インドシナニュース

2014年05月 のニュース一覧

カンボジアの低価格繊維産業の行方--続けられるのは誰のため?

ほとんどのカンボジア人はギャップやウォルマートについて聞いたことがない。カンボジア人にとってそれらは、自国で生産された何百万もの衣料品の上に縫い付けられているただのラベルである。しかしそれらはどのようなラベルか。カンボジアの衣類輸出は昨年55億米ドルに達し、国のGDPの約3分の1に値した。その20億米ドル近くは米国の大手デパートに行き着いた。カンボジアの繊維産業は、穢れ無き労働源として好評を得ているが、実態は、なけなしの賃金、強制労働、差別、妊娠中の女性や労働組合の指導者に対する暴力といった問題だらけだ。

不十分な食事や睡眠不足が原因で勤務中に意識を失う労働者や、40度を超える暑さの中で強制される14時間労働を逃れたいとする人々や、妊娠しているという理由で雇用者によって仕事を打ち切られた女性や、現状変革のため労働組合を結成しようとしたせいで、拘束されたり、暴行を加えられたり、銃撃されたりする労働者たちを見かけない日はない。

米国の小売業者はこうしたことを熟知している。実際には、それ故にカンボジアにいるのだと言ってもいいのかもしれない。

カンボジアの最低賃金は月100米ドルで、世界で最も低い国のうちの一つとされている。特に、ほとんどすべてのカンボジア縫製労働者が養うべき子供と高齢の親を抱えているのを考えると、それはなけなしの賃金である。

おそらくもっと衝撃的なのは、この100ドルという賃金は、ごく最近、血を流し犠牲を払った結果だということである。昨年だけでも、少なくとも5人が賃金の引き上げを求める縫製工場での抗議中に銃弾に倒れた。ある16歳の少年は、胸に見えた銃創のようなものから血を流し地面に横たわっているのを目撃されたのを最後に、依然として行方不明である。おそらく彼は6人目の死亡者だ。

犠牲者のうち3人はウォルマートの縫製労働者だった。

 

Hoeun Chanさんらは生き残った。しかし彼はギャップの仕入先工場で起きた抗議中に撃たれ、現在腰から下が麻痺している。Chanさんは「私は今死ぬよりつらい生活を送っています。」と言う。数え切れないほど多くの人たちが拳で殴られ、足蹴りされ、警棒や電気シールドやパチンコなどで残忍な扱いを受けた。その中には、妊婦も多数いた。生まれてくる子供の姿を見ることなく、流産した女性もいる。

なけなしの給料にすぎないが、月給を100ドルまでに引き上げることができたのは、労働者たちの凄まじい決意と膨大な犠牲があったからである。生活賃金の推定値は月額395米ドルという水準であるにもかかわらず、カンボジア政府独自の調査では、労働者が基本的に必要とするのは月額157米ドルから177米ドルであると結論付けられている。フルタイムの労働者らには必要な金額が確実に支払われるようにしなければならない法的責任があるにもかかわらず、米国の小売業者の仕入先は汚職や暴力や基本的自由の制限のほうを選び、積極的にこうしたシステムに関わっている。

となると、カンボジア縫製労働者はこの先どうなるのだろう?今の方向で進んでいけば、暴力と搾取はますますエスカレートする一方だろう。米国であろうがカンボジアであろうが、低価格の衣料品という代物は不平等の賜物である。問題は、我々皆がいつまで世界中で底辺への競争を続けるかだ。16歳のKhem Saphath君やHoeun Chanさんのようなカンボジア人には、この贅沢はない。

 

著者Tola Moeun氏: プノンペンに拠点を置くNGO共同体法教育センター (CLEC)労働プログラム代表

 

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最終更新:2014年05月24日13:03

カンボジアの縫製工場労働者、ボーナスに甘んじてストライキ中止

数千人に及ぶカンボジアの縫製工場労働者が、利益を上げながらも問題多き縫製分野で、今後ストライキに参加しないことを条件に50ドルのボーナスを要求していたが、ストライキを終えて仕事に戻ったと、昨日労働組合のリーダーが述べた。

ベトナム国境近くの工場30社で働く約2万人の労働者は、ストライキに悩まされていた2つの工場が最近のストライキに参加していない従業員に報酬を出したことに因んで、ボーナスを要求し二週間前にストライキに突入した。

