インドシナニュース

2016年05月 のニュース一覧

カンボジア:縫製業協会、縫製分野の生産性低下に懸念

カンボジア縫製業協会(GMAC)は同国縫製分野の生産性の低下とインフラ費用の増加が近隣諸国との競争においてカンボジアに不利な条件となりかねないとしている。

縫製業協会は5月24日、国際労働機関が3月に発表したデータによると、縫製・製靴セクターの労働生産性は2011年から2014年までの間に14%低下しているとする声明を発表した。縫製業協会はこの傾向は2016年に入っても続いているとしている。

縫製業協会はどのようにしてこの結果を導き出したのかという質問に対し、Ken Loo会長は「縫製産業においていかなる改善や変革も起こっていません」と答えた。しかし、生産性の低下が継続していることを示す具体的なデータはまだないということは認めた。

声明において、縫製業協会は労働・職業訓練省と縫製分野での労働生産性向上のためのキャンペーン実施を計画していることを明らかにしている。縫製分野の雇用人口は70万人にも及ぶ。

「今日の世界的な競争環境においてカンボジア縫製産業の健全性を保つためには、全員が与えられた役割を果たす必要があります」とLoo会長は声明で語っている。

Economist Intelligence Unitのアセアン主席アナリストであるMiguel Chanco氏は、より低コストの競合国に仕事を奪われることがカンボジアの脅威であると話す。

「縫製産業は一般的に利益率が低く、生産者はより低コストの環境を求め生産拠点を容易に他国に移転する傾向があります」とChanco氏はメールでのインタビューで回答している。

カンボジア縫製業協会はその声明で、縫製分野は「電気、輸送等のインフラ費用の高騰により、工場は他国への移転を考慮せざるを得ない」状況に直面しているという。

「カンボジア縫製分野の人件費は過去4年程度で大きく上昇し、現在、バングラデシュなど他の縫製輸出国と比較すると大幅に高い水準にあります」とChanco氏は続ける。

労働者の権利擁護団体CentralのMoeun Tola会長は、製造コストを下げるひとつの方策として、他国から綿を輸入するかわりに政府が農家を訓練し綿花を生産することを挙げる。

国内で綿を生産することでコストを下げ、雇用と収入を拡大させることができると彼は話す。

「カンボジアは原材料をインドや中国から輸入していますが、なぜ政府は綿花栽培のために農家を訓練しないのでしょうか」と彼は疑問を投げかける。

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最終更新:2016年05月30日12:03

カンボジア:H&Mの不安定なグローバルサプライチェーンの内部

スウェーデンのファーストファッション大手H&Mは環境配慮への取り組みの宣伝事業の一環として、恒例のリサイクル週間を開催した。その直後、アジアの主な縫製製品産出国の労働組合からなるアジア最低賃金連合は、労働・人権連合センターやその他の組織と協調し、H&Mのサプライチェーンで働く251人の労働者へのインタビューをまとめた調査報告書を発表する。「H&Mグローバルバリューチェーンの不安定な労働」と題されたこの報告書は、複数の報告書からなる「グローバルサプライチェーンの労働者の声:ILOへの報告書2016」の一部である。この報告書ではH&Mのカンボジアとインドの工場における状況のさらに大規模な調査が行われている。

この報告書の要約は以下の通りである。

2015年12月10日木曜日、プノンペン、コンポンスプー州、コンポンソム州の6000人の縫製労働者はH&Mをはじめとする国際的小売業者のグローバルバリューチェーンでの雇用慣行への抗議活動を行った。カンボジアアパレル労働者民主組合連合(CCAWDU)の支援を受け、カンボジアの労働者らは適正な賃金と労働条件を要求した。インドでも、H&MとGapを含むブランドの製品を生産する6工場の縫製労働者らが連帯を示すために行進を行った。

2016年5月4日、世界各地のH&M11店舗で労働者の主張への連帯を示す活動が行われた。世界の縫製生産ネットワーク(GPN)のさまざまな場所から、労働者とその支持者らがH&Mを含むブランドに対し、労働者が生活可能な賃金を得る権利、労働組合を結成する権利、組織結成の自由を阻んだり、貧困レベルの最低賃金を維持したり、柔軟な雇用関係を可能にしたりする労働法改変に抵抗する権利の確保を呼びかけた。

