インドシナニュース

2016年01月 のニュース一覧

カンボジア:タケオ州Bati区が縫製工場のホットスポットに

タケオ州Bati区を通る国道2号線近くにあるKrang Thnong地区の地価は、2つの縫製工場がこの地区で建設を開始して以来上昇を続け、5年前と比較して今年10倍となった、と報じられた。

今後この地区ではさらに、新しい縫製工場や、コストの削減や潜在労働力の多い場所に移転しようとする工場などによってホットスポットとなり得る、と不動産専門家は言う。

「これまでこの地区では、2つの縫製工場が建設されてきました。縫製工場が1つもなかった時、土地の価格は二束三文でした。最近では、ここの地価は大幅に上昇しています。」とKrang Thnong地区長のYin Im氏は述べた。

「5年前、国道2号線に近接する土地では、1平方メートル当たり3米ドルで販売されていた一方で、国道から少し離れた土地は、1平方メートル当たり1米ドルの低価格でした」と彼は言った。

この地区の村人から縫製工場建設用地を購入するのを仲介する地元不動産業者のSum Savy氏(51歳)は、国道2号線沿いの土地と同様に、この地区の土地価格の急騰を目の当たりにした。彼によると、現在国道2号線沿いの土地は1平方メートル当たり約30米ドルで取引されている。

「国道2号線沿いの縫製工場の存在により、特にBati区Krang Thnong地区周辺の土地価格は急速に上昇しています。カンダール州にある国道2号線の交差点付近から(国道沿いに)さらに多くの工場が建設されつつあります。」とSum氏は言った。

地元の人々が地価上昇について歓迎する一方で、不動産業者は、さらなる希望販売価格の上昇が国道2号線沿いの開発気運を損なう可能性がある、と主張している。

「五年前、国道2号線沿いの土地の価格は1平方メートル当たり5米ドル程度でした。 この土地の現在の実勢価格は、公的な不動産業者による評価額よりも30%も高くなっています。低価格あったがために多くの売買がなされましたが、今では膠着状態となっており、ここの土地を売却することは難しくなっています。」と、カンボジア不動産協会(CVEA)のKim Heang会長は述べた。

とはいえ、上昇し続けている土地の価格は、単にいくつかの縫製工場の存在のみに関連付けることはできず、国道2号線の改善計画など他の開発計画にも関係している、と彼は指摘する。

この地域は(他地域と)比較してまだ低価格であること、過密度が低いことから、いくつかの工場が移転を検討しており、「このように、様々な要因が相互に関連し合っているのです。」とHeang会長は付け加えた。

Krang Thnong地区の地価高騰は、比較コスト優位性によりこの地域に移転している工場なのか、新工場の建設によるものなのか、縫製工場がプノンペンを離れ、周辺州に移転していることを示すようなデータはない。

「統計データは一切ありません。工場がどの程度移転しているのかを示す統計について、カンボジアの誰も把握していないと私は断言できます。こうした工場は存続している限り、単にカンボジアの工場の一部とみなされ、新しい場所に移転した工場の数を追跡する術はありません。」とカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo会長は述べた。

彼は、国道2号線沿いの多くの工場について、「これらの工場は、これらの地域に新しく建設された工場なのか、またはプノンペンの中心地域から外に移転した工場なのか分かりませんが、いずれにせよこうした工場がプノンペン周辺に多く存在しているということが分かります。」と続けた。

地元の不動産業者のSum氏によると、台湾の投資家らは(新工場)建設に着手する前に、Bati地区の潜在的な労働者に接触して、動向をうかがっている。

「Krang Thnong地区から約1000人の村人が現在、Kandal Stung地区にある縫製工場で働いています。(新工場稼動まで当面の間)彼らは午前中に職場に通勤し、夜に地区に戻ってくる(という生活を続けています)。」とYim氏は言った。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月26日06:01

カンボジア:経営者ら、違法ストライキ廃絶のためより厳しい労働組合法案を要求

カンボジアの企業経営者らは1月18日、ストライキが頻発する製造業セクターの安定化のため、議論の続く労働組合法案について、現在の法案は組合に甘すぎるとしてより厳しい罰則を含めるよう立法関係者に求めた。

