インドシナニュース

2016年11月 のニュース一覧

カンボジア:中国企業が消費市場として注目

Nike、Puma、Gap等の大企業に長年納品してきた中国の縫製工場がカンボジアを有望な消費市場として注目している。

シアヌークビル経済特区(SSEZ)のJack Chen会長は、中国江蘇省の紅豆集団(Hongdou Group)がカンボジアの消費動向調査を行っており、カンボジアでの店舗開設に関心を示していると述べた。

SSEZで製造される製品のほとんどが中国か欧米に出荷されているが、紅豆集団はカンボジアでのいわゆる高品質製品の市場がどの程度成熟しているか調査する見込みであるという。

「ワーキンググループはカンボジアを訪問し、現地市場、店舗設置場所、カンボジア人の嗜好などを調査する予定です」と先ごろ無錫市で行われた会合でChen会長は報道関係者に述べた。

Hodoとしても知られる紅豆集団は縫製分野で事業を行っており、タイヤ等のゴム原材料も製造している。

「いつ事業を開始するかはこうした情報を全て収集してから決定することになります」とChen会長は述べた。

紅豆集団のEdward Kingsonブランド文化部長は、この動きは同グループの主要市場である中国以外への事業の多様化の一環だと述べた。

同グループはまずプノンペンに店舗を開設し、そこから展開していくことを予定している。同グループは中国市場向けとしてジャケットその他の男性用、女性用衣類を生産している。

カンボジアに出店した場合、製品はほとんどSSEZで生産されたものになるが、費用や需要によっては中国から輸入することもあり得るとKingson部長は述べた。

「カンボジア人にとって低価格で、高品質な製品を提供できるはずです」とKingson部長は話す。

カンボジアには500以上の縫製工場が存在し、80万人以上が雇用されている。

SSEZには生産工場103社が入居し、16万人が働いている。

Chen会長は、SSEZがいずれ300工場規模まで成長し、80万人から100万人を雇用できるようになることを望むと述べた。

SSEZに入居する工場のほとんどが中国企業であるが、日本、米国、フランス、韓国、ベトナム、タイ、アイルランド企業の工場も入居している。多くの工場が縫製・繊維製品を主に製造しているが、機械、ベニヤ板や家電の製造工場もいくつか存在する。

Chen会長は、製鉄業のある中国企業がSSEZに2億米ドル規模の投資を行う契約の準備を進めていることを明かした。SSEZでは自動車タイヤ製造業の誘致も進めているという。

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月29日12:14

カンボジア:交通事故で20人の縫製工員が負傷

11月19日土曜日の夜、カンポンスプー州で仕事から帰宅中のトラックが転覆して、20人の縫製労働者が負傷した。

国家社会保障基金(NSSF)の報告によると、縫製工員らの女性を運んでいるトラックの運転手は危険な運転をし、ハンドルを切りそこなって、午後4時40分にBorseth地区でトラックを転覆させた。

「トラックのケージが崩壊し、8人が重傷を負って20人が負傷し、地方自治体とNSSF関係者が病院に送られた」と同報告書は指摘した。

名前を明らかにしなかった地方警察当局者は、トラックには約50人の労働者が乗っていたが、多くは無事だったと語った。

「事故の原因となったトラックは別のトラックを追い抜こうとしましたが、バイクに直面し、このトラックは反対車線を走っていました」と言い、トラックの運転手は警察が到着する前に現場を逃げ出したと付け加えた。

労働省は11月20日、3人の労働者がプノンペンのカルメット病院に送られる重傷を負っていたと発表した。

先月、233人の縫製労働者が6つの州とプノンペンで交通事故で負傷したと報告された。

今年の上半期には、報告された事故で42人の労働者が死亡し、さらに2849人が負傷した。

11月20日には、別の交通事故で、カンポット州でミニバスがトヨタハイランダーSUVに追突して、8人が負傷した。

Dangtong地方警察署長Sorn Sovannaraは、午前4時30分に事故が起き、4人が重傷を負ったとクメール・タイムズに伝えた。

「ミニバスの運転手がハイランダーに競るように運転したため、事故が発生して、両方の運転手が重傷を負いました」とSovannara氏は述べた。「ミニバスの運転手は過度に疲れていたと思われます」

