インドシナニュース

2015年05月 のニュース一覧

ミャンマー:Gap社、進出からわずか1年弱で生産高が3倍に

米衣料品大手Gap社は21日、同社広報を通じて、ミャンマー進出からわずか1年弱で、ヤンゴンの同社2件の工場の生産高がほぼ3倍になったと発表した。

Gap社は昨年6月、ミャンマーで衣料品の生産委託を開始すると発表した。これにより同社は、2012年に対ミャンマーの経済制裁が緩和されて以降、同国に進出した初の米衣料品メーカーとなった。

同社が委託している韓国資本の工場では、Old NavyやBanana Republicといった同社傘下の小売ブランドの製品を製造している。製品にはベストやジャケット、パンツなどが挙げられ、米国、欧州およびアジアに向けて出荷されている。

同社で政府関連・広報を担当するDebbie Mesloh部長は、米通商代表部・労働主導関係者評議会への参加後、取材に対して、「弊社では昨年以来、アウターの生産量がほぼ3倍になっています」と述べた。

Mesloh部長の話によると、同社では現在、各委託工場で、労働者の安全とサステナビリティを保証することによって「労働基準を引き上げる」取り組みを行っているという。

そして「まずは小さい規模から始めて、しっかりとした結果を出したいと考えていました」と話した。

昨年8月、同社は自主的に内部監査のレポートを米大使館に提出した。同レポートには、労働時間が長過ぎたり上司による言葉の暴力があったりなど、解決しなければならない数々の「コンプライアンス上の問題」が挙げられていた。

ヤンゴンにある同社2件の工場は、どちらも韓国資本および韓国人経営の企業だが、Gap社が提唱する品質や労働基準を満たすことが求められている。

Mesloh部長によると、同社は、ミャンマー政府、米政府および国際労働機関(ILO)と緊密に協力して、児童労働の撲滅や適正賃金の保証、労働者のための教育プログラムの実施などに取り組んでいるという。だが昨年レポートで明らかにされた問題については、特に触れていない。

同部長はまた「現地の関係者らには、取らなければならない手順というものが明確にあります。そしてわれわれは自らの役割を果たしたいと考えています」と話し、Gap社やミャンマー縫製産業と取引を開始したばかりのその他欧米企業などはこれまで、政府に対して、最低賃金制度を早急に実施するよう促してきたと補足した。

さらに「弊社が進出した1年前、最低賃金法はすでに制定されていました。賃金額はまだ設定されていませんでしたが、すぐに設定されるものと前向きに考えていました」と続け、Gap社は、社会的責任関係会社グループに参加する7社の企業と協力し合って、できるだけ早く賃金額が設定されるよう働きかけているところだと説明した。同グループには、例えばスウェーデンの衣料小売り大手H&Mなどが挙げられる。

ミャンマーでは2013年3月に最低賃金法が可決したが、賃金額の設定はこれまで先延ばしにされてきた。というのも労働省は、労働人口の数や生活水準、家計などの調査において、まだ結論を得ていないからである。これらの調査は、当初の予定から2年遅れて、今年1月末に始まったばかりだ。

2013年7月、ミャンマー労働組合連合(MTUF)は独自に同様の調査を行い、公定最低賃金については、3人世帯の場合、日給7000チャット(6.30米ドル)に設定すべきだと提言した。MTUFはミャンマーの有力な労働同盟である。

企業報告書によると、Gap社がミャンマーで合意した委託業務ではこれまで、約700の仕事を創出し、約4000人の雇用を支援してきたという。

Gap社の2件の工場のうち1件においては、副ゼネラル・マネジャーの話によると、従業員の9割が女性で、月収は週60時間労働で約120米ドルだという。

これらの工場は、それぞれYangon Pan Pacific International社、およびMyanmar Glogon社である。

 

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最終更新:2015年05月26日06:01

ミャンマー:仲裁協議会、Costec社にスト参加の労働者の再雇用命じる

ミャンマーで、1日当たり1000チャットの賃上げを要求してストライキを起こし、解雇となった縫製労働者らに対して、業務に復帰できるよう仲裁判断が下った。ヤンゴン地方域の仲裁機関が、当該工場に対して労働者らを再雇用するよう命じたためだ。だが工場経営者らは、すでにこれらの労働者の復帰を拒絶しており、目下、全国仲裁機関に仲裁判断を上告する考えだ。

