インドシナニュース

2014年11月 のニュース一覧

戦略策定でミャンマー縫製産業は拡大できる

ミャンマーの縫製分野において実効性のある戦略が作成、実施されるのであれば、海外投資家にとって今後10年間にわたり最も期待できる分野となりうると縫製産業の専門家は語る。

しかし、縫製業界は非常に競争が激しい上に、ミャンマーはこの業界において経験豊富なバングラデシュやカンボジアとの競争にも直面している。

先週ヤンゴンで開催されたミャンマー縫製業協会年次総会での会員の話によると、より大量の安定した注文を、さらに高い利益で得ることが現時点での課題である。

縫製業協会では2014年末までに、業界改善のため政府と協調することを目指し、事業管理チームを立ち上げようとしているとU Myint Soe会長は話した。

「2014年のミャンマーからのアパレル製品輸出は推計15億米ドルに達しましたが、戦略通りに進めば、今後10年以内に年額100億ドルの輸出高を達成できるはずです」と彼は言う。

ミャンマーは現在、低利益で大量の縫製製品を産出することに特化しているが、こうした生産形態においては特に、競合諸国より魅力的な工場立地の優位性を提供できるかということが課題となる。例えばバングラデシュは2億人以上の人口を擁し、200億ドルを輸出しており、これはミャンマーの輸出高の20倍にあたる。しかし、投資家の中には、バングラデシュ縫製業はすでに飽和点に達したのではないかとの懸念、また人災、天災に対して脆弱であることを懸念する声もある。

今ミャンマーがバングラデシュの成功から学ぶ点は多い。

U Myint Soe会長は、縫製業は雇用創出の面からも非常に重要であると述べた。縫製業の拡大とともにさらなる労働力が必要となり、100万人単位の雇用を提供できる潜在的可能性がある。

EU市場への特恵的アクセス、そして中国市場のミャンマーからの輸入受入れの兆しを考慮すると、縫製分野の前途は明るい。

「平均して1週間に2000人規模までの1工場が開業しています。この傾向はヤンゴン郊外から、地方まで拡大するでしょう」とU Myint Soe会長は話す。

しかし、縫製産業がその存在的能力を最大限に活かすためには、いくつもの大きな課題を克服しなければならない。主な制約としては、脆弱な金融制度、輸出入税制、社会基盤、人材訓練、技術が挙げられる。これらの分野については政府の支援と、課題克服のための包括的な戦略が必要となる、とU Myint Soe会長は語った。

» 続きを読む

ミャンマー ジャンル:
最終更新:2014年11月24日14:00

ミャンマー:投資の急増で成長に拍車

「アセアン投資レポート2013-2014」によれば、ミャンマーにはCLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)のように、今後さらに多くの外国直接投資(FDI)を呼び込む力があるという。と言うのもミャンマーには、採取産業やインフラ事業のみならず労働コストが安価であるという強みがあり、それがメーカー企業を魅了しているからだ。

同レポートは今月10日、首都ネピドーで行われた「第4回アセアン投資フォーラム」で公表されたもの。それによると、2013年の対ミャンマーFDIは前年比約2倍の26億ドルだった。一方、他のアセアン加盟国のFDI流入額においては、インフラ事業や採掘事業での契約上の合意・利権といったノンエクイティ投資は含まれていない。

また アセアン事務局と国連貿易開発会議(UNCTAD)投資企業局(DIAE)が共同でまとめた「FDIの促進と地域バリュー・チェーンの構築」と題するレポートによれば、昨年アセアン諸国に流入したFDIの総額は前年比80億ドル増の1220億ドルで、これは対中国FDIの額にほぼ匹敵するという。今後の投資においては、その多くがアセアン加盟国の企業によってもたらされるものと考えられており、これらの企業はアセアン経済共同体(AEC)の設立に先がけて、各国や地域で基盤づくりを進めようとしている。

2012年に英国が6億6400万ドルを投資した場合を除き、2008年以降の対ミャンマーFDIはそのほとんどが中国によるものだった。だが昨年、シンガポールとタイがそれぞれ6億5500万ドルと4億9400万ドルの大規模な投資を行い、これにより最大の投資元が中国からアセアン加盟国へと切り替わった。レポートによれば、2013年の対ミャンマーFDIはその75%がアセアン加盟国と中国によるものだったという。

