インドシナニュース

2016年10月 のニュース一覧

カンボジア:全産業で最低賃金制定へ

労働省は10月27日、専門家や国際労働機関(ILO)を交え、先月末に最低賃金153米ドルで合意に至った縫製繊維産業以外の様々な業種での月額最低賃金を定める法案の作成を行っていることを発表した。

以前から建設業等賃金が低く抑えられがちな産業について公的な最低賃金制定が要請されていたが、労働省はようやくその問題への対応を始めたこととなる。

労働省のIth Samheng大臣は27日午前中の会議の進行役を務め、ついに法的枠組作成の決定を会議後にFacebookに投稿した。これにより、労働者の生活を向上させ、カンボジアへの投資を増やすことができると大臣は述べている。

「ILOの賃金専門家との協議を通して、最低賃金制定のプロセスを定めた法的枠組みの作成は良好な労使関係と労働者の生活の向上、さらには国際貿易の安定化とカンボジアへの投資誘致のためにも非常に重要であるという結果に至りました」

Samheng大臣は、法案は労働法の下で働くすべての人々に対し、最低賃金の制定、最低賃金決定プロセスの制定、賃金全国委員会の設立、賃金とその他手当の向上のための研究メカニズムの制定を目的としていると述べた。

カンボジア労働組合アライアンスのYang Sophorn会長はクメールタイムズの取材に対し、全産業を対象とした最低賃金についての法案は知らないが、法律が真に効果を発揮するためには、労働省は法案作成過程に労働組合を参加させる必要があると述べた。

2017年に予定されるコミューン(町・地区)選挙を前にして、与党への支援を拡大するため、政府は近頃様々な分野の最低賃金を引き上げた。9月に縫製繊維産業労働者の最低賃金を引き上げたのち、政府は教員の給与も予測されていた金額を100米ドル以上上回る230米ドルへと引き上げ、そして政府関係者の給与も引き上げた。

Hun Sen首相は現在の月額給与が360万リエル(約900米ドル)のところ、およそ3倍の1000万リエル(約2500米ドル)になると述べている。

大臣給与は450万リエル(約1115米ドル)、州長官350万リエル(約850米ドル)、州副長官280万リエル(約700米ドル)となり、約2500名のアシスタントや顧問は月額8万リエル(約20米ドル)の増額となる。

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最終更新:2016年10月31日11:54

カンボジア:政府が労働コンプライアンスプログラムを延長

カンボジア政府とベターファクトリーズカンボジア(BFC)は15年にわたる労働コンプライアンスプログラムを2019年まで延長することを決定した。業界専門家は政府独自の労働査察部門の強化が必要な時期に来ていると話す。

BFCの15周年式典で、Ith Samheng労働大臣は、労働省は査察システムの強化を図っており、46の州及び国レベルのチームが創設されたが、今後も努力が必要だと述べた。

「労働省の査察システムはBFCとの協調で機能してきました。しかし、労働省査察官の能力を強化し、労働法の遵守を強化していく必要があります」とSamheng大臣は述べた。

BFCの報告書はカンボジア全土の577の輸出用縫製工場で法令違反を報告しているが、法令遵守は政府の労働査察官の仕事である。Samheng大臣は、労働省は今年およそ6000件の査察を実施し、56社で労働法違反を摘発したとするものの、それ以上の詳細には触れなかった。

カンボジアの縫製分野では長年にわたって劣悪な労働条件がはびこっており、頻繁な労働者の昏倒や短期雇用契約、危険な労働条件などが見受けられる。しかし、BFCが7月に発行した報告書によると、2015年に査察を受けた381工場の47%が労働法を遵守しており、これは前年の28%を大きく上回っていた。

国際労働機関(ILO)バンコク事務所のMaurizio Bussi 所長は、ILOはカンボジア政府に対し、BFCによる査察への依存度を徐々に低下させるための計画で支援を行っていると述べた。

「持続可能な移行計画が必要になります。移行計画なしでは、このモデルは立ちいかないでしょう」とBussi所長は話す。BFCは輸出製品製造工場のみ査察し、状況が良くないことが多いといわれる下請工場を査察していないという批判に対しては、それは労働グループの権限外であるとしつつも、政府による査察の増加で縫製セクターのより多くの範囲での法令違反をカバーすることができるのではないかと述べた。

