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2015年03月 のニュース一覧

カンボジア:アパレル輸出主導で、金融危機以降も順調に経済成長

新たに公表されたレポートによると、カンボジアは2008年の世界金融危機以降、大メコン圏で唯一加速的に輸出成長を遂げた国だという。理由として同国の輸出のほとんどが、製造業の輸出の大半を占める衣料品であることが挙げられている。

メコン5カ国(カンボジア・ラオス・ベトナム・ミャンマー・タイ)はいずれも過去2年間にわたって輸出を増加させており、総輸出額は3830億米ドルにまで達している。しかしANZロイヤル銀行の「大メコン圏における四半期の展望」によると、金融危機以降の5年間、カンボジアを除くメコン5カ国では輸出成長率が鈍化しているという。

ANZロイヤル銀行頭取Grant Knuckey氏は、同レポートにはカンボジアについて2つの重要なポイントがあるとし「1つ目に、カンボジアはメコン5カ国で唯一、金融危機が起きる前よりも速いスピードで輸出成長を遂げた経済圏だということが挙げられます。2つ目は、貿易産業の多角化を図り繊維・縫製分野から脱却し始めていることです」と述べた。

レポートによると、2007年から2008年以前のカンボジアの輸出成長率は15.5%だったが、金融危機以降の5年間では16.2%にまで上昇した。

一方メコン5カ国では、成長率は減速傾向だが、依然としてタイや後に続くベトナムによって輸出が促進されている。メコン5カ国の輸出全体でタイが占める割合は2003年の76%から2013年には60%にまで急落した。ベトナムでは同期間に飛躍的な伸びをみせ、19%から34%にまでその割合を増やした。だがこうした増減にもかかわらず、その相対的な順位は変わっていない。

カンボジアの輸出はこれまで衣料品やアパレル製品に強く依存してきたが、結果的にはこれが功を奏したと考えられている。というのも、これらは通常「自由に使える金銭(可処分所得)」で購入されるものであり、かつ金融危機以降も輸入先国からの需要が下がらなかったためだ。従って例えば電化製品のように大幅な輸出減に見舞われることもなかった。

国家最高経済評議会のシニア・アドバイザーMey Kalyan氏は、カンボジアは輸出で「高級」品を扱わず衣料品に集中することで、景気低迷にもかかわらず引き続き海外からの需要があったという分析結果は正しいとしている。

Kalyan氏は「衣料品は高価なものではないため、今後も引き続き需要はあるでしょう。この状態が最良の状態だとは言いませんが」と述べた。

Kalyan氏はまた、縫製産業のような労働集約型で原材料にコストのかかる産業からカンボジアが今後多角化を図る上で、鞄・皮革製品、自動車部品など付加価値製品を生み出す製造業がその助けになるだろうとし、政府はこのほど「産業育成の指針2015-25年」を公表し、その中でカンボジアの輸出をこれまで以上に多様化させていく方針であることを明らかにしたと述べた。「言わば車の運転のようなものです。運転中、人は速度に合わせてギアを1速から2速、2速から3速へと切り替えるでしょう。カンボジアも今、ギアを切り替えるときなのです」と続けた。

カンボジアでは2004年、衣料品および繊維製品の輸出が国の輸出の約94%を占めた。だが2014年には、74億米ドルという国の総輸出額のうち、衣料品以外の高付加価値製品の占める割合が2004年の1%から19.5%にまで上昇し、一方で衣料品およびアパレル製品は約75%にまで減少した。カンボジアは特にコメ、履物類、竹、水産品などの輸出が盛んだが、レポートではこの「衣料品以外の高付加価値製品」の詳細には触れていない。

Kalyan氏の見解では「つまり輸出に求められる製品は、従来の低付加価値消費財からゆっくりと変わりつつあるということです。カンボジアが、近年の堅調な輸出傾向を今後も引き続き持続するには、こうした動向に従う必要があるでしょう」としている。

独立エコノミストのSrey Chanthy氏によると、カンボジアで輸出拡大に時間がかかっているのは、原因として労働集約型の産業に依存していることが挙げられるという。同氏は「カンボジアの輸出拡大は、短期的には無理ですが、中期的には可能だと思われます。しかし政府による資源の投下が必要です。特に人的資源の開発や、若者や若い労働者への人材育成が不可欠でしょう」と述べた。

 

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最終更新:2015年03月20日05:29

カンボジア:縫製労働者の権利侵害は深刻~~人権団体レポート

人権保護団体は、カンボジア政府と世界的衣料品ブランドは、縫製労働者を強制的残業や差別から保護するため、より一層の努力が必要であると発表した。

ヒューマンライツウォッチは3月12日、Work Faster or Get Out(早く働くか、出て行け)と題された報告書を発表した。この報告書によると、多くの工場で、報奨金の支払いを免れるために不法に短期契約を結んでおり、労働者の無差別の解雇や、暴言やセクシャルハラスメントは女性が多数を占める職場において日常茶飯事だという。政府と世界的衣料品メーカーはともに法の執行と虐待の防止に取り組む必要があるとヒューマンライツウォッチは語る。

「縫製産業で働くカンボジア人女性は日常的に嫌がらせや虐待といった攻撃を受けています。権利を守ろうと労働組合を結成すると解雇されることもしばしばです」とヒューマンライツウォッチのPhil Robertsonアジア支部副部長はメールでコメントした。

「問題は、工場所有者は労働法規違反に対して政府がどうせ何もしないということを知っていることです。世界的ブランドは納品元の工場で縫製労働者がどんなひどい環境にあるとしても、どうやって責任逃れをするかしか考えていません」

