インドシナニュース

2017年08月 のニュース一覧

カンボジア:労働大臣が最低賃金に関する懸念に反論

Ith Samheng労働大臣は8月22日、縫製労働者の新最低賃金が他産業の低賃金を招くとの懸念に反論した。

プノンペンホテルで開催された最低賃金法案策定のための会合で、Samheng大臣は、他セクターについて懸念しないように述べた。法案は最低賃金を定めるためのもので、縫製セクターの最低賃金が決まってから他セクターでより低い最低賃金が決められることはない、と述べた。

「雇用者が最低賃金と同額、あるいはそれ以上の賃金を払うのであればそれで良いが、最低賃金以下しか払わない場合は、罰金刑に処される」と大臣は述べた。

最低賃金は現在縫製・製靴セクターのみを対象としているが、労働省はいずれは最低賃金制度を他セクターへも拡大すると述べた。

「製造業やそれに準ずる産業では最低賃金が制定されることを確認したい」と大臣は述べた。

最低賃金法案は労働市場に有益なものとなり、あらゆる関係者の協議への参加を求めた。

全国労働組合連合のFar Sally会長は、幾つかの組合は法案策定プロセスで労働者の生活費調査を実施する権利がなかったことを問題視していると述べた。

「私たちは経済学者ではなく、労働組合だ。労働者の生活実態を知りたければ、他のパートナーや経済学者に頼るしかない」と彼は話す。

労働者運動共同組合のPay Sina会長は、最低賃金法案は最低賃金委員会メンバーにしか権利を付与していないと述べる。

「例えば、私の組合は最低賃金委員会のメンバーではないから、労働者の生活費調査を行う権利はない。新最低賃金法案は労働組合の権利を制約していると考える」と彼は述べた。

Samheng大臣は、1997年から2017年にかけて、政府は縫製セクター労働者の最低賃金を月額30米ドルから153米ドルにまで上昇させることを目標としてきたと述べた。

なお、国際労働機関はカンボジアの縫製産業最低賃金決定への経過が改善したことを認めている。

国際労働機関タイ・カンボジア・ラオス担当官は、最低賃金の上昇を歓迎しつつも、最低賃金の他産業への拡大も提案した。

最低賃金法案にはさらなる修正が加えられる可能性がある。例えば、1997年労働法規では条項により単語の選択が異なっており、また表現の自由、問題の協議を制約するような条項が含まれていたため、整合性を取る必要がある。

国際労働機関はこうした要素は立法の透明性と効果を阻害する要因となりかねないとしている。

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最終更新:2017年08月31日12:15

カンボジア:後発開発途上国からの脱却により様々な問題に直面と世界銀行が報告

世界銀行の最新の報告書によると、カンボジアでは低中所得国への格上げにあたり特恵貿易措置の損失や資金援助の減少が起こり、貧困問題が深刻化する可能性があるという。

8月17日にプノンペンで発表された世界銀行の体系的国別診断では、カンボジアが過去20年間で貧困削減の大幅な前進を遂げた一方、今後はこれまでの農業や低コストの労働力をベースとしで貧困率を下げていくことは難しいだろうとの見方が示されている。

「カンボジアが後発開発途上国(LDC)の立場から卒業していくにあたり、資金援助が徐々に減少し徳恵貿易措置にも影響が出るだろう」と報告書では述べられている。「同時に給与レベルは上昇しており、カンボジアが籾米や低価格衣料品の輸出を維持していくことはますます困難になっていくだろう。」

商品価格はマイナス指標を見せており、農業的な利益がますます限定されていくとも報告書では報じられている。加えてカンボジアの競争力の弱さにより、観光業や繊維産業への依存にも問題が発生する。

世界銀行カンボジアのシニアエコノミストであるMiguel Eduardo Sanchez氏によると、報告書はカンボジアが直面する長期的な問題を近いうちに一掃し、 持続的で包括的な成長に向けた政策を政府が制定するのを補助するためのものであるという。

「カンボジアの経済成長は世界の中でも最も著しく、観光産業や繊維産業のサービスや輸出により貧困が削減されています。」と同氏は述べ、2007年には47.8%であった貧困率が2014年には13.5%に減少していることを説明した。

しかしながら人口の半分近くがマイナスの経済ショックに対し著しく脆弱であり、容易に貧困状態に戻ってしまうという。

「カンボジアは健康問題や気候の影響を受けやすく、その点において社会的保護を設ける必要があります。カンボジアでは治療のためにタイやベトナムに行かなければならず、医療費の自己負担が高額になっています。」

起業に関連する費用の引き下げや教育に対する投資、そして都市計画のしっかりとした予定表など、貧困のさらなる削減を期待できるガイドラインを世界銀行は発表した。今年世界銀行が発表した起業のしやすさに関するランキングでは、カンボジアは189カ国中180位であった。

世界銀行カンボジアのInguna Dobrajaエリア統括長は、世界銀行は貧困の削減に注力する一方、投資こそが最大の影響力を持つと考えていると述べた。

「現在われわれはカンボジアとの中期のパートナーシップを検討し始めています。」「世界銀行の投資、貸与、もしくはさらなる分析作業のどれが効果を持つのか、戦略の枠組みを考えています。」

