インドシナニュース

2015年04月 のニュース一覧

カンボジア:労働大臣、1000社以上に膨れ上がった縫製分野の重要性を語る

労働省のIth Sam Heng大臣は4月19日、カンボジアの縫製分野は経済成長の鍵となる分野であり、現在1087の縫製及び製靴工場で年間10億米ドルものの賃金が発生していると語った。

「加えて、縫製及び製靴産業は住宅賃貸、食品販売や輸送等で、間接的におよそ200万もの雇用を創出しています。」と大臣は語ったと新華社は報じている。

プノンペンで開催された会議でのSam Heng大臣の談話は、カンボジア経済における縫製分野の重要性を再確認するものであった。縫製分野は昨年57億米ドルを輸出している。製靴業はさらに3384万ドルを輸出しており、縫製・製靴業でカンボジアの総輸出額のおよそ8割を占めた。

カンボジア縫製業協会のKen Loo会長は、縫製分野での工場の創業・廃業の多さから、工場の総数を推計するのは容易ではないという。

廃業の際に縫製業協会に連絡がない場合もあり、また廃業理由についても明らかにしないことがあるという。

「同様に、廃業の際に労働省にも連絡しないこともあるわけです」と会長は話す。

カンボジア縫製業協会には現在565の縫製工場と38の製靴工場が加盟しており、そのすべてが輸出企業であるとLoo会長は話す。労働省が発表した数字がこれより多いのは、非輸出企業も含めているためという。

縫製業には明らかな低迷のきざしが見えているとLoo会長は言う。2014年の第1四半期に輸出を開始した工場は40あったのに対し、2015年同時期には13工場に止まった。

「昨年と比較すると、新規に開業する工場数も少なくなっています。明らかに、新たな最低賃金もその理由のひとつでしょう」とLoo会長は話す。

カンボジア総合研究所のエコノミストである鈴木博氏は、カンボジアの縫製産業はまだ米国及び日本の需要増加に期待できるが、将来に問題も抱えているという。

「問題はEUの低迷と、ユーロ及び円に対するドル高の進行です。カンボジアは産業の多様化と、輸出品目及び輸出先市場の多様化のために、投資環境を改善して海外直接投資を誘致する必要があります」と鈴木氏は話す。

労働省のHeng Sour報道官からはコメントを得ることができなかった。

 

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最終更新:2015年04月28日08:23

カンボジア:ノルウェーのトップファッションブロガー、労働搾取工場を体験

ここ米国や、先進国とみなされているその他の国々では、ファッションとは人々が楽しむ贅沢品の一つと考えられている。デザインから発表まで、ファッションとは数十億規模のビジネスである。

米ニュースサイトのInquisitrはこのほど、2015年のブライダル・ファッション・ウィークの詳細と合わせて、ファッションやファッション業界における最新ニュースを報道した。

またファッションに影響を与えるファッションと言えば、ヴィクトリア・シークレットは、ファスト・ファッション市場の独占を狙うZaraにインスピレーションを得ているという。

だが残念ながらファッション業界には影の側面もあり、ノルウェーのある人たちのおかげで、その事実が明るみに出た。彼らは数名のファッションブロガーをカンボジアに送り、そのブロガーたちが、労働者を搾取するアパレル工場で働くことで、その実態を伝えたのだ。

このファッション業界の知られざる一面は、ノルウェーの大手紙Aftenpostenが、5部構成の実話シリーズとしてインターネットで公表した。

同紙は、ノルウェーのトップファッションブロガー3名を、カンボジアの首都プノンペンに送った。ブロガーらは、カンボジアのアパレル工場で働きながら、そこで1カ月を過ごした。

当初、彼女たちは目をぱちくりさせながら、楽しく、気楽に過ごしていた。だが各エピソードが進むにつれ、大好きなファッションの裏側にある真実を知ると、これまで抱いていた理想は悲しい涙となって消え失せた。

彼女たちがそこで体験したことは凄まじいものだったが、伝えたかったことは、受け入れを行った搾取工場は、カンボジアではまだましな工場だということだ。他の工場はさらに劣悪な環境で、そこでは真実を隠すために工場主は敢えて撮影させてくれなかった。