しかし、労働者保護の非政府組織(NGO)連帯センターのWilliam Conklinカンボジア事務所長は、ILOはなぜ今政府の実施組織強化を図ろうとしているのかを疑問視する。理想的には、BFCは今までのプログラムにおける協力体制の中で労働省の査察システムの改善を行い、その体制がすでに確立できているようにすべきであったと話す。

Conklin所長は、今までの15年間、縫製産業はBFCプログラムを「お墨付き」のように利用し、労働条件や生産性など構造的な変化の不足を隠してきたと指摘する。「BFCを責めることはできませんが、縫製産業はあまり変化していませんし、それは今でも問題です」と彼は指摘する。

 

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最終更新:2016年10月26日12:00

カンボジア:政府はアパレル部門の過当な競争に懸念(後)

(前編より)

 

米国小売業Targetにおいて調達を担当するIvanka Mamicシニアディレクターは、彼らが将来に対して今よりも多くの「予測可能性と確実性」を求めていると述べた。工場環境の改善を目的とした別のプログラムであるBetter WorkのDan Reesディレクターは、カンボジアにアパレル部門のための「ロードマップ」を策定するよう求めた。

彼らは皆Better Factories Cambodiaプログラムについて、それらの取り組みの一つとして継続していくべきだと述べた。 ILOとカンボジア政府は10月18日に、差し当たり2019年までこのプログラムを継続させることに合意する覚書に調印した。

しかしこのセレモニーで欠いていたのは、大臣、工場経営者、ブランドの代表者、組合のリーダーなど、アパレル産業のキープレーヤーを一堂に会し、Better Factories Cambodiaが過去15年間に実現できなかった課題について協議するフォーラムであった。

実はこのプログラムには多くの中傷が寄せられている。Better Factories Cambodiaはわずか2年前に、労働基準を満たさない工場の名前を公表しないことにより、工場が悪事を続けることに加担していると非難されたが、この恥ずべき工場について操業を再開させることとした。

またこのプログラムでは自社業務を下請けに出している企業について十分な注意を払っておらず、ただ政府やブランドにおける労働者の危険な日々の通勤環境にのみ解決策を検討している、と批判されている。

米国ベースの労働者権利グループであるSolidarity CenterのWilliam Conklinカントリー・ディレクターは、このプログラムでは政府直営工場において点検業務を導入したものの、この国全体に根本的な変化をもたらすことには失敗したと述べた。

「このデータは、労働者の生活が過去十年ほどかけてどの程度改善しているのか、実態を示せていません。通勤の問題一つとっても明らかに少しも改善されていません。労働時間も良くなっているでしょうか?労働条件はどうでしょうか?まだ集団卒倒事故は起きているのです。」と彼はイベントの傍聴者に対して述べた。

ILOは全体として工場のスコアは改善しており、このプログラムが格付けを行うカテゴリにおいても改善がみられるとしている。しかしConklin氏は、格付けが正しく取得されていないと指摘した。

「彼らはある特定の部分のみを測定しており、その点においてのみ確かに良くなっています。たとえば非常に幼少の児童労働などについてです。しかし全体としては、業務やりくりのために労働者に残業を求めていないか?労働者は何らかのスキルを獲得できているか?年功に応じて賃金を上げてもらっているか?こうした点においては改善されていないのです。」と彼は述べた。

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最終更新:2016年10月24日12:02

カンボジア:政府はアパレル部門の過当な競争に懸念(前)

カンボジアの海外取引先は国のアパレル部門が競合相手の増大に直面しているという脅威について注意喚起し、カンボジア政府に対して経済の屋台骨であるアパレル産業が繁栄を続け、衰退することのないよう明確で具体的なアクションプランを策定するよう求めた。

1999年に締結されたカンボジアの米国向け衣料品輸出に関する貿易協定に伴い、労働環境を改善するために導入された国際労働機関(ILO)による監視プログラムであるBetter Factories Cambodiaの15周年のセレモニーの場でこうした警告とアドバイスが送られた。

