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カンボジア:繊維・縫製部門における社会・労働基準保護の取組

繊維・縫製部門はカンボジアの主要産業であり、最大の雇用を抱える公式経済である。

カンボジアでは約640の工場が輸出許可証を保有しているが、カンボジア関税消費税総局によると、2015年には68億米ドルであった繊維・履物製品の輸出は2016年には7.2%増となる73億米ドルとなったという。2016年、カンボジアの対EU衣料品輸出は14%増加し、38億米ドルとなった。

本部門では70万以上の労働者を雇用しており、その80%以上が16歳-25歳の年齢層を中心とした女性である。

経済協力開発省やその他省庁の技術サポートを伴う産業開発政策2015-2025を通じ、カンボジア王国政府は社会・労働基準や産業労働者の福祉の向上に努めている。

しかしながら課題はまだ残っており、その克服に向け、ドイツ政府がカンボジアの支援を行なっている。

ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)を代表するドイツ国際協力公社(GIZ)が実施するプロジェクト『アジアの繊維・縫製部門における社会・労働基準(SLSG)』では、公私セクターに対する支援を通じて、労働・社会基準の向上に挑むカンボジア王国政府を支援している。

カンボジアにおけるSLSGの公式パートナーは労働局と職業訓練所である。

SLSGはバングラデシュ、ミャンマー、パキスタンでも実施されており、こうした取組が持続可能な世界規模の繊維・縫製産業の構築に多大な貢献をしている。

本プロジェクトが焦点に当てているのは、工場同士及び全国・地域レベルでのコミュニケーションと協力体制の強化である。

またこの取組では、検査システムの向上といった持続可能性基準を促進する施策の導入を行う国家機関も支援している。

ILOベターワーク計画の支援を元に、カンボジアでは繊維部門の労働監査システムが構築された。今ではこれがカンボジア王国政府のシステムに定着しようとしている。

またアジア諸国の労働・社会基準分野でGIZが行なってきた取組の経験をカンボジアに反映させる形でSLSGは実施されている。

本プロジェクトは労働の衝突と拒否を最低限に抑え、コミュニケーション・ギャップを埋め、理解と尊敬を育むことを目標とした助言と能力開発を労働者管理委員会に提供している。

さらに、カンボジアの繊維工場レベルでのプロジェクト介入では、栄養及び輸送の安全性といった分野にも焦点を当てている。

栄養不良は女性の繊維労働者の間で多く見られており、「集団失神」や頻繁な病欠、生産性の低下などの一因となっている。

GIZでは、意識向上や情報提供、質の高い食事を提供する工場食堂の設置に関する助言などを通じて、労働者の栄養状況改善に取り組んでいる。

輸送の安全性向上を支援すべく、GIZは特定のリスクを新たに調査し、労働者の輸送管理に関する勧告を行う予定である。現状繊維労働者は、公共交通機関ではなく、交通安全基準を順守していないトラックで通常輸送されている。

またSLSGは、カンファレンスや講習会、研究訪問を通じ、アジアの地域レベルでの交流や対話も促進している。カンボジアもこうしたイベントに参加し、経験やベストプラクティスを共有するよう、SLSGの支援を今後受けていく。

10月24日には、繊維・縫製部門における持続可能な生産に関するラップアップミーティングがプノンペンにて開催される予定である。

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最終更新:2017年10月24日

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