インドシナニュース

2015年06月 のニュース一覧

カンボジア:ウォルマートの汚点(後)

(前編より)

 

レポートではウォルマートの女性アパレル用品のサプライヤーとされているGhim Li (Cambodia)社で働く29歳のKim Sokheng氏は、今週のインタビューで、病気休暇を取られないことがよくあったと語った。

「彼ら(工場)は、病気休暇を取る場合には、前もって知らせろと要求しています。しかし、病気になる日がいつだか事前にわかりますか。」と彼女は尋ねた。「会社は労働者が病気の際に給料を減らすのを止めるべきです。」

しかし、工場に強固な労働組合があるおかげで、そのような「不正」に対して抗議をする自信が持てたとSokheng氏は言う。そして、ウォルマートが、その「不正」に対処すると期待している。

しかし、誰もが彼女と同じように楽観的に考えているわけではない。調査対象となった全14工場で、回答者が工場のオーナーにより労働組合が撲滅された例を報告している。

4つの工場では雇用主によって設立され、運営されている労働組合があり、2つの工場では政権与党系労働組合がある一方、5つの工場では、組合の結成自体が許可されていない。

「そのうち少なくとも1件では、労働者が組合を作る、またはストライキを行う試みを明らかに妨害したと報告されています。」

工場労働者のSoth Kunthea氏はインタビューで、ひどい労働環境について抗議した後、およそ2000人の同僚とともに、ウォルマートのサプライヤーである台湾資本のJuhui Footwear社から解雇されたと話した。

およそ5000人の労働者による、2014年の9月の大規模なストライキの後、会社は3000人の従業員を復職させることに同意したが、それも、多くの負傷者が出た警官との過激な衝突の後の話だ。

Kunthea氏は、従業員は1日に4回しかトイレに行くことを許されていなかったと話した。また、たびたび週末、国民の休日にも働かされたという。工場は従業員に対して、ウォルマートへの報告をしないように命令し、嫌がらせを隠蔽したと主張した。

調査されたほとんど全ての工場で、労働者は、「清潔な飲料水と衛生的なトイレ設備の不整備、暑すぎる環境に対する深刻な懸念を表明した。」

他に主張された嫌がらせや搾取的慣習は、違法な定期契約の使用や、不十分な医療施設、生産ラインのリーダーや、監督者からのセクハラなどだ。

ある供給工場では、「ハラスメントに耐えると仕事が楽になり、利益を得るチャンスが多くなった」と、労働者が報告している。

この件に関して問い合わせをすると、工場は、自分たちはカンボジアの労働法を順守していると、労働者による主張を否定した。

「私たちは常に法律を尊重し、労働者の人権を侵すようなことは全て避けています。」と Cambo Handsome工場の総務部長Chan Davuth氏は述べた。また、「私たちは従業員の抱える問題をたびたび分析するようにしています。」とも付け加えた。

ウォルマートは調査についての特定の質問に答えることは避けたが、カンボジアの労働者に対してコミットしていると発言した。

「ウォルマートは、カンボジアの全ての衣料品、靴製品の工場を対象としている、国際労働機関のBetter Factories Cambodiaプログラムに参加しています。また、透明性と、利害関係者間の対話を高めるための支援に、他のブランド、NGO、カンボジア政府と積極的に取り組んでいます。」とも述べた。

調査では、しかしながら、ウォルマートは実際には「コミュニケーションをとるのが最も困難な大手ブランドとして知られている」とされている。

また、「他の大手ブランドは、近年ネガティブな注目を受けているブランドでさえも、アジア諸国にコンプライアンス問題に対する代表者を配置しているが、ウォルマートは現地に代表者を置いていない数少ない大手ブランドのうちの一つである。」と報告されている。

CLECのPreston氏は、サプライチェーンにおける問題は、ウォルマートに直接的な責任があると言い、「サプライチェーンを監視し、きちんと取り組むことを完全に怠っているのです。」と述べた。

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最終更新:2015年06月27日14:47

カンボジア:ウォルマートの汚点(前)

カンボジアで、世界的な小売巨大企業、ウォルマート向けの衣料品製造に従事している労働者たちは、強制労働からセクハラに及ぶ様々な嫌がらせを受けていると語っている。

国中の多くのウォルマート製品供給工場で働く従業員が訴えており、その主張は、最近の調査にまとめられている。調査では、ウォルマートが持つアジアのサプライチェーンでも主要の3ヶ国、カンボジア、インド、インドネシアにおける、ウォルマートの「許しがたい嫌がらせ」を暴いている。