米国大使のWilliam Heidt氏は、彼が大使館の経済分析官であり、カンボジアが約120のアパレル工場でその輸出が10億米ドルにも満たなかった1999年以降、アパレル部門の成長に大きく寄与したこのプログラムを支援してきた。カンボジアでは現在600以上の輸出向け縫製工場があり、約70万人の若い女性らを雇用し、2015年の輸出売上高は60億米ドルを超えている。アパレル部門はカンボジアのGDPの約3分の1を占める。

カンボジアの工場が自社製品をどのように生産するのかについて、国際ブランドに安心感を与えたとして、「もしこのBetter Factoriesプログラムがなければ、私はカンボジアがとてもこのような成功を収められたとは思いません。」とHeidt大使は述べた。

一方でHeidt大使は、こうした国際ブランドのバイヤーはカンボジアの国際競争への対応能力について神経を尖らせていると警告した。

「一旦立ち止まって広く競争環境を俯瞰した上で国際ブランドのバイヤーと話をしてみれば、カンボジアの縫製産業の未来に対する不安要素が見え隠れします。」と彼は述べた。

「現在多くの新規サプライヤーが出現しています。その中にはカンボジアよりも大きく、非常に強力な競争相手となり得るところがあります。また一方で能力がはるかに劣っているが故に、国際的に多くの支援を受けているところもあります。それらすべてが世界のアパレル貿易の一翼を担いたがっているのです。」

カンボジアの経済評論家を最も心配させているのは現在懸案となっている米国と(カンボジアにとって主要な競争相手国である)ベトナムを含むいくつかのアセアン諸国間の環太平洋パートナーシップ自由貿易協定であるが、カンボジアはこの協定に参加しない。ベトナムはまたEUとの間にも自由貿易協定を締結しようとしており、カンボジアの主要な輸出先市場であるEUとの間に現在締結されている協定がもたらす利益を減少させる恐れがある。

対カンボジアのEU大使であるGeorge Edgar氏は、他国で締結予定の貿易協定は、「結果的に、市場アクセスの面でカンボジアの競争優位を脅かすものになるだろう。」とした。

Better Factories CambodiaプログラムのマネージャーであるEsther Germans氏は、最新の調査によると、国内の工場マネージャーやその国際バイヤーも同様の懸念を示しているようだ、と述べた。

「彼らは確かに、近隣諸国による貿易協定の締結がカンボジアにとって脅威になる可能性があることを認めています。」と述べ、さらに拡大するライバルのリストにアフリカ諸国も加わることになるだろうとした。

経営者やバイヤーらはまた、カンボジアの工場が直面するものとして、高額なエネルギー価格や労働者のスキル不足を含む緒課題を挙げた。しかし結局のところ、「彼らは今カンボジアが直面する最大のリスクは結局何の手も打っていないことだ、と指摘しています。」とGermans氏は述べた。

Ith Sam Heng労働大臣とPan Sorasak商工大臣は、電力供給能力の増強、工場検査体制の強化、労働者トレーニング、道路や港の整備改善、法適用の一貫性や平等性の確保など、政府では多くの取り組みを実施してきたとの見解を示した。

しかしバイヤーらはさらに多くの施策を求めているようである。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年10月24日06:02

カンボジア:労働組合、家主に対し賃貸法を遵守するよう要請

最近決定したアパレル縫製工場労働者に対する2017年の最低賃金引き上げの点から、家賃上昇の可能性に対する不安は残るものの、家主による切迫した引き上げの兆しは現時点では見られない。

労働者運動共同組合(CUMW)のPano Sina氏が今週初めにPost Property誌に伝えた所によると、例え政府とカンボジア縫製業協会(GMAC)が2016年の最低賃金である140米ドルに13米ドルの追加を決定したとしても、この最低賃金は「物品やサービスに金がかかる以上、その他の出費には不十分である。」

「組合の調査によると、アパレル縫製工場労働者が借りることができるのは、20米ドル以下の部屋だけです。2-3人で一部屋をシェアするのです。」とSina氏は述べた。

「現実的には、賃貸料金はすでにピークに達しています。小さい部屋ですら月額35-50米ドルほどかかります。」

「実際、これは自由市場であるため家賃に上限を設けることはできません。またこれはその他の状況にも影響を受けます。」

過去、最低賃金が引き上げられる度に物品や家賃の価格も引き上げられてきた、

「我々のメンバーによる最近の報告によると、工場労働者の家賃に対する引き上げの兆しはありません。地代家賃統制法や、とりわけ昨年承認された特別賃貸法によると、家主は、最低2年間は賃貸料金を引き上げてはならないことになっています。」とSina氏は述べた。