ヤンゴン地方域の紛争解決仲裁協議会は、Shwe Pyi Thar工業団地にある158件の工場労働者について、5月7日から業務に復帰できるとの仲裁判断を下した。今年2月、何千人もの労働者がストライキを起こし、月収を現行の約4割に当たる3万チャット引き上げるよう要求した。ストライキを起こしたのは、同工業団地の4件の工場で働く労働者たちだった。

スト決行に当たり労働者らが張ったテントは、警棒を振り回した警官や赤い腕章を着けた民間人らによって壊された。こうした労働者のほとんどが若い女性だった。警官による攻撃は、在ヤンゴンの韓国大使館が、これらの労働者たちが働く工場の経営者らや、ストライキに参加していない労働者たちのために警備を強化するよう要請を受けたもの。同工場は韓国系のCostec Garments工場である。だがその後のインタビューで、Lee Baek-soon在ミャンマー韓国大使は、弾圧までは要求していないと主張した。

3月6日、ストライキに参加した労働者が業務に復帰しようとしたとき、経営者らはそれを拒絶した。

仲裁協議会とは、労働争議法の下、地方レベルおよび国家レベルにおいて、労使による労働争議の解決にあたる機関である。今回のストには複数の工場が関係しているが、仲裁協議会は、その1つであるCostec Garments工場の経営者らに対して、今後30日の間に労働者を職場に復帰させるよう命じた。また条件として、もともと従事していた業務に、もともと支払っていた給与額で復帰させることを挙げている。またこの期間内に職場に戻らなかった者は、退職したものとみなされる。

ストで解雇となったAye Sanda Winさんは13日、ミャンマー・タイムズ紙の取材に対して、こうした仲裁判断が下されたにもかかわらず、ストに参加した者たちが職場に復帰できるのかどうかについては定かではないと答えた。そして「皆、心から職場に復帰したいと考えています。生活費に困っているからです。しかし工場主は、われわれが職場に復帰するのを許可するつもりはないと聞いています。しかも仲裁判断を上告するそうです」と話した。

全国紛争解決仲裁協議会への上告は、1週間以内に行われるとされている。

Aye Sanda Winさんは「上告されるのかどうかについては、14日まで待たなければ分かりません。上告されなければ、職場に戻ることができます」と説明した。

さらに当初ストに参加した労働者の約6割がすでに実家のある場所へと戻っており、連絡も取れないと付け加えた。

一方、Ford Glory Garments 社で働くYaminさんの話では、別の工場で解雇となった労働者たちが、職場への復帰を目指して、ヤンゴン地方域の仲裁協議会に訴状を提出することを検討しているという。

ミャンマー・タイムズ紙ではCostec社の経営者らにコメントを求めたが失敗に終わり、本紙でそれを取り上げることはできなかった。

 

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最終更新:2015年05月21日06:01

ミャンマー:労働者の公定最低賃金額の確立に取り組む

ミャンマー労働省は、ヤンゴンの縫製工場における労使間の交渉を速やかにまとめるよう求めており、これによって労働者の公定最低賃金額を確立しようとしている。

同省は、交渉の結果から公定最低賃金の提案額を検討しようとしており、またそれを議会に提出して討論と承認を求める方針だ。従って政府が最低賃金額を公表するのは、数カ月先のことになるだろう。

議会議長のShwe Mann氏によれば、労使はともに、財務歳入省が設定した1日当たり3000チャット(約3米ドル)という公務員の賃金が、労働者の最低賃金額を設定する際の一般的な基準だと考えているという。

工業団地における現行の1日当たりの最低賃金は、900~1300チャットだ。

ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)は政府に対して、物価を下げるためには、国内の輸送費を削減する方針を立て、それに取り組むよう要請した。

最低賃金法の規約および付帯規則によると、最低賃金額は公布から2年以内であれば修正が可能だという。

政府は2013年3月に最低賃金法を制定し、同年7月に関連する付帯規則を承認した。

今月1日のメーデーに当たり、ミャンマーのテイン・セイン大統領は、同情の意を示しながらも、労使間の争議については労働争議解決法に従って解決すべきだと強調した。だがもし雇用者と労働者が、法律を無視して個人の希望だけで解決を図ろうとすれば、労使双方の利益だけでなく生産性にまで深刻なダメージを与えることになるだろうと忠告した。