ウォルマートへの調査は、「公正な仕事のための教育基金」(Jobs with Justice Education Fund)と「アジア最低賃金同盟」(Asia Floor Wage Alliance)という労働者人権グループにより公表された。この2つのグループは、巨大ブランドが搾取を隠すために、大規模で複雑なサプライインフラを利用していることを告発している。

調査では、フォーブス誌が世界最大の小売業者にランキングしているウォルマートが、サプライチェーンで起こっている嫌がらせに対する責任を全くとっていないと言われている。カンボジアだけでも、ウォルマートは供給工場を通して間接的に45000人を雇っていると推測されている。

運送業界の情報源から漏洩した輸出報告書によると、昨年13500トンより多くのウォルマートの衣料品、靴製品がアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イギリスを含む国々へ、カンボジアのシアヌークビル自治港から輸出されている。

ウォルマートは、労働環境を改善するための「巨大な影響力」を自社に与えるような投資をカンボジアに行っているにも関わらず、労働者人権の保護に関しては、「まさに底辺」に留まっている、と地域法務教育センター(CLEC)のコンサルタント、Joel Preston氏は述べた。CLECは前述の調査で、カンボジアについての章を執筆している。

「他のブランドでは、嫌がらせを改善する試みの例もありますが、カンボジアの工場での労働者人権に対するコミットメントは、ウォルマートに関しては、ほとんどゼロだと言えます。」と彼は言う。

労働者からの様々な告発は、ウォルマートの供給工場での搾取が広範囲に及んでいることを示している。

調査対象となった14の工場の全てで、労働者たちは「少なくとも1種類の強制労働を課せられている」とCLECに話した。

カンボジアの衣料品工場での平均的な週の労働時間は1日8時間、週6日と広告されているが、調査に参加した86%の人々が、「通常1日に10~14時間働いていて、超過勤務時間が始まる前に帰ることはできない」と報告した。

多くの労働者が、自発的に残業をしているわけではなかった。

「多くの工場では、労働者たちが超過勤務時間終了前に帰るのを許可していません。一方で、他の労働者たちは、反論すれば契約が更新されないのではないかと恐れていると述べています。」と調査では報告されている。

強制労働は週末、国民の休日、そして労働者が病気の際にもおよぶ。3月から11月にかけての暑季は、工場の10カ月の繁忙期と重なり、体調不良時の強制労働が「特に問題」となる。

この時期には、「適切な栄養摂取をせずに過剰労働をするため、従業員が気絶をするケースが多く起こる。」という。

 

(後編につづく)

 

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最終更新:2015年06月27日12:47

カンボジア:未許可の国内産鰐皮の輸出を制限

カンボジアの鰐皮市場は未だに拡大されていない。現在、隣国へしか輸出できず、しかもカンボジアの鰐皮の輸出はワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物国際貿易公約)からの許可を得られていない。

毎年カンボジアから1000~2000枚の鰐皮がベトナム、タイと中国市場に輸出されているが、この数字はただの試験的な数字である。カンボジアの鰐皮の輸出はワシントン条約からの許可を得ておらず、ヨーロッパへの輸出は禁止されている。

カンボジアの農林水産省水産局水産保護副主任Heng Sovannara氏によると、現在カンボジアはアセアン地域以外の鰐皮市場を探しているという。計画の第一段階としてカンボジアが輸出する鰐皮を合法なものであると保証できれば、カンボジア産の鰐皮をワシントン条約に登録でき、ヨーロッパへ輸出することができる。

Heng Sovannara氏の話によると、現在のカンボジアの鰐養殖能力は他の国より低いという。国内の鰐は病気になりやすく、鰐皮の品質が良くないので値段は高くない。現段階でカンボジアは全国で564ヶ所の鰐養殖場を国レベルの養殖場として登録しており、同国水産局の許可を得ている。この564ヶ所の鰐養殖場はシェムリアップ州及びトンレサップ湖沿いの各州にある。この564ヶ所の鰐養殖場の中でワシントン条約の許可を得られている養殖場は20ヶ所しかない。ワシントン条約は野生動物を保護するために結ばれた条約である。ワシントン条約は輸出する鰐皮の品質及び産地を検査・確認する義務がある。ワシントン条約に登録できる鰐皮は一流の品質を求められる、尚且つ養殖場で育てられたものであり、野生の鰐の皮ではないことを保証しなくてはならない。