「我々労働者はこの法律を歓迎します。これは全ての人々にとって有益であるため、我々は、すべての地方自治体が人々に対しこの法律を施行し、説明することを望みます。」とSinaは加えた。

「私は現時点で家賃の引き上げは計画していません。もし皆が引き上げるのなら、私もそうします。」7部屋を貸し出ししている匿名希望の50歳の主婦は述べた。

各部屋は12平方メートルより小さく、月額35-50米ドルかかる。「家賃引き上げを禁止する法律に関しては聞いたことがあります。でも何故物品に対しても公平に上限を設けないのでしょう?」と彼女は述べた。

プノンペン市内センソク地区Sleng Roling村の工場労働者であるPhy Rathは述べた。

「我々3人が借りている部屋は月額40米ドルです。」近所にある、彼女の友人が借りているより小さな部屋は近日家賃引き上げの予定である。

「今年の終わりには5米ドル余計にかかることになると聞きました。我々の賃金が引き上げられるかは確かではありません。」Rathは述べた。

Sangkat Teuk Thlaにある製靴工場で働くYan Bunthanとその妻は、同じ部屋を5年間以上50米ドルで借りている。

「我々の最低賃金が引き上げられても、時に家賃は引き上げられません。しかしながら、その他の物品の価格は我々の賃金より高くなります。」と彼は述べた。

これら労働者は、値上がりした家賃か、膨れ上がった物品の価格かを渋々支払ってなんとか凌いでいる。

CUMWのChheng Lang副会長によると、「70万人の労働者の80%が(2-5人の)グループで部屋を借り、工場の近くに住んでいます。各労働者は家賃だけで月8-10米ドル使っているのです。」という。

一方、Sina氏はその他大勢と同様、低収入者が生活の質を向上できる様政府に公共住宅の設置を要請した。

「過去、私は政府の公共住宅への投資を続けてきました。」「2020年に(公共住宅の設置が)実現すると聞いています。」

「もしこれが本当であれば、政府は長期的に大幅な利益を得られます。また多くの外国人投資家を惹きつけることにもなります。」とSina氏は述べた。

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最終更新:2016年10月19日06:03

カンボジア:縫製労働者を乗せたバスが事故、54人負傷

10月11日、カンボジアで縫製労働者の通勤バスがカーブで横転し、警察の発表によると54人が負傷し、そのうち7人が重体となっている。

現場から逃走した運転手は速度超過で運転していたものとみられ、カンボジア東部スヴァイリエン州の道路の曲がり角で事故を起こしたとRoth Ron Veasna警察署長は述べた。

所長によると、事故当時雨が降っており路面は滑りやすかった。乗客全員が負傷したが、運転手は無傷であったという。

この事故は縫製労働者を工場へ運ぶバスによる交通事故としては今年3件目となる。カンボジアでは最大の外貨収入源である縫製・製靴産業でおよそ70万人が働いている。2015年、カンボジアは60億ドル以上の縫製・靴製品を米国やヨーロッパに輸出している。

1月にコンポンスプー州で起きた縫製労働者を運ぶトラック2台の事故では5人が死亡し、65人が負傷した。2015年5月には、カンボジア西部でバスが縫製労働者を運ぶバンに衝突し、少なくとも18人が死亡し、20人以上が負傷している。

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最終更新:2016年10月14日06:01

カンボジア:「フットワークの軽い」アパレル産業が成長持続を牽引(後)

(前編より)

 

Sanchez Martin氏は、こういった動きは既にいくつかの工場で起きており、そういった工場では単純なシャツ等の生産から、刺繍など付加価値の高い衣料品の生産への移管されてきている、と述べた。

「最終製品ではさらに付加価値を得ることできます。それが今後、いかにカンボジアが競争力を維持していくかの答えとなります。」と彼は述べた。

経済における広範なリスクの中には、外国投資循環の急降下を引き起こす可能性のある米国大統領選挙を取り巻く不確実性がある、と彼は続けた。

またカンボジア経済に潜在的に危機をもたらすものとして、12月に合意されたがまだ批准はなされていない欧州・ベトナム間自由貿易協定を挙げた。この協定により、欧州向け輸出におけるカンボジアの競争優位性のほとんどが失われるだろうとLy氏は述べた。

