インドシナニュース

カンボジア:賃金引き上げによって引き裂かれる繊維産業(後)

(前編より)

ここ数ヶ月の政府の対応は財政難が与党に影響を与えると考える企業や権利団体からの非難を受けており、こうした恐れを抱いているのはTavernier氏だけではない。

クリーン・クローズ・キャンペーン、労働者人権協会(WRC)、国際労働権利フォーラムは先月、共同グローバル声明を発表し、最近の政治的弾圧に対して断固たる姿勢をとるよう、カンボジアを調達先としている西洋のアパレル大手企業に対して呼びかけた。

声明では高まる政治の抑圧として3つの傾向を説明し、多国籍企業がカンボジアで抵抗するための根拠として挙げた。これには、9月におこなわれた反逆の疑いによる反対派のリーダーKem Sokha氏の不当な逮捕や、NGOの強制的な閉鎖、過熱化する選挙に先立った独立メディア支局の口封じなどが挙げられている。

WRCJessica Champagne現地業務・戦略副部長によると、同氏はすでに複数の企業に連絡を取っているが、カンボジアの全体的な政治の衰退に団結した態度をとることに同意した企業は一つもないという。

「カンボジアを調達先としている主要ブランド数社との協議は続けています。こうした企業が、人権や労働者の権利を全面的に尊重するようカンボジア政府に呼びかけることを祈っています。」

エシカル・トレーディング・イニシアチブ(ETI)や国際労働機関のベターファクトリーズ・カンボジア・プログラムなどを通じ、グローバル化したアパレル企業は繊維産業の人権水準を上げようとする動きを長年とっている。

しかしながら、こうした企業が産業分野以外で政治に関わることはないと思われている。

カンボジアに投資を行う上で政治の全体的な安定性は重要だが、ETIによって推し進められている目標はいずれも、WRCによって取り沙汰されている政治不信の高まりは直面していないとETIPeter McAllister事務局長は述べた。

NGOや労働組合、そしてその他の市民団体が自由かつ効率的に運営することを認め、こうした団体が幅広いビジネス環境に積極的に貢献できるようにする事が大切です。」

カンボジアでETIに所属している会員機関の内の個別企業は、政治情勢に対して警鐘を鳴らしている。

「カンボジアの現在の政治状況を深く懸念しています。」とGapを代表するLaura Wilkinson氏は述べた。

世界的なアパレル企業C&Aのコミュニケーション・スペシャリストであるKatrin Ehrenberg氏によると、政治情勢によっては調達先を変更せざるを得ないかもしれないという。

「現在の状況が改善しなければ、生産拠点をカンボジア国外に移すことはもちろん考えています。カンボジアでの運営を続けては行きたいですが、政府が取る行動に気が気でありません。」



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最終更新:2017年11月08日

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