インドシナニュース

ミャンマー:350人の縫製労働者がストライキ

5月17日、工場関係者が違反行為を行なったとして、ラインタヤ郡区の第3工業ゾーンにあるJoin-Profit縫製工場の縫製労働者350人以上が、労働基本権を求めるストライキを開始した。

5月18日、工場労働者組合のKo Zaw Min書記は、「労働法で規定されているにもかかわらず、我々は休暇を取ることを許されていません。当然の権利であるにもかかわらずです。」とミャンマータイムズ紙に対して語った。

また同氏は、工場側が労働者に休暇を取ること決して許さず、もし休暇を取った場合は給与をカットすると明かした。さらに労働者たちは、工場関係者や労働者監督官が、労働省の役人の目前で締結された以前の労働契約書に関しても違反したと語った。工場側は労働者たちを厚遇すると約束したにもかかわらず、無礼な態度をとったのであった。

そのため5月17日、全工場労働者がストライキに集結し、労働法を遵守し、以前の契約に違反しない様工場側に対し要求した。

「残業を強制されました。みんな疲れているのに、最低賃金すら支払われませんでした。工場関係者は我々の給与を引き上げることを拒んでいます。」と昨日、工場労働者のMa Tin Myo Waiさんがミャンマータイムズ紙に対して語った。

彼女は同工場で4ヶ月間働いているが、就労開始時の日給は1800ミャンマーチャットで、現在は1日あたり約2700ミャンマーチャットを受け取っている。

「給料の受取額は150万チャットで、残業を含めて月に80時間以上働かなければなりませんでした。私の基本給(日給2700チャット)では、支出を補うことはできません。」とMa Tin Myo Waiさんは語った。(給与と計算がどの様にごまかされたのに関しては明確には説明されなかった。)

また彼女は、たった8平方フィートの部屋に、彼女と友人の一人が5万ミャンマーチャット支払わなければならなかったと述べた。

ストライキを行う労働者たちはまた、雇用契約(EC)を取り交わし、労働法に従った社会保障福祉書類を発行するよう工場側に要求した。

さらに彼らは、給与明細の情報の明確化と、十分な理由なしに労働者の給与をカットしないよう、工場のTsp部門と一般労働法を通じて要求した。

5月18日、工場関係者達は工場の正門前で2度、仕事に戻るよう労働者に対し求めた。

ミャンマータイムズ紙とDVBのレポーターは昨日、工場役員とのインタビューに招かれたが、2時間の待ち時間の後にメディアとの面談を拒否された。

ミャンマーの2013年最低賃金法によると、雇用者は3600ミャンマーチャットの最低賃金を各労働者に対し支払わなければならないとされている。(訓練・仮採用期間を含む)

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最終更新:2017年05月22日06:02

ミャンマー:熟練労働者不足に直面

オンライン求職サイトJobNet.com.mmの情報によれば、ミャンマーは熟練労働力の不足に直面している。

熟練労働者不足は世界的に問題となっている。ミャンマー企業も外資系企業も、職務に求められる熟練労働者の確保に苦労している。専門家は労働市場で有資格者が不足しており、需要に対応できていないと指摘する。

「長期的には熟練労働者の確保のためには教育セクターが最も重要な役割を担っている。政府は民間セクターと協力し、公教育システムの枠内で、格安で到達可能な目標のある教育を実施するべきだ」とJobNet.com.mmのMatt De Luca社長は話す。

連邦議会は2013年8月30日に雇用・技能開発法を承認した。この法律は有資格人材の育成、国内労働力の競争力強化、熟練労働者の継続的な供給を目指すミャンマー政府の政策を背景としている。労働・移民・人口省はシンガポール政府及び教育省を始めとする18の政府機関の協力を受け、職業訓練を実施している。

 

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最終更新:2017年05月11日17:54

ミャンマー:前会計年度縫製輸出額は18億ドル

ミャンマー商業省によると、同国の「裁断・縫製・梱包(CMP)」委託加工型縫製業による2016年4月-17年3月までの会計年度の売り上げは18億3600万米ドルであった。縫製製品輸出額のおよそ33%が日本、25%がEU向けであった。ミャンマー製縫製製品は韓国、米国、中国市場にも輸出されている。