カンボジア雇用者・ビジネス協会連盟(CAMFEBA)は、司法のみならず政府も組合の活動停止ができるようにするための権限強化、工場の少なくとも5分の1の参加を組合結成の必要条件とするなど、7つの勧告を提出した。

政治色の強い積極的な組合活動によって、多くの場合賃金を巡って引き起こされるストライキのたびに政府は労働者の要求を満たし、国際的な競争が激化する中、カンボジアの50億ドル規模の繊維・製靴産業の魅力を低下させないように努めてきた。

ライバルであるベトナムでは、多国間貿易協定による特恵関税や中国より安価な人件費を魅力として、カンボジアよりさらに大規模な縫製・製靴産業に記録的な外国投資が殺到している。

ミャンマーも低賃金と優遇税制で投資を呼び込み、近年はGapやH&Mといったブランドから受注し、カンボジアで生産される縫製製品とほぼ同品質の製品を生産している。

雇用者・ビジネス協会連盟のVan Sou Ieng会長は、ストライキは「行いの悪い」労働組合リーダーにより組織されているが、こうした人々はカンボジアの評判を傷つけ、70万人の縫製労働者の雇用を危険にさらす少数派に過ぎないと話す。

「違法なストライキはやめなければなりません。仕事がなければ生活できないのです。まずは仕事を守らなければなりません」と彼は報道関係者を前に話す。そして、労働組合のリーダーらは組合員の同意なしにストライキを計画しているとも付け加えた。

警察が群衆を散らそうと介入するため、ストライキはしばしば暴力的な事態に発展する。こうした事態はカンボジアの工場に外注しているAdidas、Marks & Spencer、Walmart、Next、そしてInditexのZara等にとっては、ブランドの評判の危機となる。

この労働組合法案は2007年に企業経営者らがストライキ抑制のために要求したもので、労働組合の結成方法、運営、解散についての規則を定めている

労働組合や権利団体は法案が制約的で、労働者の権利を踏みにじるものだとして不満を表明している。

労働者集団組合運動のPav Sina代表は、企業経営者のみならず全ての関係者を利する法律となるよう、議会は法案を変更すべきであると話す。

「この法案に基づくと労働組合の運営に多くの障害が出ます。組合の活動停止に関する条項と、組合の財政報告書作成を求める条項の撤廃を求めています」とPav Sina代表はロイターに話した。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月22日05:57

カンボジア:Grand Twins Internationalの2015年第3四半期収益は低迷

カンボジア証券取引所に上場している唯一の縫製企業であるGrand Twins International(GTI)は2015年第2 四半期には利益を計上していたものの、7月から9月の第3 四半期の収入と収益は低下したことを発表した。

1月15日に発表されたGTI社の第3四半期報告書によると、同社の収入は前年同期の1090万ドルから16%低下し、919万ドルであった。

第3四半期の税抜後利益も同様で、前年同期と比較すると22.3%減少し、40万ドルを少々上回る程度であった。

第2四半期も収入は下がったものの、コスト削減、労働生産性上昇といった効率性の改善により、利益は124%の増加であったと昨年9月に同社広報はプノンペンポストに語っている。

1月17日、同社からコメントを得ることはできなかった。

しかしながら、2015年1月から9月にかけて、GTI社は470万米ドルの税抜後利益を上げており、2014年の240万米ドルと比較すると92%の上昇であった。収入は3830万米ドルで、2014年の4330万米ドルから減少している。

2015年第3四半期の収益の低さを受けて、1株あたり利益は2014年の0.02米ドルから0.01米ドルへと低下した。現在のところ、2015年通年の1株あたり利益は0.12米ドルとなっており、2014年通年の0.07米ドルからは上昇している。

1月15日の取引終了時点で、カンボジア証券取引所におけるGTI社の株価は0.99米ドルで、1月14日の取引終了時を0.02米ドル下回った。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月21日11:50

カンボジア:2015年、縫製工場労働者の2000人近くが失神で倒れる

昨年、カンボジアのアパレル縫製工場及び製靴工場で倒れた縫製工員の数は2014年と同じく1806人で、発生工場数は5.8%減少していると1月7日に公表された報告書に記されている。