しかしながら、貧困削減政策の施行は政府やその他の政府間国際機関次第であると同氏は述べた。

最高国家経済評議会のMey Kalyan上級アドバイザーは、カンボジアは豊かになるにつれ、より激しい競争や外国支援の欠如に十分に備えなければならないと述べた。また経済成長により貧困は減ったものの、所得格差は広がっているという。

「経済成長により貧困率はこれまでに削減されています。しかしながらこの発展の速度により、低所得者はその恩恵をゆっくりと受け、金持ちは素早く恩恵を受けています。」と同氏は述べた。

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最終更新:2017年08月28日11:42

カンボジア:Hun Sen首相、労働者の年金増額をアピール

来年の国政選挙を前に大勢の有権者らを引きつけるためにHun Sen首相は、縫製労働者に対する月額最低賃金を現在の153米ドルから「最低」168米ドルへ増額することを含めた、大幅な待遇改善策を8月20日に発表した。

2013年の国民議会選挙の前後、野党カンボジア救国党(CNRP)の党集会では賃金増を求める縫製労働者が大勢を占めた。2014年1月にはプノンペンにある工場外での抗議活動が暴動に転じ、少なくとも5人の労働者が治安部隊によって射殺された。

それ以降、アパレル部門の最低賃金は毎年着実に上昇し続けており、現在も来年の最低賃金を設定するための政府、経営者、組合の交渉が進行中である。

しかしHun Sen首相は、20日にプノンペンで開催された4000人規模の縫製労働者を前に演説し、この交渉の結論を先取りで明らかにした。メディアは会場であるKoh Pichのコンベンションホールに立ち入ることは許されなかったものの、直後にHun Sen首相はFacebookに投稿し、新しい最低賃金は、約70万人が働くアパレル産業において縫製労働者が現在稼ぐ金額より約10%多い168米ドルを下回ることはないだろうと発表した。

首相はまた、現在約50%のカバー率でしかない国家社会保障基金への加入について、1月付けで経営者に100%カバーさせる計画を発表し、さらに縫製労働者にはプノンペンの公共バスを今後2年間無料で利用させることを明らかにした。またHun Sen首相は、縫製労働者の年金制度について、労働省の計画していた年よりも1年遅い2019年に開始させると述べた。また保健省に対し、工場近接地域に病院を建設するように指示したという。

イベントを過度に政治的なものにしたとの批判に対しHun Sen首相は、今回の大衆主義的政策は縫製労働者の賃上げ問題を2013年のキャンペーン活動の柱の一つとし、長らく一党独裁であったカンボジア人民党(CPP)を追い込んだCNRPに対する対抗措置ではないと主張した。

「この賃上げは野党の要求によるものではなく、王政による多大な努力の賜物です。」と彼は投稿文にて述べた。「カンボジアをより良くするために変革をもたらすのは、CPPだけであることは間違いありません。」

Hun Sen首相はまた、地元を離れて工場の近くに住む縫製労働者に対し、7月には地元に戻るのではなく、勤務する場所近くで票を投じるよう求めた。多くの工場がCNRPの優勢な都市部に集中しているが、最近の選挙法の改正により国民は地元を離れて投票することが認められるようになっており、CNRPが既に強い基盤を築いている場所に対抗票を集めることで、CPPを有利にしようとしていると一部の政治記者は指摘した。

このイベントから帰宅する労働者らは、公約された賃上げと新しい保障に歓迎の意を示した。

政府はこの日のイベントを皮切りに、Hun Sen首相が全国の縫製労働者らと直接会い、彼らの問題をヒアリングする一連の会合を開始した。しかし出席者によると、(対話ではなく)首相の話がすべてであったと明らかにした。

「会議では何の意見も表明できず、ただ聞いているだけでした。」とプノンペンの工場で品質管理責任者を務めるMeng Kimhuot氏は言った。

また、参加者らが新しい社会保障の話によってCPPへの投票を心に決めたとは言いがたいようである。「私はその件について、今意見を述べようとは思いません。」とKimhuot氏は言った。

この国最大の独立系労働組合のカンボジアアパレル労働者民主組合連合のAth Thorn会長は、縫製労働者が年金を支給され、国家社会保障基金への拠出が免除されるこの計画は労働者にとって大いに助けになるだろうと述べた。

しかし首相が発表した新しい最低賃金については依然として低すぎるため、交渉にもっと注力すべきであると述べた。彼や他の労働組合の指導者らは、ほとんどの縫製労働者にとって1ヵ月の生活に必要な200米ドルにまで最低賃金を近づけたいと考えている。Hun Sen首相による政策宣言は法律上の執行力を伴う傾向があるが、Thorn会長は新しい賃金がもはや規定の結論であることについては否定した。

彼は今回の賃上げや新たな保障制度の背後に政治があることについては疑いようもないが、それがどれほど有効に働くかは分からないと述べた。

「今回首相が労働者側の支援という役割を果そうとしているのは、逆に労働者からの支援が必要だからに他なりません。」と彼は述べた。「もし提示された条件が十分と感じれば、労働者らは支援に回るでしょう。一方で十分ではないと感じた場合、彼らはサポートしません。」

多くの工場を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、新しい最低賃金の水準は近年の傾向に沿ったものだと述べた。