H&Mは61ヵ国に3900店舗を擁する。900の下請企業が1900の工場で生産を行っている。世界中の生産ネットワークにおいて、11万6000人以上を雇用している(ILO 2014; Donaldson 2016a)。H&Mは2015年に世界中で売り上げを伸ばし、2016年には425店舗を新規開店する予定である(Donaldson 2016b)。H&Mのようなブランドはサプライチェーンにおける労働条件に変化を与える可能性を有する。労働における人権を確保する責任を認識し、H&Mは他のブランドとは異なり、適正な生活可能な賃金、安全な職場環境とサプライチェーンにおける権利の侵害に対する説明責任を約束している。こうした取り組みは、工場にコスト削減と労働環境を無視したスピード納品へのインセンティブを与えるような、世界的な縫製生産ネットワークで見られる圧力を伴う下請けモデルの修正に大きな影響を与えてきた。

2013年、当時のH&Mの持続可能性部門のトップであったHelena Hermerssonの発表によると、こうした取り組みは消費者が支払う価格には影響しないという。「賃金は下請けコストのほんの一部でしかありません。これが価格にインパクトを与えることはないと考えています」と彼女は説明している(Passariello 2013)。

しかし、持続可能性への取り組みを公にしながら、H&Mの取り組みの成果はまだ見えてこない。結果として、労働者らはH&Mの適正な労働についての取り組みに疑問を持つようになっている。カンボジアアパレル労働者民主組合連合(C.CADWU)のAthit Kong副会長はこう話す。

「H&Mの広報活動は、家族を養うため毎日苦労している労働者には虚しく響きます。H&Mが設定、管理する持続可能モデルは現場の組合労働者や労働組合を真に尊重したものではなく、H&Mの生産ラインの労働者に真の変化をもたらすものではありません。むしろ、それは組織的な搾取を隠蔽する広報戦略として機能しているのです」

近年、H&Mの労働における人権擁護への取り組み状況は労働組合、Clean Clothes CampaignやHuman Rights Watch等の人権団体やその支援団体などによる数々の調査の対象となってきた。H&Mは批判を真摯に受け止め、そのサプライチェーンで報告された権利侵害への詳細な対策を取ってきた。グローバルサプライチェーンにおける適正な労働を初めて扱う第105回国際労働会議を前に、この報告書はH&Mの適正な労働に対する取り組みの現状を、国際労働機関(ILO)の憲章を始めとする様々な条約で守られるべき労働者の権利という面から再確認するものである。

H&Mの取り組みの実施におけるギャップ、国際的労働規範の侵害、H&Mが適正な労働を遵守する際に直面する問題に光をあて、この報告書はH&Mのサプライチェーンに従事するカンボジアとインドの251人の労働者へのインタビューを通じて行われた調査に基づくものである。2015年8月から10月にかけて実施されたこの調査は、以前実施されたカンボジア及びインドのH&Mのサプライチェーン調査からの推移、そしてより広い意味での世界的生産ネットワークの問題を明らかにするものである。

 

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最終更新:2016年05月27日06:01

カンボジア:米国は依然としてアパレル産業の主要市場

米国はカンボジアの繊維・アパレル産業にとって主要な市場である、と労働省大臣は今週の米国大使との会談後に述べた。

Ith Sam Heng労働相は5月18日、労働省での米国大使William Heidt氏との会談後に、リポーターらに対し、アパレル輸出ビジネスにおいて輸出先は多様化しているものの、米国は依然としてカンボジア製品にとっての主要な買い手である、と述べた。

「米国はなおも我々にとって非常に重要な市場です。今では欧州市場に次いで2番目の輸入先ですが、それでも巨大な取引先であり、数十億米ドル規模を誇ります。そのため我々は、米国からのバイヤーの要求にうまく対応し、さらに多くを受注したいと考えています。」とSam Heng労働相は述べた。