近年の中国での賃金上昇とインフレによって、低価格衣料品の生産はカンボジア、ベトナムやバングラデシュといった、労働法規や安全基準が適切に制定されていない国々に移転してきた。ZaraのInditex SA社やH&MのHennes & Mauritz AB社等、世界的衣料品ブランドが顧客を常に引きつけておくために2週間ごとに新しい製品を店舗投入するようになってから、工場への生産スピードアップの圧力も増した。

 

経済の牽引役

70万人もの雇用を創出し、2013年には53億米ドルのアパレル製品及び靴を輸出しているカンボジアの縫製産業は、2014年1月に警察と軍が最低賃金引き上げを求めストライキ中の労働者を制圧して少なくとも5人が死亡した事件により、世界の注目を集めた。その前年には、製靴工場が崩壊し、少なくとも2人の従業員が死亡している。

縫製産業はカンボジア経済の主要牽引役である。世界銀行は2015年のカンボジア縫製産業の成長率を7.5%と予測しており、東アジア全域でも最も早い成長を遂げている。

プノンペン市で発表されたヒューマンライツウォッチの報告書は、73工場の縫製労働者、労働組合指導者、労働者権利活動家、政府職員、縫製産業代表者、世界的ブランド企業との340件以上に及ぶインタビューに基づき作成された。

 

労働組合活動の阻止

国際的ブランド企業に納品している48工場の従業員らが調査員に語ったところによると、法律で任意によるものと定められている残業が実際は強制されている。35工場の従業員は、労働組合指導者への脅しや解雇による労働組合活動の阻止を証言した。30工場の従業員が、契約更新拒否などによる妊娠中の女性への嫌がらせを報告した。

「とても疲れていましたが、一生懸命働くしかありませんでした」と妊娠5ヶ月の時に退職した女性、Ku Kam Rein(32)さんは報告書で証言する。「1度も検診に行くことができませんでした。時間がなかったからです。納期に間に合わせる必要がありました。そして私はあまりにも恐れていて許可を取ることもできませんでした。私がグループリーダーに尋ねると、彼は別の上司に尋ね、そしてその上司は拒否しました」

縫製労働者となるには法律で最低でも15歳以上でなくてはならないと定められているものの、ヒューマンライツウォッチによると、11工場で15歳以下の従業員を確認したという。工場で子供が働いていると証言した人々は皆、訪問者がある際には、管理者が子供に隠れるよう命じていたと語る。

15歳のLun Leaさんは調査員に「管理者は私に作業台の下に隠れるように言い、そして私たちの上に衣類を山のように掛けました」と話した。彼女は14歳で働き始めている。「私はそこで長いこと座っていました。私たちは山のような衣類の下で面白がっていましたが、解雇されるのではないかと恐れてもいました。だから訪問者がいる間は、私たちはとてもおとなしくしているようにしていました」

 

供給プロセス

この調査ではまた、下請業務を行っている工場では労働者の環境がさらに悪いことが明らかとなった。国際的な有名ブランドに納品しているような工場からの下請でも同様である。

「供給プロセス全体を通じて、ブランド企業は労働者の権利尊重を働きかける重要な役割を担っている。しかし、供給プロセスにおける透明性の低さと告発者保護のシステムの欠如、支援機関についての情報の欠如、さらには許可されていない下請企業における労働者の利益保護のための救済手段がないこと、こうした理由が積み重なり、ブランド企業が責任を果たすことを阻害している」と同報告書は述べている。

ヒューマンライツウォッチは政府が工場に虐待の責任を取らせ、査察についての方針を変更することを求めている。また、ブランド企業に対しては取引企業を一般に公開し、契約の際には安全・健康対策費及び労働法令遵守対策費を含めることを求めている。

 

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最終更新:2015年03月18日06:03

カンボジア:「夜逃げ」した縫製工場の売却を従業員が要求

2月27日に経営者が突然失踪したことを受け、プノンペン市Dangkor地区のDF Fashion Apparel (Cambodia)社の400人以上の縫製労働者が3月4日に工場で集会を行い、未払給与の支払いを求めた。

従業員らがMr. Merと呼んでいたDF Fashion社の所有者であるイスラエル人の失踪により、約540人が失業した。従業員らは政府に対し、工場を売却し1人あたり500-600米ドルを支払うことを要求している。

「工場内の備品を売却し、その金額を従業員らへの給与支払いに充てるため、労働省が特命委員会を設置することを求めています。法廷に持ち込まずに従業員に未払い分を支払い、解決することを希望しています」と労働組合連合(NTUC)のFa Saly議長は話す。

DF Fashion社のOn Samol総務部長に3月4日取材を試みたが、コメントを得ることはできなかった。

Saly議長が労働省に対し早急な介入を求める書簡を送ったところ、同省職員がすでに抗議活動中の従業員らを確認に訪れたという。

このような工場放棄は、特にカンボジアの縫製産業において、過去数年にわたって問題となってきた。Saly議長は、外国人経営者に責任を問えないカンボジアの法制度がこのような問題を招いていると話す。

一方で、労働省のストライキ・デモ解決委員会のVong Soyann副局長は3月4日、労働省職員が問題解決のため工場経営者の所在確認をしていると語った。経営者の所在が確認できない場合、同委員会が工場及び備品を売却し、売却代金を従業員の未払分賃金の支払いに充当するという。

「従業員代表者や労働組合と話し合ったところ、彼らが私たちに求めているのは未払いの賃金や給付金の支払いを可能にすることであり、経営者を告発することは望んでいません。とにかく賃金です。彼らは新しい仕事を見つけたいと考えており、問題を早急に解決するために力を尽くします」

従業員のKhiev Chakrya氏(27)は、報復的行為として工場の売却を求めているのではなく、必要からのことだと話す。

「お金がないから、工場と設備を売却する必要があるだけです」と彼は言う。

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最終更新:2015年03月10日06:00

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