インドシナニュース

2016年12月 のニュース一覧

ミャンマー:繊維業界が生み出す利益が労働者に行き渡らず

最新の報告によると、ミャンマーではアパレル部門の需要が伸びいくばくかの利益が出始めているものの、労働者は依然として権利の侵害に悩み、生計を立てるのにも困難な状態にあるという。

権利擁護団体のProgressive Voiceが繊維労働者199名を対象に行った調査により、昨年9月に成立した新しい最低賃金額(日額)が62%にマイナスの影響を与えていることが判明した。

報告によると、対象となった労働者の半分が新しい最低賃金法により手当やボーナスを失っており、3分の2以上が規制の厳格化や期待される生産高の上昇により労働環境がより厳しくなったと回答しているという。

3,600ミャンマーチャットに定められた日額の最低賃金はアジアで2番目に低い額であり、政府によって提案された際には「正しい方向に進むために必要なステップである」として労働者や活動家には渋々了承された一方、工場オーナーたちからは「労働コストの上昇が外国からの投資を妨げる」と非難された。

しかしながら繊維業界はますます繁栄し、一方でインフレや日用品の価格上昇などによる生活費の上昇により労働者達の生活はますます厳しいものとなったという。

「生まれた利益の大部分は労働者に行き渡っていません。最低賃金がいい例です。」と Progressive Voiceの臨時コーディネーターAung Khaing Min氏は語った。

「最低賃金が採択されたこと自体は良い事で、基本的な賃金は上昇しましたが、日用品や一般的な生活費の上昇により労働者は未だに生計を立てるのに必死な状況です。」

「政府は現在の最低賃金額を見直し、また最低賃金が生活費の上昇に伴う生活賃金を反映する様なメカニズムを確立するべきです。」と彼は加えた。

また調査対象となった労働者の半分以上がマネージャーや管理者との、「言葉による不当なプレッシャー」から「言葉や身体的な暴力」に及ぶ「問題」を経験しており、最も一般的なものとしては時間外労働の強要や解雇の脅迫などによる、期日までの完成に対するプレッシャーが挙げられている。

「政府は労働者の権利を守り、ミャンマー繊維業界の"底辺への競争"への参加を阻止する義務があります。」とAung Khaing Min氏は述べた。

「現政権は民衆の支持が未だに厚く、労働者を保護する法案を成立させることができます。そのため、労働者の権利を植え付け工場に最良の習慣を確立するためには格好の立場にあるのです。」

今回の報告書には、国際労働機関の中核条約の批准や、ILO条約に沿うよう労働組合法と労働争議法の両方を修正する事などの、政府に対する幾つかの提案が含まれている。

 

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最終更新:2016年12月29日18:19

ミャンマー:エンポリオ・アルマーニが国内第1号店を開店

ミャンマーで第1号店となるエンポリオ・アルマーニがヤンゴンに開店した。同国中間層の成長や外国人ビジネスマンの増加、裕福な海外在住ミャンマー人の帰国などによる支出能力の伸びにラグジュアリー系小売業は自信を深めている。

240平米の店舗(同社の呼び方に従えば「ブティック」)はヤンゴン中心部の5つ星ホテルスール・シャングリラホテルに隣接する新しいショッピングモール、スールスクウェアモールに先々週開店した。

同点はエンポリオ・アルマーニの紳士服、婦人服の全てのコレクション、アルマーニジーンズ、時計、眼鏡、ジュエリーを揃える。

「エンポリオ・アルマーニ ヤンゴン店の内装はジョルジオ・アルマーニと彼の建築家チームがミラノで注意深く計画、デザインしたものです。有機的な線にボリューム、光の遊びを加えることで、このスペースがモダンかつ刺激的な環境となるようデザインされました」と同社は発表している。

最近まで、ミャンマーの富裕層の多くが世界的なラグジュアリーブランドの商品を求めて海外に行っていたが、ミャンマー国内でハイエンド商品を取り扱う企業の存在感は徐々に大きくなりつつある。