2014~15年の会計年度において、ミャンマー当局は約50億ドルのFDIを見込んでいる。

対ミャンマーFDIのほとんどがインフラ事業や、石油、ガス、採掘といった採取産業への投資によるものだが、一方で製造分野への投資も増加している。外国投資法のおかげで製造分野へのFDIは昨年ほぼ7倍になり、前年の4700万ドルから3億6400万ドルにまで増加した。また石油、ガスへの投資額は前年比139%増の16億ドルだった。

労働集約型の業態やアパレル企業にとっては、安価な労働コストもまた魅力の一つとなっている。

こうした企業には、Costic International社、Honeys Garment Industry社、Nadia Pacific Apparel社、Manufacturer GFT Enterprise社、JS Filter社、Eurogate Sportsware社、THY Garment社、Shinsung Tongsang Inter社、Korea Link Industrial社およびMac Do社などが挙げられ、さらにタイの大手アパレル企業数社も、コスト面の理由からミャンマーで事業を立ち上げる計画としている。

ミャンマーで事業認可を取得した海外の衣料品メーカーおよび靴メーカーは、昨年さらに増加した。台湾のMelody Global and Sunny Shoes社、中国のSDI Manufacturing社、Donglong Feather Manufacture社、Jiangsu Solamoda Garments社、香港のAMG Factory社などがそれに当たる。

一方、対ミャンマーFDIの急激な増加は、対内投資によっても支えられている。

例えば海外投資家がミャンマーに殺到したことで、2012年以降、不動産やホテル、旅行関連事業への投資が急激に増加した。ホテル会社では、フランスのアコーホテルズ、米国のベストウエスタンやマリオットなどが挙げられる。また飲料メーカーでは、デンマークのカールスバーグ、オランダのハイネケン、タイのタイ・ビバレッジなどが昨年、事業認可を取得した。

より基盤的な側面に目を向けると、マレーシアやシンガポールの企業が、空港建設、その他インフラ事業に従事している。また東洋エンジニアリング社のタイ現地法人Toyo-Thai Corp社も昨年、ガス発電所の建設で第1フェーズを完成させた。さらに三菱や丸紅、住友といった日本の商社が、Thilawa経済特別区の建設および開発を進めている。

レポートによれば、「つまりミャンマーには、わずか数年の間に世界各国の投資家が数え切れないほどやって来た」のである。例えば2013年までに投資を行い、すでに事業を開始している企業には、ゼネラル・エレクトリック(米国)、サムスン(韓国)、 ユニリーバ(英国/オランダ)、キャノン(日本)、ヒルトン(米国)、ハイネケン(オランダ)、カールスバーグ(デンマーク)、マツダ(日本)、フォード(米国)、日産(日本)、ペプシコ(米国)およびブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)などが挙げられる。またコカ・コーラ(米国)やユニリーバ(英国/オランダ)などいくつかの企業も、今後数年間にわたる大規模な投資計画を発表している。さらに著名な多国籍企業も、将来的にミャンマーの複数の産業に対して投資を計画しているという。

UNCTAD投資傾向課題部門で部長を務める藤田正孝氏によると、ミャンマー進出において、日本の対ミャンマー投資は増加傾向にあり、また日本以外の海外投資家も同市場に関心を示しているという。そして「ミャンマーやその周辺国では、海外投資をめぐって互いに競争を繰り広げている。ミャンマーは今後、例えば衣料産業などにおいて、カンボジアやベトナム、タイと競合していかなくてはならないだろう」と述べた。

 

 

» 続きを読む

ミャンマー ジャンル:
最終更新:2014年11月22日06:00

ミャンマーのネット通販事情(後)

(前編より)

 

一方、ネット通販というものは一種の「チャレンジ」のようなものでもある。利用者は写真だけを頼りに商品を決めるため、トラブルにつながる可能性もある。また洋服のサイズや品質、実際のデザインなど、買う側だけでなく売る側にとっても一筋縄ではいかないことがある。

例えば、販売業者が製造依頼をかけた衣料品においてそのサイズが大きすぎた場合、販売業者はサイズの調整を行うことができるが、反対に小さすぎた場合には、当初予定していた顧客に売ることはできないため、別の誰かに販売するか提供しなければならない。

2011年にマンダレーでLittle Things She Needs Fashion ShopをオープンしたEi Layさんもまた、顧客の要求を受け入れる形で近々ネット通販を開始する。だが自身はインターネットでの買い物は好きではないと話す。その理由を「服によっては、写真と実際の商品の色が違うことがあります。配送が遅れることもしばしばです」と説明した。

