述べた。

「日本に合法的に労働者を送るための覚書を交わすことを予定している。詳細は覚書の調印後に発表する」と大臣は述べた。交渉はすでに最終段階にあるという。

ミャンマー人求職者は日本で製造業、建設業、農業の3つのセクターで働くことができ、渡航前には職業訓練プログラムも提供されるという。

「職業訓練と日本語のクラスが提供され、日本で想定される困難なども説明する。労働者の選定は日本側が行う」と大臣は説明した。

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最終更新:2017年07月11日12:04

ミャンマー:デザイナーが自国のファッションに倫理感を注入(後)

(前編より)

 

ファッションの奴隷

貧しいが新興のミャンマーは、H&M社やPrimark社のようなファッション大手にとって、可能な限り早く安い衣料品を提供するアパレル製品大量生産工場の新拠点に位置づけられてきている。

政府統計によると、昨年の輸出売上高はその前年2倍以上となる17億米ドルとなり、米国が10月に経済制裁を終了した後は急増すると予想されている。

しかしこの分野が国に急速な経済成長をもたらす一方で、労働者はアジアでも最低レベルの賃金しか得られず社会保障もないなど、ほとんど利益が得られていないとの批判が挙がっている。

多国籍監視団であるSOMOの最近のレポートでは、ミャンマーのアパレル産業における労働権の侵害について、喫緊の課題として取り組む必要がある重大なリスクであるとの警鐘を鳴らした。

Mo Hom氏など他の地元デザイナーらは、タイや中国産の安い輸入服の大量流入からミャンマーの伝統的な衣料品産業を保護するために活動している。

ヤンゴンにある彼女のブティックは、チン州やシャン州を原産とする綿やシルクで出来たカラフルなデザインの衣服で満たされているが、こうした商品の中には、伝統的な木製の織機を使用して手作業で数ヶ月かかっているものもある。

多くは緑茶やイチゴのような天然素材で染色されて繊細な色味を醸し出しており、それに彼女は伝統的な民族模様やシルエットを加えている。

「市場の需要が少なくなり、地元の工場はどんどん消えつつあります。」と2012年にミャンマーに戻ってくる前には、ニューヨークでデザイナーとして働いていたMo Hom氏は言った。

「本当に多くの工場が閉鎖しつつあるのです。」

 

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最終更新:2017年07月10日14:05

ミャンマー:デザイナーが自国のファッションに倫理感を注入(前)

ミャンマーが大量生産の衣料品製造拠点として発展する一方で、地元の若手デザイナーらはミャンマー発祥の衣料品の伝統を保全し、労働搾取の工場形態に一石を投じるために自国のファッションを利用しようと考えている。

ヤンゴンの商業地区にあるブティックでは、Pyone Thet Thet Kyawさんが少数民族の伝統的な模様や生地を使った独自のデザインで、Aラインのスカート、ドレス、トップスを制作している。

例えば彼女は、ミャンマーの女性が体にフィットしたサロンのような巻きスカートと合わせてよく着用するタイトな上着に、inngyi柄の高い襟足を加えている。

「我々ビルマ人は、民族の伝統的な衣装を本当に大事に考えています。」と彼女はミシンの音の響く店内でAFPに対して言った。「こうした伝統文様の衣服を現代風にアレンジする場合は、あまり派手になり過ぎず、また現代風になり過ぎないことに注意しなければなりません。」

ミャンマー人は自国の伝統的な衣服についてとても誇りに思っており、以前の軍事政権下においても、東南アジア全域に広がっていた均一的な西洋ファッションの流入から固く保護されてきた。

軍事政権は50年もの間、国を封鎖して外国の影響を排除し、すべての公式メディアにおいて何を身に着けるかを厳しく管理していた。

デザイナーのMa Pont氏は、1990年代に軍事政権によって統治されたテレビ局向けに服を制作していた際、肩や脇を少しでも見せることは許されていなかったと言った。

「我々は本当に不自由を強いられていたのです。」と彼女は述べた。

この時代、多くの女性が野党指導者のAung San Suu Kyi氏が着用する独特なスタイルを模したデザインをこっそりと仕立屋に依頼するなどし、ファッションは特に政治的な意味を持つものであった。

約20年もの間自宅で軟禁された後に解放された日に、Aung San Suu Kyi氏が身に着けていた紫色の衣服は、すぐにヤンゴンの街で人気のカラーになったと現地メディアは報じた。

 

嗜好の変化

昨年ミャンマー初の文民政府の指導者となった、民主主義の象徴であるAung San Suu Kyi氏が公式の場で身に着けているエレガントなビルマの衣装は、今日でも依然として広く賞賛の対象となっている。

しかしなお多くの人が伝統衣装、特に男性と女性共に着用するサロンのようなlongyiを好む一方で、ファッションは変わり始めている。

ヤンゴンで成長しつつある中産階級を対象としたショッピングモールが街に立ち並ぶようになり、辺境の工場では若くて安い労働力が国際ブランドの衣料品を大量生産している。

ブティックデザイナーのPyone Thet Thet Kyaw氏は、こうした業界の裏側を自身で体験してきた。

10代の頃、彼女は郊外にある衣料品工場で数ヶ月働き、一週間に2000ミャンマーチャット(現在で2米ドルほどの価値)を得ていた。

その経験により彼女は自身のブティックを開業して衣料品を制作する若手女性を養成し、彼女らが自身と同じ運命を辿らないようすることを心に決めた。

「昼食に10分しかかけられなかったり、トイレに行くこともままならなかったりするなど、生産が台無しにならないよう私は常に監督する必要がありました。」と彼女は言った。「ファストファッションや倫理に反するファッションが継続される限り、我々は苦しめられることになるのです。」

 

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最終更新:2017年07月10日13:05

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