「それはまったく想定外の水準というわけではありません。過去3年間を見ても約10%の伸びでしたので、特別なものではないです。」

しかしGMACは、過去3年間の賃上げはアパレル業界の成長に劇的な変化をもたらし、GMACに加盟する工場では労働生産性の補完的な改善がないままに、競争力を維持するのに四苦八苦していると指摘した。衣料品輸出は前年比で増加し続けているものの、その成長スピードは減速している。世界銀行やその他機関では、少なくとも一要素としてその賃金上昇が原因で、カンボジアにおけるアパレル産業の景気減速や、以前より緩やかな成長見通しを予想している。

Loo書記長は、首相は新しい最低賃金の設定に対して経済的根拠を示さねばならないと述べた。彼はこのペースでの賃上げを続けることはできないため、政府が経営者への経済的打撃を和らげるために、何か別の政策を発表することを期待していると述べた。例えば工場では、2008年以降凍結されている1%の事業所得税の免税期間が延長されることを期待しているという。

今回の賃上げについて、「今回のような高額の賃上げは最後となって欲しい。」と彼は言った。

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最終更新:2017年08月25日18:41

カンボジア:台湾資本縫製会社GTIの業績が悪化

カンボジア証券取引所が8月16日に発表したところによると、台湾資本の縫製企業Grand Twins International (GTI)は今年第2四半期の売上高の0.88%の減少を発表した。それにより、営業利益は前年同期と比較して54%減少した。

第2四半期の売上は2480万米ドルで22万米ドルの減少となった。営業利益は110万米ドル減少し92万8170万米ドルであった。なお、半年間の業績を見ると売上は4230万米ドル、営業利益120万米ドルで、2016年1-6月期と比較すると240万米ドル近い減少となる。

8月16日の時点でGTIの株取引はなく、株価も1株4080カンボジア・リエル(0.99米ドル)で動きはない。

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最終更新:2017年08月23日14:02

カンボジア:縫製労働者が工場で倒れ死亡

プノンペンの縫製工場で先々週、労働者が倒れたのちに死亡した。縫製工場でのこうした死亡事案は3ヶ月で3件目となる。

Mease Sreyleak(25)は韓国資本のYakjin Factoryで勤務していた。この工場はGap、Old Navy、Walmartといったブランドと取引をしている。これら企業にコメントを求めたものの、8月8日までに返答はなかった。

工場側は8月8日、Sreyleakの死亡は過剰な残業が原因だったわけではなく、工場は何の責任も負わないと述べた。

カンボジアアパレル労働者民主組合連合のChoen Sothy会長によると、Sreyleakは8月3日に倒れ、ミシン台に頸部をぶつけたという。

「工場は家族に対し1000ドル支払い、葬儀代も出すと約束している」とSothy会長は述べた。

Sreyleakは当日喉の痛みを訴え、昼食を取っていなかったという。Yakjin Factoryで働く同組合員Chhim Thoeunは、彼女は亡くなった日に2時間の残業をしていたと話す。

彼女は工場近くの診療所に運ばれる途中で意識を失ったという。Thoeunによると、SreyleakはKampong Speuの自宅から毎日他の縫製労働者とともにトラックに乗り通勤していた。

7日に取りまとめられたYakjin工場への「特別労働監査」報告書では「労働者や労働組合代表者らへの聞き取り調査の結果(中略)、Sreyleakは法令で定められた時間以上の残業をしたために死亡したわけでなない」としている。

Sreyleakの事案は5月31日にKhat Samerl(43)が心臓発作で死亡した事案、7月6日にNeom Somolが診療所で他の倒れた労働者の世話をしている間に倒れ亡くなった事案に続く3例目。

Somolが勤務していたAnful Garment Factoryと取引のあるH&Mはこの件を調査していると述べた。

「非常に悲しい事態であり、家族にお悔やみを申し上げる」とメールでの取材に回答している。

政府による補償を担当する国家社会保障基金(NSSF)のCheav Bun Rith報道担当官からはコメントを得ることはできなかった。

国家社会保障基金のデータによると、2017年の過去6か月間、工場での昏倒事例は前年同期と比較して39%増加している。

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最終更新:2017年08月16日12:03

カンボジア:労働組合は最低賃金交渉への準備を進める

政府系及び独立系労働組合は今年の年末までに全国共通の最低賃金を制定に向けた交渉への準備を進めている。

新たに制定される最低賃金法により、全産業での月額最低賃金が導入される見込みとなっている。

すでに縫製・繊維など、複数の産業で最低賃金が取り入れられている。縫製・繊維産業の月額最低賃金は153米ドルである 。

8月7日、複数の労働組合が賃金交渉準備のための国際労働機関(ILO)の訓練セッションに参加した。

カンボジアアパレル労働者民主組合のAth Thun会長は、独立系労働組合はすでに交渉の準備として、縫製労働者の生活費調査を行ったと述べた。

「もうすでに4年もこのような最低賃金交渉の準備をしているため、労働組合関係者は皆要点を心得ているようだった。自分の組合では、交渉開始金額を200米ドルとするだろう」と彼は述べた。

政府系のカンボジア労働組合連盟のChoun Mom Thol会長は、今回の交渉で縫製労働者の月額賃金の10%上昇を希望していると述べた。

「組合は労働者のために仕事をしている。この交渉は組合のためのものではない。すべての労働組合がその点を理解し、交渉プロセスがうまく進むことを希望している」と彼は述べた。

