インドシナニュース

カンボジア:繊維・縫製部門における社会・労働基準保護の取組

繊維・縫製部門はカンボジアの主要産業であり、最大の雇用を抱える公式経済である。

カンボジアでは約640の工場が輸出許可証を保有しているが、カンボジア関税消費税総局によると、2015年には68億米ドルであった繊維・履物製品の輸出は2016年には7.2%増となる73億米ドルとなったという。2016年、カンボジアの対EU衣料品輸出は14%増加し、38億米ドルとなった。

本部門では70万以上の労働者を雇用しており、その80%以上が16歳-25歳の年齢層を中心とした女性である。

経済協力開発省やその他省庁の技術サポートを伴う産業開発政策2015-2025を通じ、カンボジア王国政府は社会・労働基準や産業労働者の福祉の向上に努めている。

しかしながら課題はまだ残っており、その克服に向け、ドイツ政府がカンボジアの支援を行なっている。

ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)を代表するドイツ国際協力公社(GIZ)が実施するプロジェクト『アジアの繊維・縫製部門における社会・労働基準(SLSG)』では、公私セクターに対する支援を通じて、労働・社会基準の向上に挑むカンボジア王国政府を支援している。

カンボジアにおけるSLSGの公式パートナーは労働局と職業訓練所である。

SLSGはバングラデシュ、ミャンマー、パキスタンでも実施されており、こうした取組が持続可能な世界規模の繊維・縫製産業の構築に多大な貢献をしている。

本プロジェクトが焦点に当てているのは、工場同士及び全国・地域レベルでのコミュニケーションと協力体制の強化である。

またこの取組では、検査システムの向上といった持続可能性基準を促進する施策の導入を行う国家機関も支援している。

ILOベターワーク計画の支援を元に、カンボジアでは繊維部門の労働監査システムが構築された。今ではこれがカンボジア王国政府のシステムに定着しようとしている。

またアジア諸国の労働・社会基準分野でGIZが行なってきた取組の経験をカンボジアに反映させる形でSLSGは実施されている。

本プロジェクトは労働の衝突と拒否を最低限に抑え、コミュニケーション・ギャップを埋め、理解と尊敬を育むことを目標とした助言と能力開発を労働者管理委員会に提供している。

さらに、カンボジアの繊維工場レベルでのプロジェクト介入では、栄養及び輸送の安全性といった分野にも焦点を当てている。

栄養不良は女性の繊維労働者の間で多く見られており、「集団失神」や頻繁な病欠、生産性の低下などの一因となっている。

GIZでは、意識向上や情報提供、質の高い食事を提供する工場食堂の設置に関する助言などを通じて、労働者の栄養状況改善に取り組んでいる。

輸送の安全性向上を支援すべく、GIZは特定のリスクを新たに調査し、労働者の輸送管理に関する勧告を行う予定である。現状繊維労働者は、公共交通機関ではなく、交通安全基準を順守していないトラックで通常輸送されている。

またSLSGは、カンファレンスや講習会、研究訪問を通じ、アジアの地域レベルでの交流や対話も促進している。カンボジアもこうしたイベントに参加し、経験やベストプラクティスを共有するよう、SLSGの支援を今後受けていく。

10月24日には、繊維・縫製部門における持続可能な生産に関するラップアップミーティングがプノンペンにて開催される予定である。

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最終更新:2017年10月24日06:01

カンボジア:政府は縫製産業の来年の成長を確信

カンボジア政府は縫製産業の売上は2018年も上昇すると確信している。

労働省は、労働条件の改善と最低賃金の引き上げを背景に、縫製産業の受注額は来年も増加するとの見込みを明らかにした。

Ith Samheng労働大臣は、外国人バイヤーはカンボジアの労働者保護のための施策と成果に満足しており、2018年も受注は伸びるだろうと述べた。

これは労働省の代表者、Ethical Trading Initiativeとバイヤーやエージェントが出席した会合の後に大臣が来年の見通しを述べたもの。この会合では縫製産業の最低賃金、労働環境、法的枠組みと手続きなどが協議された。