大統領はまた、こうした争議に対して適切な対応を取ることができず、法律に基づいて減少させることもできないのであれば、結果として労働者による抗議は今後、国家の経済に悪影響を及ぼしかねないと述べた。というのも、これにより製造業界や労働者の家族の生活がダメージを受けることが考えられ、また海外からの投資が流入しなくなることで国内企業の拡張計画にも遅れが生じる可能性があるからだ。

さらに雇用者は、CSR(企業の社会的責任)を考慮に入れ、平和で安全、かつ健全な職場環境を構築しなければならないと強調した。またビジネスを経営する上で利益だけを追い求めるのではなく、社会環境に与える被害を防ぐシステムも作っていくよう求めた。

一方でミャンマー議会は先頃、現会計年度の2015~16年度において、4月から国家公務員の給与を引き上げる政府の決議案を可決した。

同給与の引き上げは、これまでの1年に1度から今後は2年に1度となり、毎月の手当も廃止される。

政府は、給与の最低額である7万5000チャット(約70米ドル)を今後、6割増の12万チャットまで引き上げることとし、一方で最高額の25万チャットについては、職位によっては2倍となる50万チャットまで引き上げることとした。

 

さらに2015~16年度の公務員の給与に2兆9000億チャット(26億7000万米ドル)を計上し、140万人の公務員の支払いに充てることとした。

政府は昨年1月にも、2014~15年度から公務員の給与を引き上げると発表。現政府は、2011年3月に政権に就いてからこれまで、4度にわたり給与の引き上げを実施している。

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最終更新:2015年05月11日06:02

ミャンマー:縫製業が急成長中、毎週新工場が誕生

世界の繊維産業がミャンマーに注目している。安価な賃金、豊富な労働力と2013年のラナプラザ崩壊事故による近隣のバングラデシュのイメージ低下、こうしたすべてがミャンマーにとってはチャンスとなった。

ヤンゴンのある工場で、緑の襟は一方に、白のポロシャツは他方に、と若い女性が慣れた手つきでミシンを操作して正確な縫い目をつけていく。彼女が作っているこの衣類は次の作業場に持ち込まれ、彼女の同僚が半袖に緑のテープを縫いつけていく。400人の女性が週日8時間、土曜日は4時間働くその上では、生暖かい空気を動かすように、ファンが回っている。ここはヤンゴン郊外のShweyi Zabe縫製工場である。

ミャンマー縫製業協会のKhine Khine Nwe書記は「2014年には毎週新しい工場が誕生していました」と話す。

現在、300以上の工場で20万人が働いている。隣のバングラデシュには4000の縫製工場がある。

「今後10年で3000件の工場の設立を望んでいます」と彼女は話す。目標は現在年間10億ドルの輸出を10倍に増やし、100万人を雇用することという。そして、投資家も乗り気である。中国、台湾や韓国の企業がミャンマーに続々と流入しつつある。

Shweyi Zabe工場のAye Aye Han工場長は、工場間の競争が激しく、1-2ドルの昇級をもちかけて従業員を引き抜いてしまうと話す。ミャンマーはバングラデシュ縫製産業の不調をうけて業績を伸ばしつつある。2年前に起きたバングラデシュのラナプラザ縫製工場の崩壊事故は1000人以上の死者を出し、縫製工場の劣悪な労働環境が衆目を集めた。

ミャンマーの政治状況もまた好ましい状況にある。軍事政権による数十年の閉鎖状態を経て、国が解放されつつある。名目上文民統制の政府が2011年に誕生し、それを好機と見る人々も多い。ミャンマーの縫製業者は「明らかに、スタート台に着いたばかり」とドイツファッション協会のThomas Ballweg氏は話す。

「今後の成長に期待できます」と彼は話す。ミャンマーの工場は多くが1階建てか2階建てで明らかに堅牢に建てられており、8階建てであったラナプラザとは異なる。作業室は清潔で、管理者には新しい意見を取り入れる姿勢がある。

ルーマニア、ブルガリア、ギリシャとインドに工場を持つドイツの下着メーカーESGEの社長であるChristian Maag氏はShweyi Zabe工場でミャンマーの生産近代化のための支援を行なっている。ESGE社は生産計画のためのソフトウェアを提供し、布地の廃棄を減らすためのコンピュータプログラムの作成を支援した。