靴、衣類やバッグの委託加工型産業はミャンマーの2016年総輸出額のおよそ16%を占めた。前会計年度の委託加工型産業による輸出額は6億2700万米ドルであった。

ミャンマーの縫製産業は30万人以上を雇用している。ミャンマー縫製企業協会によると、同国は2020年までに輸出額120億米ドル、およそ150万人の新規雇用創出という野心的な目標を設定している。

ミャンマーの縫製セクターにはスウェーデンのH&M、アメリカのGapをはじめとする世界的大企業がすでに投資を行っている。

 

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最終更新:2017年05月10日13:41

ミャンマーがバングラデシュの脅威に

経済制裁から回復しつつあるミャンマーでは、繊維アパレル産業への再起を始めており、繊維生産諸国の中でも最も手ごわい競争国として高い可能性を秘めている。

ミャンマーは繊維産業の深い経験を持つが、バリューチェーンの全てをカバーしているわけではない。

それにもかかわらず、カート・サーモン社(Kurt Salmon Global Sourcing Reference)によれば海外直接投資額が過去2年間で3倍増となっており、高い可能性が示唆されている。

小売業界を中心としたグローバル戦略の主要なコンサルティング企業であるカート・サーモン社は、繊維生産6か国(バングラデシュ、中国、インド、モロッコ、ミャンマー、トルコ)の生産コストインデックス(PCI)をベースとした調査を行った。

調査によると、品質の高い製品の低価格帯での供給力から、ヨーロッパの小売業社にとって最も魅力的なのは6か国の内バングラデッシュであることが判明した。

同社は、6か国の2005年〜2015年の衣料品目輸入データを分析している。

インドが第3位で、モロッコ、ミャンマー、トルコがそれに続く。

世界の繊維産業ではバングラデシュに代わる国は現在のところはない、とヨーロッパの繊維バイヤー向け調達コンサルタントであるDhyana van der Pols氏は述べた。

「そのためバングラデッシュでは、ビジネスのさらなる成長が見込まれます。」

ただしバングラデッシュでは、生産をベーシックな繊維製品から付加価値のあるアイテムに移行していく必要があると同氏は述べた。

「我々は今閑散期に差し掛かっていますが、将来の展望はとても前向きです。」とバングラデシュ縫製輸出業者協会のSiddiqur Rahman会長は述べた。

 

国際比較

しかしながら、カート・サーモン社の国際比較ではバングラデシュは2位で、カンボジアが1位であった。

調査によると、カンボジアでは生産過程により多くのテクノロジーを導入しているため、世界的にはカンボジアがバングラデシュを上回っているという。

中国の生産コストはモロッコなどの南ヨーロッパ周辺諸国を既に上回っており、東ヨーロッパやトルコとほぼ同レベルに達しつつある。

中国は輸送リードタイムもなく、調達の柔軟性もかなり劣っており、結果として競争力が急速に低下しているという。

「中国はすでに、低コストの生産国ではありません。」

過去10年間で中国の賃金は3倍に増加し、生産性の上昇も生産コストに対する賃金上昇の全体的な影響を切り崩すことはできなかった。

デニム衣料の中国離れは特に著しく、2014年には大体の市場がシェアを伸ばした一方で、中国は7%のロスとなった。

デニムの例を見ると、トルコ、チュニジア、ポーランドは従来のアジア諸国よりもコスト構造がはるかに高いにもかかわらず、シェアを拡大している。

一方で、ミャンマーとバングラデシュは最低レベルのPCIとなっている。

ミャンマーやバングラデシュにおける最低賃金の設定など、社会情勢やインフラ条件の改善に対する継続的な努力は将来的な調達コストの増大を意味してはいるものの、PCIレベルの現在の競争力は非常に高い。