「今日の会合は実り多く、出席者はカンボジアの現実的な情報を得られたことに満足している。2018年の縫製受注は2017年を上回ると予測している。縫製産業のさらなる発展を望む」とSamheng大臣は述べた。

大臣は具体的な成長率には言及しなかったが、バイヤーは課題を検討していると述べた。

「彼らは信頼に足るバイヤーだと捉えている。カンボジアへの発注を増やすために協力してくれるはずだ」とSamheng大臣は述べた。

Ethical Trading InitiativeのPeter McAllister代表は、縫製産業にはさらなる拡大の余地があり、縫製産業の明るい未来のために縫製企業とバイヤーが協力できる機会も多いと話す。

「省庁とバイヤーをつなぐこうした会合はカンボジアが国際的な労働基準を遵守していくために良い機会であり、必要だ。現在安定した環境にあり、縫製産業の関係者も良好な関係を築いている。カンボジアには確実に投資、ビジネスのチャンスがある」とMcAllister  は述べた。

Samheng大臣は、カンボジアは国際労働機関、Global Deal Initiative、GIZをはじめとする国内外の組織と緊密に連携し、カンボジアの縫製製品や履物が品質面で厳格な基準を満たし、労働者の権利についても国際的な基準を遵守するよう努力を続けると述べた。

数ヶ月に及ぶ協議を経て、カンボジアの縫製労働者の最低賃金は170ドルへと引き上げられることが決まった。新たな最低賃金は来年早々発効する。

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最終更新:2017年10月23日05:55

カンボジア:GMACが米国の規制当局に対して特恵関税に関する申請書を提出

アパレル製品・履物メーカーは、米国の一般特恵関税制度(GSP)に基づいたカンボジアの履物輸出に対する特恵適用を受けるために、米国政府に申請書を提出する予定としている。

この提出は、米国政府が年末までに後発開発途上国(LDC)に対するGSPプログラムを見直す予定との報道に続くものである。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKaing Monika副会長は、1013日にクメール・タイムズ紙に対し、GMACは期日を逃さないよう17日に申請書を提出する予定であることを明らかにした。

Monika副会長はこの申請について、商業省の全面的なサポートを受けていると述べた。

「現在カンボジアが適用を受けているGSPは、主要輸出製品である衣料品や履物は含まれていません。」

「米国政府は現在、年間のGSPポリシーを見直していますが、輸出や新規投資の拡大、何千人もの雇用創出などの面でカンボジア経済にとって大きな助けとなるこの申請に対するサポートを求めるため、GMACではワシントンの法律事務所と契約しようと考えています。」と彼は述べた。

Ok Boung商業省長官は8月下旬に米国の通商関係の責任者がカンボジアを訪問した際に、香港で開催された閣僚会議の共同宣言の精神に則り、米国政府は後発開発途上国(LDC)から輸入される製品の少なくとも97%について、無税・無枠とすべきであると述べた。

しかしBoung長官によると、現在米国においてカンボジア製品が特恵待遇を享受しているのは82.6%だけであるという。

彼は多くの先進国では既に後発開発途上国(LDCに対する義務を果たしており、米国も同様にすべきだと述べた。

例えばオーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、スイスは、カンボジア製品のすべてについて、特恵待遇としている。

EUでは「武器以外すべての産品に対して無税・無枠とする取り決め(EBA)」の下で、製品の99%について無税・無枠で輸入することを認めている。

カナダではカンボジア製品の98.6%、日本は97.9%、中国は97%に特恵待遇を与えている。

「米国は、カンボジアの製品の約82.6%に特恵待遇を与えていますが、これにはカンボジアの主要、かつ最も重要な製品が含まれていません。これらの製品の輸出においては、まだ関税を支払わなければなりません。」とBoung長官は述べた。

Monika副会長は、司法委員会のスタッフによると下院歳入委員会、上院財政委員会では1231日の失効前に全GSPプログラムが更新されるよう、全力で取り組む予定であると述べた。

 

一方でMonika副会長は、履物は米国の貿易政策において依然として議論の多い産業であり、特定の種類についてはGSPスキームに含めることが難しく、またGSPスキームに含めた場合に失われる関税収入のインパクトが大きいために、その範囲は制限されるだろうと述べた。