「ほとんどの労働者は仕事を再開しており、3工場の労働者だけが今もストライキを行なっています。」と労働者運動共同連合代表Pav Sina氏は語った。

工場側は50ドルのボーナスを支払うことに同意していないが、ストライキに対し「解決策を見つける」と言い労働者を安心させたと、彼は述べた。

工場が位置する2つの経済特区を持つバベット市東部の警察署長は、労働者が職場に復帰したことを確認した。

カンボジア縫製業者協会(GMAC)は、工場がストライキに出ない労働者に支払うと約束したことについて、繰り返し否定している。

ウェブサイト上でカンボジア縫製業者協会(GMAC)は、どれほど会社に費用がかかっているかや、国際的なブランド服を作っているかどうかは明らかにしていないが、ストライキは工場での生産を停止させていると述べた。

現地労働法に従い、会社側はストライキによる労働損失日数分の賃金およびその他の給付を支払わないだろうと、カンボジア縫製業者協会(GMAC)は述べた。しかし組合員はそれが新しいストライキの引き金となるかもしれないと警告した。

約65万人もの労働者が、貧しい東南アジア諸国のための重要な外国所得源である、カンボジアの数十億ドル規模の衣料産業を根底から支えている。

縫製労働者はより賃金引上げへの労働ストライキの最前線に立ってきており、カンボジア当局によるいくつかの弾圧にも直面してきた。

1月上旬、繊維工場の労働者に抗議し警察が発砲した際、少なくとも4人の民間人が死亡した。彼らはGap、Nike、H&Mなどのブランド服を作る工員で、月160ドルの最低賃金を要求していた。弾圧の際に逮捕された23人が、彼らの釈放に対する国際的要請があったにもかかわらず、先月裁判にかけられた。裁判所は5月6日に裁判を延期した。

被告人らのほとんどは保釈されず数ヶ月間拘禁されているが、有罪判決を受けた場合、刑務所で最高5年の実刑を言い渡されるかもしれないと、人権団体は言う。

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最終更新:2014年05月13日06:00

1月-2月のカンボジアの繊維輸出、5.81%の成長

本年度の最初の2カ月でカンボジアからの繊維製品の輸出は、昨年同期の3億5433万ドルの輸出と比べ5.81%成長して、3億7493万USドルに達した、とカンボジア衣料製造協会(GMAC)のデータは示した。

データによると、2014年1月から2月まで、カンボジアは、1億5983万ドル相当の繊維製品を米国に輸出、次いで、EUへ6393万ドル、カナダへ4910万ドル、日本へ3195万ドル、および他の市場へ7012万ドルとなっている。

近年、カンボジアの繊維製品輸出は順調に成長している。2001年の繊維製品輸出の収益は、わずか11億5600万ドルだが、2005年には21億9000万ドル、2010年には30億800万ドル、2011年には40億4700万ドルまで成長した。

カンボジア衣料製造協会(GMAC)のデータによれば、昨年、カンボジアの繊維製品は、2012年の44億4500万ドルの輸出に対して、11.71%増の49億6600万ドルとなった。データには履物の輸出金額は含まれない。

2014年2月、新しい賃金体系が採用され、月当たりの最低賃金は5ドルの健康手当を含む100ドルとされ、カンボジアのアパレル縫製工場で実施されている。

繊維分野はカンボジアの輸出全体の約80%を占め、同国の一番の外貨獲得産業となっている。繊維産業に従事する人は30万人以上で、90%以上が女性である。

 

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最終更新:2014年05月08日09:10

カンボジア:アパレル縫製会社の株式上場、盛り上がらず

昨日(4月21日)、カンボジアの株式仲介業者はGrand Twins International’s(GTI)の新規株式公募価格が投資家には期待はずれな水準であるのを認めた。

縫製産業が不安定で、信頼感に欠けること、市場で換金性がないことなどから、投資家たちはこの台湾メーカーの保有する800万株の買い付けに前向きでないと言われている。

新規株式公開(IPO)を行う仲介業者の1社Sonatra 証券のSorn Sokna氏は「これまでわずか4社しか5月29日に予定されているGTI社の株式上場名簿内でSonatra社に関心を持っていません。」という。

