インドシナニュース

2014年10月 のニュース一覧

国際労働機関がカンボジア縫製セクターの透明性向上を評価

「透明性向上プログラムの開始以来、カンボジアの248の縫製工場で実現された改善に非常に勇気づけられています。」と国際労働機関カンボジア工場改善プログラム(ILO-BFC)はコメントを出した。

ILO-BFCは最近、第3版となる透明性についての報告書をオンラインで公表した。この報告書は2014年7月から9月を対象としたもので、カンボジア国内248の縫製工場での労働条件を公開している。

報告書によれば、法令遵守の度合いが低いと分類された13の工場のうち2工場で、31項目の検証可能な改善が実現し、結果として法令遵守度が「低い」という分類から脱した。

法令遵守度の低い工場というのは、BFCが3回以上評定を行った工場のうち、52項目の重要事項についての遵守度が標準偏差で平均値から2低い工場があたる。

重要課題を抱えた工場リストに含まれた95工場のうち4分の1の工場では、BFC報告書での公表を見込んで21項目の基本的な法的要求事項において改善を行った。

この95の工場における重要課題の違反行為件数は7月から9月までの間に109件から75件まで減少し、30%の改善となった。

新規に報告書が取り上げた工場のうち40%、数にして38工場では、重要課題分類に含まれる21項目の基本的な法的要求事項をすでに完全に満たしている。

7月から9月までの間に検証可能な改善を実現したさらに12の工場は、法的要求事項を完全に満たした工場と認定できるため、50の工場、つまり報告書が新規に対象とした工場のうち52%の工場で重要課題の違反行為が全くなかったことになる。

定期的な緊急避難訓練を実施している縫製工場の比率は57%から76%に増加した。一方で従業員を差別している工場は15%から7%へと低下し、従業員に適切な勤続年数連動の報奨金を支払っている工場の比率は64%から78%に増加した。

BFCの主任技術顧問であるJill Tucker氏は「透明性向上プログラムの開始以来、カンボジアの248の縫製工場で実現された改善に非常に勇気づけられています。」と語った。

「多くの場合、工場においては長年にわたって改善が行われることがなかったものの、透明性の高い報告の結果、今行動を起こしています。この件については、特に法令遵守度が低いと分類されている工場において変革を起こすため、さらに商業省および労働省と連携を進めていくことを期待しています。」とTucker氏は述べた。

 

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最終更新:2014年10月31日14:16

カンボジア衣料産業、第3四半期の輸出額4%減

カンボジア衣料産業では第3四半期の総輸出額が対前年比で減少し、この「低迷」を、最低賃金をめぐる労使間の緊張によって引き起こされたものとしている。

商務省の最新データによれば、第3四半期の総輸出額は、前年同期の16億ドル8000万ドルを4%下回る、16億ドル1000万ドルだった。

一方、1~9月期の総輸出額をみると、今年前半の輸出増が追い風となり、前年同期比6%増の42億ドルとなった。

カンボジア衣料製造業協会(GMAC)のCheath Khemara上級責任者は22日、最近の輸出不振について言及し、その原因を1~6月期における受注減のためとした。そして「長引く抗議活動やストライキの影響で、海外バイヤーの信頼は失われた。彼らはもはやカンボジアでの生産に積極的ではない」と述べた。

最低賃金を160ドルにまで引き上げるよう要求する、縫製労働者らの抗議活動は全国規模で広がり、今年1月5日には、抗議活動に参加していたデモ隊のうち5人が治安部隊の発砲により死亡するという事件も起きた。

Khemara氏は「あの騒動以来、海外バイヤーからの受注は減少している」と話す。そして「リスクを避け、事態が好転するのを待っているのだろう」と付け加えた。

スウェーデンの衣料小売大手H&Mで広報を担当するThérèse Sundberg氏は22日、同社によるカンボジアへの発注量は、1月のデモ騒動以降も特に変更されていないと語った。Sundberg氏のEメールによれば、H&Mは「カンボジアとの関係を長期的なものと考えているため、発注量を減らすことはない」という。

一方、スポーツ用品大手のアディダスもまたカンボジアを海外委託先としているが、発注量に関する質問については、直接的な回答を避けた。アディダスで長年広報部長を務めるSilvia Raccagni氏の話では、1月のデモ騒動以来、同社は政府と協議を続けており、労働争議に平和的解決を見出す努力をしているという。また最低賃金の引き上げ方針が近々発表されることを踏まえ、労使会議においては、十分に調査を行った上で、根拠ある解決法を掲示するよう求めていると話した。Raccagni氏はEメールによる回答で、「海外委託先については、弊社の職場基準を満たしていることを絶対的な条件としている」と述べ、「すなわち、所定の最低賃金、もしくは当該の産業において適切とされる賃金(その賃金が所定の最低賃金よりも高い場合)が支払われなければならない」と補足した。