GMACは努力を続けるものの、ヘルスケア改革や税制改革などの重要法案の審議が遅れている中、今年末のGSP失効前に更新が行われるかどうかは保証されていません。」

GMACではカンボジアの労働条件を改善するための継続的な努力、特に労働者の福利向上につながった賃金引き上げを受け、この申請について米国政府からポジティブな回答を遅かれ早かれ得られることを期待しています。」

GSPプログラムが今年末までに延長されなくとも、この努力は201812月に現議会が終了まで続けます。」とMonika副会長は述べた。

昨年7月に米国政府は、GSPプログラムの下でトランク、バックパック、ハンドバッグ、財布などの旅行用品の輸出について、カンボジアに関税免除の特恵を付与した。

現在GMAC59の履物製造工場を持ち、昨年7億米ドル相当もの製品を輸出した。



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最終更新:2017年10月21日06:58

カンボジア:米国、欧州がカンボジアのアパレル産業における労働者保護を要求

米国と欧州の特命全権大使はプノンペンを訪問し、この国で主力となるアパレル部門における最低賃金交渉の妥結に続き、労働者の権利保護を求めた。

カンボジアの労働諮問委員会(LAC)では、労働組合、政府、雇用主の三者間協議にて、来年の最低賃金を月額165米ドルにすることに合意した。この月額165米ドルという金額は、Hun Sen首相が月5米ドル増額させた上での数字である。(訳注:実際には月額170米ドルに決定された)

米国のWilliam Heidt大使と欧州のGeorge Edgar大使は、カンボジアの労働大臣であるIth Sam Heng氏との会談の後、Facebook上でその概要を公表した。

「2人の大使は、主要ブランドや各政府にとって重要な課題である労働者の権利問題について協議した。その中で彼らは、労働組合の選定、公正かつ透明なプロセスに基づいた組合の登記、労働争議に対する裁定の透明化、またその期限の設定など、労働者の権利について扱う国際労働機関(ILO)の勧告を明確に推進することの重要性を強調した。」と公表文の中で明らかにした。

Heidt米国大使は、カンボジアが何年にもわたって国際パートナーとの協力関係を推進してきたことにより、カンボジア調達に対する米国や欧州主要ブランドの信頼度が非常に高まっていると指摘した。Heidt大使はまた、カンボジアが労働者の権利問題に関して継続的に進展させることは、米国市場へのアクセスだけでなく、米国のバイヤーからの信頼を維持するのに役立つだろうと続けた。

カンボジアのアパレル業界は昨年、約70万人の主に女性からなる労働者を雇用し、その輸出額は60億米ドル以上にも上ったという。

労働省の報道官は政府系のニュースウェブサイトであるFreshnewsに対し、最近プノンペンと西側諸国との間に政治的緊張があったものの、欧州と米国はカンボジアのアパレル製品を購買し続けるだろうと述べた。

カンボジア労働組合連合のYang Sophoan代表はVOAクメールに対し、カンボジアにおいて数千もの組合が政府に登録されており労働組合が普及しているという意見について、そのほとんどが労働者を静めようとする雇用主によって設立されており、誤解であると述べた。

また、カンボジア労働組合総連合のAth Thorn会長は政治家に対し、カンボジアの産業を守るために紛争を終わらせ、西洋諸国との間で完全な関係修復をすることを求めた。

貿易データによると、カンボジアの衣料品輸出において米国と欧州が約3分の2を占めている。

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最終更新:2017年10月13日06:01

カンボジア:欧米に対し、一般特恵関税制度(GSP)の適用拡大を要請

労働組合と経営者団体の代表はEUと米国に対し、数種のカンボジア製品に対する優遇措置である一般特恵関税制度(GSP)を拡大するよう提案する予定だ。

この共同声明は、10月3日に開催された2018年の最低賃金に関する労働諮問委員会の極秘会議の後に発表されている。

「労働組合は米国やEU、その他多数の諸外国、及び有名ブランドのバイヤーに対し、衣料品・履物製品を中心としたカンボジア製品に対する優遇措置の促進にもっとオープンになり、さらに多くの発注をかけるよう、個別に要請する予定です。」と共同声明では発表されている。