ミャンマー国内でのハイエンドブランド商品への需要は近隣国と比較するとまだ低いものの、急速な経済発展とともに富裕層の消費者が増えることで需要も変化していくと予測されている。

 

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最終更新:2016年12月28日11:20

ミャンマー:新興アパレル生産国としての台頭(後)

(前編より)

 

地域間競争

この急速な成長にもかかわらず、ミャンマーの輸出数は地域の競争国にはまだ遅れをとっている。縫製産業では、2015年ベトナムが輸出額280億米ドル、カンボジアが57億米ドルを記録している。従って、ミャンマー国内で急速な成長を見せる一方、同レベルに到達するまでの道のりはまだ遠いのである。

しかしながら、ミャンマーに有利な点としては、ベトナムやカンボジアにおける最低賃金が著しく高いことが挙げられる。カンボジアは先日、縫製業界の2017年の最低賃金を、2016年の140米ドルから上昇となる、月間153米ドルに設定している。またベトナムの2016年の月間最低賃金は107米ドル〜156米ドルと、地域によって異なっている。ミャンマーの月間最低賃金は67米ドル(2015年データ)とベトナムやカンボジアに対し競争力が高く、衣料品メーカーにとって魅力的であり、Gap、H&M、Marks & Spensor、Primarkなどの大手はすでにミャンマー進出への道を開いている。

 

人権問題と今後

ミャンマーでの生産を検討する際は、人権侵害を阻止するための、工場の選定に対する適切な配慮を行うことが重要である。2016年8月、スウェーデン企業のH&M向けに操業するミャンマーの工場が、14歳の労働者を週6日間、1日12時間以上雇用していることが明らかになった。これはミャンマー国内では珍しいことではないため、投資者は自身の工場においてこのような事態が発生するのを防ぎ、国内におけるこのような習慣が根絶されるよう努力すべきである。さらに、ミャンマーはつい先日経済を再開したばかりであり、ずいぶん未熟な市場である。経済の約83%が家族経営の小規模ビジネスによって運営されており、インフラや銀行システムは、改善しつつはあるものの、比較的未発達である。従って、適切な提携先を見つけることが困難な場合がある。

しかしながらミャンマーの見通しは明るい。ほぼ全ての経済制裁が解除され、新投資法が施行される予定であり、ミャンマーの縫製製造業では高い成長率の持続が約束されている。政府は外国投資を積極的に招致しており、ベトナムやカンボジアなどのアセアン競争国よりも賃金水準は低いままに保たれているため、幾つかの大企業がすでに国内に参入している。より多くの小売業者が次数年内に参入予定であり、ミャンマーの東南アジアの縫製製造業界における新たな競争国としての台頭は約束されているのである。

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最終更新:2016年12月20日11:55

ミャンマー:新興アパレル生産国としての台頭(前)

ミャンマーでは2017年4月運用開始予定の新投資法が先日成立し、外国投資を招致する試みが続けられている。2011年より開始された数々の政策改革を受けて2012年に経済が再開されて以降、ミャンマーでは外国直接投資が急増している。軍事政権が終結する前年の2009年度(2010年3月期)の合計外国直接投資総額は3億2960万米ドルのみであったが、2015年度(2016年3月期)には最高となる95億米ドルに到達した。石油、ガス、エネルギーが外国直接投資の投入先として依然として最大ではあるが、製造業に対する投資も急速な伸びを見せており、3320万米ドルから10億米ドル以上に成長し、2014年には最高となる18億米ドルに到達している。

中国ではバリューチェーンの高度化に努め、ハイエンド製品の生産にシフトして以降賃金が上昇し、アパレルメーカーがその他諸外国に投資先を求めている。カンボジアとベトナムが新たな投資先として地位を確立しているが、ミャンマーが新たな労働力として競争に参戦し、アパレル製品の輸出額は2010年の3億3700万米ドルから2015年の14億6000万とすでに上昇を見せている。さらには欧米による経済制裁が全面解除され、ミャンマー衣料製造協会(MGMA)は輸出額を2020年までに120億米ドルに上昇する目標を設定している。これは、現在縫製業界に従事する約25万人の労働人口が急激に上昇し、125万人の新たな雇用を生み出すことを意味している。