 

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最終更新:2015年06月25日17:29

カンボジア:縫製労働者ら、再び最低賃金177米ドル目標に

カンボジアの労働組合幹部は、縫製労働者が新最低賃金設定の話し合いが始まる来月、賃金177米ドルを求める運動を再開すると語った。

1月から実施されている現在の最低賃金、128米ドルから38%アップの要求をしているのは、生産性が上昇したためではない。しかし、カンボジア労働組合連合代表のAth Thorn氏は、今回の要求は、プノンペンで貧困ラインを上回る生活をするために必要な収入が150米ドルから177米ドルであると示唆する調査を根拠としていると述べた。また、組合連合は、この最低賃金が他の分野でも適用されるよう推進する。

今年の組合連合の交渉相手は、2017年の選挙における縫製労働者の支持を得たいと考えている政府の役人だ。労働省の役人たちは、「魅力攻勢」とも呼ばれる産業の労働者たちと会合を持っている。

同時に、カンボジアから衣料製品を調達しているグローバルブランドに対しては、貧しい国々における労働者の福利厚生を守るために、一層の取組みをするようプレッシャーがかかっている。

カンボジア国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)の代表は、この傾向を歓迎している。「カンボジアでは、他の国と同じように、サプライチェーン全体に渡り、自分たちの人権に対する責任を認めている企業は、残念ながらまだ多数ではなく、例外的な存在でしかありません。」とOHCHRのWan-Hea Lee代表は語った。

先週、主要先進7ヶ国は多国籍サプライチェーンにおける労働権の遵守向上を強く求めた。

 

グローバルブランドの動向

グローバルブランドのH&Mは、Khmer Times誌に、カンボジアの労働者が生活賃金を得られるよう、カンボジアの衣料品を今よりも高い値段で買い取るつもりだと話した。

「私たちは、賃金上昇に肯定的です。」とスウェーデンのブランドの広報であるAnna Erikssonは言う。「私たちはサプライヤーに、縫製労働者にフェアな生活賃金を払ってもらいたいと思っています。そして、サプライヤーがそうできるような価格を支払う用意をしています。」

LevisとAdidasの代表もこの考えに賛同した。

「Levi Strauss & Co社はカンボジアでの調達にしっかりコミットしています。そして、私たちには衣料品産業における労働権と経済発展を支援してきた強い歴史があります。」とLevisの広報はKhmer Times誌にEメールで述べた。「私たちの関心は、カンボジアの未来に注がれています。」

Adidasは、昨年、カンボジアは国の二番目に大きな生産拠点になったと述べた。全世界中でのカンボジアからの購入割合は、2013年の12%から16%に増えた。「Adidasグループはサプライヤーと、現在、そして今後もAdidasにとって重要な調達国であるカンボジアの長期的な成功に全力で取り組みます。」とグループの広報、Silvia SaccagniはEメールで答えた。

 

懐疑的な政府と企業

しかしながら、ビジネスリーダーと政府の役人は懐疑的である。2008年の世界的金融危機の後、バイヤーはカンボジアへの注文を減らし、賃金と生産コストがより低いバングラディッシュからの購入を増やしたことを指摘した。

労働・職業訓練大臣Ith Samheng氏は昨日の会議で、最低賃金の計算には、生産性、雇用主の利益性、インフレ、地域別比較を考慮する必要があると述べた。

彼は、政府は、最も安価な労働者を求める国際的な製造企業を失うことを懸念しており、また、地域の他の国々では、カンボジアよりも最低賃金が安いとも言った。

「国民に仕事を供給するため、工場にカンボジアに残ってほしいと思っています。もし賃金を上げすぎてしまえば、工場を失うことになりかねません。」

 

厳しい交渉と競争

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、賃金上昇は生産性の向上に伴うものであるべきだと主張した。