彼は、政府との交渉は10月に開始されると述べた。

国際労働期間のThea Sophy担当官は、交渉開始前のトレーニングは非常に重要だと話す。

「このトレーニングは、インフレ、経済状況、労働者の家族状況や生活費が最低賃金にどのように影響するのかを交渉担当者が理解できるよう支援することが目的だ」と担当官は語る。

6月、労働相のIth Samheng大臣は最低賃金交渉の参加者に対し、この交渉を各団体の政治的な目的に利用しないよう求めている。

 

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最終更新:2017年08月15日12:02

カンボジア:縫製輸出2017年上半期の伸びは低調

カンボジア中央銀行は、今年上半期のカンボジアの縫製輸出の伸びは予測を下回っており、その理由としては米国向け輸出でベトナム、ミャンマーとの競争が激化していることが挙げられると発表した。

国立カンボジア銀行(NBC)は半期ごとの報告書において、今年上半期の縫製輸出の伸びは4%にとどまり、前年動機の9%の半分以下に過ぎないと分析した。

カンボジアの繊維・製靴産業は年間60億米ドル規模の産業である。60万人の雇用を創出し農村の家計を支え、カンボジアの貧困率の急激な低下に貢献した。

「縫製セクターは経済拡大に最も寄与しており、前年同期より成長率は多少低いものの、堅調な伸びを維持している」と国立カンボジア銀行は評価している。

この成長率低下の原因の一つは、ベトナムやミャンマーとの競争の激化により、米国向け輸出が2.3%低下したことが挙げられると同報告書は分析する。

カンボジアの最低賃金上昇により生産コストが上昇したことも理由の一つとして挙げられている。

カンボジアの新最低賃金は153米ドルで、バングラデシュの縫製労働者の最低賃金の2倍以上である。バングラデシュは現在中国に次いで世界第2位の縫製輸出国である。

カンボジアの輸出業は今後さらなる難局を迎える可能性もある。

同報告書によると、昨年、世界銀行がカンボジアを低中所得国へとランク上げしたため、カンボジアは今後3年間、EUへの特恵関税待遇を失うことになるという。

縫製セクターへの外国直接投資では、2016年上半期は5%の減少だったのに対し、2017年上半期は30%も減少したと報告書は解説している。

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最終更新:2017年08月14日20:18

カンボジア:縫製労働者が幽霊をめぐる集団ヒステリーで倒れる

8月7日、カナディア工業団地で30人以上の縫製労働者が倒れる事態が発生した。労働者の一人が幽霊に取り憑かれているという話が広まったことによる集団ヒステリーが原因とされる。

カンボジアアパレル労働者民主労働組合連合カナディア工業団地支部のBun Van支部長によると、New Orient Garment Companyのおよそ35名の労働者が倒れ、治療のため診療所に運ばれたという。

「労働者らの間に、誰かが幽霊に取り憑かれ、鶏を食べたいと叫んでいるという話が広まった。この話が他の労働者を怖がらせ、一人また一人と倒れていった。全員が工場近くの診療所に運ばれた」とVan氏は話した。

幽霊に取り憑かれたという話の真偽ははっきりしないという。しかし、工業団地で働く労働者らの間にこうした話が広まるのは今回が初めてではないとも付け加えた。

「カナディア工業団地には、こうした事態がすでに10回以上起こっている工場もあるほどだ。タケオ州のクメール魔術を使う魔術師のところに連れて行かれた人もいる。工場オーナーが生け贄の鶏を仏塔に備えたケースもある」とVan氏は述べた。

この工場では1000人以上の労働者が雇用されており、ジャケット、パンツ、ドレス、スカートやポロシャツを製造している。

倒れた従業員の一人、Kim Ly(35)は、午前中に数人が倒れ、午後にもさらに数人倒れたと説明する。

「パニックのようになり突然倒れたが、自分でもどうしてそうなったのかわからない」と彼女は話した。

「今度は診療所に運ばれた別の同僚が取り憑かれたように叫んでいる」とも彼女は付け加えた。

労働相の国家社会保障基金のCheav Bunrith部長からコメントを得ることはできなかった。

先月、Bunrith部長は栄養に関する教育プログラムが功を奏し、工場での昏倒事例は減少しており、2015年の1800件が2016年には1160件になったと述べている。

 

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最終更新:2017年08月12日11:52

カンボジア:出稼ぎ労働者には高い賃金が一番の魅力(後)

(前編より)

 

2年前に韓国に移住した28歳のカンボジア人建設労働者であるKoeun Anさんは、低学歴で、職業訓練も受けていないにも関わらず、アパート建設工事で月に2000米ドルを稼ぐと言った。

カンボジアでは、彼は農業や整備士の仕事しか見つけることができず、月給は月に50米ドル程度であったという。

「私たちは村にいる間農業に従事していましたが、ほとんど稼ぐことができませんでした。でも私たちの収入源は農業だけだったのです。」と彼は言った。「いったいどのようにしてお金を稼ぐことができるというのでしょう。私には非常に限られた知識しかなかったので、良い仕事を探すのは非常に難しいものでした。」

またAnさんは、包括的で強力な影響力を持つ労働組合の存在によって、韓国人上司のふるまいはけん制されていると言った。カンボジアでは、労働者のほんの一部しか組合に加入しておらず、今のところ組合は雇用主にほとんど影響を及ぼしていない。