「2013年には生産性を2割上げることができました」とAye Aye Han工場長は話す。

しかし、前途はまだ長い。ミャンマーの生産性は中国の半分であるとの推計もある。中国の生産性は高いが、賃金も高い。The Verisk Maplecroft Consultancyによると、ミャンマーの労働コストは世界のどこよりも低い。Gap、H&M、Addidasといった企業はすでにミャンマーでの生産を開始している。

「これはある意味開発援助のようなものですが、ビジネス上の意味があってのことです」とMaag社長は話す。「うまくいけば、発注する予定です」

試験導入は比較的うまくいき、拡大も視野に入れつつ、Maag社長は「ミャンマーの縫製分野の将来は明るい」と確信を持っている。

「EUが支援するSmart Myanmarプロジェクトが、雇用創出と良好な労働環境の実現、そして省エネルギーと廃棄物リサイクル、水使用量の削減を目的として、ミャンマー縫製産業の持続的な発展を支援しています」

ドイツの開発援助組織であるGIZとともに、ドイツの工業協会の組織であるSequaのSimone Lehmann氏がプロジェクト責任者を務める。「私たちは中小企業を主な対象としており、ミャンマー企業の80の工場のうち、16工場を支援しています」とLehmann氏は話す。

スウェーデンの服飾企業Lindex社のサステイナビリティ部門責任者のLars Droemer氏もまた、ミャンマーの将来について楽天的である。縫製業界が倫理規定を採用し、15歳以下の子供の雇用禁止、最低賃金の保証、最長労働時間週60時間の設定、労働組合結成の自由などを定めたことについて、Droemer氏は高く評価している。

「業界基準の設定について最初から支援することができたので、私たちはミャンマーに大きな関心を寄せています」とDroemer氏は話す。Lindex社は事業の理念として「人-地球-利益(People-Planet-Profit)」の順番で尊重しているという。

地元の産業開発も持続可能性の一部である。「外国企業はどこかにもっと安く操業できるところがあれば、工場を閉鎖し移転します。しかし、地元の従業員はそのようなわけにはいかないのです」とDroemer氏は話す。

小規模なミャンマー企業はまだ自社で生産過程を完結させることができない。現在は縫製と梱包を行っているが、大きな顧客は生地や糸の調達から通関、出荷までのすべてのサービスを求めている。

ミャンマー縫製業協会はこの弱点を克服しようとしている。「私たちはミャンマー国内の製織工場を必要としています。そしてそのためには資金と、再輸出のための原材料の輸入関税免除、そしてより多くの熟練した労働者が必要です」とAye Aye Han工場長は話す。

Ballweg氏は自信を見せる。「今日のミャンマーは10年前のバングラデシュのような状況です。しかし、現在は3倍の速さで物事を進めることができます」

 

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最終更新:2015年05月09日06:01

ミャンマー:賃金問題により縫製品輸出が減速

ミャンマー商業省の発表によると、2014年4月から2015年3月の会計年度の縫製製品輸出による収入は8億9600万米ドルで、前会計年度と比較すると30%以上の減少となった。

商業省の統計によると、2013-2014年の会計年度でミャンマーは13億ドルの縫製製品を輸出している。

「賃金問題をめぐる労働争議と頻繁なストライキがあったため、2015年の初めには輸出手続きと受注に遅れが生じました。」と商業省貿易振興局のU Win Myint局長は話す。

現在、縫製繊維産業ではおよそ300の国内企業による工場と、28の中国、日本、韓国やヨーロッパ諸国等の企業が直接投資した工場でアパレル製品を生産している。

今年初頭には、3件の中国企業の工場と、2件の韓国企業の工場で賃金引き上げを求める労働者らがストライキを起こす事態となった。

ミャンマー縫製業協会(MGMA)の幹部U Khin Hlaing氏はミャンマービジネストゥデイ紙に対し、「労働市場の不安定さから、受注が減少しています。また、熟練労働者が足りないため、期日通りに納品できないという問題もあります」と語った。

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最終更新:2015年05月06日14:02

ミャンマー&カンボジア:メーデーを機にデモで賃上げを要求(前)

メーデーの1日、ミャンマーの商業都市ヤンゴンでは、市内の3カ所の工業団地で働く何千人もの縫製労働者らが市内をデモ行進し、最低賃金の引き上げを要求した。労働者のほとんどは女性だった。