だがインターネットでの買い物すべてを否定しているわけではない。店舗で見付からない製品を、インターネットで見付けることも可能だからだ。

「市場で手に入らないものを買うのに、ネット通販を利用するのは良いと思います。しかし必要なものすべてを揃えるには、それほど便利なものではありません」と話し、「インターネットで自分の服を買ったことは1度もありません。これまでに買ったのは、ベッドとまくらくらいです」と付け加えた。

自身のオンラインストアを100万チャットで開設したSu Pyi Kyi Thar Hlaingさんは、オンライン・ビジネスを始める上で、支払いの問題や売上減少の可能性といったマイナス面は、例えば「誰でも始められる」といった実質的なプラス面によって相殺されるのではないかと考えている。彼女は「実店舗を持つのに十分な資金のない人は、その多くが、自分が管理できるサイズでオンライン・ビジネスを始めます」と話す。

ビジネスを行う者にとって重要な課題は、常に開業資金である。また実店舗の開店には家賃や人件費の削減が求められるが、インターネット上の店舗では、これらを支払う必要はない。

ネット通販での売買は、売る側と買う側の双方にとって便利なものである。だがやはり、店舗に足を運ぶという従来の買い物の方法と完全に置き替えることはできない。Nan Le Le Soeさんによれば、特にマンダレーでの買い物は重要で、人々は必要なもののほとんどを73番街や35番街、69番街、ダイヤモンドプラザなどで購入するという。

だがEi Layさんは、店舗での買い物がいかに便利だとしても、人々はやがてインターネットで買い物をするようになると考えている。それは時代の流れであり、ミャンマーでインターネットの接続率が上がれば、自然と生まれるものでもある。

彼女は「今や手頃な価格で買える電話機もありますし、インターネットもすべての人が利用できるようになっています。インターネットでの買い物は、マンダレーでも徐々に注目されるようになるでしょう」と締めくくった。

 

» 続きを読む

ミャンマー ジャンル:
最終更新:2014年11月15日14:00

ミャンマーのネット通販事情(前)

今やネット通販は簡素化され、ワンクリックで買い物ができるようになった。だがミャンマーではまだまだそうはいかない。それでもなお、オンラインストアを開設しようとする者は後を絶たない。

インターネット接続の向上に伴い、ミャンマーでは過去数年間にわたって、衣料品や電化製品などをインターネットで販売することが定着し、特にヤンゴンを中心に人気を集めるようになった。今ではOoredoo社、Telenor社、MPT社など携帯電話会社と契約する人も増え、オンラインストアやフェイスブックで手軽にショッピングを楽しめるようになっている。

ミャンマー第2の都市マンダレーでショッピングをするには、通常「店に行き、店員と話し、欲しいものを買う」という従来の方法が必要になる。だがマンダレーで暮らす人々もまた、ネット通販に興味を持ち始めている。まずインターネットで商品を探し、注文を行う。その後、銀行経由で決済し、1週間から10日で商品が届く、といった流れだ。

2007年に自身の衣料品店Hello QueenをオープンしたNan Lae Lae Soeさんは昨年、ミャンマー全土にわたる常連客の後押しもあり、試験的にオンラインストアを開設した。

彼女はその経緯について、「当店には、タウンジーやヤンゴン、ネピドー、モンユワ、ミッチーナーなど、マンダレー以外から来られるお客様もいらっしゃいます。こうした方々にはこれまで、バイバー(Viber)(無料通話・メッセージアプリ)を使って店舗でしかお買い求めいただけない製品の新作写真をお送りしておりました。そのようなわけで、オンラインストアの開設を勧められるようになったのです」と説明した。

一方でフェイスブックのアカウントも作成し、商品写真や価格の掲載、受注などに利用している。同店のオンラインストアでは配送サービスも提供しており、5万チャット以上の購入で自宅または最寄りのバス停まで商品の配達を行う。

Nan Lae Lae Soeさんによれば、マンダレーでは同店の認知度が以前より上がり、店の売上もアップしたという。またオンラインストアは、新聞や雑誌の広告よりはるかに露出効果が高いものだと述べた。

一方、19歳のSu Pyi Kyi Thar Hlaingさんが立ち上げたのは、インターネット上のファッションストアだ。だが彼女はこのウェブサイトを、自身がデザインしたものを販売する場所ではなく、友人らとつながり楽しみを分かち合うための場所として活用している。

