インドシナニュース

2014年09月 のニュース一覧

カンボジア縫製労働者、英国視察で適正賃金の実現に意欲

カンボジアの縫製産業で働くEam Rinさんは先週、オックスフォード通りにある、世界有数のスポーツ用品メーカー、アディダスのフラッグシップ店を訪れた。オックスフォード通りとは、ロンドン中心部にあるヨーロッパで最も人通りが多い通りだ。

数年前に夫を亡くしたRinさんが5人の子供たちをカンボジアに残して旅行に出たのは、今回が初めてのこと。遠く離れた異国の地で彼女が目にしたものは、普段の生活とはまったく異なる世界だった。

現在46歳のRinさんが家族と住んでいるのは、首都プノンペンにある小さな1ベッドルームのアパート。職場はCanadia工業団地内の縫製工場で、自宅からすぐの距離にある。工場ではアディダスやその他有名ブランドの衣料品製造に携わっており、給料は同産業の最低賃金である月100ドルだ。

彼女はアディダスで、店内の陳列棚に並ぶ商品の値札を見て目を疑った。「アディダスの服が、海外でこんなにも高いとは思いもよりませんでした。商品によっては、私たちの月給よりも高いのです」と話す。

Rinさんは、英「Labor Behind the Label(労働者の権利保護団体)」の招待でロンドンを訪れ、今月17日開催の労働キャンペーン「グローバル・デイ・オブ・アクション」に参加した。労働組合の国際組織とカンボジア労組が実施した同キャンペーンでは、最低賃金を177ドルにまで引き上げるよう要求した。

カンボジアでは昨年、労働者らによる抗議デモが相次いだ。政府が新たに定めた最低賃金が、労組の要求額(160ドル)を大幅に下回っていたからだ。カンボジア政府は軍警察を動員して武力による鎮圧を行ったが、投石などで抵抗したデモ隊に発砲したことで少なくとも5人が死亡し、多数が負傷した。

カンボジア・アパレル民主組合連盟(CCAWDU)のメンバーの1人で、抗議活動にも参加したRinさんは英国の消費者に対して「誰がどのような思いで製品を作っているのか知って欲しい」と語った。また「キャンペーンでは通行人に呼びかけながらビラを配りましたが、皆さん私たちの要求を支持してくれました。自分たちの服がカンボジア製ということを知っている人は多いのですが、その労働環境までは知らなかったようです」と話す。

Labor Behind the Label で広報・アウトリーチ支援担当のHannah Smithマネジャーによれば、Rinさんはいくつかの学校を訪問し、学生を相手にカンボジアの縫製産業労働者の生活について講演した。講演後「自分たちが着ている服に対して考え方は変わったか」と訊ねたところ、10歳の子供たちのクラスでは40名の生徒全員が手を挙げたという。

Rinさんは盂蘭盆(カンボジアのお盆)を家族と祝うために24日、実家のあるKompong Cham州に戻った。そこでカンボジアの縫製産業労働者が今後不当な扱いを受けないようにするには、どこに責任の所在を求めるべきかについて考えた。

Rinさんは「カンボジアに進出し投資を行う場合、外国企業は関係各署に賄賂を提供しなければなりません。これが悪影響となり、誠実な企業でさえも経費削減を余儀なくされるのです。そして最終的にしわ寄せが来るのは工員の給料になります」と話す。

また政府が目指しているのは労働者の生活向上ではなくむしろ労働者の権利を抑制することで、現在行われている交渉でも何も変わることはないだろうとの見方を示した。

Rinさんがロンドンに到着したその日プノンペン地方裁判所は、CCAWDUのAth Thorn代表が今年1月Veng Sreng通りで起きた暴力的なデモ行為に関与した疑いがあるとして、裁判所の監視の下、今後のデモ活動への参加や他労組トップらとの交流を禁じた。