「プノンペンに戻って自動車修理工場で働いても、そんな少ない収入でどうやって生きていけるのか想像もできません。」と彼は言った。

先週発表された政府の統計によると、カンボジアで急成長を遂げている建設業界では、今年上半期に49億米ドルの新規プロジェクトが承認されたという。アパレル部門では、毎年50億米ドル以上の輸出を達成しており、この国における年間7%ものGDP成長率を政府関係者は誇りに思っている。

それでもカンボジア経済は、出稼ぎ労働者が向かう豊かな近隣諸国よりもはるかに小さく、一人当たりでは貧しい水準に留まっている。

労働権グループCentralでエグゼクティブ・ディレクターを務めるMoeun Tola氏は、カンボジアの最低賃金に関する議論は、単純に賃金率を見ていくだけでなく、この国で働くことをより魅力的にするために、労働者の保護や利益を考慮していく必要があると述べた。

カンボジアの最低賃金は近隣のタイ、ベトナム、マレーシアのように、地域の生活費水準を反映したものにすべきであると彼は言った。

地域によってはベトナムのアパレル業界の最低賃金は、108~157米ドルといったカンボジアの最低賃金よりも低い水準であるかもしれないが、労働者らはきちんと保護されている、とTola氏は続けた。

「ベトナムは地域別に異なる最低賃金が設定されていますが、給与は1年に13カ月分支給されます。」と彼はボーナスについて言及した。「労働者らはまた、無料のヘルシーなランチとソーシャルネット、社会保障制度によって守られています。」

「カンボジアの(アパレル産業の)最低賃金は153米ドルですが、労働者には何も残りません。」

「2014年に政府は、カンボジアの最低生活費は月額208米ドルと算出しましたが、最低賃金はわずか153米ドルなのです。」と続けた。

 

一方でカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、カンボジア人が国内でまともな生活を送ることができるのであれば、なぜ海外の工場で働くのかと疑問に感じていると言った。

「私にはその理由かわかりません。」と彼は言った。「アパレル部門は成長を続けています。実際海外で就労するよりも、我々の産業で働く方が良いと思われます。」

Loo書記長は、数年前は労働者がタイで働けばより多くの収入を得られた可能性があるが、今日の為替レートではタイの米ドル換算での賃金は下がっていると言った。

「彼らが出稼ぎに出る際、300タイバーツという最低賃金に惹かれるのでしょうが、(米ドル換算で見ると)以前は10米ドルだったのが、今では8米ドル程度となっているのです。」と彼は言った。

オンラインで公表されている為替レート表によると、300タイバーツは約9米ドルに相当し、タイで働く労働者は週に6日勤務すると月額約216米ドルを稼ぐことができる。Loo書記長は、この金額は「カンボジアで週7日働かずとも簡単に得られます。」と述べた。

「労働者はカンボジアの縫製工場で働くほうがずっと良いのです。」と続けた。

マレーシアに移住した36歳の縫製労働者のKhim Sophanyさんは、その意見に異議を唱える。

Sophanyさんは国内でウェイトレスとして生活するのが苦しくなり、2010年にプノンペンからマレーシアへ移住したと言った。

マレーシアでは月額最低250米ドル、もし毎日2時間の時間外労働をすれば月額360米ドルを稼ぐことができると言った。彼女は週に最大6日間勤務しているが、雇用者は食事も提供してくれ、こんな状況では国に帰ることはまずあり得ない、と言った。

「私はプノンペンの縫製工場で働きたくありませんでした。給与は満足に得られず、日々残業し、食べるものさえ満足に得られないと聞いたからです。」と彼女は言った。

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最終更新:2017年08月07日11:54

カンボジア:出稼ぎ労働者には高い賃金が一番の魅力(前)

タイ南東部チャンタブリー県にある店で、23歳のカンボジア人労働者のChheng Chhor Laihiengさんは母国から離れて働くには十分な訳があると言った。

最低限の教育しか受けておらず何の技術も持っていないにもかかわらず、Laihiengさんはケーキ販売で1日12米ドルを稼ぐことができ、彼の故郷のトボンクムン州で農業を営んだ場合の1日4米ドルの収入と比較して大きな違いがあるという。

「故郷で縫製労働者や建設労働者としての仕事を見つけることもできたでしょうが、ここチャンタブリー県で得られる収入と比較すると、稼げるお金はほんのわずかです。」と彼は言った。

Yan Muonさん(30歳)は3年前にカンボジアを離れたが、それまでの仕事であるフルーツ売りや建設労働者では月々の請求書を支払うことができなかったと言った。現在彼はマレーシアの電子部品製造工場で働き、毎月400米ドルを稼いでいる。

Muonさんは、国を離れることによってより良い労働条件を得ることができたという。

「それは1日8時間労働、無料の寮や食料を買う余裕などです。」と言った。

タイとマレーシアで何十万人もの不法移住労働者に対して行われた最近の取り締まりや、カンボジア人が突然、パスポートを取得するために大挙して帰国したという事象は、カンボジア人労働者にとって近隣労働市場がいかに魅力的であるのか、そしてこうした労働条件の格差がいかにトラブルを招くのかを示している。

