インドシナニュース

2017年06月 のニュース一覧

カンボジア:最低賃金交渉は7月に開始予定

カンボジア繊維産業の今年の最低賃金交渉は7月に始まる見込みであると、Ith Sam Heng労働大臣が19日に発表した。Sam Heng大臣は交渉過程を「政治化」しないよう呼びかけているが、労働組合側は来年の国政選挙が有利に働くかもしれないと、慎重ながらも楽観的な見通しをしている。

組合・企業・労働省がそれぞれの希望賃金額を提示することから交渉は始まると、2日間に渡る賃金政策研修イベントの開会式にてSam Heng氏は説明した。翌月となる8月には、9月の三者間交渉に先駆けた、組合・企業との二者間面談を労働省が設定する予定である。最終的な国定最低賃金は10月に確定し、2018年に施行される。

来年の国政選挙を見通し、「不必要な混乱」を生む可能性があるとして、賃金を「論点」としないよう、Sam Heng氏は政治家たちに呼びかけてもいる。

2013年、国政選挙をきっかけに起こった最低賃金抗議は大規模な反対運動へと発展し、2014年1月にVeng Sreng通りでストライキに参加中の労働者達に当局が発砲し、5名が死亡することで幕を閉じた。実質的な関連性はないものの、反対運動家達の自由公園の占拠は翌日、暴力的に解散させられた。

Sam Heng氏の警告にも関わらず、カンボジアアパレル労働者民主連盟のAth Thorn代表は、各政党の点数稼ぎをしたいという気持ちが労働者にとって良い方向に働くよう望んでいると語った。

「繊維工場労働者達の支持を惹きつけるような政策をそれぞれの政党が打ち立てるため、

(労働者達が)より高い賃金を得るチャンスは高くなるでしょう。」とThorn氏は述べたが、自身が求める具体的な賃金額に関しては明らかにしなかった。

カンボジア組合連合の会長Chuon Mom Thol氏も慎重ながら楽観的な見通しをしているが、昨年ほどの賃金上昇は見込んでいないという。昨年、最低賃金額は月間140米ドルから153米ドルと、カンボジアの繊維産業では10%近くも上昇した。

「Samdech(Hun Sen首相)が(選挙)期間中に労働者達の興味を引き付けるのは定石です。」とThol氏は説明した。

一方、労働者権利団体Solidarity CenterのKhun Taro氏は、与党であるカンボジア人民党の年間賃金の引き上げが、政治的な結果を持つように明らかに意図されていることを考慮すると、賃金交渉から政治的な要素をなくそうという労働省の呼びかけは馬鹿らしいと述べた。

労働者の権利グループCentralのMoeun Tola氏はTaro氏の意見に賛同し、2012年、野党の救国党が民間セクターの最低賃金を150米ドルに、公務員の最低賃金を250米ドルにするよう呼びかけ人気を博すと、政府は両賃金とも上向きに調整していたことを指摘した。

「政治的な圧力がなければ賃金の引き上げは起こりません。」とTola氏は述べた。賃金関連の独立調査禁止や最低賃金に対する反対運動の禁止を含めた、労働省が提示する最低賃金法案に関しては、言論の自由を踏みにじり、各組合内での意見の交換を断つ可能性があると、Taro氏・Tola氏共に懸念を表明している。

GapやLevi-Straussなど、アメリカの大手アパレルブランド数社を代表するアメリカアパレル・履物協会のRick Helfenbein会長も、6月7日に法案の再考を呼びかけている。Taro氏やTola氏と同様、もし法案が成立すれば「すでに難しいとされている交渉にさらに大きな課題を投げかける」可能性があると、懸念を示している。