Rinさんは「こうした判決は英国にはあり得ない」とし、「カンボジアには労働者に対する正義というものがありません。政府が労働者の権利を侵害するのは日常茶飯事です。しかし英国ではわれわれの権利を妨害する人はいませんし、抗議活動は労働者の権利として尊重されています」と話す。

カンボジアの縫製労働者と、これら労働者が作った衣服を身に着ける人々との生活に大きな隔たりを感じたRinさんは、適正賃金を実現するよう以前にも増して戦う姿勢を示した。

さらに「家畜みたいな生活はもうまっぴらです。賃金上昇のために必要なことは何でもする覚悟でいます。お分かりにならないかと思いますが、われわれにとって英国は天国のようにさえ感じます。それに引き換えカンボジアは地獄のようなところです」と続けた。

 

 

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最終更新:2014年09月29日06:00

有名ブランド8社、カンボジアで賃金引上げ支援

カンボジアで委託生産を行う有名ブランド8社が、労働者らの賃上げを目指して、カンボジア製衣料の値上げを検討中だと発表した。同発表はカンボジアの大規模なデモ活動を受けたもの。首都プノンペンでは先ごろ、何千人もの労働者が路上を占拠し最低賃金を現行の約2倍である月177ドルまで引き上げるよう求めていた。

これらのブランドには、カンボジアにとって最大のバイヤーであるH&Mや、Inditex社のZara、英国のPrimarkなどが挙げられる。同ブランドらはカンボジア副首相およびカンボジア縫製業協会会長に対して公式文書を送り、賃金上昇分は今後製品価格に上乗せするつもりだと伝えた。

デモ活動は17日プノンペンやその周辺地域で終日行われ、昼どきには何千人もの縫製労働者がオレンジ色のTシャツを着用し、工場の外で抗議活動を行った。労働者らの要求は、最低賃金を現行の月約100ドルから大幅に引き上げること。デモでは一時軍隊が出動し、鎮圧に当たる場面も見られた。

カンボジア製衣料の値上げについてはNextやNew Look、C&Aなどのブランドや、N Brown Group社、某通信販売会社なども賛同しており、文書では各労働組合に対してより一層の協力を求めた。

文書の内容は「現行の購買慣行を改善することで、適正な生活賃金を保障できるものと考えています。また賃金の上昇分については、われわれの製品価格に上乗せするつもりです。さらに労働組合と連携し、各職場における生産性の向上や効率の改善、労働者の技能向上などについても考えています」というもの。

労働組合の国際組織IndustriALL Global UnionのJyrki Raina代表は、この「前代未聞」の文書に対して好意的な反応を示し、「これら有名ブランド8社は、自社の製品価格を引き上げる形で待遇改善の援助を申し出ている。これが実現すれば、工場オーナーらも賃金の引き上げを拒否できないだろう」と述べた。さらに「カンボジア政府においても、最低賃金を大幅に改善すべき。文書にも示されているよう、労働者の権利保護や適正な生活賃金の確保、市場の安定性の確保などのためには、労働組合による働きかけが重要な意味を持つ」と続けた。

昨年4月バングラデシュの首都ダッカで起きたラナプラザ・ビル崩壊事故は、多くの負傷者を出し、ビル内の衣料工場で働く1130人の労働者が犠牲となった。同事故はまた世界でも注目を集めた。

一方で小売業者らは、中間業者の陰に隠れ、労働者の給与や労働環境を無視した安価な委託生産を続けており、これが非難の的となっている。多くの発展途上国で労働者らは、5ドル以下の日給で欧米諸国の小売チェーンに出荷する安価な衣料品を製造している。

カンボジアのアパレル産業は今や国の主要産業となっているが、政府にとっては悩みの種でもある。約50万もの仕事を創出し年間約500万ドルの利益を生み出す同産業は、成長の兆しを見せるカンボジア経済にとって重要な存在だが、一方で労組の主張が強くなりデモ活動を頻繁に起こすなど、頭を抱える問題も多い。