レポートによると、バングラデッシュはヨーロッパや北米における市場シェアを伸ばしているが、未だに複雑性の低い製品に焦点を当てているという。

バングラデシュは、社会的・環境的なコンプライアンス基準を順守しつつ、生産能力を展開し品質を向上することができれば、相対的な位置付けをさらに強化する可能性を大いに秘めている。

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最終更新:2017年05月06日05:57

ミャンマー:女性縫製労働者らの生活の内幕

ヤンゴン北部のMingalardon工業団地にある縫製工場で働くMa Wutt Yeさんが医師の指示に従って傷病休暇を申請した際、上司はまったく同情を示さずに彼女はすぐに業務から外された。

工場で働いている間、Ma Wutt Yeさんはうつ病と心臓病を患っているとの診断を受けた。しかし彼女の主治医がミャンマーの社会保障協会非公認の公立診療所に勤務しているとして、この工場は彼女の休暇申請を拒絶した。

さらにこの工場では、Ma Wutt Yeさんの社会保障カードの権利行使についても繰り返し拒絶した。

Ma Wutt Yeさんの問題はかなり深刻であるが、こうしたことは決して珍しいことではない。ミャンマー中の工場労働者(特に女性)は、常に虐待と搾取に晒されている。

「改革の背後で置き忘れられた声」と題するドキュメンタリー映画では、これまで語られることのなかったこうした女性らの話を国民に届けることを目的としている。

4月25日にビルマ女性連盟によってリリースされたこのドキュメンタリー映画は、女性縫製労働者66人に対するインタビューと、ヤンゴン郊外のMingalardon、Shwe Pyi Thar、Hlaing Thar Yar工業団地にある13の多国籍企業における4ヶ月にわたる調査結果をまとめたものである。

この30分のフィルムでは、労働権を主張するために工場の方針と戦い、生産ラインでの悲惨な状況を明らかにしようとする3人の労働者に密着している。

ビルマ女性労働組合のメンバーであり、このドキュメンタリー映画の調査員を務めるMa Ei Mon Pyo氏は、縫製工場における労働力の90%は女性が占めているため彼女らに焦点を当てたと述べた。

さらに女性らは、職場における健康や安全に対する問題だけでなく、性差による差別にも直面しているという。

「我々は最低賃金の問題が片付いた後、こうした問題に直面する女性の声を国民の目に届けたいと考えていました。」と彼女は言った。

ミャンマー政府は2015年に弁護士や人権団体と協議し、1日当たりの最低賃金を3600ミャンマーチャットに法的に改定したものの、工場労働者らはこの金額でも依然として生活賃金をはるかに下回っていると主張している。

「我々は工場に行って女性労働者らと面会し、彼女らが一体何を求めており、工場においてどのように扱われているのか、いくつかのグループに分けて議論しました。」とMa Ei Mon Phyo氏は続けた。

工場の中ではたとえ虐待されても、労働者らはマネージャーや監督者に対して意見を申し立てることはできない。また労働者らは、解雇をちらつかされて労働組合を結成することを妨害されている。

多くの工場において労働者が仕事を開始するに当たり、たとえどんなに不当であっても工場のルールと規則に従うことを記した契約に署名することが求められる。

例えば生産ラインで火災が発生した場合、機械のスイッチが物理的に労働者に近いところにあるという理由で、その責任はマネージャーではなく労働者に課されるという。

労働者らはまた、1回のシフト勤務につき2回のトイレ休憩しか取ることができない。また生理痛などのいかなる理由であっても、決められた時間よりトイレに長くいた場合は非難され、給料を削減するなどと脅される。

このような状況においても、仕事を続けたいと望む多くの労働者や、安い労働力を利用し続けたいと望む企業や外国人投資家にとって、声をあげないことが最良の選択肢となっている。

情報・文書部門(the Information and Documentation Department)でコーディネーターを務めるNaw Hel Lay Paw氏によると、ミャンマーのアパレル産業に対する外国投資は、2007年の22億ミャンマーチャットから2012年には120億ミャンマーチャットにまで増加した。