約2百万人おり、その多くは未熟練労働者であるカンボジア人が、建設現場や製造業を中心に東南アジア諸国で働いていると推定される。

カンボジア政府はその経済成長と改革を誇っているものの、労働者や労働権活動家らは、同国では経済発展を遂げている中で、未だブルーカラーの労働者に対する労働権は満足に与えられていないと指摘する。

労働者の大量流出の一方で、カンボジアにおいても大きな労働需要があると、国際建設林業労働組合連盟(BWI)のプロジェクト・コーディネーターを務めるKhun Tharo氏は述べた。

カンボジア国内は低賃金で、トレーニングの機会が不足しているため、労働者をつなぎとめておくことができないのだと彼は言った。

「ここには多くの仕事があります。産業には労働力が不足しているのです。」と彼は言い、建設業界を例に挙げた。

BWIの最近の調査によって収集されたデータによると、カンボジアでは一般に建設労働者は1日当たり約7米ドルの収入を得ている一方で、タイでは、1日当たり約10米ドルの収入が期待できるという。

さらに悪いことにカンボジアの賃金水準にはばらつきがあり、小規模な下請業者では1日あたり4~5米ドル程度しか支払われないこと多くある、とTharo氏は言った。

カンボジア建設業者協会の代表を務めるOum Tivorn氏は、業界には多くの求人があり、熟練工であれば1日12~15米ドルの収入が得られるのだが、残念ながらほとんどの労働者には技術がないと指摘した。企業では代わりに、技術を要する仕事については熟練した外国人労働者に頼っている。

またアパレル産業においても安定した労働需要があるが、労働者を引き付けるには賃金を引き上げることが求められている、とアジア開発銀行の主任エコノミストであるJayant Menon氏は述べた。

「製造業の雇用が完全雇用に近づくにつれ、プノンペンにおいて郊外からの労働者を雇用するには、賃金と福利厚生の条件を引き上げる必要が出てきました。」と彼はメールにてコメントを出した。

また、「ですが、賃金の引き上げは段階的に進められるべきで、可能な限り生産性の改善にリンクされるべきです。」と続けた。

現在約70万人の労働者を雇用しているアパレル産業は、最低賃金を規定する唯一の産業部門である。警察がデモ隊に発砲し、5人の労働者を殺害するという致命的な武力鎮圧事件が発生した後、何年もの停滞期を経て政府は2014年以降最低賃金を設定、増額し続けてきた。

以降最低賃金の金額はほぼ倍増し、現在では月額153米ドルに設定されている。 今月にまた賃金交渉が再開され、来年1月には新しい最低賃金が改定される予定となっている。

今年2月、政府はすべての産業における最低賃金を設定する法案を起草すると発表したが、その際公約された公開討議の開催日程はまだ確定していない。これまでこの法案の進捗状況について繰り返し問い合わせがなされたものの、労働省のHeng Sour広報担当者は回答を提示していない。

(英国Economist誌の調査部門である)Economist Intelligence Unitで地域分析チーフアナリストを務めるMiguel Chanco氏は、国の統一最低賃金制度はカンボジアの産業間におけるバランスをとるのに役立つと述べた。

「現在のシステムは他の産業で働く労働者を引き抜いて、賃金がより高く安定的なアパレル産業で働くよう多くの人を誘導しており、理想的とはいえません。」

「国の最低賃金制度は、透明性が確保される場合(例えば賃上げ決定プロセスの透明性が確保されているような場合)、または州別に柔軟性を持たせるような場合にのみうまく機能するでしょう。」と彼は続けた。

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最終更新:2017年08月07日05:53

カンボジア:シェムリアップのPactics社はなぜ過分の賃金支払いを行うのか(後)

(前編より)

 

また育児は、同社におけるもう一つの大きな取り組み事項となっている。「我々の従業員の80%は女性ですので、母乳で育児ができるよう職場に託児所を開設しました。3ヶ月~12または15ヵ月までの子供については無料で託児所にて預かり、それ以上の子供については、育児のために毎月15米ドルの補助金を支給しています。また、看護師が常駐する医務室、補助金付きの社員食堂を完備している上、Pactics社の全従業員向けにバイク用ヘルメットの購入費用の半額を支払っています。従業員は、安全、労働権、セクシャルハラスメント、衛生について学ぶ、厳しい1週間のトレーニングプログラムを受けねばなりません。」と彼は言った。「誰もが我々のことを特別だと言いますが、我々が行っているのは法律の求めていることだけです。例えば100人以上の従業員がいる場合、育児手当を導入しなければならないと法律に定められています。ただしこれは強制ではありませんが。我々が特別なのではなく、法律に従っていない他のすべての会社が標準を満たしていないだけなのです。」

Holten社長は、アパレル業界が変革を必要としていることには同意するものの、彼は工場だけがその義務を負うとは考えていない。「変革をもたらすのに最も強力な力を持つのは消費者です。我々は5米ドルで服をし、それが普通だと考えるところに大きな問題があります。」と彼は言った。彼は欧米社会が「ファストファッション」のバブルに慣れてきっており、衣料品にもっと価値を持たせることもブランドの責任であると考えている。「業界からの廃棄も非常に深刻です。」

