インドシナニュース

政治不安や人権侵害問題がカンボジアの調達市場の地位を危うくする

カンボジアから衣料品を調達している世界の主要ブランドや小売業者は先週、現在進行中の政治的不安定に対する厳しい警告を発した。また人権侵害疑惑は将来の成長に影響を及ぼし、戦略的調達市場としての国の地位を危険にさらしていると警告した。

その不安は、プノンペンでの政府代表との会談後、H&M、Gap、プーマ、リーバイス、Inditexなどの企業によって表明された。リーバイ・ストラウスはまた、すでにカンボジアの縫製工場からの調達を減らし始めていることをjust-styleに確認した。

しかし、IndustriAll組合は、いくつかのブランドは最低賃金が引き上げられた場合、引き上げられた賃金をコストとして計算に入れる用意があることを示唆した。

会議は、賃金引上げを求め行われた抗議行動が暴力的になり、1月に逮捕された23人のカンボジア組合指導者と繊維労働者に対する裁判の、待望の判決の前に開催されるように調整された。判決は広く歓迎され、裁判所は執行猶予なしで、活動家たちを解放した。

バングラデシュ労働者安全同盟が発表した検査報告書の最初のラウンドは、すべての縫製工場で「多数の欠陥」が確認されていることを示している。同盟は6週間後に、会員企業の調達先工場残り600社のデータを公開する。

フランスの検察官は、スーパーマーケット大手Auchan社が同社の衣料品製造環境について消費者に誤解を与えたかどうかに対する予備調査を行なった。Auchan社はRana Plazaとのつながりを否定してはいるものの、無許可下請問題に対処するための行動計画を見なおした。

透明性と完全性は、香港に拠点を置く国際調達専門家William E. Connor & Associates社会長兼最高経営責任者(CEO)William E. (Chip) Connor氏とのjust-styleの特別インタビューで繰り返し登場する2つのキーワードである。彼は会社の倫理的立場について議論するだけでなく、世界的な調達の変遷や機会、課題や懸念に対する考えを伝えている。

環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)における繊維製品の取り扱いの可能性に関しても、具体策が浮上している。米国と欧州連合(EU)の役人は、今までのところ交渉は関税や規制アプローチの共通する大枠を取り扱っているが、原産地規則についてはまだ何もないということを確認した。

大企業にも最高のサプライチェーンはあるのか?あるいは最高のサプライチェーンが最も成功した企業の成長を助けるのか?それはかなり疑問だが、これら二つの間に関係があることは間違いない。

一方、経営難に陥っている小売業Abercrombie & Fitch社は、第1四半期に婦人服の活性化に取り組んだ後、最終的には正しい方向に一歩を踏み出したようだ。差し当たって、次の計画は、テストを改良し、結果に対応すること、生地の基盤システム化を拡大して平均単価を下げることである。

また、小売業者Aeropostale社は、十代のアパレルチェーンとの融資契約を結んだばかりの非公開投資会社Sycamore Partnersの他の投資資源を活用することによって、より良い調達から利益を得ることができる。

 

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最終更新:2014年06月21日14:01

カンボジア:H&M、国際労働機関(ILO)、新労使関係イニシアチブ結成

難問を抱えながらも極めて重要な繊維産業に安定をもたらすために、労働組合と工場が労使関係改善への直接契約に署名することを求めるキャンペーンで、労働省は国際労働機関(ILO)とスウェーデンの衣料大手のH&Mと手を組んだ。

この新たな取組は、売上世界第二位の衣料品小売業者であるH&Mとスウェーデン政府及びスウェーデン金属産業労働組合からの資金援助により来年1月より実施される。この1年間、カンボジアの繊維産業は、12月下旬から1月初旬にかけての死亡者を出しながら鎮圧された、賃金引上げを求めるストライキから始まって、記録的な数に全国規模の抗議行動に悩まされてきた。

「プロジェクトは賄賂や汚職などの違法な慣行を排除するための訓練と意識改革を提供し、団体交渉や男女平等を含む国際的な基準に基づいた企業ベースのアプローチを促進する予定です。」国際労働機関(ILO)は6月13日に声明で述べている。

キャンペーンの一環として労働組合と工場は、2012年に全国的に工場と労働組合の代表者によって署名された「繊維産業における労使関係改善に関する覚書」の二者間協定に署名を求められる。