彼女は「最新デザインの服をショッピング・モールやブティックで見付けるのはたいへんですが、インターネット上では簡単に見付けることができます」と話す。ネット通販で洋服を買うことが多いSu Pyi Kyi Thar Hlaingさんは、購入後、製品の写真をフェイスブックに投稿し友人らと共有する。彼女は「友人たちは私が着ている服を気に入ると、同じものを注文して欲しいと依頼してきます」と話し、「代理注文を始めて半年になりますが、今では常連のお得意さんもいるほどです」と続けた。

彼女は「ユニコーン・アンド・レインボー」と呼ばれるウェブサイトを立ち上げたが、コンテンツの掲載や受注は、個人のフェイスブックを通じて行っている。

人々がウェブサイトの閲覧やネット通販に興味があるのは明らかだ。だがミャンマーのネット通販には、販売する側と購入する側の双方にリスクが伴う。と言うのも、ミャンマーではインターネット・バンキングもモバイル・バンキングも確立されていないからだ。

Nan Lae Lae Soeさんは以前、支払いを待つのではなく、前払い制で販売していた。そのときの状況について「バイバーで請求書を送り、最寄りの銀行から送金してもらうようお願いしていました」と話し、「発送は大体その2日後です」と説明した。

 

(後編につづく)

» 続きを読む

ミャンマー ジャンル:
最終更新:2014年11月15日06:00

ミャンマー:EUの支援によりアパレル産業にCSR導入

欧州連合(EU)が資金を提供する、ミャンマー衣料産業のための「SMART」プロジェクトは先月30日、ヤンゴンのSule Shangri-Laホテルで開催された記者会見および公開討論会で、今後CSR(企業の社会的責任)への取り組みに着手すると表明した。

プロジェクト・マネジャーのSu Tayar Lin女史によれば、同活動では、ミャンマーの衣料産業がより持続的で社会的に責任のある産業になるよう意識向上キャンペーンの一環として、国内企業約3000社に対して書籍やビデオ、ポスターなどの配布を行っていくという。同産業は現在、何万人もの労働者が働く巨大産業である。

討論会は、ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)、Yoma Bank Group社、国際労働機関(ILO)およびアジア太平洋開発金融機関協会(ADFIAP)の各代表によって行われ、CSRの活動がミャンマー企業にもたらす効果や、活動を行う中小企業の発展にどのような影響を及ぼすのかなどについて協議した。

開会のあいさつを行った商務副大臣のPwint San博士は、同会議の重要性を強調するとともに、活動を通じて社会、環境、ビジネスすべてにとってメリットのある状況が作り出されるだろうと述べた。

またUMFCCIのWin Aung会長は、これまで多くの経営者に対して、企業や産業全体に役立つCSRに取り組むよう奨励してきたと話した。

一方、同会議の主催者「SMART」ミャンマーも、CSRへの取り組みはミャンマー企業にとって有益になるとの見方を示している。

「SMART」プロジェクトでは、「メイド・イン・ミャンマー(ミャンマー製)」の衣料が持続的に生産されるよう産業の促進と支援を行い、同産業における中小企業の国際競争力を高めていく。

「SMART」ミャンマーによれば、経済成長だけに焦点を当てた発展というものは、そう長くは続かないのだという。またミャンマーが世界の流行に追い付いた背景には、CSRの考え方と深く関係があるとしている。CSRとは慈善活動ではない。内部の業務プロセスやコミュニケーション、従業員の満足度、生産性などの改善を図る戦略なのである。社会基準や環境基準に則ったCSRへの取り組みは有効な経営戦略であり、かつ海外バイヤーとビジネスをする上でしばしば必要となる条件でもある。CSRは衣料産業以外でもすでに企業戦略に組み込まれており、有意で着実なものとなっている。従ってミャンマー企業は今後、こうした実際の事例から学ぶことができるものと期待されている。

ADFIAPのOctavio B. Peralta会長は、ミャンマー国内の全中小企業がCSRに対する考え方を共有し、実践に移すことを目指している。

「SMART」とは、「SME(中小企業)」「Environmental(環境に配慮した)」「Accountability(説明責任)」「Responsibility(責任)」および「Transparency(透明性)」の頭文字を取ったもの。

» 続きを読む

ミャンマー ジャンル:
最終更新:2014年11月13日14:00

このページのトップへ戻る