カンボジアには、全体で約50万人の縫製労働者がいる。その約9割が女性だ。現行の平均月収は約50ドルで、この金額ではルームシェアの家賃、光熱費、1日3回の食費を支払うのがやっとである。実のところ、ブロガーの1人は、こうした状況を目の当たりにして、GapやH&Mなどの企業に対し、生活できるたけの賃金を労働者に支払うよう要請した。

H&Mはこの要請に応じ、賃金を生活できるだけの金額まで引き上げるよう最善を尽くすと約束した。だが実際の問題は、賃金の引き上げは、こうしたブランドメーカーが行うのではなく、カンボジア政府が行うのだということだ。悲しいかな、カンボジア政府や当局は、賃金を低く抑えて、世界の自由市場で得た地位を保持したいと考えている。現在、カンボジアの衣料品メーカーは、米国の大手ブランド製品の7割を生産している。恐れているのは、賃金の引き上げによって、GapやH&M、Walmartのような企業が、カンボジアより生産コストの低い国へ移動してしまう可能性があることだ。

こうしたブランド企業が、労働者に対する倫理的な待遇よりもコスト削減を優先している限り、カンボジアやその他発展途上国では、縫製労働者に対して生活できるだけの賃金が支払われることは決してないだろう。インターネットでこの実話シリーズを見れば、それによって消費者が問題となっている企業にプレッシャーを与え、搾取工場で働く労働者の賃上げにつながるかもしれない。

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最終更新:2015年04月25日05:58

カンボジア:プノンペン・デザイナーズウィーク(PPDW)開催される(後)

(前編より)

 

過去数年間で、プノンペンの240通りや市内の別のエリアには、ファッション店が建ち並ぶようになった。デザイナーらの話によると、こうした傾向は、一つには、国内の中産階級が増えたことが理由として挙げられるが、旅行者やカンボジア国内に居住する外国人の需要も依然として残っている。

だが今後どのような展開になっていくのかは不明だ。

A.N.D.のFlux氏は、個人の見解として、現代のファッションが今後どのようにして、シルクやコットンの織物技術など、伝統的な職人技を取り入れて発展していくのか不安に感じていると述べた。同氏は「5年後や10年後、どのような状況になっているのかは分かりません」とし、特に、大量生産を行う国内の衣料品工場がもたらす影響について語った。衣料品工場は、伝統工芸において若者の職人離れを引き起こす産業の一つである。

カンボジアの工業・手工芸省には、約1200社の衣料品メーカーが登録されている。同省によれば、2013年の国内の縫製労働者の数は約67万人だったが、14年の7月には約73万人にまで増加したという。

Flux氏は「村の伝統工芸や伝統的な技術に携わる可能性のあった多くの若者が今や、巨大な縫製工場で働いているのです。この変化は大きいですね」と述べた。

一方でデザイナー自身もまた、将来の見通しについて考える必要がある。ファッション業界とは世界中どこに行っても熾烈な業界だが、特にカンボジアでは新人デザイナーが多く、皆が足固めに必死になっているため、生き残れるかどうかの危険性が高い。

FashionLab誌の編集長で、PPDWのプログラム・ディレクターでもあるKe Sophea氏は、「デザイナーの数は多いですが、業界自体がとても小さいので、実力を発揮する場がほとんどないのが現状です」とし、よって「デザイナーが、自身のコレクションに多額のお金をつぎ込むのには危険が伴います」と続けた。

カンボジアでは国産品を好む富裕層もいるが、世界的なブランドもまた非常に人気がある。Flux氏は「富裕層はきっと、世界的なブランドを好んで購入することでしょう」と言い、「海外ブランド製品の購入は楽しいですし、魅力的なことですから」と話した。

同時に、国内での競争もまた急速に高まっている。Thavy氏に最近の最大のライバルを訊ねると、「240通りです」と回答した。Thavy氏は、自身のショップがオープンして間もない頃のことを「ほぼ閉店のような状態でした」と表現し、「どうしたら店を有名にできるのか分かりませんでした」と語った。

今回、PPDWに初めて参加したNatacha Van(24)氏も、今後、若いデザイナーにとっては、つらい試練が待ち受けている可能性があることに同意している。

英ロンドン出身で、この1年間カンボジアで生活しているVan氏は、「私にとってこれからのファッションとは、自分自身を理解し、情熱を持って想像を続けることです」という。また「やや過激なアイデアのドレスを作りたくなることもあります。こうしたアイデアを人に理解してもらうのは難しいですが、それでも人は時に新しいものを受け入れなければなりませんし、既成概念に捉われずに物事を考えることも大切です」と語った。