全国社会安全基金(NSSF)の報告書によれば、集団失神は全国32の工場で発生し、14人の男性を除けば残りはすべて女性だった。

報告書では集団失神を引き起こす要員をいくつか挙げ、一番の原因は「集団心理」によるものとしている。次に多い原因としては残業を挙げ、倒れた工員の23%はアパレル縫製工場や製靴工場での働き過ぎだと報告書は述べている。それ以外の工員が倒れた理由としては、「化学物質」(18%)、「物理的」(16%)、「虫刺され」(7%)、「機械」(2%)を挙げている。

「2015年の失神の状況を2014年と比較すると、人数は同じだが、発生工場数は5.8%減少した」と全国社会安全基金(NSSF)政策部長であるCheav Bunrith氏は述べた。

「工員らの失神が起こらないようにするために、雇用者や工場幹部らは工場内での失神が起きる主要因を改善するべきです」とBunrith氏は述べ、報告書が14日に発表されると付け加えた。

彼はまた、全国社会安全基金(NSSF)が指導する工場のワークショップでスタッフが清掃を徹底するよう呼びかけ、工員らに職場の安全、基金のメリット、交通安全について指導した。

さらには、工場の代表と医療スタッフが工員養成プログラムに参加すべきだと述べた。

労働者組合運動連合代表のPav Sina氏は、昨年倒れた工員らは2013年や2014年のような病人ではなかったと述べた。2014年のILOの報告書では、70万人の縫製労働者のうち41%以上が貧血だと推測している。

労働者の健康を保証するために政府はいくつかのステップを追っていくべきだとSina氏は言う。

「2015年の失神の状況は改善されていますが、労働省と職場事故防止委員会がもっとしっかり工場の労働条件や職場環境を監視すれば、さらに良くなります」と彼は言い、そうすれば失神も減少すると言い添えた。

Sina氏は工場で倒れる工員の数を減らすのは労働省や工場運営者の責任だと強調した。両者には労働者への義務があり、労働省は安全な職場環境を整えない経営者を処分する責任があると訴えた。

「労働省と全国社会安全基金は通達に従わない工場にペナルティーをあたえるべきです」と彼は述べた。

Sina氏は昨年彼の組合で約100人が倒れたと明らかにした。

全国社会安全基金の以前の報告では、昨年工場の集団失神が発生したのは、プノンペン、カンダル州、スヴァイ・リーン州、コンポン・スプー州、プレア・シアヌーク州、タケオ州、コ・コン州、コンポン・チュナン州に及ぶ。

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月15日15:03

カンボジア:労働組合指導者ら、修正されずに労働組合法が成立するのを懸念

現在制定中の労働組合に関する法律について、労働組合代表者らは労働者の権利保護が困難になるとして、多くの修正を求めている。

国民議会の委員会で現在検討されている新法案について、議員らは幾つかの条項について修正に合意したものの、労働組合指導者らは議員らによる修正案は不十分であると話す。

新法案では工場内で労働組合を結成できず、暴力的なデモが発生した場合、労働組合組織者は刑法による処罰を受けることを定めている。カンボジア国内ではおよそ1000の労働団体が活動しており、それら団体の多くが約70万人の縫製・繊維製造セクターの労働者らを代表している。

カンボジア労働連盟のAth Thon会長はVOAクメールに対し、議員らは労働組合指導者らが最も懸念する条項について十分に話し合っていないと話す。「今後の推移を見守っています。この法案をより良いものとするため、意見を出して参加していくつもりです」と彼は話す。

カンボジア労働組合連合のYang Sophoan会長は、労働者の権利保護を困難にする条項を削除するよう議員らに訴える。幾つかの条項は完全に削除される必要があり、そうしなければこの法律は「労働者や労働組合の利益を保護するものではなくなる」と話す。

削除を求める条項には、労働組合から労働省への財政報告の要求、工場で労働組合を結成するために必要な最低従業員数の規定などが含まれるとSophoan会長は話す。

与党カンボジア人民党と野党カンボジア救国党の議員らは、法案のいくつかの部分に反対しており、その中には労働者のストライキやデモの決定権に関連する条項が含まれる。救国党の議員には、レストラン従業員や家庭の使用人など他の労働者も包括するような法律にすべきだとの意見もある。