 

欧米による経済制裁の解除

ミャンマーでは2003年から軍事政権が終結する2011年まで、主に欧米によって課せられた経済制裁に苦しめられていた。制裁としてはビザの発給禁止、金融サービスに対する制限、ミャンマーからの商品輸入の禁止、ミャンマー国内での新たな投資の禁止、アメリカ支援の強制などが実施されていた。そのためミャンマーの衣料品輸出は日本と韓国に依存しており、2014年衣料品輸出額の38%は日本、31%は韓国がそれぞれ占めていた。

しかしながら改革の結果、制裁のほとんどが解除されている。2013年、EUは軍事以外のほぼ全ての経済制裁を解除した上でミャンマーに一般特恵関税制度(GSP)を適用し、EUに対する無税・無枠の市場アクセスを認めている。アメリカもそれに従い、2016年9月のバラクオバマ大統領の来訪後ほぼ全ての経済制裁を解除している。

これはミャンマーの安定しつつある政治情勢に対する報酬であり、外国投資の新たな機会を作るためでもある。新投資法では内国投資法と外国投資法の不一致を排除し、税制と土地の使用権の面で幾つかの優遇策を提供している。これにより、ミャンマーの手頃な製造業を生かしたい外国投資家への道を開くこととなる。

 

衣料品輸出額の急激な成長

経済の再開以降、ミャンマーの繊維・縫製輸出額は急速な伸びを見せている。2010年以降衣料品の輸出は急激に成長し、現在では国の総輸出額の10%を占めるまでになっている。2016年度は新たな極地に到達しつつあり、2016年度(2017年3月期)の最初の5か月間の衣料品輸出額は7億4550万米ドルと、昨年同時期の2億3280万米ドルから大幅アップとなっている。今後の見通しとして、ミャンマー衣料製造協会は2020年までに輸出額が120億米ドルに到達する目標を立てている。これに従い、関連分野の雇用数も2015年半の約23万人から急増し、2020年には150万人を見込んでいる。

 

(後編へつづく)

 

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最終更新:2016年12月20日06:03

ミャンマー:グローバルブランドがEU支援のアパレル工場を選択した理由は…

ヤンゴンHlaing Tharyar工業団地のあるアパレル工場は、ミャンマーにおいて類稀なる成功事例であった。

きれいで白い床面、安定した湿度と明るい蛍光灯-Hlaing Tharyar工業団地にあるBogart Lingerieの施設にある品質管理部門は、縫製工場というよりは医療検査室のように見える。

ヤンゴンの工場内では、従業員が生産ラインから真新しいブラジャーや下着を箱詰めしてヨーロッパ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの小売店に配送する前に、不良がないかチェックしている。

「ここは恵まれた職場環境です。」とBogartで3年間勤務していたLwin Lwin Aungさん(30歳)は言った。

この工場はアパレル産業における優れた運営の輝かしい事例であるが、このような職場はミャンマーでは本当に珍しく、一般には労働組合運動は未熟で、貧弱な労務環境を指摘するレポートが多く見られる。

2015年12月にOxfamが発行したレポートによると、依然として超過勤務の強制、危険な職場環境、上司によるセクハラ、罵倒などがヤンゴンの縫製工場内において驚くべき頻度で発生しているという。

ミャンマーに参入する大規模な外資系ブランドは、このアパレル業界の過酷なイメージからの差別化を図っているが、いつも計画倒れに終わる。

今年の初めスウェーデンのファッションブランドH&M向けの製品を作っているミャンマーの工場2社では、14歳の少女を雇用して一日に12時間以上働かせていたことが明らかになった。