カンボジア・アパレル労働者組合のAth Thorn代表もまた、同文書に好意的な反応を示した。同時に参加企業8社に有言実行を呼びかけ、労働者らと直接交渉するよう求めた。さらに「これまでの経験から言えば、文書を送るだけでは十分とは言えない。同8社は速やかに次の行動を起こし賃金の引き上げを確実なものにして欲しい」と述べ、「長期的な安定や適切な賃金の確保のためには、互いに信頼関係のある、勤勉な労働者が必要なのだ」と語った。

 

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最終更新:2014年09月25日12:01

カンボジア衣料製造協会発表、2014年は受注減少

カンボジア衣料製造協会(GMAC)では、繊維部門は不安定な状況が続いているために2014年末まで期間の見通しは暗いと予測している。

プノンペンポスト紙に提供された調査結果のサンプルでは、GMACのメンバー247社のうち50%は、年末までの期間の生産を満たすのに十分な注文を持っていないと述べた。約160社の工場では受注が平均40%減少し、26%は受注不足が原因で生産ラインの閉鎖や部分的な操業停止を余儀なくされていると述べた。

「私たちは絶えず続くストライキの脅威にさらされているので、バイヤーはここの安定性や工場の供給能力に自信を持てません。実際の供給能力はあるのに、労働組合がストライキを起こすぞと脅迫するからです。」と、GMAC会長Ken Loo氏は月曜日に語った。

受注を減らした主なバイヤーは、多数の小規模バイヤーに加えて、ウォルマート、H&M、リーバイ•ストラウス、アディダスの名を工場側は挙げた。

昨日連絡を取ると、ウォルマートもH&Mもリーバイ•ストラウスも誰もカンボジアでの注文の状況について直接コメントしようとはしなかったが、全社いずれも繊維産業の安定性を求め、労働者の権利を尊重するとした。

「供給できるか、逆に、生産崩壊するかの予測は、リーバイ•ストラウスだけでなくカンボジアから商品調達しているブランド皆にとっての関心事です。リーバイ•ストラウスにとっては、カンボジアでの労働者弾圧や人権抑圧も非常に深刻な問題です。」とリーバイ•ストラウスの広報担当者は電子メールで述べた。

GMACの調査は激化している繊維産業の最低賃金をめぐる議論となっている。

月曜日8人の組合指導者は、要求が真剣に検討されていないことを確信して、最低賃金の議論が昨年と同じように受け入れられないなら、全国ストライキをすると記者会見を開いた。

昨年12月25日から10日間にかけて行われた最低賃金に対するストライキでは、1月3日治安部隊が実弾を発砲し、少なくとも5人のデモ参加者が死亡した。

労働組合は月曜日の会見で、現在月100ドルの最低賃金を177ドルに上昇することを要求した。

Loo氏は、GMACのデータの時期は月曜日の労働組合の発表とは一切関わりがないと否定した。彼は繊維産業の混乱に対するバイヤーの反応を実証するため、また110ドルの賃上げは繊維部門で払える最大値であるというメンバー各社の見解を支持するため、労働組合、政府、労働諮問委員会とこの情報を共有したと述べた。

「これ以上引き上げるとなると、工場にはそれだけの賃金を払う余裕がなく工場を閉鎖しなければならないことになります。最低賃金の引き上げはカンボジアでの工場稼働継続をさらに困難にします。」とLoo氏は言った。

労働人権団体連帯センターのカンボジア所長Dave Welsh氏は昨日、GMACのデータは確認できなかったが、1月のストライキがあってから今年下半期受注が減少したことに疑いはないと述べた。

「減少はしていますが、私たちの主張はその受注の減少が最低賃金の議論に関連しているというのではなく、1月の事件以後、非常に多くの問題が未解決のままになっていることに対するバイヤーの不満の高まりに関連しているということです。」未調査のままのストライキで起きたデモ隊の死や進行中の組合指導者に対する告訴について言及しながら彼は言った。