10年間で100億ミャンマーチャットもの成長を遂げたことで、アパレル産業はミャンマーで最も収益機会の多く、魅力的な投資先の一つとして海外投資家らに認知された。

だがこうした経済的な繁栄の一方で、工場労働者はその恩恵をまだ受けていない。

「工場労働者の生活は、抑圧と搾取によってさらに困難なものになっています。労働者の生活水準を改善するどころか、マネージャーらはさらに多くのルールを作ろうとしています。」とNaw Hel Lay Paw氏は説明した。

「労働者らは週6日、1日11時間も稼動し、常に工場で働いています。彼女らは一般的な権利意識に欠けており、工場では懲罰的な虐待が横行しています。」と彼女は続けた。

Ma Wutt Yeさんのように多くの工場労働者は社会保障カードを持っておらず、工場監督者に要求しても無数の言い訳によって拒絶される。ミャンマーの多くの職種において社会保障カードを労働者に支給するかどうかは経営者に一任されており、状況によっては財務上の調整弁として利用されている。

社会保障カードがなければ、労働者らは健康保険や退職給付を受けることを拒否されることとなる。

積極的な改善活動に発展することを期待し、今月後半にはこのドキュメンタリー記録を議会、国中の人権団体、社会組織に配布する予定としている、とNaw Hel Lay Paw氏は明らかにした。

「我々は全国の労働者の権利意識のために戦い、女性労働者らの声について啓蒙していきます。」と彼女は述べた。

 

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最終更新:2017年05月02日14:28

ミャンマー:縫製産業が米国での最恵国待遇を要請

ミャンマー縫製企業協会は同国の裁断・縫製・梱包(CMP)委託加工型縫製業が関税免除を受けられるよう最恵国(MFN)待遇獲得のための働きかけを行っていることを明らかにした。

縫製企業協会のMying Soe会長は「米国への委託加工製品輸出の際の最恵国待遇確保のための計画を提出した。これは国家レベルの問題だ。免除される関税率は0から5%となる。最恵国待遇では税率は5%以上有利になる」と述べた。

米国は2016年にミャンマーへの経済制裁を停止するとともに一般特恵制度を再適用した。しかし、衣類は特恵制度の対象リストから除外されている。

米国は綿製衣類には10-12%、ナイロン製衣類には37%の輸入関税を課している。高い関税率が縫製製品輸出の障壁となっている。

縫製企業協会のKhaing Khaing Nwe書記長は、「EUと日本からの受注増により、委託加工型縫製製品の輸出額は2017年には22億米ドルに達すると考えられています」と話す。

商務省によると、2016年4月から2017年2月末までの委託加工型縫製業の輸出額は16億4000万米ドルに達し、前年同期を10億米ドル近く上回る実績となっている。

縫製製品輸出額のうち日本が33%、ドイツをはじめとするEUと韓国がそれぞれ25%、米国と中国がそれぞれ2.4%を占める。

 

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最終更新:2017年04月24日18:37

ミャンマー:様々な困難が縫製業界を形成、女性の地位向上に寄与

3月19日、ミャンマー衣料製造協会(MGMA)はパネルディスカッションを開催し、繊維・縫製業界が苦難を乗り越え成功を収めてきたことを論じた。

MGMAのKhine Khine Nwe書記によれば、繊維業界に従事する多くの労働者は十分に教育を受けていないものの、多くの人々が力強くトップに躍り出てきたという。

教育の欠如、貧困、家族の世話、、、MGMAやミャンマー商工会議所連盟によって招待されたパネリストは皆似たような境遇をたどっている。

そして逆境にもかかわらず、彼らはあらゆる困難に耐え、成功を収めてきた。

ラカイン州民族大臣のZaw Aye Maung氏も、繊維・縫製業界はミャンマー人女性の力強さを表す良い例だと説明した。

大臣によれば、その大半が女性である同業界の仕事熱心な労働者が、ミャンマーにおける女性の権利や男女平等参画に寄与してきたという。

「国内外事業の大きなコミュニティの代表であるMGMAが女性の地位向上に貢献しているように、我々政府でもまた、徐々に女性が重要な役職を占めてきています。我々は完全な男女平等社会に向けて努力しています。」とZaw Aye Maung氏は述べた。