重傷を負ったけが人は当初、タケオ州の病院に送られた後、さらに治療のためにプノンペンに送られたと彼は付け加えた。両方の車両は、地区警察署に拘束されている。

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月25日13:24

カンボジア:新規工場建設で5万人の雇用創出

カンボジア政府の報道官は11月10日、2016年の1月から9月までに100以上の新工場が登録され、5万人以上の新規雇用が創出されたと述べた。

工業手工業省のOum Sotha報道官は、1月から9月末までに116の新工場が登録され、51,548人分の新規雇用が発生したと述べた。

「省の統計によると、新規工場数は前年同期を11%上回っています」と報道官は述べた。新設工場を加えるとカンボジア全土の登録工場数は1554となる。

「下請生産を行う小規模工場がいくつか閉鎖されましたが、大規模工場は全て通常通り操業しています」とSotha報道官は述べた。

報道官は、今年は今後も工場数の順調な伸びが期待でき、飲料大手コカコーラ社も今年12月、プノンペンの経済特区に1億米ドル規模の新工場をオープンする予定であると付け加えた。

加えて、米国政府が最近決定した一般特恵関税制度(GSP)の拡大により、カンボジア製旅行用品を米国市場に無関税で輸出できるようになるため、製造業社らが新たに工場建設を進めると予測されている。

工業省の統計によると、今年1月から9月までに260社の中小企業(SMEs)が設立され、2344人分の新規雇用が発生した。新たに設立された企業を合わせると登録中小企業数は3万9091社となり、およそ20万人を雇用していることとなる。

 

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月15日12:02

カンボジア:新進気鋭のデザイナーが国内ファッション黄金期の復活を目指す(後)

(前編より)

 

Jamesとして活動するカンボジア人デザイナーのKosal Ou氏は、2015年にプノンペンのキャットウォークに自身のブランドを出店した。彼は今、11月4日のメンズウェア・イブニングの企画でお披露目をする、最新コレクションLa Toileの最終仕上げを行っている。

縫製工場でGap、Mulberry、Calvin KleinやTommy Hilfigerなどの国際ブランド向けに衣料品を生産していた9年間の勤務経験は、この35歳デザイナーのファッションに対する情熱に火をつけ、国際規格、デザイン、良質の服をどのように縫製するのかについての知識をもたらした。彼は自身の仕立てビジネスを開始するために、2008年に工場の仕事を辞めた。

余暇に個人レッスンを受けたり、インターネットで技術的なヒントを得たりしながら、Kosal Ou氏は自身のメンズウェアブランドであるKool As Uを2012年に立ち上げた。彼はブティックをオープンし、今年は婦人服にも展開して国内外で販売を開始している。

「私は若い頃からファッションを愛好してきましたが、この国ではブランドの大半が輸入品です。私は世界に対して高品質のカンボジア製衣料品を発信していきたいと考えています。」とOu氏は述べた。「カンボジアには若くて現代的な人々が多くおり、それを私のデザインに反映することを目指しています。」

フランス式のデニムを扱うLa ToileブランドでKosal Ou氏は、都会的なスタイルで着回しの利く、デニムに特化した既製服コレクションを発表した。「私は職場やパーティーで、または週末にも着回すことができる服が欲しいと思っていました。私の作品はユニークで、毎日着ても快適な服を求めている人向けのものです。」

Kosal Ou氏は、Method of Disruption というコレクションを主宰するProtasio氏と並んで作品を発表する。プノンペン・デザイナーズウィークでは、熱烈に支持されているWaterlily、A.N.D. やDevinalexも最新作を発表するが、これらはすべて国内ブランドである。