Ly氏はこのベトナムとの競争について、カンボジアがその特恵国待遇を失った後でもベトナムと対等に競い合い、米国市場におけるシェアを維持することができていた点について指摘した。

「何もベトナムと勝負する必要はありません。他の競争相手と競い勝てばよいのです。」と彼は述べた。 「我々はベトナムではなく、他の非効率的な生産者を打ち負かせばよいのです。」

以前公表されたレポートからの修正点として世界銀行は、その近隣諸国に対する影響リスクについては限定的としているものの、中国経済の緩やかな減退を予想しており、今年好調であったカンボジアの建設部門についても同様としている。

何人かの専門家は建設部門が急速に成長を遂げる中で、信用バブルが発生するリスクを警告してきたが、Sanchez Martin氏はこの業界はほぼ外国投資の元に成り立っており、クレジットバブルは重要な懸念点とならないだろうと述べた。

「万が一バブルが弾けても、カンボジアでは他国のような影響は受けないでしょう。投資は主として外国人投資家によるものですので、バブルの影響を受けるのは彼らということになります。」

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最終更新:2016年10月10日12:01

カンボジア:「フットワークの軽い」アパレル産業が成長持続を牽引(前)

米国大統領選挙の先行不透明、迫り来る欧州・ベトナム間自由貿易協定の発効や米ドル高などのリスクがあるにもかかわらず、当面のカンボジア経済の見通しは明るい、と世界銀行は10月5日発表のレポートにおいてこのような見解を示した。

しかしカンボジアが将来的に競争力を維持していくためには、現在直面している課題に対処する必要があると経済学者はこの報告書で指摘している。

世界銀行のSodeth Lyシニアエコノミストは、世界銀行が半年ごとに刊行する「東アジア・太平洋経済アップデート」リリースの場において「アパレル部門が経済成長の最も強い牽引役となっている。」と述べた。

「しかしアパレルは「フットワークの軽い」業界で、(その生産を)他国へ素早く移すことが可能です。」とLy氏は外資系メーカーについて述べた。

このレポートによると、アパレル産業に対する投資の90%以上を中国企業や台湾、香港、マカオなどのその関連会社が占めているという。それに対して国内からの投資は全体のわずか1.4%であった。

それにもかかわらず欧州向け輸出の増加に支えられ、カンボジアのアパレル部門は今年の国内総生産の伸びに2%も寄与し、7%という国の力強い成長率を下支えすると予想されている。

この7%という予測値は、6.9%の成長率を予測した4月のレポートからわずかに上方修正された。世界銀行では今後2年間についても6.9%の成長を予測する。

「カンボジア経済は順調で、マクロ経済の面からも非常に安定しています。」と世界銀行のMiguel Sanchez Martinシニア・カントリーエコノミストは述べた。「しかし同時に、改革を進めていく必要があります。」

農業部門は世界のコモディティ価格の低迷により不振で、GDPの成長率に一切の寄与をしておらず、また観光産業についても、タイなどの近隣諸国と比較して旅行者のリピート率の面で劣っているとこのレポートでは指摘している。

「カンボジアはアンコールワットだけでなく、エコツーリズムやその他多様化している訪問ニーズに対応することが求められています。」とSanchez Martin氏は述べた。

東南アジアは世界でも最も急速に成長している地域で、先進国経済が低迷している中で稀有な輝かしいスポットである、と世界銀行において東アジア・太平洋地域を管轄するSudhir Shettyチーフエコノミストは、ブリーフィングの場でワシントンからビデオを介して述べた。

「良いニュースとしては、ほとんどの国で先進国から良い条件の金融取引を受けられる環境が整っているということです。」とし、Shetty氏は多くの先進国から低金利で融資や投資を受けられるメリットについて言及した。

「一方で悪いニュースとしては、こうした環境がいつ失われるかもしれないということです。そのため今、アクションを取るべきなのです。」

Ly氏は、カンボジアのアパレル部門では60万人以上の労働者を雇用し、昨年約60億米ドルもの輸出売上高を上げており、このことはいくつかの不安要素がある中で、着実に競争力が向上していることを意味すると述べた。

