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カンボジア:EU、米国は縫製産業への特権待遇廃止に消極的

7月の総選挙を前に政治的弾圧が行われていることに対する制裁を求める人権団体の呼びかけにも関わらず、EUと米国はカンボジアの主要輸出産業である縫製産業への特恵待遇の廃止に消極的だとFitch GroupBMI Reserch424日に述べた。

総選挙を控え、縫製輸出に関する懸念が浮上している。一部の西欧諸国は、昨年の野党カンボジア救国党(CNRP)の解散以来、政府が反対勢力を抑圧していると人権団体が非難していることを指摘している。

縫製業の集積地カンボジアの経済は過去20年間、世界でも6番目に急速な発達を遂げた。世界銀行によるとGDPの平均成長率は7.6%に達し、縫製業は経済発展に大きく貢献してきた。

縫製輸出のおよそ30%EUに輸出されている。

Fitch BMIは報告書において「EUと米国はカンボジアの主要輸出産業である縫製産業への特権待遇の廃止に消極的であり、縫製業の混乱と工場閉鎖という最悪のシナリオは起こりそうもないことを示している」と分析した。

「現段階では、米国とEUが近いうちにカンボジアに対しこうした懲罰的な措置を取ることはなさそうだ」とBMI ResearchRaphael Mok上級アナリストは述べた。

人権団体や反対勢力は米国をはじめとする諸外国に対し、政治的に対抗する個人や団体への広範な取り締まりに対し、目標を定めた制裁を行うよう求めている。

しかし、縫製業界関係者はいかなる特恵待遇の廃止も、結局最大の被害を受けるのは縫製労働者であり反対だと述べる。

縫製企業600社を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)は昨年12月にロイターに対し、2018年の輸出成長率は3-4%になるだろうと述べている。

EUと在カンボジア米国大使館は、特恵待遇に関するロイターの取材に対しコメントを出していない。

BMIはカンボジアの実質GDPの成長は2017年の6.9%から2018年には6.4%へと低下するとの見方を変えていない。賃金の上昇に伴い、経済の多様化が必要だと提言している。

昨年、政府は縫製・製靴産業労働者の月額最低賃金を170ドルとする11%の引き上げを行った。この額は競合する縫製業集積地であるバングラデシュの最低賃金月額63.02ドルを大幅に上回る。



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最終更新:2018年05月03日

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