このイベントでは首都のAudiショールームを豪華なキャットウォークに変えて、11月3日のTwo Wondersの単独ショーで幕開けする。彼らの女性向けコレクションであるTravellerは、その柔らかい質感とレイヤーに、対照的な大胆なシルエットを採用している。ジャンプスーツ、オフショルダーのトップスやパワースーツも非常に特徴的である。

レディースに続き、翌日夜はメンズウェアのイベントが開催される。このコレクションには、KimsによるThe Huntsman、EstablishedによるThe Last Blossom、Soknan によるKoi、Lee & Taylor によるAlazhiなどが参加する。

南アフリカ人のLee氏とマレーシア人のTaylor氏は、インドにインスピレーションを受けた既製服コレクションでプノンペンにおけるデビューを飾った。「我々は植民地時代のインドスタイルを取り入れています。」と6年前にカンボジアに移り住んだLee氏は述べた。「特に使用人の着用していた衣服に強い影響を受けており、グルカ兵のユニフォームに触発されたミリタリー調のものとなっています。」

ルーズなジャンプスーツ、流線的なドレス、ミリタリースタイルのジャケットにハードとソフトをあわせ持つ軽布を合わせている。「我々はコレクションを販売可能なものとするため、生地を選ぶ際に当地の気候をよく考慮しています。」とプノンペンのThe DollhouseサロンとPaperdollsというブティックを経営するLee氏は言った。「それは非常に重要なことで、ゆったりと通気性に優れた素材にする必要があるのです。」

デザイナーズウィークには初年度15のエントリーしかなかったが、今年のイベントでは2倍の申し込みがあり、このイベントの発展はカンボジアにおけるファッショナブルな衣服に対する需要の益々の高まりを象徴している。またLimkokwing大学やRaffles国際大学におけるファッションコースなどの専門的なファッションスクールやコースの開設は、優秀なデザイナーの新しい一群を生みだすことに寄与している。

昨年プノンペンでキャットウォーク・デビューを果たした香港出身のNatacha Van氏は、この国のファッションシーンで脚光を浴び、カンボジアの次世代トップモデルとして最初のシーズンを迎えようとしている。彼女はカンボジアのスタイル業界の将来において、高い期待を受けている。

「この地のファッション業界は本当に急速に発展しています。ますます多くの人々がこの業界の運営について、多くの知識やアイデアを持つようになっています。」とロンドンのファッション大学で学んだ後、彼女の父親の故郷であるカンボジアに移り住み、2年前に自身のブランドを立ち上げたVan氏は言った。「人々は異質なものをより柔軟に受け入れるようになってきており、プノンペン・デザイナーズウィークのようなイベントは、我々にブランドの内容と、それがいかに素晴らしいかを披露できるプラットフォームを提供してくれています。」

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月13日06:04

カンボジア:新進気鋭のデザイナーが国内ファッション黄金期の復活を目指す(前)

カンボジアの首都全域にあるスタジオ、アパート、ブティックの仕立部屋では、第7回プノンペン・デザイナーズウィークに向けた最後のステッチや調整が行われている。

2013年7月に開始されたこのイベントは、カンボジアの新興ファッション業界にプラットフォームを提供することにより、この業界において自社ブランドを確立したいと考える既存、または新興のデザイナーに活力とモチベーションを与えている。

「我々はデザイナーが新しいコレクションを生み出すのを支援し、ファッション・ショーの場を提供することによってこの業界の発展に寄与したいと考えています。」とフィリピン人のデザイナーで、今週行われたこのイベントの共同主催者であるDon Protasio氏は述べた。「ここカンボジアにおいては、ようやくファッションに関心が向けられ始めたものの、まだその意識は高いレベルではありません。」

今や黄金期とされている1950年代から60年代のカンボジア全盛期においては、この国はファッション愛好者にとっての楽園であった。若者らは最新トレンドに満ち溢れた街を闊歩していた。女性らはファッションスタイルを通じて自分の個性をうまく表現し、プノンペンのナイトスポットでは男性が得意げにダンスフロアで彼女らをエスコートしていた。