「解決志向の重要性や誠意を持った交渉をすべての関係者に教育することで、純粋に労働者を代表するために労働組合の能力を向上させ、労働組合および雇用者が団体交渉を行うようにすることが目的です。」と国際労働機関(ILO)の声明は述べている。

H&Mはこれまでずっと労働者の不安の影響を受けてきた。

昨年、H&Mの衣料品を製造しているM&Vインターナショナル製造株式会社の約2000人の労働者は、プノンペンのMeanchey地区の国道2号線を封鎖し、食料手当や交通手当を求め、また、妊娠中の女性には解雇を禁じ休暇を与えることを要求した。

その年末H&Mの最高経営責任者Karl-Johan Persson氏は個人的に、カンボジアに年に一回最低賃金の見直しをするよう呼びかけた。

影響力を持ったカンボジア縫製工民主組合同盟委員長Ath Thorn氏の指摘するところによれば、2012年にカンボジア縫製業者協会と8つの労働組合連合の間で署名された覚書は10月に失効することになっている。

「いくつかの項目を確実に継続するために、全国的な覚書を更新します。」と彼は言った。

しかし、契約書の署名が業界全体レベルであろうと工場レベルであろうと、意見相違が生じた場合は双方が誠意を示すことを約束しなければならないと、Thorn氏は述べた。「ほとんど同じことです。おそらく変更される項目もありますが、双方が同意する必要があります。同意しないと署名することはできません。」と彼は言った。

 

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最終更新:2014年06月20日16:50

2014年第1四半期のカンボジアの繊維製品輸出、8.98%の成長

カンボジアからの繊維製品輸出は、今年年初3カ月で11億7300万米ドルとなり、対昨年同期の10億7600万ドルの輸出と比べ、8.98%の成長となったことがカンボジア衣料製造協会(GMAC)の統計で明らかになった。

カンボジア衣料製造協会(GMAC)の月別繊維製品輸出統計では、2014年1月の輸出金額は2億8707万米ドルで、2月、3月はそれぞれ4億4077万米ドルと4億4573万米ドルになっている。

2014年1月から3月までの輸出先別では、米国向けの輸出高は4億6159万米ドルで、次いで、EUが4億21万米ドル、カナダ9518万米ドル、日本7767万米ドルで、その他の市場が1億3892万米ドルというデータが出ている。

近年、カンボジアの繊維製品輸出は急激に伸びている。2001年のわずか11億5600万米ドルから2005年には21億9000万米ドル、2010年には30億800万米ドル、2011年には40億4700万米ドルまで成長した。

昨年のカンボジアの繊維輸出は49億6600万米ドルで、2012年の44億4500万米ドルに対して、11.71%増加したとカンボジア衣料製造協会(GMAC)のデータは示している。(データには履物輸出の数値は含まない。)

2014年2月、新しい賃金体系により、5ドルの健康手当を含む月額100米ドルの最低賃金がカンボジアのアパレル縫製工場で実施されている。

アパレル生産はカンボジア最大の外貨獲得産業で、国の輸出全体の約80%を占めている。30万人以上の労働者が従事し、そのうち90%以上が女性である。

 

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最終更新:2014年06月18日17:03

カンボジア:Ocean Garment従業員、給与の全額支払いを要求

Ocean Garment社工場の従業員約200人が6日、18台のトラックで労働省へと向かい賃金の全額支払いを求める抗議を行った。従業員らは、2時間ほど抗議を行っていたが、抗議活動は非常に穏やかなものだった。同社工場は5月末から、操業を一時停止している。

従業員らは、2時間にわたって座り込みを行っていたが、同省と工場代表者との対話が行われるまで待機するよう伝えられ、その場を去った。

デモ及びストライキ解決全国委員会会長Prak Chan Thoeun氏は、「カンボジア縫製製造産業協会とOcean Garment社は、投資家との話し合いを待っている状態です。話し合いの目的は、妥協を図ること、そして操業の開始時期を明らかにすることです」と話した。

同社の従業員による抗議活動は5月末から続いており、これは5月26日から6月26日の1カ月間、操業を一時停止するという工場側の発表を受けたもの。同社では操業停止の理由を、ギャップなど大手ブランド各社による受注が減少し、月額15ドルの賃金しか支払えなくなったためとしている。