最低賃金の引き上げ方針の発表は11月の見通しだが、工場側は、カンボジアの衣料産業の現状では、月110ドル以上の給与は支払えないとしている。しかし労働組合側は、月177ドルへの引き上げを要求している。

米衣料小売大手のLevi Strauss社、および米小売大手のTargetも、1月のデモ騒動を受けて発注量を減らしたことが、6月の取材で分かっている。

カンボジア全国独立繊維労働組合連盟(NIFTUC)で会長代理を務めるKen Chhenglang氏は、海外バイヤーによる発注量の減少は産業の混乱に原因があるとし、「バイヤーらが最も懸念しているのは、発注した製品が製造されず、期日通りに納品されないことだ」と述べた。

Chhenglang氏は、給与額を適切にし、労働者の生活を適正に維持できれば、生産性も向上し、産業の安定化にもつながるだろうとの見解を示した上で、「賃金問題が解決されて、全当事者がその決定事項に納得すれば、発注量も回復するのでは」と続けた。

一方、第3四半期の「低迷」にも関わらず、カンボジア経済協会のスポークスマン、Chan Sophal氏は、同産業の将来には今なお希望があるとの見方を示している。「デモによる混乱の渦中にありながら、カンボジアの衣料産業は、今年成長を続け、来年以降も成長を続ける見込みがある。今期の輸出減など、大した問題ではない」と語った。

 

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最終更新:2014年10月27日13:37

カンボジア:縫製工場ビル崩壊、8名軽傷

カンボジア南部タケオ州の縫製工場で21日朝、床が崩落し、少なくとも8人の従業員が軽いけがを負った。これにより、衣料産業の建築基準法に対して、管理監督責任が改めて問われることとなった。

崩落事故が起きたのは、中国企業Nishiku Enterprise社の工場。労働基準監督官の話によると、同工場はスウェーデンの衣料大手H&Mの委託工場として衣料を生産していた。

ミシンや天井から落ちてきたがれきが、縦50メートル、横3メートルほどのスラブ上に広がっており、そのスラブは工場下の水たまりへと落下していた。

労働省保健局のPok Vantha副局長は同日午後、事故現場を訪問し、事故の原因を「基礎部分の強度が十分でなかったため」と述べた。同省は今後、事故原因の調査を行い、ビル建設に際して、同社が適切な設計プランに従っていたのか判断する。

工場経営者によれば、事故当時工場では、全従業員1650人のうち約800人が働いていたという。

タケオ州内国安全局のChhun Sareth局長もまた、今回の事故の原因は基礎の問題だとの報告を受けており、ビルが建てられている土地は、大量の雨が降ると浸水する可能性のある場所だったと説明した。その後「今朝、大量に雨が降ったことで、ビルが崩壊したものと考えられます。地盤がゆるんでいたのでしょう」と続けた。

事故で負傷したLong Chanrongさん(24)は、Bati地区郊外の病院に運び込まれ、ベッドに横たわって点滴を受けていた。Chanrongさんは「作業をしていると崩れるような音が聞こえ、下に落ちました」と言い、「2メートルくらい落ちて、そのまま気を失いました」と話した。

現在妊娠中のDon Pharyさん(24)は腹部の痛みを訴え、病院に運び込まれた。痛みの原因は、崩落後パニックになり、出口へと殺到した何百人もの従業員と衝突したためだった。

Pharyさんは「事故当時、私は崩壊の現場から離れた場所で仕事をしていました。でも妊娠しているので、逃げまどう人たちとぶつかったときに、お腹が痛くなってしまったのです」と話し、「われわれはかねてから、ビルの強度について、いつか事故が起きるのではないかと心配していました」と付け加えた。さらに「これまで、床が動いていることがたびたびあり、いつも不思議に思っていたんです」と続けた。

昨年5月にはコンポンスプー州のWing Star靴工場で崩落事故が発生し、2人が死亡、7人が重傷を負った。

Vantha副局長は、今回の事故、Wing Star靴工場の事故、そして昨年バングラデシュのサバールで起きた縫製工場ビルの崩壊事故など、死者合計1100名を超える同種の事故が、近年立て続けに起きていることに言及した。そして「Wing Star靴工場の事故原因も、今回の事故と似たようなものでした。建築規定に従わず、基礎の強度も不十分だったのです。バングラデシュで起きた事故も、同じような原因だったのでしょう」と述べた。