1967年に内戦が勃発してこのような時代は不意に終焉を迎え、4年間のクメール・ルージュによる残忍な治世と10年にも及ぶ混乱がカンボジアに分断を招いた。そして大多数のカンボジア人にとって生き残ることが唯一の優先事項となり、ファッションは忘れ去られていった。

続く20年間においてアパレル産業はカンボジアの経済を立て直すのに重要な役割を演じ、国内総生産(GDP)に16%も貢献し、全国700以上の衣料品・履物工場で70万人以上を雇用してきたが、自国の産業はほとんど育ってこなかった。

しかし平和と急速な経済発展が進化の扉を開き、インターネットを通じて外の世界への関心を持つ、教養のある豊かな中産階級が出現し始めた。こうした若者らは独自のファッション観を切り開き、再びこの業界地図にカンボジアの存在を植えつけたいと渇望しており、こうした動きが現在のファッションシーンの賑わいにつながっている。

Lee &TaylorのデザイナーであるBrandon Lee氏とRyan Drewe Taylor氏はこのイベントでデビューする予定としている。

「若い世代は間違いなくファッションスタイルに強い関心を持っています。」とビジネスパートナーであるBrandon Lee 氏と共にLee & Taylor コレクションでデビューを飾る予定のRyan Drewe Taylor氏は述べた。「今やファッションブランド、ポップカルチャーや音楽は生活全てに影響を及ぼしており、その変化が見て取れます。現在の大学生が旧世代と比べていかに着飾っているかを見てください。パジャマで外出する人々は明らかに少数派となっています。」

開始以来年2回のこのイベントは、ファッション業界のカレンダーにしっかりと刻まれている。イベントはファッションデザイナーらに最新の作品を発表する機会を提供し、バイヤーらがそれらの新商品を我先に買い付けることで終了する。

「第1回イベントに参加したデザイナーの何人かは今でもこのイベントに参加してくれています。」と2006年にカンボジアに移り住み、自身のファッションブランドを立ち上げたProtasio氏は述べた。「ですが最大の変化はカンボジア人デザイナーの存在です。初回はそれほど多くはありませんでしたが、今では素晴らしいことに多く参加しています。多くのカンボジア人デザイナーにとってこれが初めてのランウェイ・ショーであり、彼らにとって得がたい経験となるでしょう。」

 

(後編へつづく)

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月12日17:04

カンボジア:フン・セン首相、縫製労働者に生産性向上を訴える

フン・セン首相は11月7日、縫製労働者に対し、最低賃金がより低いラオス、バングラデシュ、ミャンマー等近隣諸国への工場移転を防ぐため生産性を上げるよう呼びかけた。

首相は国立技術教育学院の卒業式で生産性向上を呼びかけるとともに、カンボジアの縫製労働者の最低賃金は比較的早く上昇してきたことも指摘した。カンボジアの縫製労働者の来年の最低賃金は月額153米ドルとなることが最近決定されている。

「最低賃金が月額60-80米ドルのミャンマー、100米ドルのラオス、100米ドルのバングラデシュにカンボジアから工場が移転しつつあります。企業がカンボジアを見限るかもしれないのです」と首相は述べた。

Economist Intelligence UnitのMiguel Chancoアセアン首席アナリストは、ミャンマーやバングラデシュは「国内での労働者雇用が高額になりつつあるカンボジアの縫製産業にとって真の脅威となっている」ことを認める。

「2013年以降のカンボジア縫製産業での最低賃金の急激な上昇により、カンボジアで誰かを雇うのはミャンマーやバングラデシュに比べるとおよそ2倍高くつくことになったわけです。縫製産業の労働集約的な性格を考慮すると、これは深刻な問題です」とChancoアナリストは取材に対しメールで回答した。