救国党のSon Chhay議員は、労働組合はストライキ決定のために全ての組合員による話し合いを持たなければならないという条項に反対であると話す。「数千人、数十万人の組合員がいる労働組合もあります。どうやって決定することができるでしょうか」と彼は話す。慎重な扱いの必要な条項については1月13日に協議される予定であると彼は述べた。

人民党の報道官でもあるSok Sysan議員は、国民議会の作業部会での話し合いを経て、法案についての協議と「後半な意見聴取」が行われると説明した。

1月6日時点で、労働省からのコメントを得ることはできなかった。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月11日12:00

カンボジア:140以上のアパレル生産工場が閉鎖

12月25日に商業省が発表した報告によれば、今年150近くの衣料品や製靴工場が閉鎖された一方で、新しく50の工場が開設された。

報告によれば982のアパレル生産工場と90の製靴業者が商業省に登録されている。このうち衣料品を製造する130の工場と、靴を製造する14の工場が今年閉鎖され、新たに53のアパレル生産工場と5つの製靴工場が商業省に登録された。

商業省の輸出入担当課長のHo Sivyong氏によれば、新しく開設された工場よりも閉鎖された工場が多いものの、いくつかの世界的に展開するブランドがカンボジアの工場からさらに製品を購入すると約束したことを引き合いに、来年生産は増加するだろうと楽観的だ。

一方でSivyong氏はより高い賃金を求めるストライキは新しい投資を阻むものであり、ミャンマーに製造拠点を移転する動きが進行中だと述べた。「労働者による高い賃金を求めるデモや要求はカンボジアに対して投資を検討している投資家に対する難題だ」と氏は述べ、カンボジアで工場を閉鎖した企業のいくつかはミャンマーに製造拠点を移転したと付け加えた。Sivyong氏はカンボジアと同様、ミャンマーもEBA制度(武器以外のすべての産品に対する無税・無枠措置)のもと、ヨーロッパ市場へ無税・無枠の輸出が可能と指摘した。

いくつかの工場が閉鎖される一方で、他の工場への展開も明らかになった。「ある場所で製造を停止した企業の中には他の場所で新たに操業したり、他の工場と合併したりする事例もあった」とSivyong氏は言う。

経済学者のSrey Chanthy氏は、貿易は今後まだまだ期待できると述べた。衣料品や靴の輸出は昨年と比較して非常に増加していると氏は言う。閉鎖した企業が他の工場と合併をするのであれば効率が改善するとChanthy氏は述べた。

「他の(中規模、重工業もしくはハイテクの)工場や投資対象と置き換えられているのであれば大きな問題ではありません」Chanthy氏は言う。閉鎖している企業のなかには製造拠点をミャンマーやアフリカ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟予定の国など、賃金がより安い国に移転する可能性がある。TPPは北米、南米、アジア地域にわたり自由貿易協定をつくりだすことを目的としている。カンボジアはTPPに含まれていないが、ベトナムやマレーシアは加盟予定である。TPPがいったん発効されれば米国市場における輸出においてベトナムと競争して張り合うことはできない、というのがアパレル生産業者らの懸念事項だ。

Chanthy氏は政府に対してビジネス環境を改善し、マクロ経済の安定を維持し、政治の安定性を向上させ、労働や産業界の規制を改善し、カンボジアの主要輸出市場である米国やEUをしっかりと確保すべくカンボジアが投資家に対して魅力的なものと映り、競争力を高められるよう、いかなる手段も講じてほしいと呼びかけた。

「来年の(衣料品と製靴)業界に関して私はまだ楽観的な見方をしていますが、政府にとっては試練の時であり、厳しい局面を迎えると思っています」とChanthy氏は業界がカンボジア国内だけではなく他国との競争の激化により困難に直面しているとも述べた。

氏によればTPPもまたカンボジアの衣料品や製靴業界に影響を与える可能性があるという。

匿名を条件に語ったカンボジア縫製製造産業協会(GMAC)のある幹部の話によれば、例えば先週スヴァイリエン州バベットの経済特区近隣で発生した労働者らによるデモなどのためにカンボジアへ投資する信頼を失い、生産を停止しているアパレル工場や製靴企業もあるという。