米国通商事務所のデータによると、今年第1四半期の米国への総輸出額は、前年同期の7億2500万米ドルに対して7億600万米ドル超と、約3%減少した。

商務部(MoC)広報担当者であるSeung Sophari氏が先週Khmer Time紙に対し語ったところによると、第1四半期に対米国輸出がわずかに減少したのは、主に米国で現在進行している選挙キャンペーンや、ミャンマーのような新しい輸出国の台頭によるものであるという。しかし彼女は、この数字はすぐに持ち直すだろうとした。

「米国の経済状況はすぐに改善されるため、輸出の落ち込みが長く続くと思いません。」とSophari氏は述べた。

カンボジアは2013年時点で米国と総額30億米ドル規模の取引があり、米国にとって70番目に大きな貿易取引のパートナーであった。米国通商代表部によると、2013年カンボジアは米国にとって129番目に大きな製品輸出先であり、60番目に大きな製品輸入先であった。

Sam Heng労働相によると、米国大使は会談中に労働組合法の問題を取り上げ、この法律は業界の利益のために関係者に対して公平に適用されるべきであると指摘した。

「(米国から)懸念が示されたのは労働組合法の履行に関するごく限られた問題であり、我々はすべての労働組合に対して差別することなく、それを適用することが求められました。また、そうすることは我々の方針でもあります。」と彼は述べた。

「我々は、この労働組合法は従業員や雇用者の利益だけでなく、我が国の投資環境にも沿ったものであると考えています。我々はそれを遵守するよう全力を尽くしていきます。」

「また我々は、この法律を広く社会に知らしめるよう働きかけていきます。」と彼は続けた。 「この会談結果はまた、バイヤーに対するメッセージでもあります。この情報提供によって、バイヤーに課題をはっきりと示しているのです。」

スウェーデンの小売企業H&Mの広報担当者であるUlrika Isaksson氏は、先月Khmer Times紙に対し、労働者、労働組合やNGOの懸念に応えるため、H&M社では労働組合法が起草されて以降、この法律をチェックしていると述べた。国際労働機関(ILO)は、この法律は、地域の法律に抵触し、また政府が署名した国際条約にも違反する可能性がある、と警告している。

「我々はこの新しい法律を分析し始めたばかりで、まだ詳細を調査できていませんが、カンボジアにおける我々のサプライチェーン全体で労使関係を強化し、結社の自由や団結権の尊重を保証しようという現在実施中の我々の取り組みに、この法律がどのような影響をもたらすかを注視する必要があります」とIsaksson氏は述べた。

アパレル・履物産業は輸出総額の70%を占め、70万人以上の労働者を雇用しており、カンボジア経済において重要な役割を果たしている。カンボジア縫製業協会の統計によると、昨年この部門の輸出額は63億米ドルで、前年比わずか7.6%増となった。

 

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最終更新:2016年05月25日08:48

カンボジア:米国よりTPP加盟を要請

駐カンボジア米国大使であるWilliam Heidt氏は5月9日、カンボジア最大の産業部門の競争力を蝕む国際貿易協定が批准されることを前提として、カンボジア政府は成長を続けるにはアセアン域内、そして世界の中の立ち位置を模索する必要があると述べた。

カンボジア米国商工会議所の年次会合の演説の中で、Heidt氏は12カ国が加盟し世界経済の40%を占める環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が、画期的な合意の一部ではないカンボジアを犠牲にしてベトナムを米国の最大の貿易相手国に押し上げるだろうと述べた。

「アセアン経済共同体により域内の統合の動きが加速している」と氏は言う。

「しかしさらに重要なことはTPPが統合プロセスを加速させることで、カンボジアがいかに域内に自国の経済を適合させることができるかを、深くそして早急に検討しなければならないということです」

TPPによりカンボジアの衣料品業界に対する投資は60億米ドル削減されることが予測されている。製造業者らは合意に署名しており、米国や他の加盟国との特恵貿易の恩恵を受ける隣国のベトナムにさらに工場を開設する動機づけを与えられているのだ。

Heidt氏はベトナムがTPPに参加することを考えると「カンボジアがチャンスを逃し取り残されるのは非常に残念です」と述べる。

TPPに参加する国のための正式な枠組みが無いなか、Heidt氏は米国やカンボジアの経済学者らがこの多国間貿易協定に参加する良い点と悪い点を明らかにすべく共同研究を実施していたと述べた。