カンボジア縫製業協会のKaing Monika副会長は、ミャンマーやバングラデシュの脅威を否定することはできないと話す。

「好むと好まざるとにかかわらず、ミャンマーやバングラデシュはすでにカンボジアの競合国リストに加わっています。これは脅威ではなく、カンボジアがこれら諸国よりよい成果を上げる必要があるということです」

Solidarity CentreのWilliam Conklinカンボジア事務所長は、状況はより複雑であり、労働者がもっと働けば解決するわけではないと話す。「生産性を向上させるには、まずは雇用者が労働者に適切な労働環境を提供しなければなりません。共に縫製産業を守り、発展させていくためには、関係者全てに取り組むべき課題があります」とConklin所長は述べた。

しかし、労働者運動共同労働組合のPay Sina会長は、工場移転の理由は賃金問題ではないとし、賄賂、インフラ問題、高額な電力価格など、長年問題となっている課題を挙げる。

「企業にとっては高額な輸送費と電気代が問題の場合もあります。こうした費用が他国より高いのです」とSina会長は話す。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月11日18:01

カンボジア:アパレル産業の恥部

「あれが『ネズミ捕りドア』工場です。」とある縫製労働者は私に言い、プノンペンの国道4号線沿いの窓のない壁に一つ、小さな青いドアのある建物を指差した。「あのドアはとても小さくて、出入りできるのはネズミくらいなもの、という意味です。」

カンボジアの首都プノンペンにある工場の縫製部門で働く女性らは、カンボジア縫製産業における総労働人口の約90%を占めている。

それは工場のようには見えなかった。登記されている大規模工場とは異なり、こうした工場には看板もない。そこで働く人々でさえ、その工場が実際どのような名称であるのか見当もついていないと彼は言った。また彼らは、その工場が労災や健康保険サービスを提供する国家社会保障基金(NSSF)に加盟しているか、労働者らは実際に登録されているのかについて、何も知らなかった。

カンボジアには多くの無名の工場がある。『牛糞』工場では、牛が工場の出入り口で用を足すという。その他にも、『紙の花』工場、『マンゴの木』工場、工場オーナーやマネージャーのファーストネームで呼ばれるものさえある。カンボジアの縫製労働者はこうした謎につつまれた正体不明の工場について、ユーモアのセンスを持って接しているが、そこで働く人々は国の法律や国際的な規範に違反しているような不正な労働慣行に対してなす術がない。

これはカンボジア縫製産業の恥部であり、国際アパレル産業において最低レベルの労働環境に位置付けられる。多くの場合、小規模工場はより大規模な輸出向け工場の下請けとして稼動しているが、その調査やモニタリングの対象となることはほとんどない。労働者との間には多くの隠し事があり、その労働条件やビジネス慣行の大部分は明らかにされない。こうした小規模工場は、多くの監査対象となっている大規模工場のコスト削減の一助となっている。またカンボジアのアパレル部門において、最近増加を続ける月額153米ドルの最低賃金の法逃れとも大いに関係している。

今年の初めに我々は、プノンペンに近いカンダール州周辺に約50の小規模工場を見つけた。いくつかの工場はとても小さいものであったが、車で通り過ぎた際に、私は車窓から忙しく働く労働者や衣料品の山を識別できた。また多くの工場では広告を掲示していた。季節のアパレル注文に対応するため、こうした工場がどのくらい乱立しているのか推定することは不可能である。

多くの工場は換気扇がほとんどない巨大なブリキ小屋のようであり、また別の工場はまるで家のようであった。1~2つの工場にはかろうじて読める名称が表示されていたが、その他には何も示されていなかった。

カンボジアの労働者権利団体の助けで、私はこれらの工場のいくつかにおいて労働者と直接話すことができた。彼らは一様に自分が働く工場の名称を知らず、国家社会保障基金(NSSF)に加盟しているかどうかについてなど、考えたこともないと言った。また労働者らは工場の身分証明証を持たず、たとえ持っていても単に所属する部門と自分の名前を走り書いたものであり、工場名の記載はなかった。彼らが働く工場では周辺の主に輸出向け製品を扱う大規模工場から「仕事」を受注しているが、労働者らは彼らの衣料品を購買元であるブランド名については知らなかった。彼らの生産工程ではラベルが一切付けられていないためである。