Pactics社では、レイテック(Raytecs)部門が高性能ポリエステルスポーツウェアを専門とするパイロット工場を新設するのに合わせ、プノンペンへもこの企業哲学を展開していく予定としている。最先端の技術と印刷機器、そして熟練のグラフィックデザイナーを擁し、小規模の工場パートナーと組んで印刷やデザイン業務を行うことを目的としている。「我々の目標は、カンボジアの多くの製造業者を支援することです。我々には正しい処方箋があります。」とHolten社長は述べた。

Holten社長は、Pactics社をNGOなどの社会的支援団体とは一線を画したものと考えている。「利益が肝心です。我々はお金を稼ぐためにここにいます。これはビジネスなのです。」と彼は述べた。ルワンダに次いでカンボジアは世界でも一人当たりNGOの数が最も多く、海外援助団体からは毎年10億米ドルが経済に投入されている。

「多くのNGOがカンボジアを支援して素晴らしい仕事を行っており、私もこれらの人々に大きな敬意を払っています。ですがこうしたプロジェクトのほとんどは、寄付に全面的に頼っているため、支援が枯渇した場合プロジェクトは継続できません。」と彼は言った。「我々の労働者は、高級ブランド向けの製品を生産する世界市場で競争しており、そこで打ち勝つことができることを証明しています。我々は人々の生活を改善するためにできることがまだあることを示しているのです。」

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最終更新:2017年08月03日13:43

カンボジア:シェムリアップのPactics社はなぜ過分の賃金支払いを行うのか(前)

アジアの縫製工場というと、ほとんどの人が「労動搾取工場」といった言葉を頭に思い浮かべることであろう。恐ろしく低い賃金、お粗末で労働搾取的な職場環境、息が詰まるほど暑い生産ライン、安価に大量生産された製品が山と積み上げられた作業場、何時間も続く操業。また多くの人が、衣料品の真価に一抹の不愉快な感覚をもたらすような心痛むニュースを思い起こすことであろう。例えば2013年に1129人が死亡した、バングラデシュにある8階建て縫製工場Rana Plazaの崩壊事故-それはダッカにある縫製工場の火災によって117人が死亡した事故からわずか1年後に発生した。またカンボジアでは、工場内での集団卒倒事故がしばしば報じられており、2013年の靴工場崩壊事故では2人の労働者が死亡した。さらに2014年に縫製労働者がより高い賃金を求めて起こしたストライキでは、警察が抗議活動を行っていたグループに発砲し、少なくとも4人が殺害された。

Tiffany、Ray-Ban、OakleyやBurberryなどのラグジュアリーブランド向けに高級マイクロファイバーを使ったアクセサリーを製造し、シェムリアップに拠点を置く革新的な繊維会社のPacticsという会社がある。カンボジアで最も有名な観光都市であるシェムリアップ郊外の緑豊かな土地に位置し、環境保全や企業の社会的責任に熱心なこの工場では、約350人の従業員を雇用し、主にマイクロファイバー製の布や、主に世界最大のアイウェア企業であるイタリアのLuxotticaグループ向けにサングラス用ケースを生産している。Pactics社では年間およそ5000万点もの製品を生産している。

木陰の中、蓮で覆われた池の周りを扇形にとり囲んでいるPactics社の4つの建物は、高い名声を得ているStuart Cochlin氏によって設計され、いくつもの涼しげで良く風の通る中庭の周りに配置されている。この革新的なデザインが実現していることを目の当たりにする、と人々はみな驚かされる。生産がピークとなる、蒸し暑いカンボジアの日中の時間帯であっても、工場の床は冷たく快適である。巨大な天窓や窓は光を存分に「収穫」し、通気孔は換気をさらに強めている。ソーラーパネルによって蓄積された電力は夜間のLED灯のエネルギーとなり、雨水はトイレの洗浄水とするために貯水されている。「Pactics社の室温は外と比べて3~5度低くなっています。」とPactics社の創業者兼社長であるPiet Holten氏は述べた。彼は2004年に上海で同社を設立したものの、2010年にカンボジアに拠点を移し、オランダ政府から助成金75万米ドルを受け、2012年に「緑の」シェムリアップ工場を建設した。「中国は気候が冬のマイナス5度から夏には35度まで変化し、暖房や空調に多額の投資が必要であるため、とてもこのようなサステイナブルな建物を建設することはできませんでした。」と彼は言った。

Holten社長は、2010年に息子とバックパック旅行をする中でカンボジアを訪問し、シェムリアップにおける「居心地のよい感覚」と親切な人々に、すぐに魅了されたと言った。 Pactics社を上海で設立し、中国衣料品産業の生産コストが高騰していることを既に身をもって体験していたため、カンボジアでの稼動が可能かどうかを調査するために彼はプノンペンを訪問した。訪問してすぐに、彼はプノンペンの産業が多くの点で中国に類似していると感じた。そこでは多くの若い女性が、労働のために遠くの農村地帯やシェムリアップなどの町から「不慣れでよく知らない都市」に移住してきていた。

「私はこういった労働モデルが理想だと感じませんでした。そしてなぜ工場の方を人々のいるところに移設しないのか?と考えたのです。若い女性を地域社会から引き離して働かせると、その収入の半分を家族に送金すれば生活の余裕はなくなってしまいます。彼女らが家族と一緒に暮らしさえすれば、自身の収入による恩恵を受けることもできるでしょう。」