「カンボジアが地域ネットワークに入る手助けをすることに大変興味を持っています。その過程で自らを成長させることでさらに多くの米国企業を引き付けることができるでしょう」

米国政府はカンボジア政府に対してカンボジアで活動する米国企業(またその反対も)が法的に保護を受けることのできる相互投資の保護条約に関する話し合いに参加するよう、すでに働きかけている。

汚職の横行と司法制度が確立していないことが米国とのビジネスを妨げていることを認識しながらも、大使は米国商工会議所に対して政策提言を起草する役割を強化するよう促した。

米国商工会議所会長のBrett Sciaroni氏は商工会議所がカンボジア政府に対し、二国間貿易を促進するための政策提言を寄せたと述べた。氏はこのような協定が「TPP加盟への足掛かりになる可能性がある」と言う。

Sciaroni氏はTPPの批准が期待されるなか、カンボジアが貿易協定に参加しようとすることが重要だと強調した。

「参加しようとする動機は十分にあります」と氏は言う。「TPPが施行されればカンボジアにとって大きな懸念事項となるでしょう」

またベトナムやマレーシアのような国々がTPPの要件を満たすことができるのであれば、カンボジアが申請して認められない理由は無いと付け加えた。

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最終更新:2016年05月13日11:53

カンボジア:アパレル及び履物輸出、対昨年同期比で13%の成長

2016年第1四半期にカンボジアのアパレル及び履物の輸出は対昨年同期比で13%成長したと中国・新華社通信が5月2日、カンボジア産業・手工業省の報告書の内容を紹介しながら報じた。

現地に拠点を持つメーカーらは今年1-3月にEU、米国、カナダなどの主要市場向けに15.5億米ドルの輸出があったが、昨年同期は13.7億米ドルだったと報告は伝えている。

カンボジアのアパレル及び履物分野は同国の輸出全体の約80%を占めている。

 

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最終更新:2016年05月09日12:01

カンボジア:商標保護の重要性を再確認

商業省の新大臣であるPan Sorasak氏は4月26日、他企業の知的財産権を侵害する個人や企業に対し、商業省は違反者に対して適切な手段を取る準備があると警告した。

大臣は世界知的財産の日を記念したイベントで「知的財産は特に知的、革新的な製品を持つ中小企業にとって取引に重要な役割を果たします。商業省は法に従い、偽造品を厳重に取り締まります」と語った。

カンボジアで成長しつつある起業家らを保護するためには、商標保護についての認識を強化することが重要であると大臣は話した。

商業省によると、カンボジアでは現在44,636件の商標が登録されており、14,651件は期限切れとなっている。8,300件近くが承認待ちとなっている。

商業省知的財産部のSim Sokheng部長によると、2015年には総計6,284 件の商標登録申し込みを受け付けたという。2016年の第1四半期には1,500件近くの申し込みがあり、前年同時期と比較して10%の伸びとなっている。

「商業省は知的財産権保護を促進してきており、今後も申し込みは増加すると考えています」とSokheng部長は話す。Kampot pepper、コンポンスプーのパーム砂糖、カンボジア音楽などを著名な保護対象の例として挙げた。

カンボジアの法律事務所、Sciaroni and AssociatesのシニアパートナーであるBretton Sciaroni弁護士は、偽造品はブランドの評判を低下させるものである一方、知的財産権の保護は投資家の信頼につながると話す。

「カンボジア国内でも国際的にも、商標保護にはまだ多くの問題が残ります。どこのマーケットでも、偽造CDやDVDのみならず、タバコ、アルコールや衣類に至るまで偽造品を見つけることができます。商標保護を実現できれば、カンボジアは投資家にとってより魅力的になります。実現できなければ、投資家からの信頼は低下するでしょう」とSciaroni弁護士は述べた。

インターネットとテレコムサービスを提供する新企業Kingtel Communication LtdのUn Chanboran販売・マーケティング部長は、同社は商業省の商標認可を待っているところであると語った。

「商標の不法な使用で企業の評判に傷がつくことを懸念しており、商標とロゴの保護は当社にとって非常に重要な問題です」とChanboran部長は話す。

 

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最終更新:2016年05月02日13:59

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