従業員らは当初、1月の賃金のうち半額を支払うよう要求していたが、6日になると要求水準を引き上げ、全額支払うよう求め始めた。

同社従業員Dim Srey Mom(24)氏は、「従業員たちは、近いうちに職を失い生活に困ってしまうのではないかと心配しています」と話す。また「Ocean Garment社の社長は、工場を閉鎖して別の投資家に転貸しするつもりなのでは。たった15ドルの給料では、家賃、光熱費、水道代をまかなうことはできません」とも話した。

同社従業員は3日、労働省へ向かってデモ行進を試みたが、1キロほど離れたところで警官隊に阻止された。

抗議活動を支持するCollective Union of Movement of Workersの代表Pav Sina氏は昨夜、フン・セン首相率いる内閣に請願書を手渡した。請願書では首相に対して、給与の全額支払いと、無理な場合にはそれぞれの勤続年数に応じた退職金の支払いを、工場側に強制するよう求めている。

 

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最終更新:2014年06月14日06:00

カンボジア:工場での気絶、再び増加

2013年に起きた約800件の気絶事件に対し、今年はこれまでのところ600人以上の労働者が工場で気を失って倒れたと、労働省関係者が昨日(6月3日)報道した。

労働省健康部次長であり工場での気絶を防止する目的で作られた委員会の委員長であるPok Vanthat氏は、昨年823人が気絶したのに比べて、6月3日の時点で663人の労働者が仕事中気を失ったと、カンボジア・ポスト紙に語った。

Vanthat氏はここ数日の酷暑の天候が一連の事件の原因の一つだと述べた。

「今年は天気が非常に暑く、労働者たちは熱に耐えることができません。」と彼は言った。

強制残業、劣悪な労働条件、化学ガスや心因性疾患例が、他の多くの原因として挙げられている。

最新の事件では、昨日Meanchey地区Kbal KohコミューンのHuey Cheun工場で29人の労働者が一斉に倒れた。これは一週間も経たないうちにこの工場で起きた二件目の事件であるとVanthat氏は言った。

「我々はもっと多くの送風機を設置するよう求めたりして対策を講じているのですが、それを実行している間も多くの人が失神しているのです。」と彼は述べた。

コンポンチュナン州のSamaki Meanchey地区にあるJiun Ye縫製工場では、36人の労働者が月曜日に気絶した。

「労働者のうち3人の妊婦も気を失いました。工場が送風機を付けなかったからです。」コンポンチュナン州に拠点を置くカンボジア労働者自由労働組合(FTU)役員Nen Saron氏は語った。

「労働省の原則によると、工場は作業が始まる30分前に送風機をつけなければならないのですが、省エネと称して、作業開始前に送風機をつけていません。労働者らは昼食から戻るとすぐに仕事に取り掛かるのですが、猛暑によって気絶してしまいます。」

昨日、工場には誰もいなかった。

「労働者はまだ怖がっていたので•••誰ひとり仕事に来ませんでした。」Saron氏は言った。

自由労働組合(FTU)独自の統計によると、今年はこれまでに約500人が気を失っている。

FTU広報係のOm Dyna氏は、良好な栄養の不足が主な原因だと述べた。

地域法律教育センターの労働プログラムの指導者Moeun Tola氏も同感であった。

この問題を解決するためには、「最低賃金の問題が解決されるべきですし、工場は労働者に無料で健康的な食事を与える食事プログラムを設ける必要があります。」とTola氏は言った。

 

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最終更新:2014年06月13日13:12

カンボジア裁判所、ストで逮捕の縫製工場労働者25人釈放

カンボジアの裁判所は30日、縫製工場の労働者らがストライキ中に暴力行為を行ったとして、関係者ら25人に執行猶予付きの有罪判決を下した。25人は釈放され、同国で製造業を行う海外企業にとってはうれしい判決となったようだ。

ストに対する一連の厳しい取り締まりや繊維部門の労働条件には、国際的な批判が集まっている。

インダストリオール・グローバルユニオン(スイスに本部を構える労働組合の国際組織)によると、H & MやGAP、プーマ、リーバイスなどの大手ブランド各社が、今週カンボジアを訪問。政府との対話で、今後の発注については、地域の安定や政策の透明性、法規の内容などを考慮の上、検討していくとの見解を伝えたという。