こうした工場では通常、4月から11月の間か「繁忙期」の間だけ、出来高制で労働者を雇用すると教えてくれた。一方で閑散期には工場は閉鎖される。

これらの工場には謎が多く、カンボジアの労働者の権利を損なっている恐れがある。そこで働く労働者らも、国家社会保障基金(NSSF)を含め、労働保護の恩恵を受けるべきである。今年の初めにファンド関係者や労働省は、国家社会保障基金(NSSF)のもとに労災をカバーしたヘルスケアを導入するという重要な一歩を踏み出した。だがこうした小規模工場で働く縫製労働者が病気やけがをし、保障を必要とする場合においても、工場が国家社会保障基金(NSSF)に登録していなければ彼らは放置されてしまう。

アパレル業界におけるいくつかの問題は解決するのが難しいが、この問題はそうではない。カンボジア政府はすべての工場に対して国家社会保障基金(NSSF)に加盟するよう通達し、従わない場合は罰則を加えるようにすべきである。さらに、国家社会保障基金(NSSF)に加盟しているすべての工場の産業別リストを公開すべきである。

グローバルブランドは長期間、多くの下請工場について、それらの生産における役割を認めないまま、そこで働く労働者から恩恵を受けてきた。ほとんどのブランドでは小規模工場に対する不当なアウトソーシングを禁止する行動規範を規定していながら、実際の購買行動ではこうしたアウトソーシングを利用している。こうした工場での生産を認知していないため、ブランドにおけるサプライチェーンのモニタリング対象とならないのである。まれにこうした工場の利用を検出した場合、ブランドは自社のサプライチェーンにそれらを吸収する対応を行ってきた。

世界のアパレルブランドは、カンボジア政府や当局に対し、すべての工場や労働者が国家社会保障基金(NSSF)に加盟していることを確認し、登録工場リストを公表するよう求めるべきである。アパレルブランドは小規模な下請工場で働く労働者を保護するために多くを行うべきであり、カンボジア政府に対して対応を促すことは正しい方向への第一歩となる。

カンボジア政府と世界のアパレルブランドは、大規模、小規模問わず全ての工場で働く労働者について、国家社会保障基金(NSSF)のもとで法律に規定された彼らの完全な権利を守るという共通の目標を達成すべく協力していくチャンスである。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月05日06:04

カンボジア:縫製労働者の交通事故が多発中

11月1日、スヴァイリエン州の国道4号線で縫製労働者が乗ったトラックが横転し12人が負傷した。交通事故で負傷した縫製労働者は1週間で100人を超え、国家警察は危険運転の取り締まりを約束した。

国家警察のHim Yan副長官は1日、深刻な事故の原因となった運転手らを逮捕するなどより強硬な手段を取るよう各警察に求めると述べた。

「すべての運転手、特に物品や乗客、労働者を運ぶトラックの運転手が事故を誘発した場合、警察は彼らを逮捕し、例外なく法廷に送ることになります」と副長官はこの事故を受けて語った。

労働省の発表によると、この事故は12人の労働者がスヴァイリエン市のスヴァイリエン地区を走行していた午前6時30分頃発生した。

「タイ製品を搭載したトラックが労働者らの乗ったトラックの後部に衝突し12人が負傷、警察、国家社会保障基金の職員が支援し負傷者を病院に搬送した」と労働省は発表している。7人が重傷、そのうち1人は妊娠中でプノンペンのカルメット病院に搬送された。

それ以外の11人は州病院で治療を受けている。

スヴァイリエン市警察のHouth Vantha副署長はクメールタイムスに対し、重傷は4人のみと話した。

「タイ製品を搭載したトラックが労働者らのトラックの後部に衝突しましたが、実際、衝突したトラックの方に優先権があり、それを守らなかった労働者のトラック側の過失です」と副署長は話す。

