インドシナニュース

2017年07月 のニュース一覧

カンボジア:履物に米国GSP 適用されれば新たに100工場進出か

もしカンボジアが米国の一般特恵関税制度(GSP)の恩恵を受けることができるのであれば、新たに100の製靴工場を国内に誘致できるとカンボジア縫製業協会(GMAC)の会長は述べた。

Van Sou Ieng会長は、昨年旅行用品に特恵待遇が与えられたことは、新たな投資誘致と熟練・未熟練労働者の大量の新規雇用創出の面で旅行用品産業にとっては非常に好ましい結果をもたらしたと述べた。

会長は、製靴産業はカンボジアの経済発展と輸出促進に非常に重要な役割を果たしてきたとし、米国が履物類についても特恵待遇を考慮することを望むと述べた。

「昨年6月に旅行用品が米国への輸出で免税措置を与えられました。それ以来1年で20工場がカンボジアに進出しました。2週間に1工場が進出していることになります。これは非常に望ましいことで、旅行用品部門へのさらなる投資誘致に努めたいと考えています。現在、縫製業協会では履物類への特恵関税待遇付与に向けて米国政府への働きかけを行うことについて、製靴業者と話し合いを進めています。特恵待遇が得られれば、カンボジアに新たに少なくとも100工場を誘致できると確信しています。製靴工場は1か所で5000人以上もの雇用を発生させるため、経済面からも非常に便益が大きいです」

Pen Sovicheat国内商業部長は、政府も縫製業協会と協力し、特恵待遇付与について米国政府への働きかけを行いたいと述べた。

「一般特恵関税制度で関税率がゼロになるかどうかはともかく、それでも特恵待遇を望みます」と彼は述べた。

現在、縫製業協会の会員のうち59社が製靴企業であり、会員企業の昨年度の輸出額は7億米ドルに達した。

縫製業協会のKaing Monika副会長は7月24日、米国が履物類の一般特恵関税制度の見直しを行っており、このプロセスは12月までかかる見込みであると述べた。

「カンボジアは労働コンプライアンスの面でも良好であり、近年の最低賃金上昇で国際競争力が弱まりつつある中、米国政府がカンボジアの経済開発に資するため特恵関税制度の適用を考慮することを望みます」と副会長は述べた。

先週発表されたアジア開発銀行の報告書では、カンボジア経済はドルと密接にリンクしており、最低賃金の調整については生産力の上昇と同調したものとし、労働コストを監理し、製造国として輸出市場での競争力を保つことに十分な注意を払う必要があると指摘している。

アジア開発銀行は、カンボジアは基礎教育の質を向上させ、職業スキルや技能を上げることで競争力を保つべきであるとしている。

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最終更新:2017年07月31日12:16

カンボジア:米国への靴の輸出にも免税措置を求める

カンボジア衣料製造業者協会(GMAC)は、米国が一般特恵関税制度(GSP)を拡大して靴の輸出も含める可能性について話し合うためにメンバー靴製造業者との会合を昨日開催した。

GMACは、年末に予定されている米国の制度更新に先立って、履物のGSP免税措置取得に向けて働きかけることを提案した。 昨年、米国は一般特恵関税制度を改訂し、カンボジアの旅行用品には免税措置が適用された。

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最終更新:2017年07月22日12:39

カンボジア:初の縫製訓練所がオープン

アパレルデザイン、開発、経営、商品化計画、そして生産管理工学を目的とした、カンボジアで初の縫製訓練所が7月11日、授業を開始した。

国内14工場の160名以上の労働者が、カンボジア縫製製造産業協会によって編成されたプノンペン特別経済ゾーン内部に設置されているカンボジア衣料訓練所でコースを開始する。