ミャンマーの繊維業界は、特に地方出身の多くの低所得層の家族にとって人気の職種となってきている。

成長する経済の中、繊維産業は相応の成長を遂げたが、工場労働者による頻繁なストライキなど、最低賃金に関する問題にも直面してきた。

またMGMAは激しく否定しているが、同業界は児童労働の利用に関しても国際組織によって非難されている。

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最終更新:2017年04月10日07:55

ミャンマー:地元起業家が人口流出を阻止すべくラカイン州初の縫製工場を設立

ラカイン州の起業家が困窮する同州からの人口流出を食い止めようと、ラカイン州で最初という縫製工場が設立された。

2月25日に工場を開業したU Min Zaw氏は、これまでにおよそ100人を雇用したと話す。その多くが女性で、ラカイン州の州都シットウェSat Yo Kya地区の工場近隣の住民である。

工場では地元の学校の制服を製造している。

「地元で就労機会を創出し、他の地域への人口流出を防ぐことを目的にこの工場を設立した」とU Min Zaw氏は話す。

Sat Yo Kyaには、2012年の内乱で住居を失った仏教徒のための避難民キャンプがある。この内乱で、数万人のロヒンギャ・ムスリムもまた住居を失っている。

縫製工場は20億ミャンマー・チャット、およそ146万米ドルの資本金で創業した。地元政府が工場用地の選定と工場での電源確保で支援を行った。

ラカイン州はミャンマーで2番目に貧しい州で、就労機会の不足から国内他地域への大規模な人口流出が続いている。

ラカイン族の深刻な貧困で州内のムスリムへの不満が募る状況が続いている。民族主義者らはムスリムを侵入者と主張しているが、国際組織はムスリムが迫害されているとしている。

ミャンマー投資委員会(MIC)は2月、人口流出を防ぐための方策としてシットウェへの縫製工場の立地を提言していた。ラカイン州平和構築開発中央委員会はMICに対し助言を要請していた。

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最終更新:2017年03月23日12:09

ミャンマー:アパレル産業はまっとうな仕事をもたらすのか?(後)

(前編より)

 

ミャンマー経済は、止まない武力紛争、多岐にわたる人権リスク、国際標準を満たさない労働法、および市民活動の制限のもとに成り立っている。新しく組閣された政府は国際人権基準に沿った法律にアップグレードし、施行することが求められている。同時に、重大な人権リスクと産業界で横行している労働権侵害についても喫緊の課題として取り組まなければならない。

このような状況下で営業するすべての企業は、一般的なコンプライアンス責任を超えた責任を負う。外資系メーカーや外国資本が参入するには、土地の搾取、疑わしい所有関係や軍による介入、外資系縫製工場の強力なプレゼンス、児童就労や現地民族の保護など、関連するリスクを掘り下げた、厳密かつ地域独自のデューディリジェンス手続きを確立する必要がある。この地でビジネスを開始できるかどうかを判断するには、人権や労働権違反に関する徹底的なリスク評価が必要である。企業はコミュニティの権利やその土地独自の慣習的な権利を考慮すべきであり、特に既存、またはこれから開発する産業地区や特別経済区に関して、事前同意や通達の原則をしっかりと適用すべきである。またリスクを評価する際には、地元の労働組合やNGO団体、関連する国際市民社会組織(CSO)に相談する必要がある。

ミャンマーで稼働する外資系縫製工場の関係者は、ミャンマーと取引を行うブランド、小売業者、代理店同様、サプライチェーンにある取引先企業が人権を尊重しているかどうかを監視する責任がある。これには国際アパレル企業に対してサプライチェーンに関する定期的な情報開示を求める手続きや規則、サプライチェーン全体における人権侵害責任の明確化、ミャンマー政府と協働して人権や労働権侵害に関する問題提起のルート創設や、企業の創造と継続的運営を管理する法律や政策が人権を制約するのでなく、尊重することを保証することなどを含む。