「現場の計測によると、労働者を乗せたトラックが他の車に注意せずに側道から国道に合流したため、別のトラックが後部に衝突したのです」

Vantha副署長によると、物品搬送トラックの運転手は現場から逃走したが、労働者のトラックの運転手は重傷を負い、まだ入院しているという。この運転手が危険運転で起訴されるかどうかはまだ不明という。

10月にはプノンペンとその他6州で、通勤途中の縫製労働者233人が交通事故に巻き込まれ負傷している。

国家社会保障基金の報告書によると、2016年上半期に縫製労働者が巻き込まれる交通事故は2260件発生し、その結果42人が死亡、2849人が負傷している。

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月04日12:03

カンボジア:タイの喪服需要がアパレル部門を押し上げ(後)

(前編より)

 

圧力を受けるカンボジアのアパレル部門

先にGMACは、カンボジアでは70もの縫製工場が2016年第3四半期までに閉鎖した一方、わずか20の新工場しか開業しなかったと主張していた。

一方でカンボジア労働省(MoL)のIth Samheng大臣はFacebook上で、2016年の第3四半期までに公式にはたった一つの工場が閉鎖したのみであったと明らかにした。

カンボジアのアパレル部門を構成する約1000の縫製工場のうち約7%が参加するGMACのこの数字は、当初カンボジアの商業省(MoC)において論争となったが、それから1週間後、MoC は実際にはカンボジアの衣料品・履物工場の約12.2%となる122もの工場が同期間に閉鎖していた一方で、12の新工場しか開業していなかったことを認めた。また今年の3月末時点で、カンボジアには589の登記された輸出向け工場があったと明らかにした。

2015年カンボジアのアパレル部門は、米国およびヨーロッパ向けに約70億米ドル相当の衣料品や履物を出荷した。約70万人の従業員を抱えるカンボジアのアパレル部門は、カンボジアの2016年GDP成長率7%のうち、2%相当に貢献することが期待されている。

労働諮問委員会(LAC)は先月、カンボジアのアパレル部門の来年の最低賃金について、カンボジア政府の推奨する額に5%上乗せした月額148米ドルとすることを決定した。しかし、カンボジアのHun Sen首相はその後さらに5米ドル追加し、カンボジアのアパレル部門最低賃金を月額153米ドルとするよう求めた。彼がLACの決定を覆したのはこれで3度目であった。今年初め、世界銀行はカンボジアの所得ランクを低所得国から中低所得国に引き上げた。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月03日12:00

カンボジア:タイの喪服需要がアパレル部門を押し上げ(前)

2016年10月13日のタイのプミポン国王のご逝去は、カンボジアのアパレル部門に特需をもたらすことが予想されている。

国王の逝去によりタイ政府は、公務員は1年間、一般人は30日間喪に服し、全ての国民に対してタイで伝統的に弔意を示す色である黒と白の衣服を着用することを求めることを発表した。

新聞、ウェブサイト、テレビ放送においても色彩が除かれ、娯楽やお祝いの会は強く自粛を要請された。

先週の土曜日に20万人以上の国民がバンコクのSanam Luangに集まり、故Bhumibol Adulyadej国王に弔意を示して国王賛歌の合唱を行ったが、ほぼ全員が喪服を着用していた。

長期間君臨した国王逝去のニュースはアパレル産業に不意にもたらされた。黒は公式、または準公式のイベントを除いてタイで好んで着用される色ではなく、タイ人は昔からより鮮やかな色でスタイリッシュな衣服を好む。

6600万人の国民が突然あらゆる種類の黒の衣服を求めることにより、従来のサプライチェーンによる供給が限界に達したため、タイの貿易商らはこの爆発的な需要増に対応するため、恥ずかしげもなく価格を吊り上げ始めた。