発展途上国は優遇システムによって、特定の製品を低減された関税率でドナー国に輸出することができる。

現在のところ、カンボジアの履物・繊維・縫製製品は米国のGSPからは除外されている。

カンボジア最大の労働組合の一つであるカンボジア労働者連合協議会のSom Aun会長は、過去10年の間に最低賃金は幾度か上向きに修正されているため、これからは優遇措置を追加することによりカンボジア製品の競争力が高める必要性があるとKhmer Times誌に語った。

労働諮問委員会の副会長であり、労働省の報道官であるHeng Sour氏は、カンボジア製品に対して市場をオープンにする様EUと米国に訴えかけている。

「想定されていた通りカンボジアでは賃金の上昇が継続して行われるため、組合と経営者たちはこうした国に対し約束を履行するよう直接呼びかける予定です。」

「国際労働機関(ILO)の工場改善プログラム、BFC(Better Factories Cambodia)は国内ですでに活動を開始しており、労働環境に関する米国とEUの要件を遵守するための監査機能を強化してきました。」

「もし米国やEUが約束を守らなければ彼らの信用は失墜します。他の国々も彼らの言葉を信用しがたくなってしまうでしょう。」とSour氏は述べた。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKaing Monika副会長は、繊維産業関係者が手を取り合い、産業を支援するためのイニシアチブをとったことを賞賛すると述べた。

「これはカンボジアにとってとても明るい材料です。組合が経営者達と協力して、発注量の増加と国際マーケットへのアクセス拡大を国際バイヤー達に要求したのは初めてのことです。」

「今私たちは少しずつお互いに歩み寄っていますが、これは安定した生産的な産業環境のためには非常に大切なことです。」

さらに大切なことに、これがあらゆる国際バイヤーや国際コミュニティの信頼向上につながる。

「カンボジアの競争力が貿易特恵に大きく依存しているようだということも無視できません。カンボジアは貿易特恵が認められている市場を中心に成長しています。GSPなしでは、競争し市場シェアを拡大していくのが困難なのです。」

カンボジアの関税消費税総局によると、2016年の衣料品・履物の輸出額は、2015年の68億米ドルから7.2%増加し73億米ドルとなった。

カンボジア最大の輸出市場である米国とEUが輸出全体の65%近くを占めている。

EU市場については、武器以外すべて(EBA)制度に基づいて無税・無枠のアクセスをすでに享受している。

しかしながら、米国政府は国内の産業を保護するために高い税率を課しており、カンボジアの履物・衣料品産業は35%以下の輸入税の支払いが必要な最恵国待遇(MFN)に基づいて輸出を行なっている。

 

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最終更新:2017年10月11日06:04

カンボジア:繊維労働者の投票獲得に向け、首相が短期契約を標的に

10月4日、繊維労働者の投票獲得を目的とした一連のキャンペーンの一環として、フンセン首相は、物議を醸しつつも日常的に行われており、繊維業界の雇用を不安定で搾取的なものとしている短期契約について狙いを定めた。

首相の座に着いて31年目、次の10年間もその座を保持したいと考えるフンセン首相であるが、繊維労働者を対象に行われ、問題となっている3ヶ月間契約について知らされたのはつい最近のことであるという。

「3ヶ月間の試用期間後は長期間の契約を締結しなければなりません。試用期間後の契約期間も変わらないというのは正しいことではありません。」プノンペンのPor Sen Chey地区にある工場で、1万名の繊維労働者を前に首相は語った。

工場側が人材の適性を確かめることは必要なことではあるが、短期契約は「正しい解決策を見つけなければならない問題である」と首相は述べた。

「仕事を継続できるかわからない状況となる3ヶ月間契約は、労働者にとって不安と負担が大きなものです。雇用者、カンボジア縫製業協会(GMAC)、労働省がこの問題に取り組み、労働者の雇用の安定を図るよう呼びかけます。」

プノンペン郊外のTien Sung工場で働く繊維労働者のKhann Ath(27)さんは、3ヶ月契約で働くことで、残業や組合加入、不合理な生産割り当てに対し嫌とはいえない状況となっていると語った。