当訓練所はカンボジアの最も主要な産業に存在する「技能の不足」に対する解決策の一環とされており、労働者の訓練と中間管理欠員の補填補助を目指している。

「こうしたコースは産業内で最も欠けている仕事をベースとしています。」訓練所所長のAndrew Tey氏は述べた。

同訓練所では3つの異なる学位プログラムを提供しており、期間は全て約3ヶ月間で、各3〜5日間に渡る27のショートコースの選択肢から構成されている。

Tey氏によると、ショートコースだけの利用が最も多くの関心を呼んでいるという。

「工場には従業員を長期間派遣する余裕がないため、学位コースを授与するために従業員を派遣している工場は今の所ありません。」最初のコースに参加しているほとんどの人たちの学費が、工場によって支払われているとTey氏は説明した。

生産技術に関するコースに加えて、同訓練所では、高校や大学の生徒、及び管理職研修生としての工場の職業実習を含む現衣料労働者向けに「訓練と仕事」プログラムも提供している。

同訓練所によると、プログラムには800米ドルの頭金が必要だが、学生は訓練生としての仕事中に250米ドルの最低給与を受給し、約1年後に卒業したのちには似たような勤口で月間最大450米ドルを稼ぐことを望むことができるという。

3月に発行されたアジア財団の報告書によると、縫製産業は現在、70万人以上の労働者を抱えるカンボジアで最大の正式民間セクターの雇用口である。国際労働機関によると、同セクターはカンボジアの合計輸出額のおよそ80%を占めているという。

しかしながら、適切なスキルを持った労働者を見つけることはまだまだ難しいとアジア財団の報告書は述べている。

地域企業Emerging Markets Consultingのシニア・コンサルタントであるChou Ngeth氏によると、生産ラインの労働者たちの生産性が懸念であり、同産業でより付加価値の高い製品を生産し競争力を保つためには、こうした労働者たちのスキルを向上させ、最新機械を使用しなければならないという。

賃金の上昇とミャンマーやベトナムなどの近隣諸国との激化する競争が、同セクターに対する投資家たちの誘引力を脅かしている。

衣料産業における経営機会が、雇用口を見つけるのに苦労している大学卒業生にとって魅力的な選択肢になりうるだろうとNgeth氏は加えた。

「彼らにとって、これがまず初めに専門的な仕事を行うチャンスなのです。」そして長期的には管理者レベルで働くことになると彼は述べた。

同訓練所によると、センターはフランス開発局(AFD)から出資されており、シンガポールに拠点を持つファッション協会TaF.tcインターナショナルが技術的な援助を行なっている。

GMACが訓練所に資金を提供するためのAFDのローンの使い方は、繊維労働者の生産能力を拡大するための試みというよりは「収益事業」のように見えるとカンボジア労働総連合のAth Thorn代表は疑問を投げかけた。

「労働者たちがこうしたスキルを学ぶためには、訓練所は良いアイディアだと思います。しかしながら、雇用者たちには元々労働者たちを訓練する責任があり、訓練所にはありません。この訓練所は、私たちが思っていたよりもずっとビジネス的なアイディアのようです。」と同氏は述べた。

「彼らは訓練を受けたい労働者たちを受け入れるべきだし、料金も引き下げるべきです。」と同氏は述べ、プロジェクトはAFDの資金がどのように割り当てられているかを監視する委員会を海外に設置すべきだと加えた。

「もし工場が訓練を受けるために管理職員だけを送り込めば、仕事を得るために訓練を受けたい人たちは何もできません。」

訓練所所長のTey氏によると、提供されている全てのコースはTaF.tcから直接来たものであり、最初の年は国際的なトレーナーによって教えられる予定だという。2年目までには少なくとも50%のコースでカンボジア人のトレーナーが指導し、3年目には100%にしたいという。

訓練所には教室が8つあり、一度に200名の学生に対応できるという。

 

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最終更新:2017年07月18日15:35

カンボジア:Nike、Asics、Puma関連の工場で働く女性労働者が集団卒倒に苦しむ(後)

(前編より)

 