彼は、カンボジアの生産性は中国の水準の半分のレベルだと述べた。そして、ベトナム、バングラディッシュ、ミャンマーとも競争しなければならないことも指摘した。

新しい最低賃金についての交渉は今年の終わりまで継続すると予測される、と組合の代表たちは述べた。

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最終更新:2015年06月22日06:00

カンボジア:縫製業界で賃金交渉への準備が始まる

カンボジアの縫製業界では来年の賃上げに向けて賃金交渉が始まろうとしており、現在、毎年行われる賃金評価の最中である。

2013年末から2014年の始めにかけて賃上げを求める縫製労働者らが行ったストライキは死傷者を出す事態となり、カンボジア労働省は数段階にわたる賃金見直しプロセスを設定した。この新しい手法はより包括的であり、政府、企業と組合それぞれが関与できるもので、ストライキを組織している労働組合が抗議活動より協議を選択するようになることが期待されている。

昨年、労働者らが求めていた100米ドルから177米ドルへの賃上げは叶わなかったものの、28%の賃上げを得、現行の月額給与の128米ドルとなった。現在の賃金は名目上、政府が制定する貧困ラインの月額120米ドルを上回るものとなっている。

カンボジアデイリー紙によると、労働省は5月12日、来月新たな交渉を開始すると述べた。8月には二者協議が行われ、9月に三者協議が予定されている。その後、三者の代表者からなる労働審議会が10月に開催され、全会一致、またはそれが不可能な場合は無記名投票を行い、労働省による推奨賃金額が決定される。

新たに制定された賃金は2016年1月に発効する。

カンボジアの縫製分野ではストライキが頻発しており、もし新たな賃金が不合理であると判断された場合は新たに大衆の怒りに油を注ぐこととなりかねない。

2015年6月の始めには、ストライキ中の2000人の縫製労働者が職務に復帰するよう命じられ、またこうした行動によりカンボジアの縫製分野の評判に傷をつけていると批判された。

これら労働者はM&V International Manufacturingの従業員であり、月額交通費の15米ドルへの値上げと、日額1米ドルの昼食代の支給を含む17の項目について改善を要求していた。カンボジアデイリー紙によるとM&V社はファストファッション界大手のH&Mに納品している。プノンペン地方裁判所による命令ののち従業員らは一旦職務に復帰したものの、要求事項に関する協議が停滞すると再び仕事を放棄した。

2014年には、カンボジア縫製業協会(GMAC)はわずか10%の賃上げを求めたのに対し、最終的にはそのほぼ2倍に落ち着き、雇用者側は新賃金の支払いは困難となるであろう、そして高賃金はカンボジア縫製分野の競争力を脅かすものとなると異議を唱えた。

来年の賃金がどうなるかは未定であるものの、縫製企業側はいまだ今年1月に発効した賃上げに対応中であると報道されている。

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最終更新:2015年06月19日06:02

カンボジア:特別税、QIPへは適用されず

カンボジア経済財政省は先週、再輸出に使われる輸入品に課せられていた特別税を廃止した。日本企業が、課税により適格投資プロジェクト(QIP)に参加する彼らの立場が損なわれたと発言したのを受けての措置だ。

カンボジア日本人商工会の一月の文書を受け、経済財政省の関税消費税税務局(GDCE)は6月4日、「製造材料および輸出支援産業の物品一部につき、特別税を免除する」と発表した。

QIPプログラムでは、企業はカンボジアで加工され、他の市場に再輸出されることを条件に、原材料と他の物品を非課税で輸入することができる。

しかし、政府が特定の電化製品とプラスチック製品の完成品、半完成品にかかる特別税の税率を、0%から10%に引き上げるという閣僚会議令239号を発表した昨年の8月、プログラムの優遇制度はどうなるのかという疑問が持ち上がった。

会計事務所のPricewaterhouseCoopersのレポートによると、今年の1月1日に施行される予定であった。

プノンペン経済特区の最高経営責任者(CEO)上松裕士氏は、課税は実施されなかったものの、QIPプログラムによって課税から保護されると約束されてきた企業に、不信感をもたらしたと語った。

「今まで、税金を払わなければならないのか、そうでないのかわからず、不安に感じていました。」

と彼は言った。

上松氏は、カンボジア政府が、カンボジアに投資し、QIPプロジェクトを活用するよう日本の企業を積極的に働きかけていたため、今回の特別税によって、不意をつかれたと付け加えた。

「税金政策は一貫したものであるべきです。」と上松氏は語った。「このようなことは二度と起こるべきではありません。」

プノンペン経済特区のほとんどの企業は、軽工業や組立工業の日系企業であるが、他の企業も特別税が彼らの輸入に影響を与えるのではないかと懸念していた。非課税での原材料輸入に大きく依存していて、国の輸出の80%以上を占めるカンボジアの衣料産業もまた、特別税施行を危惧していた。

カンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、衣料産業の企業が「新しい特別税が衣料工場に影響するのかと問い合わせを受けました。」と述べた。

Loo氏は、「特別税に関する新しい規制からQIPは免除されることを確認するために」、GDCEによる通知をGMACのFacebookページでシェアしたと話した。

通知には、非課税品には自動車、石油製品、製造加工過程のものであっても原材料ではない物など、特定の種類の物品は含まれていないとも記されている。

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最終更新:2015年06月18日06:02

カンボジア:タイで数十万もの移住労働者の調書が不足

締切りまで3週間未満を残し、タイに登録する30万人を越えるカンボジア人移住者は就労ビザの受取りに必要な検査処理を完了しておらず、昨年あった大量の人の移住が繰り返される可能性は高まる。

タイの労働省の昨日(6月11日)の発表によると、52万近い登録済みカンボジア人移住者のうち、約9万8千人が既に必要書類を全て揃え、さらに約10万7000人が検査処理を済ませており2016年3月まで有効な就労ビザを現在有している。しかし31万4000近い人がパスポートを持たずまだ確認されていない。

タイとミャンマーを中心に活動する移住者の権利擁護者Andy Hall氏によると、未だ処理を完了していない労働者の数が莫大なために締切り前に検査を完了するのは「不可能」とのことである。

「長い時間を要しますし、現実的ではありません。」と同氏は述べる。

2014年中頃の少なくとも20万人の集団移住を受けて登録が軽減された昨年に約74万人が登録された後、これらの数字から20万を超えるカンボジア人移住者は行方不明のままということもわかる。

「登録システムに問題があり大混乱であることは明らかです。」と同氏は語った。

昨日タイの外務省と労働社会福祉省の代弁者からのコメントは得られなかった。

現在の検査処理は3月初旬に認可され全移住労働者に3月31日までに登録することを求める。

登録し認可されていない人々は1年間の就労ビザを受取るために6月30日まで許可された新しい臨時の仕事に申込む必要があった。その日までに処理を完了していない人は国外退去の対象となる。

しかし、主に「タイが移住労働者に頼っている」ため締切りは延期されそうであるとHall氏は述べる。

米国国際開発庁(USAID)の人身取引対策プロジェクト副主任Meng Seang氏によると、先週ポイペトで行われた政府関係者とNGOと市民社会団体の会議の間に、タイの国境担当の役人とバンテイメンチェイ州代表によって延期の見込みについて協議されたとのことだ。

しかしながら、タイの労働省の代表は出席しておらず、いまだ「延期に関する新しい規制や方針は決まっていない」と同氏は強調した。

延期が実行されずタイ政府が国外退去を行えば、両政府にとって極めて多額な損失となることだろう。

また同氏は、「昨年20万人の移住者に対して500万米ドルのコストがかかると推測され、今回は20万人よりさらに多い数となるだろう」と述べた。

 

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最終更新:2015年06月16日11:26

カンボジア:GMAC、ストライキの影響広がるのを懸念

カンボジア縫製業協会(GMAC)と、労働者が約2週間のストライキ状態にあるPhnom Penhの1工場の経営者は昨日(6月2日)、ストライキが業界全体にマイナスの影響を与えかねないと主張する声明を発表した。

共同声明においてGMACは、「悪い状況」を打開するための政府による迅速な介入を求める一方で、マカオ資本のM&V International Manufacturing社に対する最大限の法的、精神的な協力を申し出た。

声明によると、「M&Vにおける少なくとも13の無加盟の組合連合と、少なくとも4の加盟組合による、合法な手続きに対するストライキ・・・は、M&Vの経済状況に深刻なダメージと影響を与え、衣料産業全体にもマイナスの波紋を広げた」という。

GMACのKen Loo書記長は昨日、声明は組合が法的な手続きを踏まずにストライキに入ったという事実を喚起するために発表されたとし、今回のM&Vでの行動は、カンボジアでの非合法なストライキの文化を実証し、カンボジアの評価を落とすものだと指摘した。

しかしながら、地域法律教育センターの労働プログラムの指導者Moeun Tola氏は、GMACは現在政府が検討中の労働組合に関する法案への支持集めを試みていると考える。多くの組合と労働運動家は、法律の制定により彼らの活動が抑制され、労働者の権利が損なわれるのではないかと恐れている。