プノンペン地方裁判所の判事は、昨年11月と今年1月のストによる公共施設の破壊行為などを含め、故意に暴動を引き起こしたとして、暴動に関わった労働者、労働組合員、抗議団体に有罪判決を下し、1年から4年半の執行猶予を言い渡した。

同国の繊維産業は昨年、53億ドルもの収益を生み出した。同産業は約60万の雇用者から成っているが、この雇用者らによる最低賃金の上昇や労働条件の改善を求めるストライキが多発している。

カンボジアの治安部隊は今年1月3日、縫製工場の労働者らによるストを鎮めようと、これらデモ隊に向けて発砲。この衝突で少なくとも3人が死亡した。労働者らは、最低賃金を現行の2倍となる月額160ドルへ引き上げるよう要求していた。

政府は最低賃金を月額80ドルから100ドルに引き上げるとしたが、労働組合や労働者らは受け入れを拒否した。これにより、労働者団体は、最大野党のカンボジア救国党(CNRP)が行うデモに合流することとなった。同党は、昨年7月の総選挙について「(不正がなければ)われわれが勝っていた」と主張しており、その後もたびたび抗議を続けている。選挙管理当局によると、総選挙では長期政権を握るフン・セン首相の与党・カンボジア人民党が勝利し、現在も政権を維持している。

リーバイスは昨年、カンボジアから撤退した。同社がロイターに伝えたところによると、同国の政情不安や人権侵害に対する懸念によるものとしている。同社では、サプライ・チェーンのリスクを軽減し製品の引渡しを確実にするためカンボジアへの生産委託量を減らしており、「論争中の労働問題や人権問題が早急に解決されることを望んでいます。解決されれば、以前と同じ委託量に戻すつもりです」と話している。

インダストリオール・グローバルユニオンのJyrki Raina書記長は、政府との対話後、文書において次のように述べた。「大手ブランド各社が初めて、カンボジアの賃金上昇について協力の意向を示しました。こうした企業や労働組合は、裁判所の判決を前に、法廷に出頭した人々がどのような判決を受けるのか気にかけています。このままでは、カンボジアは、戦略的な生産委託拠点としての市場の地位を失いかねません。また将来的な投資や成長にも影響を及ぼすでしょう。」

カンボジア縫製製造産業協会(GMAC)会長Ken Loo氏は、最低賃金を現行の2倍にすることはほぼ不可能で、繊維産業が生き延びるためには、引き上げは段階的でなければならないと言う。今年1月から3月の輸出は、前年同期比で17パーセント減少した。「賃金を2倍にする国などあり得ません。」と同氏は言い、ほとんどの海外バイヤーが、賃金の上昇につながる、現地工場からの価格の引き上げ交渉に応じないと述べた。「もしわれわれが無理に賃上げを行えば、多くの工場が閉鎖に追い込まれるでしょう。」

 

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最終更新:2014年06月10日06:00

カンボジア:GTI社の株式公開に遅れ、証券会社が再調整

引受証券会社であるプノンペン証券(PPS)は先月29日、台湾の衣料品メーカーGrand Twins International (Cambodia) PLCが12日に、カンボジア証券取引所(CSX)に上場すると発表した。

同証券会社は既に、Grand Twins International社の上場日が29日以降に延期になったことについて公表しており、延期の理由をカンボジア証券取引所への最終書類の提出が遅れたためとしていた。また提出の遅れに関しては、先ごろの連休によるものとしている。

先月9日に完了した公募発行の手続きは、応募総額が発行額を上回る結果となり、同証券会社は29日に、割り当てを受けた応募者に対して通知を発行したという。

「応募結果の公式発表は5月23日を予定しておりましたが、連休のため数日間遅れることとなりました。この連休によって、手続き全般に遅れが生じている状況です。」と通知には記されている。

Grand Twins International社が希望の上場日を変更するのは、今回で2度目。同社は今年3月、公募に関する説明会を開始したが、当初の上場希望日は5月8日だった。

カンボジア証券取引委員会(SECC)の有価証券保険管理部部長Chhun Sambath氏は、この2週間の延期について、4月のクメール正月の休暇に加え、同証券会社が海外投資家による申請書類を数多く処理しなければならなかったことなどを挙げた。

「若干遅れはしましたが、特に問題はありません。Grand Twins International社については海外からの応募者が多かったこともあり、書類の処理に時間を要しました。また新規上場については前々から遅れており、当然ながら付随する予定にも遅れが生じている状況です。」とSambath氏は話した。