Hlaingthayar工業団地、Shwepyitha工業団地およびMingalardon工業団地で働くこれらの労働者たちは、工場主に対して、日給を現行の約1500チャット(1.40米ドル)から5000チャット(4.60米ドル)に引き上げるよう要求した。また他の東南アジア諸国では、労働者の賃金がミャンマーよりも高いことを引き合いに出した。

労働者らは、このほど政府がヤンゴン地域の工業団地100カ所を対象に行った調査についても指摘した。調査で判明したのは、同地域に住む労働者は、1日に平均約3000チャット(2.75米ドル)の生活費が必要だということだった。この金額でどうにか生計を立てることができるのだ。デモに参加したThant Zinさんは、インタビューで「ミャンマーの労働者の最低賃金は極めて低く、アセアン諸国の水準と比較しても格段に低いのが現状です」と答えた。さらに「労働者を保護する適切な法律もありません。こうした問題が絡み合って、われわれは苦しい状況に陥っているのです」と述べた。

政府の担当職員らはこれまで、賃金交渉において労働者と工場主とのまとめ役を務めてきた。だが話し合いにほとんど進展はなく、依然として平行線をたどっている。

88世代学生グループ(88 Generation Students Group)の労働運動家であるMar Mar Oo女史によると、工場は採算を合わせるために1カ月約10万チャット(92米ドル)の売上を目指しており、これによって労働者に極度の長時間労働を強制しているという。同女史は「最低賃金を設定するのは政府の役割です」と話し、「労働者たちは毎日長時間働かなくてはならず、体調を崩す者もいます」と続けた。

労働者は欠勤すると、1カ月3万~5万チャット(28~46米ドル)の基本給から、1日当たり3000~6000チャット(2.75~5.50米ドル)が工場主によって差し引かれる。

ヤンゴンのデモ行進は市内の広場まで続いた。そこではメーデーを記念する式典が開催されており、世界の労働者や労働者階級が称えられていた。

 

大統領からのメッセージ

ミャンマー労働・雇用・社会保障省のAye Myint大臣は、式典でテイン・セイン大統領からのメッセージを読み上げ、最低賃金の引き上げは国内の労働者に深刻な影響を及ぼす可能性があると忠告した。

メッセージに書かれていたのは「最低賃金を引き上げれば生産コストは上昇し、物価も上がります」「工場主が新たな設備を導入して今よりも低コストで作業を行ったり、工場を閉鎖したりすれば、労働者は職を失うでしょう。こうした状況は、賃上げによって今後引き起こされる可能性のあるマイナスの影響です。さらに賃上げは、海外投資の妨げとなる恐れもあります」などということだった。

だがミャンマー労働組合連盟のAung Lin代表は大統領の忠告を跳ねのけ、労働者の賃金は引き上げられて然るべきだと述べた。そして「政府は、政府職員の基本給を1カ月12万チャット(110米ドル)に設定しています。従って労働者の最低賃金も、その額を下回るべきではないのです」と説明した。

同連盟の広報担当責任者であるThet Hnin Aung氏は、インタビューで、政府は労働者が直面している問題についてもっと認識すべきだと述べた。そして「メーデーの式典に政府高官を招待したのはわれわれです。労働者の声を聞いてもらいたかったからです」と話し、「政府が今後、何の対策も取らないとしても、それは彼らの自由です。しかしわれわれとしては、問題に気付いてもらわなければなりません」と続けた。

 

権利への目覚め

Hlaingthayar工業団地で働くNew Ye Winさんは、ミャンマーの労働者のほとんどが、自分たちに与えられた権利について学ぶ必要があると話す。しかし「例え学んだとしても、その権利を要求するだけの勇気がありません。それによって職を失うのが怖いからです」と打ち明けた。

権利について詳しいKo Ni弁護士は、インタビューで、ミャンマーの憲法には約20の労働法が存在しており、そのほとんどが英国の支配下にあった植民地時代に発布されたものだと説明した。その後、英国から独立し、国が社会主義体制に移行すると、これらの法律は効力を失った。同弁護士は、従って「ミャンマーには今日、労働者のための適切な法律はほとんどありません」と話す。また「企業の経営者は、例えば健康面での気遣いや安全な労働環境の確保、能力向上のための支援など、労働者のためになるようなことは何もしません。低賃金で長時間働くよう命令するだけです」と続けた。

 

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最終更新:2015年05月05日06:01

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