氏によれば投資家らは安全を確保するために近隣諸国の新しい拠点を探し求めているといい、業界における紛争も日常的なことになってしまったと付け加えた。「デモは非常に簡単に暴力化する可能性があり、これが企業の財産だけでなく買主(の決断)にも影響を与えます」と氏は語った。

「労働者らは労働法に対しての理解が浅く、その上政府の役人らは厳しい措置をとらず法を犯しても罰したりしません」と氏は言う。

これ以上労使関係を悪化させず、製造の安定を図り、投資家だけでなく工場が製造する衣料品や靴を購入する企業の信頼を得るために、政府の役人らは労働者らに対して今より上手く労働法を説明する必要がある、とGMACの幹部は述べた。

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月07日11:53

カンボジア:ブライダルショップが縫製工場に代わる雇用を創出(後)

(前編から)

 

Neang Dannyさん(30歳)は、Anne Noelle Bridal社で3年間在籍する正社員で、ベトナム国境近くの農村地域出身である。彼女はかつて貧困の中で生活しており、より良い生活を期待して夫と共にプノンペンに移動する前は、農業で生計を立てていた。その足跡はまさに悪戦苦闘で、Anne Noelle Bridal社が新しいスタッフを雇用しようと非営利支援団体に連絡するまで、その団体は彼女に基本的な枕のステッチや、その他の簡単な縫い物を教えたものの、ドレスのように入り組んだ作品を教えることはなかった。

「現在私は最初から最後まで、服全体の工程をこなすことができます。最初は非常に大変でしたが、今では容易にできます。」と彼女は言った

就業開始以来Dannyさんは多くの実務トレーニングを受け、完璧な技能を身につけるまでしばしばHelmy氏に付きっきりで働いてきた。彼女は将来的には自分の店を開業したいと考えている。

「彼女は今の技能を身につけるまで長い道のりを努力してきました。かつて彼女が置かれていた境遇と比較すると、それは驚くべきことです。」とHelmy氏は言った。

今ビジネスも4年目に突入し、Anne Noelle Bridal社は海外顧客のために、ウェディングドレスだけでなく、その他の衣料品の生産まで業務を拡大している。Helmy氏は、地元市場においてはウェディングドレスに特化し続けるつもりであるものの、彼女のビジネスが何年にも亘って持続可能であることを証明するために、国際的な顧客を獲得したいと考えている。

「私は築き上げたチームと、我々がこれまで行ってきた仕事を本当に誇りに思っています。」と彼女は言った。「それは、本当に安定的で熟練したチームです。」

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月06日12:04

カンボジア:ブライダルショップが縫製工場に代わる雇用を創出(前)

~過去10年間で縫製工場の労働条件は改善されているものの、児童労働や危険な労働環境など、諸課題はなおも残されている~

 

ブライダルファッション業界においてパタンナー、アシスタントデザイナーとして6年間勤務した後、夫と共にオーストラリアからモンゴルに移住した際に、Anneliese Helmy氏は、情熱をもって取り組んでいたこの仕事を一旦中断した。夫が金融機関で働く一方、6ヶ月間Helmy氏は英語の教師をしていたが、最終的にカンボジアのプノンペンに移住し、ファッションデザインの世界に彼女のキャリアを戻すことにした。

「私たちはカンボジアを移動している間に、ここで楽しんで暮らしている何人かの外国人と話をしました。その後、(夫と私は)ぶらぶら歩き回り、これから私たちは何をしていこうか、と話していました。」とHelmy氏は言った。「順当な動きをするのであれば、次は(オーストラリアへ)帰国するということでしたが、私たちはその計画を変更し、ここカンボジアで何かやってみよう、と話し合いました。」