Moeun Tola氏はまた、「GMACは政府、バイヤー、組合を含めた利害関係者全員に、”この状況は混乱している。組合はいつも非合法のストライキを起こすため、労働組合法による統制が必要だ。”というメッセージを送りたいのです。」とも話した。

M&Vでのストライキにおける労働者の主な要求は、1日2000リエル(0.50米ドル)の昼食代、賃金引上げ、月に15米ドルの交通費で、非常に典型的なものであり、カンボジアの衣料業界では特に多い、または厳しいという条件ではないとTola氏はいう。

しかしながら、GMACのLoo氏は昨日、声明は労働組合法の法案への支持を集めるためのものではなく、単純に非合法のストライキの問題を公表するためのものだと主張した。また、多くの工場が、ストライキにより工場の経営が不安定になっていると注意を集めてしまうことを恐れて、報告することをためらっているという。

「今回の声明には、労働組合法に対する考慮はまったくなく、声明は、M&Vで起きていることに対する反応として出されたものです。」とLoo氏は言う。

労働組合法案は、カンボジアの労働者団体の中で論議の的となっている。

昨日、2つの組合が労働省、国民議会、米国大使館、欧州連合に法案に関する嘆願書を提出した。

1つは法案の通過に反対しており、他方は支持しているという。

 

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最終更新:2015年06月11日13:58

カンボジア:GTI社が一株あたり177リエルの配当金支払い

創設間もないカンボジア証券取引所に上場している2社のうちの1社である縫製企業Grand Twins International(GTI)は今月22日までに税引後純利益の50%を株主に配当する。

カンボジア証券取引所(CSX)の発表によると、GTI社は同社の税引後純利益である141億リエルのうち、1株あたり配当金177リエルで総額70万リエル(約176万米ドル)を配当金として支払う。

証券会社であるAcleda Securities社のSvay Hay CEO兼社長は、GTI社の配当支払いは同社の株主への謝意とさらなる投資家の誘致を狙ったものだと話す。

「配当金のない企業は投資家にマイナスの格付けをされてしまい、株価に影響します」とHay社長は話す。

「(将来)利益が2倍になったとしても、50%の配当は銀行預金の平均年間利率よりも高いものです」

しかし、短期投資家でも配当金のみに注目するわけではなく、経営の質や信頼性、ブランド認知といった「基本的な事実」にも注意しているとSvay Hay社長は付け加える。

GTI社は、残る50%の利益は社内に留保されると発表している。Hay社長はこれはGTI社の拡大のために必要であると話す。

「成長段階では、留保される利益は社内投資を行うための貴重な財源となります」

GTI社はカンボジア証券取引所に上場された最初の私企業であり、2014年6月の取引開始時点の株価は一株9700リエルであった。

株価はその後下がっており、6月4日の取引終了時の株価は4720リエルとなっている。

もう1社のカンボジア証券取引所上場企業である国営のプノンペン上水道公社は、3月27日に220万ドル以上を株主に配当している。

一株あたりの配当金は105.2リエルで、昨年度の配当金の2倍であった。

 

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最終更新:2015年06月10日13:53

カンボジア:新作映画の中であらわになったアパレル産業の実態

人々や環境に対する、安価な衣類が招いている計り知れない影響を暴いた新しいドキュメンタリー映画によってカンボシアのアパレル産業の厳しい現実があらわになった。

映画「The True Cost」はカンボジア、バングラデシュやハイチを含む複数の国で2年以上かけて撮影された。この映画はファストファッションが世界的な衣料品チェーンの頂点の座になるまでをたどっている。またこれに関わっている地球上の人口の6分の1の人間も映している。

映画にはプノンペンで起きた2014年1月の大規模デモの映像がある。当時何万もの人がストライキを起こし最低賃金160米ドルを要求した。

日が経つにつれ警察と抗議者達の乱闘が増え、治安部隊による暴力を行使する取締りが行われた。銃声が鳴り響き、悲鳴があがる。血まみれの男性が抗議者の男性達に運び出される様子が見られる。