カンボジア労働省の国家社会保障基金のCheav Bunrithディレクターは、栄養摂取と気分が悪い際の手当てに関する教育プログラムのおかげで、卒倒事故の数は2015年の1800人から去年には1160人にまで減少したと述べた。しかし彼は、工場環境の改善の必要性についても認めた。「冷却システムは工場の規模に応じて設定する必要があり、加えて安全な電気供給システムも整えなければなりません。」

集団卒倒について研究している医療社会学者のRobert Bartholomew氏は、劣悪な環境下で長時間勤務が行われた19世紀の英国において頻発した類似の事故と、カンボジアの事故を比較検証している。それは「潜在的な政治的抵抗」の一形態である、と彼は指摘した。「こうした事故が頻発する原因は肉体的ではなく心理的なものであり、集団における心因性疾患の一種なのです。」とBartholomew氏は述べた。

「労働者に栄養価の高い食品を提供することは有効で良いことですが、長時間労働、ストレス大きい労働環境、低賃金の問題についても徹底的に改革することが必要です。」と彼は述べた。

Observer and DanwatchがPuma、VF Corporation、Nike、Asicsに確認したところによると、これらの企業では昨年の11月から今年3月にかけて発生した一連の事故について調査を行ったという。Nike社は火災予防の措置をとり、火災訓練の回数も増加させたとした。また内部監査によりNike社の定める上限値を超える最高30℃の室温が検出されたため、冷却システムと空調設備も新たに導入された。「社会への影響と工場における是正措置の必要性を示す兆候と受け止め、我々は真剣に失神の問題に取り組みます。」とし、Nike社ではまた、短期雇用契約制を採用しないこととした。

Puma社は、栄養補助食品の提供や健康診断の実施、換気システムのメンテナンス、労働者管理委員会の設置などの勧告を行ったことを明らかにした。またPuma社では現在、2年以上勤務する労働者について、短期雇用契約から切り替えようと計画している。こうした取り組みは、国連の労働機関と国際金融公社とのパートナーシップからなるBetter Factories Cambodia(BFC)と共同の取り組みである。「集団卒倒の原因は複数あり、それらは複雑に絡まりあっています。」とした。「ブランド各社、工場、労働者、政府との間で協力的な取り組みが行われてこそ、状況は改善されることになるでしょう。」

Asics社もまた、BFCとも協力し取り組んでいる。「労働者の失神は、さまざまな要因によって引き起こされる複雑な問題です。」とし、「工場ではAsics社とBFCと共に、労働者の意識改革と安全衛生トレーニングに注力するだけでなく、換気システムの改善を含む様々な問題に対処して参ります。」と続けた。

VF社は世界的に1000ものサプライヤー工場と共に取り組んでいるとした。「当社のチームは温度管理や休憩時間など、契約サプライヤー工場における労働条件がその地域の法律や規制に沿っていることを確実なものとするよう懸命に努力しています。」とした。

 

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最終更新:2017年07月01日12:01

カンボジア:Nike、Asics、Puma関連の工場で働く女性労働者が集団卒倒に苦しむ(前)

スポーツウェアブランド各社は、短期雇用従業員が30℃以上の室温の中10時間勤務する工場において事故が相次いだと総括

 

世界で最も有名なスポーツウェアブランド複数社に対して供給を行うカンボジアの工場で働く女性たちは、労働環境に起因して繰り返して発生する集団卒倒に苦しんでいる。

昨年1年間で、Nike、Puma、Asics、VF Corporationに製品を供給する4つ工場で働く500人以上の労働者が病院に搬送された。昨年11月に3日間にわたって発生した最も深刻な事故では、360人もの労働者が卒倒した。ブランド側もこの事故を認めたが、これは60万人強の、そのほとんどが女性の縫製労働者を何年にもわたって悩ませてきた一連の失神騒動の一つであった。

デンマークの調査メディアグループであるObserver and Danwatchは、2015年に57億米ドル規模にも達したアパレル業界で働く労働者、労働組合、医師、慈善団体、政府関係者に対してインタビューを行った。