「繊維産業において昨年の規模で労働不安がまた起これば本当に衝撃が大きいですが、それは賃金需要の経済問題とは何の関係もありません。」と彼は言い足した。

 

 

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最終更新:2014年09月23日11:45

カンボジア:50億ドルの繊維産業の賃金闘争、解決へ向かう(後)

(前編より)

 

1月に起きた死亡事故は、繊維部門において初めての出来事ではなかった。非政府団体である香港のアジア•モニター•リソース•センターの報告書によると、2012年2月カンボジア当局は、プーマに商品を供給している工場で抗議していた3人の労働者を射殺した。

昨年11月にはリーバイ•ストラウスやギャップ、H&Mに商品を供給している工場で働く労働者らの抗議行進で、軍警察が10人を撃ち、1人が死亡した。

8月の土曜日、Chhim氏と他の人たちはYakjinの古い工場で仕事に復帰した。(第二の工場は2012年何マイルも離れたところにオープンした。)カンボジアと韓国の企業は示談時動揺した。12ほどの企業がプノンペン郊外の道路のあちこちに存在する。ランチタイムになると労働者はどんどん外へ出て、行商人は工場門の外の屋台でスープ、ご飯、バゲット、生肉や野菜を販売する。未舗装道路やのついた道路に沿って、下水溝の臭いとハエが食料の周りで張り合っていた。

Chhim氏は彼の近くの部屋に戻って、他の人と同様に廊下に横たわり休憩を取る。彼は外で立ち止まり、ロープにかけて乾燥させているジーンズも含めて、いくつか衣服のポケットの中を確認した。そこがChhim氏3人のルームメイトの共有鍵の保管場所なのだ。

内部に盗む人はあまりいない。トイレを含む9×10フィートのスペースの一角には、小さなストーブがあり、食器が山積みされている。別の一角にはミシンや衣類を詰めた小さなビニール袋がある。一つの壁は、カンボジアやタイ、韓国の女優のポスターで埋め尽くされており、その反対側には緑の蚊帳が巻き上げられている。

ベトナムの国境に接するスヴァイリエン州出身であるChhim氏は、プノンペンに移りYakjinで仕事を見つけた姉の足跡をたどって、3年前に仕事を求めてカンボジアに来た。Chhim氏の姉は今もそこに滞在しており、彼らの両親はかろうじて彼らの6人の子供を養うことができる農家である。

Chhim氏の仕事は週6日一日8時間(残業をする場合はそれ以上)立ち続け、衣服の数を数え箱に梱包する作業である。

昇格や成長のチャンスもわずかにある。彼によれば、投獄後に復帰して以来、工場監督者は、彼が支持している労働組合の一部である別のチームに移してほしいという彼の要求を拒否している。

「彼らは繰り返し組合に加入しないよう私に指示します。」とChhim氏は言う。

(FORBES ASIAに示された、カーライル共同設立者のDavid Rubenstein氏がCalpersの職員に書いた4月25日の手紙で、Yakjinは抗議行動後、従業員らが組合を結成する権利を会議で再確認したと、Rubenstein氏は述べている。)

Chhim氏は30時間の残業をしているため、月およそ150ドルを稼いでいる。彼と姉とで月100ドルを家に送っている。

Chhim氏は、刑や懲役があったにもかかわらず、Yakjinに戻れたことに満足しているが、彼と一緒にバーの後ろにいたCanadia地区の労働者Pang Vanny氏は、まだ幻滅している。彼は1月3日に彼の町で起こったデモでひどい暴力を受けた。Pang氏は小さい営舎に住んでいて、釈放後香港が所有する会社にしぶしぶ再雇用されたが、彼はもう十分だと言う。