国際労働機関(ILO)は現在「カンボジア工場改善プログラム」を推進しており、カンボジアの衣料産業で働く労働者において、健康面と安全面の管理を行っている。同プログラムで技術顧問長を務めるJill Tucker氏は、今回の事故を「責任の連鎖」が欠如していたとし、「従業員を守るには、まず建物の建築規定に従う必要があります。次に、政府はこうした規定をしっかりと施行しなければなりません。そしてわれわれ労働環境の問題に携わる者はみな、建物の安全面について、これまで以上に管理していく必要があります」と述べた。

Nishiku Enterprise社人事部のChan Molika部長は、工場建物は築3年だったとし、「最近、安全点検が行われたのはいつだったのか」という質問に対しては、コメントを差し控えた。

Molika部長によれば、事故後、マネージャーはすぐに従業員の数を確かめ、行方不明者がいないことを確認したという。またけが人は出たが、いずれも軽傷であると強調した。その後、「全従業員約1600人のうち、事故当時、働いていたのは800人でした。重傷を負った者は1人もいません」と報告した。

 

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最終更新:2014年10月24日13:13

カンボジア:工場建設は進むも新規雇用は減少ぎみ

最新の政府データによると、今年に入ってからの9ヶ月間、工場登録数は明らかに増加しているものの、新規雇用創出数は減少している。

10月9日発表された工業・手工業省の統計によると、9月30日までの9ヶ月間に149の新規工場が登録され、これは昨年同期間の21%増となる。

工場が増えれば雇用も増えると思われるものの、同時に同省から発表された新規雇用創出についての統計によると、1月から9月にかけて18%の減少となっている。

工業・手工業省のCham Prasidh氏によると、新しい工場については殆どがカンボジアに既存の工場の拡張によるものだという。

「工場所有者は、すべての卵を同じバスケットに入れておきたくないのです。いくつかの工場では、業務が拡大するにつれ、一カ所に投資を集中したくないという理由で、いくつかの小さな工場に業務を分割しています。」と彼は説明する。

政府の報告書は、新規雇用数の減少はこうした新しく小規模な工場で労働力を統合し、より労働集約的でない業種、例えば食品加工や製品組立て等に移行しつつあるためと解説している。

カンボジア衣料製造協会の上級職員Cheat Khemera氏によると、同協会は毎月およそ5件の新規工場登録を受け付けているという。「新規工場による投資もまだありますが、一方、廃業する工場もあります。」と彼は言う。

 

 

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最終更新:2014年10月11日16:04

カンボジア:米国、低賃金の責任を問われる

10月2日の国会で政府は、米国がカンボジア衣料への不当な輸入関税をカットすれば、工場は労働組合と野党が要求する177ドルの賃金を支払う余裕ができると主張し、最低賃金問題が中心的な話題となった。

両当事者によって満場一致で通過した、工場や手工芸の制御に関する法案についての議論が続く中、産業手工芸大臣のCham Prasidh氏は、異論の多い賃金問題に対する政府の立場を明らかにした。

Hun Sen首相は非常に労働者の給与を177ドル以上に増加させたがっているが、そうすると全ての工場が退散してしまうのでそれは不可能であると、Prasidh氏は国会で語った。

「あまりたくさん要求すると、釜がひっくり返って食べる米がなくなります。」と彼は述べ、稼働している工場を維持する解決策を見つけるために、与党のカンボジア人民党と野党のカンボジア救国党が協力することを提案した。

Prasidh氏によると、カンボジアは昨年世界中に50億ドル相当の衣料品を輸出したが、そのうちの約半分を輸出した米国に5億ドルの輸入関税を支払ったという。

彼は統計を見て、衣料品輸入における米国の厳しい税制が緩和されることにより、労働者に支払われる多額の現金に関する制限が解かれるだろうと主張した。

Prasidh氏によれば、フランスと英国は昨年、米国にそれぞれ300億ドルと400億ドル相当の商品を輸出したが、発展途上国のカンボジアとほぼ同じ金額の税金を支払った。

「それは私たちにとって非常に不当です。近頃私たちが毎年5億ドル支払って米国を支援しているということです。」と彼は言い、政府はこの問題に対して米国にロビー活動をすべきであると言い足した。

欧州連合(EU)は比較すると、後発開発途上国への「武器以外は全て免税」制度により、カンボジアの輸入品には税金を課していない。

国会ではPrasidh氏の後に野党カンボジア救国党(CNRP)のリーダーSam Rainsy氏が、汚職を撲滅することで政府は容易に最低賃金を177ドルに上げることができると、再び議論した。