業界関係者らは、特に、近年、大学などに設置されたファッション・コースを卒業した新世代のデザイナーらに刺激を受けているという。こうしたファッション・コースは、例えばプノンペンのRaffles International CollegeやLimkokwing University of Creative Technologyなどに設置されている。

Sophea氏は「若い、新世代のデザイナーたちは、まだ学校を卒業したばかり。今は、自分のやりたいようにやっているときでしょう。1~2年後にはきっと、彼らが生み出したさまざまコレクションを目にすることができるはずです」といい、将来、ランウェイへと上り詰めてほしいと語った。そして、「ステージに上がれば、人に評価されるようになります。批判されることもあれば、好きだと言ってもらえることもあるでしょう。嫌いだと言われることもあります」とし、「でも思い切ってやらなければ、何も学べませんし、成長することもできません」と続けた。

 

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最終更新:2015年04月11日13:51

カンボジア:プノンペン・デザイナーズウィーク(PPDW)開催される(前)

4度目の開催となるプノンペン・デザイナーズウィーク(PPDW)では、「Now is the Future(未来は今の積み重ね)」をテーマに、観客の反応を見るためのアバンギャルドなファッションや、国内外の8つのブランドによるオーソドックスなレディーメードのファッションなどを披露した。

同ショーはFashionLab Magazine社の主催によるもので、開催期間は先月26日から28日夜まで開かれた。

だが同ショーの開催により、ある疑問が投げかけられている。それはまだ「ひよっこ」のカンボジアのファッション産業にとって「今後の課題は何なのか」ということである。

ショー全体を通じて、デザイナーらは同ショーのテーマをさまざまなアイデアで表現した。

Phka Kn’jayのオーナーでデザイナー、Pich Thavy(35)氏は28日夜、レトロなファッションをモダンに仕立てたリネンのドレスやシャツ、パンツなど、新作を披露した。

Thavy氏は「1970年代のスタイルを今風にするのが私のデザインです」と説明する。同氏は約1年半前、プノンペンの242通りに自身のショップをオープンした。

大学で英文学を専攻した同氏は5年前、収入の足しにとプノンペンの仕立屋で働き始めた。そして自身の店を開くまで、そこでクメール調のイブニングドレスをデザインしていた。

同ショーに参加したことで、同氏は今後、自身の成長を望むとともに、特徴あるデザインを展開していきたいとしている。そして「何か特別なデザインや、恐らく他のデザイナーとは異なるデザイン、つまり私自身のスタイルを求められるようになったのは、これが初めてです」とし、「嬉しくもあり、興奮もしますけれど、不安にもなります。すべての感情が一気にやって来た感じです」と語った。

一方でプノンペンの240通りにあるファッション店A.N.D.は、織物とその技術を使って、ショーのテーマに取り組んだ。

A.N.D.は27日、メンズのイブニングウェアとして、ローマ神話に敬意を表したコレクション「Pantheon: Home of the Gods(パンテオン・神々の家)」を披露した。

ユニセックスの同コレクションでは、A.N.D.を象徴する手織りのイカット(絣)に焦点を当てている。だがこのイカットにはPVC(ポリ塩化ビニル)が施されており、これによりどの服もアップサイクル(付加価値の高いものに作り替える)されたものになっている。

A.N.D.のデザイナー、Alan James Flux氏は「われわれが使用したのは伝統技術のイカットです。とは言えもちろん、われわれは現代の市場にいるわけですから、少々これに手を加える必要があります」と説明した。

ほかにも、例えばフィリピン出身のデザイナー、Don Protasio氏は、より概念的なアプローチを取った。同氏は27日夜、自身のコレクション「Decay(滅亡)」を発表し、生地を幾重にも重ねた単色使いのファッションで終末論的な未来を表現した。

同氏は、自身の「破壊的なデザイン」について「注意を促すつもりで作った作品です。特にファッション産業においてなのですが、環境維持について真剣に考えなければ、このデザインのような未来が訪れるでしょう。それこそまさに『滅亡』です」と説明した。

だがファッションショーとは別に、カンボジアのファッション産業には将来を取り巻く不安がある。

 

(後編につづく)

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最終更新:2015年04月11日06:04

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