「仕事の負担は相当高いものになっていますが、契約の更新のためにそれを受け入れなければなりません。」

カンボジア労働組合総連合のAth Thorn会長によると、産休手当の支払いを避けるために契約が更新されないことがしばしあるなど、この契約形態が妊婦にとっても不利なものになっているという。

カンボジア繊維業界の労働力のおよそ80%が2、3、6ヶ月間の契約であると推測されている。

GMACのKen Loo書記長によると、「短期契約」についての法的な定義はなく、有期契約や無期限契約についてはあるが、いずれも賛否両論があるという。

「労働者は、契約のタイプについては十分に認識しています。彼らが全面的に同意する義務は全くありません。カンボジアには強制労働というものはないのです。」とLoo氏は述べた。

使用されている契約の種類は工場のニーズによって異なり、こうしたニーズが労働者の権利を凌ぐことはなく、「労働者のニーズが工場のニーズに勝る」こともないとLoo氏は述べた。

過去二ヶ月間で首相は労働者に対し、保険医療の無償化、2年間の公共バスの無料アクセス、新生児に対する100米ドルのボーナスを公約した。

労働者権利グループCentralのMoeun Tola会長はフンセン首相のコメントを歓迎し、動機は政治的なものであるにせよ、繊維労働者のために目に見える結果を得ることができると述べた。

「どの政党でも起こりうることであり、選挙に近づいているからだということは誰もが理解していますが、首相のコメントが法の執行力を再活性化させることだけを願っています。」もし労働法が正しく適用されれば、2年後には短期契約が無期限契約に自動的に切り替わると同氏は述べた。

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最終更新:2017年10月10日06:01

カンボジア:最低賃金額が170米ドルに決定

10月5日、政府、雇用者、組合の各代表が最低賃金額を月間170米ドルに引き上げることに合意し、繊維・縫製・履物産業で働く約100万人の労働者達の賃金が来年1月から引き上げられることになった。

数カ月に及ぶ会合や交渉の末、最低賃金の引き上げがIth Samheng労働大臣によって昨日午後遅くに公表された。

10月5日の最終投票で3機関の代表が合意した額は165米ドルであったが、フンセン首相が5米ドルを追加し、純給与は月間170米ドルとなった。

新賃金は来年の1月から適用され、カンボジア最大の輸出産業である繊維・縫製・履物産業で働く、カンボジア全土約1000工場の労働者およそ100万人に対して支払われる。