EUが支援するSMARTミャンマープロジェクトを支える人々は、ミャンマーにおけるこのような悪例を過去のものにしたいと願っており、アパレル製造業者と協力して業界のイメージをより良いものに変えようとしている。アパレル業界ではこの考えに賛同し、Elle、Tommy Hilfiger、Victoria's Secretを始めとするグローバルブランドでは、Bogart Lingerie工場でアンダーウェアを生産することを決定した。

海外の顧客と有利な契約を結ぶためには、メーカーは米国やEUのような主要市場の要求に沿う安全衛生、労働者の権利と品質水準を満たさねばならない。

SMARTプロジェクトはとりわけ、サプライヤーが労働者の権利と労働生産性を改善し、廃棄物を削減するのに役立っている。SMARTプロジェクトは工場運営のあらゆる面を監視し、監査のように機能している。SMARTプロジェクトではまた、工場が改善を必要とする項目のチェックリスト作成を支援している。

SMARTミャンマーのチームリーダーであるJacob Andrew Clare氏は、国際競争力を切望することがメーカーに社会的なコンプライアンスの遵守を強めてさせている、とMyanmar Business Today紙に対して述べた。

「ミャンマーには良いビジネスチャンスがあり、平均して1週間に1つの新工場が(Hlaing Tharyarに)開業しています。業界は変化を続けており、ミャンマーは難しい製品を扱う能力があるため、ますます複雑な製品に特化しようとしています。」と彼は言った。

Bogart工場はSMARTプログラムに登録された150の工場のうちの一つであり、Andrew Clare氏によると、成功事例として最上位に位置するが、地元や地方の市場向けに生産する昔ながらの工場は変化していくことへのインセンティブがないため、プログラムに参加しようとしないという。

アパレル産業に対する政府規制には不備があり、既に存在している事業に対して何かを強制する手段がほとんどないため、残された望みは競争の激化が製造業に自らの産業を改善することを促す可能性があるということである。

しかしカンボジアのような地域の事例が示すのは、産業はいつも労働者の権利を無視し、できるだけ安く、早く生産する方法を見出すものである、とビジネス・人権リソースセンターの東南アジア調査員兼代表のBobbie Sta. Maria氏は述べた。

それでも最終的には、ミャンマーのアパレル産業における外国直接投資が労働基準にプラスの影響を与える可能性が残されている。

「西側のブランドではほとんどが人権や労働組合を支援すべきというポリシーを掲げていますが、こうしたブランドとの関係が工場に大きな圧力をかけ、良い影響をもたらします。」

Bogart工場においても、財務的インセンティブが労働環境に対する投資を価値あるものにしている。

「それに投資をしなければ、収益力を保つことはできません。」とBogartのFelix Chaung常務は述べた。「投資を行えば作業効率が向上し、結果として労働者の賃金を増やすことができるのです。」

 

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最終更新:2016年12月08日00:50

ミャンマー:EUへのアパレル輸出が増加中

ミャンマー縫製企業協会によると、EUがミャンマーを対象とした一般特恵関税制度(GSP)を再開して以降、EU諸国からのアパレル発注が増加している。

同協会によると、日本からの発注が最も多く、昨年、ミャンマーから日本への縫製輸出は5億8000万米ドルに達した。

2003年以前は米国が最大の市場であったが、2010年以降、日本の重要性が増している。

「今年は日本に次いでEUが最大の輸出先となるでしょう」と同協会のMyint Soe会長は話す。

Khin Maung Lwin事務次官補によると、今会計年度、11月11日までの縫製産業の輸出額は10億ドルを超え、昨年同期と比較すると6億9000万ドルの伸びとなった。

出荷先は日本が33%、EU(特にドイツ)が25%、韓国が25%、米国、中国がそれぞれ2.4%であった。

ミャンマー国内には400以上の縫製工場があり、40万人が雇用されている。

米国はミャンマーからの縫製輸入を禁じてはいないものの、高い関税率により輸出は伸びていない。米国での綿衣料品の輸入関税は10-12%、ナイロン製品では37%である。

 

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ミャンマー ジャンル:
最終更新:2016年12月07日12:00

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