このような改革が行わなければ、ミャンマーの労働者は今後も搾取され続けることになるであろう。

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最終更新:2017年03月21日14:51

ミャンマー:アパレル産業はまっとうな仕事をもたらすのか?(前)

ミャンマーは軍事政権によって50年間も支配されていた。こうした長期間に亘る経済的孤立の後、ミャンマーが民主化へ向けた第一歩を踏み出したことを受けて各国の経済制裁が解除されたため、外国投資が急速に増加している。輸出向けアパレル産業はこの新規ビジネスチャンスの恩恵を受けて急速に拡大している。廉価な労働コストと有利な取引条件に惹きつけられ、H&MやPrimarkを含む国際ブランドや小売業者がミャンマーからの調達を一層増加させ、アジアのアパレルメーカーもミャンマーに店舗を開業し始めている。Myue & Soe縫製工場の労働者が数年に亘って賃上げ交渉を行っている間に、縫製工場の数は3倍近くにまで増加した。ミャンマー縫製業者協会(MGMA)は、現在35万人いる縫製労働者が、2024年までに150万人にも増加すると見込んでいる。

最近発刊された「ミャンマーのジレンマ」というレポートでは、オランダの多国籍企業研究センターがミャンマーのアパレル産業における人権・労働問題を取り上げている。ミャンマーのAction Labor Rights(ALR)、Labour Rights Defenders and Promoters(LRDP) という2つのNGO団体が協力し、12の工場から400人の労働者、および様々なステークホルダーに対してインタビューを行った。

ミャンマーへの投資ブームはリスクを孕んでいる。社会改革に向けて小規模な改善が実施されてきたものの、大きな課題は残されたままである。法治社会は十分に機能しておらず、軍は引き続き社会に対して大きな影響力を維持し、国内のいくつかの地域で現地民との戦闘を繰り広げている。軍や元軍人の土地のオーナーらは、工業団地や工場の開発によって利権を得ている。村は事前の交渉や適切な補償を受けることなく、工業団地や経済特区開発を行うために立ち退きを迫られている。

50年以上にもわたり、独立系労働組合の結成が禁止され、ストライキも禁止、いかなる抗議活動も厳しく抑制されてきた。労働組合、人権活動家や反対勢力は、拘束されて何年も投獄されたり、その他の者は逃れて亡命したりした。しかし労働組合や独立系NGO団体にある程度の自由が認められた現在では、労働運動が急速に拡大している。

その中で大きな課題がこの先に待ち受けている。労働者らは一般に権利意識が薄く、縫製工場には労働組合がほとんど結成されていない。労働組合を結成しようとする試みはしばしば波紋を呼び、組合指導者や労働活動家は解雇されてブラックリストに掲載され、新しい仕事を見つけることが困難な状況となっている。

そのため、ミャンマーのアパレル産業は成長を続けている一方で、労働者は口をつぐんで労働に勤しんでいる。多くの縫製労働者は貧しい田舎の出身で、彼らはしばしば電気や水道もないようなスラムに行き着く。法定の最低賃金は1日当たり2.65米ドルであるが、ミャンマーの法律では、見習い、試用期間として最初の6ヶ月間は法定の50~75%の賃金しか支払わないことを認めているため、新規雇用労働者は法定最低賃金以下しか支払われないことが多くある。

生計を立てるために彼らは長時間働き、一日に最大11時間も働くことがある。繁忙期には、労働者はサービス残業を強制され、病気のために働くことができない場合には給与が差し押さえられることも頻繁に起こる。15歳未満の少女がアパレル産業で働くことも珍しくない。そしてさらに悪いことには、労働者が苦情を申し立て、彼らを救済するような手段がほとんどないことである。

こうした問題の多くは、ミャンマーの遅れている労働法のもとでは違反とならない。ミャンマーの労働法では、生活に十分な賃金を支給しないことが認められており、就労最低年齢はわずか14歳で、労働者が労働組合を結成、加入し、集団的行動を取ることを妨げている。

 

(後編につづく)

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最終更新:2017年03月21日13:51

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