「我々はカンボジアにおいて賃金が非常に速く増加し、ドルが上昇し続けたのを目の当たりにしてきました。」と彼は述べた。 「以前は米国が(衣料品の輸出先として)最大の市場であったため、その点問題となりませんでしたが、今では欧州に主要市場が移っており、為替レートが重要要素となっています。」

コストが上昇する際、衣料品・履物メーカーはより付加価値の高い製品の生産に移管したり、商品を多様化したりする必要がある、とLy氏は指摘した。

 

(後編につづく)

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最終更新:2016年10月10日06:03

カンボジア:政府、2017年の最低賃金を月額153米ドルに制定

いつになく友好的な3か月間の賃金交渉が終わり、カンボジア政府は繊維産業における翌年の最低賃金を、組合の要請である171米ドルからは程遠い、月間140米ドルから153米ドルへ引き上げた。

28名からなるカンボジア労働諮問委員会(LAC)は9月29日午後会議を開き、企業側の提案である147米ドル、政府が推奨する148米ドル、組合側が要請する171米ドルから最低賃金額を採択し、三者間の交渉を終了させた。

委員会は最終的に148米ドルの提案に落ち着き、Hun Sen首相の提言によりそこに5米ドルが上乗せされた。新しい賃金は2017年1月に施行され、カンボジア国内で衣類・履物産業に従事する60万名の労働者に適用される予定である。

カンボジア労働諮問委員会(LAC)における投票で組合側の統一戦線は敗れ、たった2つの組合のみが171米ドルの要請を支持しただけで、(政府派の5つの組合を含む)他22名のメンバーは、政府の推奨する148米ドルに投票した。政府側のメンバー4名は欠席のため棄権となった。

「この数字は(組合側の)要望を100%汲んだものではないが、以前よりは改善されており、労働者側がこれを受け入れることを祈っています。」と労働省のIth Samheng大臣は述べた。

なおHun Sen首相が介入しカンボジア労働諮問委員会(LAC)の推奨額に5米ドルを追加するのはこれで3年目となるが、労働省のHeng Sour報道官は、政府は労働者の福利を念頭に入れ最終額を決定する権利を持ち合わせているのだと説明した。

これに対しカンボジア労働者連合のAth Thorn会長は、同連合が要求した額を大幅に下回る153米ドルという数字には全く満足していないと述べた。

Thorn会長は、組合が統一戦線をはり、171米ドルという額を検討するようカンボジア労働諮問委員会(LAC)に提示したことを「嬉しく思う」と述べたが、昨年と同様、政府派の組合がまたもや政府側についたのであった。

「少なくとも組合は自らの数字に投票すべきです」と彼は述べた。「もし我々が労働者を代表しつつも他者のために投票するのであれば、我々は労働者の真の代表と言えるでしょうか?」

組合が抗議するか否かは、9月29日の発表に対する労働者の反応を見て決めるとThorn会長は述べた。

一方政府派の組合員である Chhuon Momthol氏は、171米ドルという額には成功の余地がなく、また政府が提示する額は彼の組合員の期待に沿うものであったため政府案に投票することを決定した、と反論した。

「労働者達は10米ドルの引き上げである150米ドルを望んでいただけです。それが今や153米ドルになり、労働者達は喜んでいるでしょう」とMomthol氏は述べた。

なおカンボジア縫製業協会のVan Sou Ieng会長は、賃金のおよそ9%の上昇は「若干高めだが許容範囲内」と述べた。

「これは昨年のインフレーションの数字に比べれば大きな引き上げです。しかし、我々の同僚(労働者)達がよりよい暮らしをするためのニーズを誰かが引き受けなければなりません」と彼は述べた。

アパレル市場はここ2年間「タフ」な状況が続いており、労働者は賃金の要望をする際はより高い生産性を「心にする」よう呼びかける必要があると彼は述べた。

Kampong Chhnangの工場労働者Chea Chansopheaは昨日、新しい賃金は許容範ではあるが、もし組合員がそれでは少なすぎると考えるのであればそれに従うと説明した。

「我々はひとつ屋根の下にいます。もし組合がそれでは十分ではないと考えるのであれば、私は彼らに従います」と彼女は述べた。

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最終更新:2016年10月06日06:06

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