同時期にタイの地元局では、超王党派による自警団が黒い服を着ていない非国民を暴行し、公に非難するなどの多くの事件が報道された。

過激な超王党派の攻撃にさらされた人々の多くは、単に新しい服を購入する余裕がなかっただけだったということが報告されている。(慈善団体である)Samaritansの支援により、人々が手持ちの衣料品を持ち寄り、無料で黒に染め直すことができる場所が全国に設定された。

一方でカンボジアのアパレル部門にとって、このニュースは朗報となった。生産に余力のある工場ではタイ輸出向けに黒の衣料品生産に切り替え、カンボジアにおける黒服に対する需要は衰える兆しがない。

 

タイでは十分な黒服を確保できず

カンダル州の小さな縫製工場であるKBカンボジアのVichara Kosalオーナーによると、タイは彼女の工場が生産できる限りの黒の製品を全て引き取っているという。

The Phnom Penh Post紙のインタビューにおいて、Vichara氏は次のように述べた。「タイでは綿の在庫が不足していますが、数百万人ものタイ人が求めているため需要はますます高まっています。」しかしながらこの特需は、小さなカンボジアの衣料品メーカーにとって厳しいことに、この5~6ヵ月間に集中していると続けた。

「バイヤーはPoipetの町におり、衣料品をカンボジアで購入してタイで販売します。彼らはタイで多くの注文を受けた後、カンボジアのいくつかの工場に縫製の注文を出しています。私の工場で生産できるものなら何でもすべて引き取ると彼らは言っています。」と彼女は述べた。

しかしこうした楽観的な見通しにもかかわらず、カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、タイの喪服需要の高まりがカンボジアのアパレル部門の成長を後押しするとの意見について一蹴した。 「そういった需要があるとしても、全体に影響を与えるほどではありません。」とLoo書記長は述べた。 「それはトレンドというべきものではないためです。」

毎年定例となっているアパレル産業の賃金交渉に先んじてGMACは先月、現在の月額140米ドルの最低賃金がカンボジアの労働組合が要求する171米ドルに増加した場合、カンボジアのアパレル部門は海外向けの契約を失うリスクがあると主張した。

 

(後編へつづく)

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月03日06:07

カンボジア:プレアシアヌークの工場が閉鎖

プレアシアヌーク州の2か所の縫製工場が破産を宣言し、債権者に対し31日までに管財人に債権を申告するよう呼びかけた。

Royal Crowntex InternationalとGaley Global (Cambodia) Co. 両社のOuk Ry管財人は10月27日、Khmer Timesの取材に対し、債務総額を知るにはまだ時間がかかると述べた。

「2社ともに従業員給与、工場に納入された備品などの債務があります。従業員がいくら受け取れるかについてはまだ調査する必要があります」とRy管財人は述べた。

Ry管財人は両社が破産を宣言するに至った理由は知らないという。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKaing Monika副書記長は、両社ともに所有者の出国後、数ヶ月に渡って問題を抱えていたと述べた。

「問題の本当の原因を知らないので両社の破産が縫製分野に与える影響についてはコメントできません。しかし、公的な破産宣告がなされたわけではなく、労働省のストライキ・デモ調停委員会が取り扱っています。現在は調停委員会、州当局と裁判所がこの件に関与しています」とMonika副書記長は述べた。

縫製業協会は今年8月、1月から8月にかけて70工場が閉鎖されたと発表した。政治的不安定への懸念から受注が30%減少したためという。

労働省は9月、工場所有者が債務を残して出国した場合に従業員を保護する法律の制定を検討していることを発表した。

「工場が閉鎖されると、労働者の賃金や手当ての問題といった金銭問題が必ず残り、これらの解決には時間がかかります」とIth Samheng労働大臣はその際に話している。

「しかしながら、労働省は法的、制度的整備により労働者の利益を擁護すべく最大限の努力をしています」

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年11月01日06:03

このページのトップへ戻る