一方、カンボジア証券取引委員会の職員によれば、委員会の規則ではカンボジア証券取引所に上場する企業は6カ月以内に手続きを完了させなければならないが、日程の変更については、罰金等を課すことはないとしている。

Grand Twins International社による公開株は800万で、1株当たりは2.41ドル。全額引き受けとなった場合、同社は1億9200万ドル以上の利益を上げる見込みとなる。流動性が高くなれば、プノンペン郊外に1000万ドルで工場を新設し事業を拡張する計画。同社は台湾の衣料品メーカーで、主にアディダスやリーボックなどのスポーツウエアを製造している。

カンボジア証券取引所は2012年に開設されたばかり。同年上場した国有企業のプノンペン水道公社に続き、Grand Twins International社は、同証券取引所に上場する2社目の企業となる。

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最終更新:2014年06月05日06:00

カンボジアの低価格繊維産業の行方--続けられるのは誰のため?

ほとんどのカンボジア人はギャップやウォルマートについて聞いたことがない。カンボジア人にとってそれらは、自国で生産された何百万もの衣料品の上に縫い付けられているただのラベルである。しかしそれらはどのようなラベルか。カンボジアの衣類輸出は昨年55億米ドルに達し、国のGDPの約3分の1に値した。その20億米ドル近くは米国の大手デパートに行き着いた。カンボジアの繊維産業は、穢れ無き労働源として好評を得ているが、実態は、なけなしの賃金、強制労働、差別、妊娠中の女性や労働組合の指導者に対する暴力といった問題だらけだ。

不十分な食事や睡眠不足が原因で勤務中に意識を失う労働者や、40度を超える暑さの中で強制される14時間労働を逃れたいとする人々や、妊娠しているという理由で雇用者によって仕事を打ち切られた女性や、現状変革のため労働組合を結成しようとしたせいで、拘束されたり、暴行を加えられたり、銃撃されたりする労働者たちを見かけない日はない。

米国の小売業者はこうしたことを熟知している。実際には、それ故にカンボジアにいるのだと言ってもいいのかもしれない。

カンボジアの最低賃金は月100米ドルで、世界で最も低い国のうちの一つとされている。特に、ほとんどすべてのカンボジア縫製労働者が養うべき子供と高齢の親を抱えているのを考えると、それはなけなしの賃金である。

おそらくもっと衝撃的なのは、この100ドルという賃金は、ごく最近、血を流し犠牲を払った結果だということである。昨年だけでも、少なくとも5人が賃金の引き上げを求める縫製工場での抗議中に銃弾に倒れた。ある16歳の少年は、胸に見えた銃創のようなものから血を流し地面に横たわっているのを目撃されたのを最後に、依然として行方不明である。おそらく彼は6人目の死亡者だ。

犠牲者のうち3人はウォルマートの縫製労働者だった。

 

Hoeun Chanさんらは生き残った。しかし彼はギャップの仕入先工場で起きた抗議中に撃たれ、現在腰から下が麻痺している。Chanさんは「私は今死ぬよりつらい生活を送っています。」と言う。数え切れないほど多くの人たちが拳で殴られ、足蹴りされ、警棒や電気シールドやパチンコなどで残忍な扱いを受けた。その中には、妊婦も多数いた。生まれてくる子供の姿を見ることなく、流産した女性もいる。

なけなしの給料にすぎないが、月給を100ドルまでに引き上げることができたのは、労働者たちの凄まじい決意と膨大な犠牲があったからである。生活賃金の推定値は月額395米ドルという水準であるにもかかわらず、カンボジア政府独自の調査では、労働者が基本的に必要とするのは月額157米ドルから177米ドルであると結論付けられている。フルタイムの労働者らには必要な金額が確実に支払われるようにしなければならない法的責任があるにもかかわらず、米国の小売業者の仕入先は汚職や暴力や基本的自由の制限のほうを選び、積極的にこうしたシステムに関わっている。

となると、カンボジア縫製労働者はこの先どうなるのだろう?今の方向で進んでいけば、暴力と搾取はますますエスカレートする一方だろう。米国であろうがカンボジアであろうが、低価格の衣料品という代物は不平等の賜物である。問題は、我々皆がいつまで世界中で底辺への競争を続けるかだ。16歳のKhem Saphath君やHoeun Chanさんのようなカンボジア人には、この贅沢はない。