「私たちはただ、尊厳のあるまともな生活をするために妥当な給料が欲しいだけです。」と映画でインタビューに答える従業員は言う。

「しかし政府はどれだけ私たちが貧しく、直面している困難がどれ程のものかなど気にしていません。労働者のことなど全く関係ないのです。」

Andrew Morgan監督はプノンペンでのスタッフの時間は「とりわけ感動的」だったと言う。

「最も印象に残ったことは人々の魂です。労働者の中で人権への意識が高まり、そのことがデモへと繋がりました」とEメールで語る。

1年以上経ち、縫製労働者は2013年12月のストライキ前の最低月給80米ドルから128米ドルを勝ち取った。

しかしながら、繊維業界では高収入であることは好条件につながっていない。ちょうど今月、縫製工らをスヴァイリエン州にある工場まで運んでいた超満員のバンにバスが衝突し19人亡くなった。

「今の、この危機的な状況を思うと、悲痛な思いと厳粛な思いが交錯します。」とMorgan監督は死亡事故について述べ、「人間の命はおそらく最も尊いもので、途切れることない消費の名のもとにそれを不注意にやり過ごしてしまうことには吐き気すら覚えます。」と付け加えた。

「The True Cost」は、労働問題を扱った海外の数多の作品や書籍のうちの最新作で、労働者が安価な衣料品ために現実の犠牲を払っている姿を見せることで消費者の心を動かそうと試みている。

カンボジア通商連合(CATU)代表Yang Sophorn氏はそのような外部からの関与は喜んで受け入れると述べた。

「労働者にとって利益になるでしょう。なぜなら労働者は生活し苦しみ、雇用主に不当に利用されている現実の状況を消費国は知ることになるからです。」と述べた。

「消費国が現状を知れば圧力がかかり、それによって工場に圧力がかかることで労働者は暮らしを改善することができるでしょう。」

Morgan監督に映画を通して達成したかったことは何かと問うと、この映画がファッションの買物習慣について「家庭での会話」のきっかけになり、その結果、縫製労働者の状況が改善してくれればと答えた。

「私たちは彼らの側に立って、この戦いを支援し、(カンボジアの)人々の魂がバングラデシュのような他国へ波及してくれることを願っています。」と彼は述べた。

 

 

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最終更新:2015年06月03日05:54

カンボジア:ストライキ中の縫製労働者に職場復帰命令

プノンペン地方裁判所の資料によると、同裁判所は賃上げと労働環境の改善を求めて1週間以上ストライキを行っている数千人の縫製労働者に職場復帰を命じた。

世界的なファッション販売企業であるH&Mの納入業者であるM&V International Manufacturing社の従業員らは、月額交通費の10ドルから15ドルへの増額と毎日1ドルの昼食代の支給を含む17項目の要求事項を経営者に提示し、5月19日に職場を放棄した。

この件は先ごろすでに調停委員会にかけられており、調停員はストライキ中の労働者(職員、労働組合員によると総従業員3000人のうち約2000人)に5月23日に職場復帰するよう命じていた。

従業員側はこの強制力のない決定を無視したため、この件は地方裁判所に持ち込まれることとなった。5月26日発行、27日入手の裁判所の文書によると、Heng Kesarou判事は従業員に対し「文書受領後48時間以内に職務に復帰すること」を命じ、裁定は追ってなされるとしている。

「48時間以内に正当な理由なく職務に復帰しない従業員は、深刻な違反行為を働いているとみなされる」とKesarou判事は記している。

カンボジア労働組合連盟を含む8つの労働組合は、「従業員らを扇動するような全ての行為を停止する」よう警告を受けた。

「5月19日のストライキとその後に続いた組合主導の数々のストライキは、労働法とその定める手続きに則った行為ではない」とKesarou判事は続けている。

32歳の従業員Hem Sreyneangは、裁判所命令に従うが、要求が受け入れられない場合はまたストライキを始めるつもりだと話した。

「私たちは7日間の猶予を与えてからストライキを開始したので、このストライキは合法です」と彼女は主張する。

労働省の労使問題委員会のPrak Chanthoeun委員長は、労働組合に対して協議開催を通知したが、同時に事態を複雑化させないよう警告したと話す。

 

 

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最終更新:2015年06月02日06:02

カンボジア:労働組合、さらなる賃上げを要求

カンボジア縫製工場の労働組合らが、最低賃金の引き上げをさらに要求する構えだ。

労組の代表らは、縫製労働者の給与について、物価上昇に対応するには1カ月当たり少なくとも177米ドル必要だと話す。カンボジアの縫製産業は国内最大の雇用者数を誇る産業で、現在、約60万人が働いている。