「色んなことが起こった後、私はもう工場で仕事をしたくないのです。しかしお金が必要だし、他に何もできません。」と彼は言う。

労働者の不潔と貧弱な食事、換気不良、高温、仕事上の有毒ガスがいくつかの工場での集団気絶の報告につながっていると、活動家らは言う。

「集団気絶は世界のどの工場でも起こっていますが、なぜカンボジアだけが唯一報告されてしまうのでしょう?それを集団気絶と言うのは間違っています。気絶しているのは2、3、4、5人です。他の人たちは吐き気や不快を感じ始めているだけです。たった1つの事件で133人が診療所に送られましたが、彼らは気絶していません。しかし私たちは詳細に調査しています。」と、カンボジア衣料製造協会(GMAC)議長Loo氏は答える。

2月、政府は最低賃金を月80ドルから100ドルに上げることに合意したが、2014年に要求されている160ドルよりはるかに少ない。

1月以来政府は集会を禁止しており、労働省が新しい労働組合を承認することが遅れている。企業は工場レベルの労働組合のメンバーや指導者である168人の労働者(彼らの多くは海外バイヤーからの圧力を受けた後に復職した)の雇用を終了すると、活動家は言う。一方Loo氏のグループは、逸失利益による損害賠償と物的損害疑惑を求めて、組合員に対して訴訟を提起した。

そして、まだ終わっていない。来年の賃金引き上げのための交渉は、この秋に開始される。組合は月177ドルを要求している。オーナーらはそんな余裕はないと述べている。間接的な投資家として米国最大の公的年金基金があるからといって何が変わるのか?新しい服を待っている世界にはもっと強い力があるかもしれない。

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最終更新:2014年09月16日14:00

カンボジア:50億ドルの繊維産業の賃金闘争、解決へ向かう(前)

8月中旬、米国の弁護士のチームである未公開株式投資会社カーライル•グループは、カンボジアの首都で韓国の衣料品メーカーの工場運営について調べるため、プノンペンに到着した。Yakjinホールディングスは、今年初めに国を揺るがした労働争議の中心会社だった。そのストライキでは軍の弾圧で5人が死亡し、38人が負傷した、1人は依然として行方不明である。

カーライルの重要投資家―カリフォルニア州職員退職年金基金(CALPERS)はそれ以来、労働紛争と軍事力の使用に関する問題を提起している。カーライルは年金基金を得て、事後大体8ヶ月後に、正確に何が起こったのかを調べるためにチームを送り込んだ。(同社は調査結果についての電子メールの問い合わせに応答しなかった。)

1月2日、Chhim Thoeun氏はプノンペンの数千人の縫製労働者と共にストライキに出た。デモ隊は行進しながら、最低賃金引上げの支援を求め叫んだ。賃金引上げがあって、残業すれば、やっと繊維産業で暮らしていけると。

Chhim氏(27歳)はYakjin社の従業員だった。カーライル•グループはファンドの1つを通じ同社の70%の株を手に入れていた。Chhim氏はYakjin工場の外で行われた集会に参加し午前中を過ごした。彼はYakjin工場で一年間雇われていた。他の者は逮捕されたが、彼は野党の国会議員が工場にいることを聞き自分の部屋に戻っていた。 Chhim氏は5分間歩いて引き返したが、すぐに軍服を着た5人の男性と私服を着た2人の男性に囲まれた。彼らはChhim氏を地面に叩きつけ、警棒で殴り、重い軍靴で蹴った、とChhim氏は語る。

「私は自分の手で自分の頭を覆っていました。」と彼は振り返る。ひどく叩かれ続け、終わるまで数分間かかったと彼には思えた。「私の手は打撲し、皮膚や関節は引き裂かれ血だらけになりました。」

ニュース報道や活動家らによると、その日とあくる日、軍はそこでの抗議を鎮圧し、市内の別の場所―120近い工場があるCanadia工業団地で銃を発砲した。

政府が月額最低賃金を倍の160ドルにすることを拒否し、デモはクリスマスイブ―カーライルがYakjinの株式取得を発表した同じ日に始まった。Chhim氏は逮捕され5ヶ月間投獄された23人のうちの一人だった。