「私たちは我が国が発展することを望んでいるのかどうか、誰のために発展すべきか、工場のためなのか国民のためなのか、自分に問いかける必要があります。」と彼は言った。

「不当な支払いを完全に減らし非公式支払いを排除すれば、労働者のための利益、国のための利益になると信じています。」

カンボジア救国党(CNRP)のリーダーSam Rainsy氏は12月、スヴァイリエン州で抗議中の縫製労働者に話しかけた。

Rainsy氏によると、必需品、公共サービスや電気などの公益事業の価格も、近隣諸国のタイやベトナムよりもカンボジアの方がはるかに高いという。それは労働者が通常の生活を送るためには、より高い基本給が必要であることを意味する。

カンボジア衣料品製造協会(GMAC)議長のKen Loo氏は、米国はカンボジア衣料輸入特恵関税を認めない唯一の先進国だと言った。

昨年カンボジアは米国に、およそ25億ドル相当の衣料品輸出に対し、約16%の関税を支払ったと彼は述べた。

「もちろん輸出された商品にもよりますが、英国やフランスがその輸出額に対する割合として支払っているのは約1%です。」

「関税が削減されれば、労働者にさらに多くの賃金が支払われることもありうるでしょう。」とLoo氏は同意した。

しかし彼は、工場が完全に賄賂の支払いをやめたら177ドルを払う余裕ができるというRainsy氏の主張に対し異議を唱えた。

「まともな計算をしていないのは明らかです。彼が主張していることは事実ではありません。」とLoo氏は言った。

カンボジアは確かにタイ、ベトナムよりも高いコストに直面したが、この議論は工場所有者のコストにも適用されるだろうと、彼は言い足した。

労働者運動共同連合代表Pav Sina氏は、賃金問題が議会で議論されたことは嬉しいが、与党が黙認するなんて信じられないと述べた。

「賃金が177ドルに上昇した場合、野党のカンボジア救国党(CNRP)がそのためのロビー活動を行うことになるため、CNRPがより評判良くなるでしょう。」

「しかし両党が、労働者の適切なレベルに給与を増加させる解決策を見つけるべきです。」と彼は言った。

雇用主、政府、労働組合で構成された労働諮問委員会は、10月10日に新たな賃金を設定したいと考えている。

 

 

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最終更新:2014年10月08日12:38

カンボジア縫製産業労働者約4割に貧血症、労働調査で判明

カンボジアの縫製産業に関する最近の調査によると、対象となった労働者の約40%が貧血症だということが分かった。一方、肥満度を示すBMI(体格指数)の基準値に照らすと、約15%が低体重と判断された。

同調査は、国際労働機関(ILO)が管理する「カンボジア工場改善プログラム」の一環として行われたもので、約1万3300人の工員が働く10件の衣料品工場で3890人の工員を対象に実施された。調査結果に対して研究者らは、労働者の栄養不足が及ぼす健康面や生産性への影響について指摘した。

調査ではまた、縫製労働者の1週間の食費は約9ドルで、1日に換算すると約1.3ドルだということも判明した。

同プログラムの責任者であるJill Tucker氏は「貧血症はしばしば慢性疲労や集中力の低下の原因となり、生産性の低下にもつながる」と説明し、「労働者の健康や生産性の改善に何が効果的なのかは、次の段階で調査する予定。だが工場側は今すぐにでも、状況改善のために対策を講じることができるはず」と付け加えた。

さらに食料の確保に不安を抱える者も多く、標準的な評価基準で調査したところ、調査対象者のうち「食料危機を感じていない」者はわずか3分の1しかいなかった。また食料の確保に「深刻な不安」を抱えている者は、全体の約8%だった。

H&MやInditex社のZara、Next、Primark、Tchiboなど世界的な有名ブランドは先ごろ、カンボジア政府とカンボジア縫製業協会(GMAC)に対して共同で正式文書を送り、現在行われている賃金交渉について考えを共有していることを明らかにした。

これら有名ブランドらが産業のトップや政府に求めたのは、最低賃金額の決定は工場の労働環境を念頭に決定することや、年に1度、賃金調整を目的とした産業別の団体交渉を行うことなどだった。また団体交渉においては、公平かつILOの専門知識を取り入れたものであることとした。

さらに同産業にとって脅威とも言えるこうした労働問題に対して「将来的な発注量の増加が見込まれるなか、カンボジア政府やGMACがどのように解決に当たるのか注視していく方針」とも記されている。

将来的なアパレル需要の増加に対応するには、前向きな姿勢や、結社の自由を確立するための支援、団体交渉を行う権利、適正な生活賃金、安定性、平和的な解決策など、いくつかの条件を整える必要がある。こうした条件を実現することで、カンボジアは自信や必要な信頼を手にすることができ、重要な生産拠点国として市場の発展に貢献し続けることができるだろう。

 

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最終更新:2014年10月07日11:40

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