カンボジア・アパレル労働者民主組合連盟(CCAWDU)のメンバーらは引き続き、国際的な団体や海外の委託企業と会談し、賃上げの支援を呼びかけるとしている。

CCAWDUのAth Thorn代表は、VOAクメールの取材に対して、自身や関係者はこれまで過去数カ月にわたってアジアや欧州、南米などを巡り、賃上げを支援してくれる組織を探してきたと語った。

カンボジアでは2013年、賃上げを求めてデモが発生したが、翌年1月、当局による厳しい弾圧を受け、少なくとも5人が死亡、数十人が負傷した。

だがこれにより、1カ月の給与は128米ドルへと引き上げられた。しかしThorn代表やその他関係者らはこの額を十分ではないとし、「やはり177米ドルは必要だ」と述べている。

Thorn代表および関係者らは先月、日本、ブラジル、ノルウェー、スウェーデンなどを訪問し、国際的な団体や海外の委託企業と話し合いを行った。同代表は、「オスロでは100社以上もの企業と会談しました」と話す。

労組らは賃金の引き上げを望んでいるが、実現できない場合には、公共の場で賃上げを求める集会を始めたいと考えている。Thorn代表は、デモ活動は最終手段だとし、「平和的な話し合いで解決できない場合には、われわれは国会前に集結し、自分たちの姿勢を示すつもりです。必要であれば、デモ活動も止むを得ません」と述べた。

一方で国際労働機関(ILO)は、カンボジアの物価を割り出すなどデータ収集を行うことで、賃上げ交渉の支援を行っている。ILOは、Eメールで「労働組合には、こうしたデータを利用して詳細な情報を得た上で、2016年に向けた最低賃金の賃上げ交渉に臨んでもらえれば」とコメントしている。

カンボジア労働組合連盟のYaing Sophorn代表の話では、Sophorn氏はこれまで、組合内で提起された懸案事項や生活水準に見合った給与などについて、メンバーらと話し合いを行ってきたという。同氏は、「われわれはこれまで、問題を提起してきたメンバーや労働者たちと話し合いを行ってきました」といい、「懸案事項として挙がっているのは、給与の引き上げについてです」と述べた。そして話し合いで解決しなければ、最終的には抗議行動に及ぶ可能性もあると補足した。

当局による厳しい弾圧の後、労組代表の多くが、2013年末から2014年頭に発生した縫製労働者のデモ行為において、これらの暴動を扇動したとして提訴された。

提訴された代表らには、Yang Sophorn氏やAth Thorn氏のほか、Pao Sina氏(労働者運動共同組合)、Chea Mony氏(自由貿易組合)、Rong Chhun氏(カンボジア組合連盟)などが挙げられる。これらの代表らは皆、他の労組と会談したり、集会に参加したりしないよう警告されている。

彼らは自己の潔白を訴え、こうした禁止命令は、賃上げ要求を止めさせる一種の作戦なのだと主張している。そして公正な賃金や適切な労働環境は、労働者が心身ともに健康であるために、極めて重要なものなのだと述べた。

カンボジアの縫製工場では、労働環境が劣悪だったり、単に栄養不足だったりするために、毎年、何百人もの労働者が貧血を起こしている。近年発生している工場建物の崩壊によってもまた、労働者が負傷したり、死亡したりしている。つい先週も、19人の縫製労働者が自動車の衝突事故によって亡くなった。通勤費用を節約するために、1台の小型トラックに何十人もの労働者が乗り込んでいたためだ。

Pao Sina代表は、欧州連合(EU)の関係者らに、賃上げの支援を要請していると話す。同代表は、「賃金が上がれば、労働者たちは、乗車人数が定員以内の安全なトラックを利用することができます」といい、これによって労働者の安全を確保することができると述べた。現在、カンボジアで生産される衣料品の多くがEUに出荷されている。

労働者らは、賃金を上げて欲しいと話す。Morn Saveinさんもその1人だ。Saveinさんは現在、Svay Rieng州のBavet市で働いており、月収は129米ドルだ。この月収で、生活費、子供の学費、往復の通勤費用を賄わなければならない。通勤には片道2時間かかり、「通勤に利用するトラックには、毎月20米ドル支払っています」と話す。

Saveinさんは、先日の衝突事故で、姉妹のMorn Savonさんを亡くした。Saveinさんは、「給与が今よりも高ければ、事故は起きなかったかもしれない」と語った。

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最終更新:2015年06月01日05:52

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