Pactics工場の建設コストは安くはなかったものの、Holten社長の考えでは既にそれは回収されているという。「すべてをコストとして見る場合、(持続可能性という)考え方などは気にしてはいられないでしょう。我々の社屋はカンボジアにある他の工場よりもはるかに高価です。私が話している典型的なタイプの工場は窓なしで、私は「オーブン」と呼んでいます。我々の建物は1平方メートル当たり250米ドルかかっていますが、こういった建物は1平方メートル当たり150米ドル程度で建てることができます。ですが、我々の建物から得られるメリットは膨大です。例えば快適な職場環境により、従業員の離職率が低くなり、生産性が向上します。それにより、すぐにそのコストを取り返すことができるのです。」と彼は述べた。「我々の職場における傷病休暇率は1%以下で、その生産性は中国と同じかそれ以上ですが、カンボジアのその他多くの工場では中国の生産性の半分程度です。これは単なる企業の社会的責任(CSR)の取り組みではなく、優れた財務投資なのです。」

Pactics社では、国際労働機関(ILO)の監視プログラムであるBetter Factoriesにより設定されたガイドラインを採用している。この工場ではまた、SA 8000とISO 9000の認定も受けている。このことは最高水準の社会コンプライアンスを達成しているということであり、カンボジアの企業では非常に珍しいことである。カンボジアにおける法律上の就労年齢は15歳以上であるが、Pactics社で働くには18歳以上であることを求めている。「従業員は製品を生かしも殺しもします。」とHolten社長は言った。「彼女らを使い捨てと見なすと、最終的には失敗という結果に終わるでしょう。」彼は生産性連動の出来高制システムを採用し、月額135米ドルの最低保証賃金以上を稼ぐよう従業員に促している。従業員は年間44日間の有給休暇を与えられており、研修やトレーニングのサポートも受けている。現在Pactics社の2名の工場労働者が、会社からの資金援助を受けて大学でエンジニアリングを学んでいる。

 

(後編につづく)

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最終更新:2017年08月03日12:43

カンボジア:香港の投資家達がコンポンスプー州に注目

地元の役人によると、繊維・履物・旅行カバン工場の設置を目的に香港の投資家達がカンボジアのコンポンスプー州西部に注目しているという。

香港企業10社以上が同省の工場への投資を希望しており、住民に無数の雇用を生む可能性があるとコンポンスプー州のVei Samnang知事は説明した。

いくつかの投資計画の中には、工場をミャンマーからカンボジアに移転するものもあるという。こうした計画の一つに、翌月までにコンポンスプー州に工場を開設するというものがあり、初めは約5000人の雇用を生み出し、フル稼働時には1万人以上に拡大する見込みである。

Samnang氏によると、香港の投資家達は世界市場向けのブランド製品に焦点を当てる予定であるという。

シアヌークビルの海港へのアクセスが容易であるという戦略的な立地、及び道路・鉄道・航空への優れたインフラ接続という点から、彼らはコンポンスプー州に興味を持っている。

「政治・経済の安定性、若い労働力、そして、アメリカや日本、EU、カナダ、その他各国といった世界市場へアクセスする機会という点から、香港のほとんどの投資家達はカンボジアを信頼しています。」とSamnang氏は述べた。

コンポンスプー州は、北はポーサット州とコンポンチュナン州、東はカンダル州、東南はタケオ州、南はカンポット州、そして西はココン州と隣接している。

国家最高経済評議会のMey Kalyan上級アドバイザーはこの動きに関し歓迎の意を示し、プノンペンにも近く、シアヌークビルにアクセス可能な国道4号線にも接続していることから、コンポンスプー州の立地の良さを説明した。

「旅行カバンを無関税でアメリカの輸出できるということも我々の強みです。」

またKalyan氏は、カンボジアには十分な人的資源があり、他の付加価値の高い製品にも多様化させるべきだと述べた。

Samnang氏によると、現在コンポンスプー州には119の工場があり、そのほとんどが衣料品や履物を生産しているという。こうした工場は現地や近隣州の人々に約9万の雇用を生み出している。その他コンポンスプー州には手工芸や中小規模企業に関連する13万の雇用がある。

昨年7月、アメリカ政府は一般特恵関税制度(GSP)により、カンボジアに対しカバンやバックパック、ハンドバック、財布などの旅行用品の免税優遇措置を認めた。

アメリカのGSP見直しに先立ち、カンボジアの履物製品輸出に特恵貿易の条件を与えるよう、アメリカ政府に対し衣料品・履物メーカーが政府と共に要請した。

優遇システムは、発展途上国が特定の品目を援助国に輸出する際に関税率の軽減を認めている。アメリカ政府は国内の産業を保護するために、現在カンボジアの履物、繊維・縫製製品をGSPから除外している。

カンボジア縫製業協会のKaing Monika副会長によると、履物製品の多くはかつて輸入に注意が必要であったが、現在ではほとんどが完全に海外で生産されているという。

「カンボジアのような貧しい国のためにアメリカ政府がGSPプログラムを見直すにはちょうどいい時期にあると思います。」と同氏は述べた。

「GSPは貧しい国向けに1974年以降提供されていますが、繊維・履物製品は一度として含まれたことはありません。私が知っている限り、アメリカ政府は履物製品へのGSP付与を検討していますので、私たちへの付与も検討するようワシントンに依頼しなければならないのです。」

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最終更新:2017年08月02日06:08

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