失神を経験したある女性は1日10時間、週6日働いており、疲れと空腹を感じていたという。室温が37℃にも達する3つの工場では、過度に暑い室温にも問題があった。隣国ベトナムでは工場の温度は32℃を超えてはならないと規定しているが、カンボジアにはそういった制限はなく、労働者の就業が困難となるほど室温が「非常に高い」レベルに達した場合は、雇用主はファンや空調設備を設置することが求められる。

また労働組合によると、3つの工場で働く労働者にとって短期雇用契約もストレスと疲労の主な原因であるという。

カンボジアの月額最低賃金は120英ポンドで、一日2時間の労働時間外労働を含むと工場によっては150~190英ポンドになる。賃金水準は様々であるが、労働者の権利同盟であるAsia Floor Wageによると、問題となった4つの工場ではいずれも、カンボジアにおいて月300英ポンドとされる「生活賃金」を支払っていないという。

米国の大学で構成され、縫製工場を監督するWorker Rights Consortiumで東南アジア地域を統括するBent Gehrt氏は次のように指摘した。「適切な労働環境や生活賃金に対するきちんとした投資は行われていません。労働者が失神するような事故は、もっと劇的に何かを改善する必要があるという明確な示唆なのです。」

短期雇用契約は雇用不安の「根本的な原因」となっており、それが故に労働者は残業を拒否できないのだ、と彼は続けた。「労働者は残業をしなければ、契約を更新されないと考えるでしょう。」

カンボジア縫製業協会(GMAC)によると、集団卒倒は工場の生産を停止させて生産性の低下を引き起こし、数十万英ポンドものコスト要因となるという。360人の労働者が3日間に亘って倒れた際は、コンポンスプー州のAsicsの靴を供給する工場では一時的な閉鎖に追い込まれた。

Collective Union of Movement of Workersの代表であるNorn Sophea氏によると、一人の女性が、気温が37℃にも達する工場で発作を起こした際、「集団パニック」が発生したという。「特定の部門にはその場所を冷やすための小さなファンがありますが、その他の場所では、ファンは工場のほこりを取り除くだけの機能しかなく、そういった場所は非常に暑くなるのです。」とSophea氏は指摘した。

Nikeに製品を供給している工場において火事から逃れるために殺到し、28人が倒れたという事故では、労働者たちは命の危険さえ感じた。Pumaに商品を供給している工場において分厚い煙が蔓延した際も、また別のパニックが発生した。

プノンペン郊外のPuma向けにスポーツウェアを製造する工場では、3月に煙が工場の床を覆い、150人の労働者が倒れた。28歳のある女性は、2時間も意識不明となった。

「私は爆発音を聞きました。ほどなく煙が工場に充満しました。皆怖がり、パニックになったのです。私は逃げるために出口に走りましたが施錠されていたため、マネージャー専用のドアの方に走ったのです。」と彼女は言った。「多くの労働者が後ろに殺到していました。何人かの労働者は逃げることができず、失神し始めたと聞きました。」

カンボジアのアパレル労働者連盟のKim So Thet会長は、工場に冷却システムの設置を求めた。「乾季には室温はとても高くなります。」とSo Thet会長は述べた。「毒物のような臭いがする発電機の火と熱が組み合わさって、労働者は病気になってしまいます。」

Puma社は爆発に関する報告は上がってきていないが、発電機の不具合によって煙が発生し、作業員は避難口から逃げようとしたようだ、とした。

長時間労働、ストレスの多い労働環境、そして低賃金という点で、抜本的な改革が必要となっている。

不十分な換気と工場内外の化学物質が劣悪な労働環境を引き起こしている上、地方工場の労働者はトラックで最大2時間立ちつくしなど、通勤に疲れきっている。

 

(後編に続く)

 

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最終更新:2017年07月01日06:01

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