 

著者Tola Moeun氏: プノンペンに拠点を置くNGO共同体法教育センター (CLEC)労働プログラム代表

 

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最終更新:2014年05月24日13:03

カンボジアの縫製工場労働者、ボーナスに甘んじてストライキ中止

数千人に及ぶカンボジアの縫製工場労働者が、利益を上げながらも問題多き縫製分野で、今後ストライキに参加しないことを条件に50ドルのボーナスを要求していたが、ストライキを終えて仕事に戻ったと、昨日労働組合のリーダーが述べた。

ベトナム国境近くの工場30社で働く約2万人の労働者は、ストライキに悩まされていた2つの工場が最近のストライキに参加していない従業員に報酬を出したことに因んで、ボーナスを要求し二週間前にストライキに突入した。

「ほとんどの労働者は仕事を再開しており、3工場の労働者だけが今もストライキを行なっています。」と労働者運動共同連合代表Pav Sina氏は語った。

工場側は50ドルのボーナスを支払うことに同意していないが、ストライキに対し「解決策を見つける」と言い労働者を安心させたと、彼は述べた。

工場が位置する2つの経済特区を持つバベット市東部の警察署長は、労働者が職場に復帰したことを確認した。

カンボジア縫製業者協会(GMAC)は、工場がストライキに出ない労働者に支払うと約束したことについて、繰り返し否定している。

ウェブサイト上でカンボジア縫製業者協会(GMAC)は、どれほど会社に費用がかかっているかや、国際的なブランド服を作っているかどうかは明らかにしていないが、ストライキは工場での生産を停止させていると述べた。

現地労働法に従い、会社側はストライキによる労働損失日数分の賃金およびその他の給付を支払わないだろうと、カンボジア縫製業者協会(GMAC)は述べた。しかし組合員はそれが新しいストライキの引き金となるかもしれないと警告した。

約65万人もの労働者が、貧しい東南アジア諸国のための重要な外国所得源である、カンボジアの数十億ドル規模の衣料産業を根底から支えている。

縫製労働者はより賃金引上げへの労働ストライキの最前線に立ってきており、カンボジア当局によるいくつかの弾圧にも直面してきた。

1月上旬、繊維工場の労働者に抗議し警察が発砲した際、少なくとも4人の民間人が死亡した。彼らはGap、Nike、H&Mなどのブランド服を作る工員で、月160ドルの最低賃金を要求していた。弾圧の際に逮捕された23人が、彼らの釈放に対する国際的要請があったにもかかわらず、先月裁判にかけられた。裁判所は5月6日に裁判を延期した。

被告人らのほとんどは保釈されず数ヶ月間拘禁されているが、有罪判決を受けた場合、刑務所で最高5年の実刑を言い渡されるかもしれないと、人権団体は言う。

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最終更新:2014年05月13日06:00

1月-2月のカンボジアの繊維輸出、5.81%の成長

本年度の最初の2カ月でカンボジアからの繊維製品の輸出は、昨年同期の3億5433万ドルの輸出と比べ5.81%成長して、3億7493万USドルに達した、とカンボジア衣料製造協会(GMAC)のデータは示した。

データによると、2014年1月から2月まで、カンボジアは、1億5983万ドル相当の繊維製品を米国に輸出、次いで、EUへ6393万ドル、カナダへ4910万ドル、日本へ3195万ドル、および他の市場へ7012万ドルとなっている。

近年、カンボジアの繊維製品輸出は順調に成長している。2001年の繊維製品輸出の収益は、わずか11億5600万ドルだが、2005年には21億9000万ドル、2010年には30億800万ドル、2011年には40億4700万ドルまで成長した。

カンボジア衣料製造協会(GMAC)のデータによれば、昨年、カンボジアの繊維製品は、2012年の44億4500万ドルの輸出に対して、11.71%増の49億6600万ドルとなった。データには履物の輸出金額は含まれない。

2014年2月、新しい賃金体系が採用され、月当たりの最低賃金は5ドルの健康手当を含む100ドルとされ、カンボジアのアパレル縫製工場で実施されている。

繊維分野はカンボジアの輸出全体の約80%を占め、同国の一番の外貨獲得産業となっている。繊維産業に従事する人は30万人以上で、90%以上が女性である。

 

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最終更新:2014年05月08日09:10

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