それから6年経ち、彼らはまだカンボジアに住んでいる。最初の3年間、Helmy氏は様々な規模の工場や作業場のコンサルティングをしながら、アートとファッションを教えていた。2011年に彼女は思い切って、2名のスタッフと彼女だけで、自宅にAnne Noelle Bridal社をオープンさせた。現在Helmy氏は、ブティック、作業場、そして10人のスタッフを擁し、250~800米ドルの価格帯の高級ウェディングドレスを販売している。このビジネスは、カンボジアの恵まれない女性に、頻繁に問題を起こす大規模な縫製工場に代わる雇用を提供している。

在カンボジアの欧州商工会議所の調査によると、カンボジア人口の4%は、カンボジアの輸出の80%を占める55億米ドル規模のアパレル産業で働いている。この業界における従業員の90%が女性であり、公的なスキルをほとんど持っていない。結果、彼女らは一般に最低賃金しか支払われていない。この安価な労働力と外国ブランドからの需要が、この急成長を見せる衣料品業界とカンボジア経済全体を支えている。

過去2年間、アパレル産業において全国で250回もの、時には暴力的なストライキが発生した。ストライキを実施した労働者は、最低賃金を月額61米ドルから、現在の128米ドルまで増加させることに成功した。こうして過去10年間で縫製工場の労働条件は改善されているものの、児童労働や危険な労働環境など諸問題はなおも残されている。

「いくつかの工場では従業員のために気を配り、良好に業務を遂行することができますが、一方で、いくつかの工場では問題が放置されています。」とHelmyは言った。

衣料品業界における問題の一つとして、多くの工場がその高い需要に応えるために、労働基準が特に緩い小さな作業場へ業務を外部委託していることを挙げた。

「(小さな作業場に対して)大きなノルマを課した上で、誰が作業しているのかも分からず、またモニタリングも行われておらず、そこには安全性の問題があります。」と彼女は言った。

これらの小さな作業場(での作業)は、モニタリングされることを回避できる傾向がある。大きな工場では、業界監督者が諸問題を継続的に評価している。国際労働機関(ILO)の2014年レポートによると、カンボジアの工場従業員の65%は、身体に危険を及ぼすほど暑い環境下で作業させられており、27%の工場は有給疾病休暇を付与していない。また4%の工場では、未成年労働者を就業させている。

Som Soklyさん(22歳)は、Anne Noelle Bridal社に入社する前は、大規模工場で働いていた。以前の仕事では14時間労働も珍しいことではなく、彼女は長い勤務時間を、ジーンズのポケット加工ラインでひたすらポケットを縫い合わせるのに費やし、休日は日曜日だけであった。

「前の縫製工場では毎日同じ作業をしていたので、何も学ぶことができませんでした。またもし病気で休めば、何も支払われませんでした。」と彼女は言った。 「それに引きかえ今は、(デザイン)全体のプロセスを学ぶことができます。」

彼女が現在働いている作業場は、(以前の職場と)全く異なっている。従業員は週5日稼動で、有給休暇と健康保険が付与されており、給料も最低賃金を大きく上回っている。作業場の女性達は日中いつでも話し合いをし、お互いから学ぶことができる。大きな工場では、彼女たちは常に下を向き、反復作業に没頭し続けなければならず、作業者同士でおしゃべりする機会はほとんどない、とHelmy氏は言った。

「我々の願いは、実際に訪れた人々に“まあ、こんな人達と仕事をしてみたいわ”と言われるような、良い職場を生み出すことなのです。」と彼女は言った。

このブライダルショップで働く女性の何人かは、貧困家庭出身者に技能訓練を提供する地元の非営利団体にて縫製の基礎を学んだ。Helmy氏がビジネスを開始する際、こうした地元の非営利団体と提携し、ここから女性を雇用することにより、女性に就業の場を提供することに努めた。

「多くの非営利団体による研修プログラムの類は、プログラム終了後に実際の仕事を提供できず、『ここにミシンがあります。さあ、外に出かけて仕事を見つけてきましょう』と言ってきました。そうした支援では、全く意味がありません。いったいどうやって女性達が自分のビジネスを作り出すことができるというのでしょうか?」とHelmy氏は語った。 「外へ出て、自分のサービスを売り込むということは、全く異なる能力なのです。」

 

(後編に続く)

 

» 続きを読む

カンボジア ジャンル:
最終更新:2016年01月06日05:59

このページのトップへ戻る