労働省のHeng Sour報道官は、法案は本年末まで国会に採択されない見込みであることを説明の上、こうした懸念の声を退けている。

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最終更新:2017年06月22日06:00

カンボジア:米国アパレルバイヤーが審議中の労働関連法に懸念を表明

カンボジアで審議中の最低賃金及び労使問題仲裁に関する2件の法案をめぐり、米国のアパレル・履物のバイヤーに懸念が広がっている。

アメリカアパレル・履物協会(AAFA)は先週、カンボジアのフン・セン首相に対し、現在カンボジア政府が審議中の法案内容に対する懸念を表明する書簡を送付した。

現在検討中の最低賃金法案について、同協会は「最低賃金についての調査や討議を労働審議会のみに限定しようとしている」との懸念を表明している。

「関係者が労働審議会の枠外で最低賃金についての調査を実施したり、団体内外での討議を実施したりすることを妨げることで、最低賃金法はすでに困難な調整をさらに困難にし、この重要な決定に用いられる情報を限定することにもなりかねない。政府は労働審議会の関与の有無に関わらず、全ての関係者による調査の実施と意見の共有を認めることを望む」

現在、カンボジアでは縫製・製靴労働者のみが月額153米ドルの最低賃金を保証されている。しかし、昨年末に政府は全ての労働者を対象とした最低賃金の制定の計画を明らかにした。

さらに政府は現在、労使争議仲裁法の制定も検定している。

「労使争議という困難な問題に取り組むことは重要だが、独立した実効性ある仲裁委員会(AC)の発展に協力してきた企業側を代表し、この法律が仲裁委員会の仕事を妨げることになりかねないとの懸念を表明したい」とアメリカアパレル・履物協会のRick Helfenbein会長は書簡で表明した。

「この法案は現在すでに効率的に運用されているプロセスにさらなるステップを追加することとなる。仲裁委員会に必要な補強をせずに個別の仲裁まで持ち込まれるようになれば、仲裁委員会の処理能力を超えることになりかねない。

加えて、仲裁委員会を多数派を占める労働組合のみに限定すると、問題解決の手段を持たない労働者が多数発生する。これは仲裁委員会に持ち込まれる件数の大幅な減少からすでに明らかである。

仲裁委員会に影響を及ぼすような変更に注意を促したい。それにより、企業、労働者を含む全ての関係者が信頼できるような方法での仲裁委員会による問題解決と労働法の適用をさらに困難にしかねない」

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最終更新:2017年06月20日12:36

カンボジア:縫製・製靴産業、輸出増・雇用減

国際労働機関(ILO)のカンボジア報告書第6版によると、カンボジアの縫製・製靴産業からの輸出は2016年も増加を続け、輸出額は前年比7.2%増の73億米ドルに達したが、公式に登録された輸出工場の数は前年比10.7%減少し、労働者数も2.9%減少した。

最新版のILOカンボジア縫製・製靴産業報告書では、好調な輸出と雇用・企業創出の弱さの原因として主に3つの要因を挙げている。縫製・製靴産業の生産性の向上、雇用・企業数計測における統計上の問題、下請け工場による生産の増加である。

ILOタイ・カンボジア・ラオス事務所のMaurizio Bussi所長は、「もし労働法や最低賃金といった規制をくぐり抜けるために下請けが行なわれているのであれば、下請け工場による生産と雇用の増加は懸念すべき事態だ」と話す。

登録された輸出工場と異なり、下請け工場はBetter Factories Cambodiaによるモニタリングを受けず、政府の実施機関の監理も行き届かない可能性がある。

「カンボジア政府関係機関や関係者は状況を注意深くモニタリングしていくべきだ」とBussi所長は話す。

ILO報告書によると、縫製・製靴産業は依然としてカンボジアの最も重要な輸出産業であり、2016年の物品輸出の78%を占める。カンボジアからの衣料品、履物類の最大市場はEUで、その後に米国が続く。

EU、米国への衣類・履物輸出を合わせると2016年は輸出額の65%に達した。この2市場が占める割合は、日本、カナダ等の外部市場のシェア上昇により、2015年の72%からは低下している。

カンボジアの縫製・製靴産業労働者の残業代を含む平均月額給与は2014年には145米ドルであったが、2015年は175米ドル、2016年には195米ドルと上昇を続けている。インフレ率を考慮すると、2016年の実質的な月額給与所得は前年比で8%の増加であった。

この報告書は「グローバルサプライチェーンにおける労働基準」プログラムの一環として出版された。このプログラムはドイツ政府を代表し連邦経済協力開発省(BMZ)の資金援助により実施されている。

 