「現地人も外国人も新規株式公開(IPO)に興味を持っている人は少数です。」と昨日、彼は話した。

「理由ははっきりとはわからないのですが」としたうえで、「他の会社もあまり興味を持っているわけではないという情報を得ています。」

GTI社は2012年のプノンペン上水道公社(PPWSA)の際の熱狂ぶりとは全く異なる。

国営会社であるプノンペン上水道公社(PPWSA)は依然としてカンボジア株式取引所(CSX)に上場している唯一の会社である。公開されれば、GTI社は証券取引所に上場する2番めの会社で、かつ、最初の民間会社ということになる。

GTI社公認仲介業者でもあるAcleda証券の最高経営責任者Svay Hay氏は、プノンペン上水道公社(PPWSA)の時に比較して、GTI社の公開は投資家にとってそれほど魅力的なものではないと言う。

「興味をもつ投資家は金額に興味を持つのであって、GTI社の株式上場はカンボジア株式取引所(CSX)にとって喜ばしい兆候であるということです。」と彼は言う。

複合企業Royalグループが出資しているSBI Royal Scurities社のオペレーションマネージャーであるBorin Phan氏もHay氏と同じ心配をしている。

「プノンペン上水道公社(PPWSA)は国営企業なので、信頼性が高いのです。」とPhan氏は言う。

「今回は民間企業で縫製会社です。政治状況や今年初めのストライキによって、多くの現地の人々は安定しない縫製産業に不安を感じています。

2013年中頃に始まった国政選挙や、その後の政治の行き詰まり、さらには1月の繊維産業でのストライキといった政治的な動乱のために、カンボジア株式取引所(CSX)の取引は著しく低下してしまっています。

だからこそ、GTI社の新規株式公開(IPO)をサポートするために、繊維産業の安定化が必要なのです。」と話した。

プノンペンの投資会社であるLeopard Capital社最高経営責任者Douglas Clayton氏は株式上場のタイミングに疑問を呈している。

「この先の賃金上昇が不確かな状況で、縫製会社が株式公開するのはいいタイミングとは言えません。」と昨日メールで述べた。

「願わくは、カンボジア株式取引所(CSX)が出資を望む銀行、通信会社、ホテルグループから資金を調達できれば。」

GTI社代表Stanley Shen氏は動じる事なく答えた。Por Sen Chey地区にあって5,600人の雇用者を抱え、AdidasやReebokといった大手スポーツメーカーの衣料品に関わっている縫製工場は、最近の賃金紛争の影響を受けていないとShen氏は言う。

「GTI社ではストライキは起こったことがありませんし、我々の賃金は最低賃金よりはるかに高く、労働者の多くは給与に満足しています。」とShen氏は述べた。

しかしながら、その一方で、「GTI社はもっと多くの投資を奨励するように株式上場を促進するべきだったのに。」と言った。

事実、新しい新規株式公開(IPO)の引受会社である、Phnom Penh証券(PPS)の代表者は、GTI社への興味の不足を軽視して、最初のブックビルディングのプロセスは、台湾、中国、日本といった海外の国々の機関投資家から相当の関心を引きつけたと述べている。

「最近、台湾や中国では、上場している繊維会社の株は顕著に伸びています。」と名前を伏せた上で話してくれたが、GTI社の上場株式価格は$2.40から$2.50になると予測されているという。

「GTI社の上場は非常にうまくいくと私たちは信じています。」とPPS社の代表者は話し、2013年のGTI社の3300万ドルにのぼる収益こそが、アパレル工場がいい形で上場しているという証拠であるという。

しかしながら、換金性がなく、上場後の株の売り買いができないため、市場でいらだちが起きていることは認めざるをえない。

GTI社の上場日程は、株式上場価格を決定する最終ブックビルディングの結果に関するカンボジア証券委員会(SECC)からの承認を待つために、3週間後退することをPPS社は4月11日に発表した。

現在、投資家たちは4月24日の結果の発表を待っている。その後、5月2日から5月9日まで公募が行われる。最終的な上場日は当初の目標だった5月8日から3週間後の5月29日とされている。

カンボジア証券委員会(SECC))株式保険監督部部長Chhun Sambath氏は、4月23日に行われる次回の委員会にて監督官がGTI社のブックビルディング書類を検討すると話している。

「実質的には、なんら遅れはありません。4月8日にブックビルディングの書類と条件を提出しています。その後すぐにクメール正月に入ります。このプロセスは簡単に承認できるものではありません。」と述べている。

 

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最終更新:2014年05月03日09:28

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