同分野の現在の純給与は月間153米ドルであるが、残業代や食事・交通手当、無料の健康診断などその他のボーナスもこれに加算される。

昨日の決定では、契約社員の給与は165米ドルとなり、正社員になった後に福利を除いた170米ドル全額を受け取ることが定められた。

カンボジア繊維・織物産業の最低賃金は、同じような産業を持つバングラデシュやミャンマーよりも高くなる。

政府の労働諮問委員会が全会一致で合意したことによって、繊維労働者の最低賃金は来年1月から170米ドルに引き上げることになった。

これは、現在の月間賃金153米ドルから11%増加することになる。

組合、労働者、政府官庁の作業グループでは、政府に対して165米ドルの数字を提案することが投票により決定していた。

この数字にフンセン首相が追加の5米ドルを加えたことで合計額が170米ドルになったのである。

Ith Samheng労働大臣は作業グループの意見が全会一致したことを評価し、この結果が繊維労働者やその家族にとって朗報となるだろうと述べた。

「全ての機関の全代表が合意しました。一つの数字で全員の合意が取れたのはこれが初めてになります。」

「その他の福利を加算すれば、労働者は月間およそ200米ドル受け取ることになります。」

カンボジア労働組合総連合のAth Thorn会長は、170米ドルという数字は組合が労働諮問委員会に提示した額と同じであり、大変嬉しく思うと述べた。

「議論を長引かせることで時間を無駄にしたくはなかったので全会一致で165米ドルに合意しました。」

「これは歴史的な瞬間です。労働者にとって170米ドルというのは妥当な額であるとは思いますが、雇用者側がこれに満足するかはわかりません。」

労働者のために、来年以降も賃金の引き上げを要請していくとThorn氏は述べた。

2019年の最低賃金交渉はもっと難しいものになるだろうと同氏は予測している。

全国労働組合連盟のFa Saly会長はこれほどの大幅な引き上げは予測していなかったという。

「16組合のリーダーからのリクエストに応じて2018年の最低賃金を月間170米ドルに引き上げてくれたことに関し、労働諮問委員会とフンセン首相に感謝いたします。

これは労働組合と政府の歴史の中で未だかつてなかったことです。」とSaly氏は述べた。

カンボジア縫製業協会のKaing Monika副会長は、賃金の引き上げ額が高く、協会会員の中には負担できないレベルとなる場合もあると認めた。

「政府の支援が必要になります。」企業の負担を和らげるためには減税や関税・輸出数料の軽減処置が必要であるとMonika氏は首相に訴えかけた。

カンボジアでは全国でおよそ100万人の労働者が繊維・縫製・履物業界に従事している。労働省のHeng Sour報道官によると、同産業の輸出額は今年78億米ドル規模になるという。

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最終更新:2017年10月09日06:00

カンボジア:縫製労働者の住居確保に行き詰まり(後)

(前編より)

 

しっかりとした造りの清潔な部屋を借りる資金を持っている縫製労働者はほとんどいない。工場によっては宿泊施設を提供しているところもあるが、多くは部屋を見つけて自身でその家賃を支払う必要がある。彼らは最も安く借りられる場所を利用し、故郷への送金をできるだけ多くしようとする。

CheaSokLeangさん(42歳)は、Chakangre Leu地区の別の工場で働く縫製労働者で、同じくプレイベン州出身である。彼はPost Property紙に対して次のように述べた。「バスルームと十分なスペースのある賃貸住宅で快適に生活したいとは思いますが、我々のような低所得者にとってそれは不可能です。」

Kien Svay地区の家主であるSieng Nyさんは、近隣の縫製労働者向けに月額40米ドルで20部屋を賃貸していると言った。「労働者らにとって衛生面と安全性の確保が重要であるため、私はバスルームを完備した、大きな居間のある住居を建設しようとしています。」と彼女は続けた。

彼女は、自身の現在所有する賃貸住宅は建築基準を満たしていないものの、他の賃貸物件よりはましだと言った。「私は建築基準を知っており、労働者にまっとうな居住空間を提供したいと考えています。ですが彼らには良質な部屋を借りる余裕など一切ないのです。」と彼女は続けた。

カンボジア労働組合連盟(CATU)のYang Sophorn会長は、縫製労働者は依然として、良質な住宅、衛生的な食事、家族のための恵まれた条件など確保するのに苦労している状況だと述べた。「一部の工場では縫製労働者向けに宿泊施設を提供していますが、大規模工場でさえも多くはこうした施設がなく、労働者が残業や安全に帰宅することが難しい状況となっています。またほとんどの労働者はバスルームが共同の場所に住んでおり、衛生面に問題があります。」

Sophorn会長は、労働者に適切な宿泊施設を提供するために、政府や家主が清潔なバスルームを備えた大型住宅の建設を検討すべきだと訴えた。彼女は、工場が提供する住宅でさえ、労働者はその家賃負担に耐えられないことがあると言った。

「労働者の生活条件にはまだまだ問題があります。経営者らが住居を建設したとしても、労働者らは生活費に加えて家賃を支払う余裕などないのですから。労働者の給与は増加したものの、物価の上昇によって購買力は低下しています。労働組合はより良い労働条件と生活水準の確保に貢献してきました。ですが、政府の定める住宅基準法がより強固に適用される必要があります。住宅基準に関する賃貸契約法が定められているものの、実際にはうまく適用されていません。人々は労働省が施行したこの法律の文言をよく理解していないようです。」と彼女は言った。

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最終更新:2017年10月07日12:01

カンボジア:縫製労働者の住居確保に行き詰まり(前)

カンボジアの縫製労働者は地方にいる家族を養うために奮闘する一方で、自身が住む宿泊施設を確保するのに非常に苦労している。

カンボジアにある一部の工場では労働者に宿泊施設を提供しているが、その他の工場では地元の賃貸市場において労働者自身が確保する必要がある。国の最低月額賃金が153米ドルに設定されているものの、労働者の多くが得られる収入は非常に少ないため、彼らは住宅費を削ってやっと最低限の生活を送ることができる。