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最終更新:2017年06月07日06:01

カンボジア:中国人縫製工場オーナーが小切手不渡りで逮捕

プノンペンのTuol Kork地区で5月27日、5ヶ月間にわたって逃亡していた中国人の縫製工場オーナーが逮捕された。

内務省の刑事警察のSok Vuthy担当官によると、Zhou We氏は1月に小切手の不渡りで有罪

宣告されていたものの、27日に逮捕されるまで逃亡を続けていた。

「彼女は不在のままプノンペン市法廷で2017年1月に懲役1年の判決を受けていたが、それからずっと逃亡を続けていた。彼女は逮捕令状に従い拘留された」とVuthy氏は述べた。

警察の報告によると、Zhou氏は昨年7月に縫製工場拡張のためのローンの支払いとしてある男性宛てに6万ドルの小切手を発行した。

しかし、男性が銀行で小切手を換金しようとしたところ、彼女の口座には残高が全くない状況であった。

男性がZhou氏に連絡し返済を求めたところ、彼女は姿を消した。その後、昨年末に男性は警察に被害届を提出した。

プノンペン市の法廷は1月25日、Zhou氏を1年の懲役とし、男性への6万ドルの返済を求める判決を下していた。

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最終更新:2017年06月02日12:03

カンボジア:職業訓練センター創設で縫製労働者のスキルアップを支援

カンボジア縫製業協会(GMAC)は来月新しい職業訓練センターを立ち上げ、現状主に外国人が占めている中間管理職をカンボジア人労働者に置き換えることを目的に、スキル向上のためのコースを提供する。

カンボジアアパレル研究所(CGTI)は、フランスの開発機関であるAgence Française de Développement(AFD)から300万米ドルの融資を受けて設立され、昨年9月にプノンペン経済特区内でその建設が着手された。

GMACの運営マネージャーであるLy Tek Heng氏によると、国内アパレル部門の70万人分の職のうち約8000を外国人が占めているという。彼はカンボジアの労働者をこの新しい職業訓練センターにおいて、商品担当者、ファッションデザイナー、パターンメーカーなどファッション業界におけるハイレベルな専門家としてトレーニングすることによって、外国人の構成割合を減らすのに寄与したいと述べた。このことはまた、品質管理スキルの向上にもつながるという。

Tek Heng氏は、「現時点ではカンボジア人労働者ではその責務を担えないため、管理職として外国人を雇用しなければなりません。」とし、一方でアパレル業界の経営者は低コストの地元労働者を使い、経費削減することを望んでいると述べた。

「このトレーニング機関ではカンボジアの労働者がより高い賃金を獲得することを支援し、工場経営者には海外の人材を雇用するためのコスト削減に寄与するでしょう。」と彼は説明した。

GMACの加盟企業ではトレーニングセンターの業務運営のために300万米ドルのAFDからの融資に加え、3年間で約70万米ドルの運営費を見込んでいる。 CGTIでは受講生1人あたり4ヶ月の受講期間で140米ドルのコース料金とし、3種類のコースを提供する。

開講当初はGMACの加盟工場で働く労働者のみを受講対象とするが、最終的には一般で公募する予定としている。

Tek Heng氏は、カンボジア人が中間管理職を担えるほどのスキルを身につければ、労使関係が円滑になり、外資工場における文化的違いによる紛争を減らす助けになるだろう、と楽観的見通しを示した。

シンガポール資本でジャケット、ショーツ、パンツ、水着などを生産するAkeentex Pte Ltdの管理責任者であるLim Sovannaren氏は、同社で約1200人の従業員が働いているが、CGTIのコースに誰も参加していないと明らかにした。しかし彼女は、経営者が彼女のスキルを高めるためにコース受講をサポートしてくれることを希望した。

「現在働いている業種に特化したトレーニングコースを提供してくれるのは良いことだと思います。」と彼女は述べた。

商務省の報道官であるSoeng Sophary氏は、アパレル業界で働くカンボジア人の潜在的能力は大きいものの、長期的な経済成長を可能とする生産性とスキルの向上には職業訓練が不可欠だと述べた。

「カンボジア労働者のスキルがレベルアップすれば、より高い賃金を得られるようになります。」と彼女は述べた。「このことは同時に、カンボジアにアパレル産業の成長や投資を支えるのに十分な人材を抱えられることを示しています。」

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最終更新:2017年06月01日12:07

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