1500万人口の半分が25歳未満であるカンボジアは、アジアの最貧国の一つである。しかし、カンボジアは早くに世界貿易機関(WTO)の加盟資格を得ており、建設、農業、観光だけでなく繊維分野などで、2010年以来平均して7%近くの成長率を記録している。

縫製業従事者人口は40万人。昨年、繊維産業は国内総生産(GDP)のほぼ3分の1を占め、50億米ドルの商品輸出につながったと、英国に本拠を置くリスク分析会社Maplecroft社は述べている。韓国、大中華圏からの企業が工場の多くを所有している。数十万人を絶望的な貧困から救いだしているが、カンボジアの繊維産業はこの地域で最も賃金が低く(中国ははるかに高い)、労働条件は改善されない。

カンボジアでの法の前での平等の原則は特に疑わしく、昨年1月軍が縫製労働者の抗議に呼び出されたのも、韓国人雇用者の命によると言う者もいた。(詳細に対する質問にも、Yakjinの女性広報担当者は、先に述べた「Yakjinは直接的にも間接的にもこの悲劇に関与していません。私たちは韓国政府にもカンボジア政府にも介入するよう依頼しませんでした。」という言を繰り返すばかりだった。)

おそらくベトナム近隣諸国の外資系工場に対し最近起こった暴力事件を思い浮かべて、その行動を正当化する者もいた。「労働組合は罰を受けずに活動することが許されており、それが彼らを過激化させたのです。」カンボジア衣料品製造協会(GMAC)議長Ken Loo氏は述べている。「政府はデモが一週間以上続くことを許していました。それで、デモ参加者の活動がひどくなって、……もし政府が取り締まっていなければ、事態はもっと悪くなっていたでしょう。」

「政府の待機時間が長ければ長いほど、より大きな軍を使わなければなりません。」とLoo氏は言い、「一部の労働組合は私たちに、デモ参加者が銃を持っていないなら、警察は銃を使うべきではないと言ってきました。そんなことを言うなんて、頭がおかしいです。」と言い足した。

創立35周年になるYakjin社は、30%の株を持つ最高経営責任者(CEO)Yong-Ro Cho氏の父によって設立された。同社はギャップ(オールドネイビーやバナナ•リパブリックなどの姉妹メーカーを含む)、アメリカンイーグルアウトフィッターズ、ウォルマートやヴィクトリアズ•シークレットの商品を製造している。昨年9月の決算では、過去最高の3億6150万ドルの収益をあげ、1800万ドルの利益をもたらした。

Yakjin社は、カンボジアが懐疑論に直面しながらも世界貿易機関(WTO)に加盟した直後の2005年にプノンペンで最初の工場を設立した。WTO加盟の地位は、通常、確立された経済を反映して、外国資本の流入を助けるだが、「カンボジアでは、労働条件の大幅改善に失敗しました。」とMaplecroft社上級アジアアナリストRyan Aherin氏は述べる。「労働者は投資が入ってくる状況にますますうんざりしています。彼らはそれに匹敵するほどの利益を享受していません。」

 

(後編に続く)

 

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最終更新:2014年09月15日11:54

投資環境についてジェトロ・カンボジア所長にインタビュー(後)

(前編より)

 

Chan氏:日本企業が今後、投機対象とする産業は何か?