カンボジアの製造部門は多くが首都かその近隣に位置しており、1990年代半ば以降数十万人の雇用を創出してきた。縫製工場には新規労働者が安定して流入しており、その多くは他州出身の女性である。

35歳のYem Chhailimさんは、ベトナム国境付近にあるプレイベン州出身である。彼女はChakangre Leu地区にある、腐臭漂うごみの山に囲まれた小さな掘っ立て小屋に住むのに月30米ドル支払っている。そこは彼女が働いている工場から国道1号線で約1キロの場所にある。

Chhailimさんは20年間縫製工場で働いてきた。「私は約20年間工場労働者として働き、生活してきましたが、安い部屋に住み、暮らしは良くありません。」と彼女は自身の日常生活について語った。

Chhailimさんは月額153米ドルの最低賃金を稼ぎ、故郷の家族に100米ドルを送金している。70米ドルは彼女の5歳の娘と6歳の息子に、30米ドルは子供らの面倒を見る母親のためである。月30米ドルの家賃の家に住むという彼女の決定は、こうした状況にあるための苦肉の策であった。彼女は残業していくらかの残業代を得るが、月の給与が200米ドルを超えることはめったにない。

彼女の家路は、腐ったごみとよどんだ水溜りの上に建てられた険しい足場で終わる。それでも夫であるVinh Sienghoutさん(36歳)と共に住むこの家は、彼女が以前住んでいた月5米ドルの家賃で、他の労働者でいっぱいの蚊帳のような「賃貸」寮よりはるかにましである。

Chhailimさんはトタン屋根の傾いた部屋で食事の準備をしながら、Post Property紙に次のように話した。「私たちは雨風も十分に防げないこの小さな家に約30米ドルも支払っています。家の下の方からはゴミの悪臭も漂ってきます。」

だが彼女は元いた蚊帳のような寮から出ることができ、ホッとしたという。「当時私は雨が降ると、家が水浸しになるのではないかと心配していました。何人かの労働者は私よりさらにひどい家に住んでいました。」

「私はいつも、大きな木造の家で故郷の家族と一緒に暮らすことを望んでいますが、それはまだ実現できていません。」と彼女は続けた 「ここでの暮らしは厳しいですが、人々はフレンドリーで、まるで第二の故郷のように感じています。」

「私はいつも工場が快適な住居を提供してくれないかと望んでいますが、勤務開始以来約20年間、そのような場所が提供されることはありませんでした。」

 

(後編につづく)

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最終更新:2017年10月07日06:04

カンボジア:最低賃金法交渉、労働組合、企業側共にわずかに歩み寄り

9月29日に開催された労働諮問委員会の第2回目の会合では、企業側代表は最低賃金161ドルの提案にわずかに0.5米ドル上乗せし、労働組合側は提案額から1.25米ドル減額した。

先週から政府、企業代表、労働組合代表の3者による来年の最低賃金についての交渉が行われている。政府は161.67米ドル、企業側は161米ドル、労働組合側は176.25米ドルをそれぞれ提案した。

企業側は0.5米ドルの上乗せを提案する一方、労働組合は176.25米ドルから175米ドルへと減額した。しかし、独立系の労働組合は、この減額は政府系の労働組合の意見に過ぎないと話す。

「独立系労働組合は175米ドルへの減額について、政府系組合とは完全に同じ意見ではない。企業側は0.5米ドル上乗せしたに過ぎない」とカンボジア労働組合連合のYang Sophorn会長は話す。

Sophorn会長は、彼らの行なった調査ではすべて、来年の縫製・製靴セクターの最低賃金は176米ドルでなければならないと示していると主張し、労働組合側がこれ以上の減額を提示しないよう希望するとしている。

カンボジア縫製業協会の代表者らからコメントを得ることはできなかった。労働省のHeng Sour報道官からもコメントを得ることは出来なかったが、同報道官はフェイスブックで委員会について「両者ともデータの解釈を続け、最低賃金を決定する上での7つの基準の変更に倫理的で成熟した、理解ある態度で臨んだ」と称賛した。

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最終更新:2017年10月04日13:22

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