道法氏:輸出面で言えば、アパレル、靴・履物、電力など労働集約型の産業が非常に魅力的です。と言うのも、中国やタイなど他の国々では、労働コストが急激に上昇しているからです。シンガポールとマレーシアがアジアの生産拠点になってから既に30~40年が経ちますが、現在これらの国の労働コストはカンボジアやラオス、ミャンマーと比較すると極めて高くなっています。

カンボジアへの投資を検討している企業は、現地の賃金額やその他諸経費についても情報を求めています。例えばカンボジアでは電力不足で停電が頻繁に起こる割には、他の国と比較して電気料金が高い。こうした理由で投資をあきらめる企業もいますし、労働コストの低さと電力にかかるコストとのバランスを考えて投資を決める企業もいます。政府が業務用電力の料金を引き下げ、かつ電力の供給量を上げるよう対策を打つことができれば、さらに多くのメーカーや加工会社がカンボジアへの進出を図るのではないでしょうか。すなわちカンボジアの電力問題が、せっかくの投資機会を逃してしまっているのです。

農産業もまた、投機対象の一つです。しかしこの分野でもカンボジアは今後、「投資を呼ぶための投資」をする必要があります。政府はまず農産加工場に設備投資を行うべきでしょう。

弊所では農産業への投資を支援する情報を提供してきましたが、ある時大きな問題が浮上しました。土地の購入ができるのはカンボジア国籍の企業だけで、外国人や外国籍の企業には購入できないということです。こうした理由から現在、日本企業による農産業への投資は少々困難な状況になっています。それでもなお一部の企業は、カンボジアでのプランテーションや農産品の加工に興味を示しています。

 

Chan氏:投資機会を増やすためにカンボジアがやるべきことは?

道法氏:カンボジア政府は、他国と比較して外国企業への規制が緩く制約もほとんど設けないなど、既に魅力的な投資環境を提供しています。外国企業にとって投資に踏み切りやすい国と言えるでしょう。

問題を挙げるとすれば、外国籍では土地を100%所有することができないという、土地所有権の問題です。その他、電力の問題、高い技術力を持つ労働者が少ないこと、識字率の低さなどが課題として挙げられます。特に識字率については、ベトナムやラオス、ミャンマーと比較すると顕著に差があるようです。

日本企業で働く者にとって基礎教育はほぼ絶対条件と言えます。それは他の企業でも同じでしょう。日系工場で働く場合、工場は工員にクメール語の読み書きを学ばせます。と言うのも、工場内での重要な指示はすべてクメール語で書かれているからです。実際のところ指示を読むことのできない工員もいますので、工場側は教育支援を続けなければなりません。政府が基礎教育を徹底させることができれば、日本企業がこうした支援を行う必要もなくなるというわけです。

 

道法氏によれば、在カンボジア日本大使館とカンボジア日本人商工会は年2回、「Public and Private Sector Meeting(民間部門と公的機関の会議)」と称する会議を開くという。同会議は既に10回目を迎えているが、議題は毎回同じで、電力コストの問題、貿易関連手続きの問題、労働者のデモ活動、その他労働問題などである。こうした問題はその後、カンボジア政府に提起される。道法氏は「政府は問題を十分把握している。だが対応するにも国家の予算に限りがあるのだろう」と話す。実際、インフラの構築や基礎教育の徹底など、すべての課題に一斉に取り組むのはほぼ不可能だ。政府は優先順位を決めて対応する必要があるが、その選択もまた容易ではない。

 

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最終更新:2014年09月06日14:00

カンボジア:2015年の工員の給与は月額110ドルに

カンボジア労働者連合協議会会長Som Aun氏は、9月2日の会議の後、アパレル及び履物工場の雇用者らが2015年の最低賃金を110米ドルに引き上げることで合意したと述べた。

「新しい工場が地方や国道2号線、3号線、4号線、5号線沿いに増えているという状況の中にありながら、縫製業の投資家らは工員の賃金引上げに注意を払っています。」とAun氏は述べた。

「労働諮問委員会は、雇用者、組合、政府の3者が合意の下、経済状況によって労働者の賃金を1年に1度引上げる手続きを進めてきた。」と述べ、月額110米ドルの最低賃金を2015年1月より実施すると付け加えた。

現在の工場労働者の月額最低賃金は100米ドル。

繊維産業は年間50億米ドル以上を生み出し、全国でおよそ70万人の労働者を雇用している。

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最終更新:2014年09月04日19:08

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