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カンボジア:繊維業界、貿易戦争からの恩恵受ける

米中、世界二大経済圏間の本格的な貿易戦争において、カンボジアはアパレルメーカーや履物メーカーの次の製造拠点となる強力な候補国である。複数の国際的なブランドが中国から生産拠点を移管し始めている。

米国と中国は7月初め以来、貿易摩擦の犠牲になっており、中国からの輸入品には25%の関税を課し、その総額は160億米ドルにのぼる。貿易摩擦の影響を受ける製品には、自動車タイヤ、家具、木製品、ハンドバッグ、スーツケースなどがある。

米国ファッション産業協会が7月に発表した中国商品の調査では、参加者の67%が今後2年間に中国での生産量(金額または生産数)を減らすと予想している。同研究は米国の貿易保護主義を業界にとって最大の課題と位置づけた。

米国アパレル&履物協会の執行副社長Steve Lamar氏は「この変化は現在進行中なのです。」と述べた関税に関する会談では「多くの不安」を生み出し、企業はいかに速く供給に対してより多くの変化が出来るかを予測しているという。

Steven Madden社のEdward Rosenfeld最高経営責任者(CEO)は、同社のハンドバッグの生産を中国からカンボジアに移していると語った。 同社のハンドバッグの内の15%をカンボジアからの仕入れる方向であり、この割合は2019年に倍増する見込みである。

「それは大部分の我々の同業者よりもおよそ3年程有利なスタートを得ていることになります。何故なら、彼らは今になってやっと動き出したところだからです。私たちのハンドバッグの供給源のトップは、実際にはもう既にカンボジアにあります。そして今後更に増やしていく計画です。」とRosenfeld氏は述べた。

カンボジアのアパレルメーカー協会(GMAC)の副社長であるKaing Monika氏はKhmer Times誌に、この貿易戦争は投資家の中国に対する信頼に影響を及ぼし、地域内の他の国への移管を検討するだろう、と述べた。

「カンボジア製の旅行用品の調達に関心の高まりに注目してください。旅行用品の生産は、今後中国から去り、それはカンボジアの成長機会になるはずです」と述べた。中国は今も旅行用品で約50億米ドルを米国に輸出している。

「貿易戦争を除いても、中国の人件費の上昇と環境関連法などのより厳しい規制の施行は、中国から離れる工場の増加を促し、それによってカンボジアは恩恵を受けるでしょう。実際の問題は、カンボジアが移管における最初の選択肢であるのかどうか、それとも他の国を候補の念頭に置いているのかということです。平和と安定は重要だが、国家の競争力を測る際には他にも重要な要素があります。」と付け加えた。

CoachおよびKate Spadeのハンドバッグを生産するラグジュアリー企業のTapestry社も東南アジア、特にベトナムでの生産量を増やし、中国からの生産量を減らした。同社は現在、中国からの調達額の5%未満のみを生産している。ブルームバーグによると、アメリカのスーツケース、ハンドバッグのデザイン企業のVera Bradley社は12月、中国からカンボジアおよびベトナムに製造オペレーションの移管を検討しているという。

商務省によると、カンボジアのアパレルおよび履物製品の輸出は、上半期に9.3%増加し、総額は37億米ドルに達した。

EUへの出荷は10.66倍、総額は16億米ドルを超え、米国への出荷は10.73%増の85800万米ドルとなった。この2つの市場は、合計でカンボジアの輸出総額の72%を占めた。



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最終更新:2018年09月18日06:04

カンボジア:ごみからハイファッションを生み出す--資源の浪費に再考を促す試み(後)

(前編より)

 

La Chhoukのメンバーは依然として日々の生活の支払いをするためにアルバイトをしながら、夜間と週末にリサイクルファッションプロジェクトに取り組んでいる。

「アパレル産業はカンボジアで重要なものですが、ファッションはまだ業界ではありません」とSuper氏は言う。

2013年にプノンペンに拠点を置く、廃棄ゼロファッションブランドTonleを設立したアメリカ人のRachel Faller氏はSuper氏の着目点に同調している。

「カンボジアのファッションデザインはまだ初期段階です。多くの若手デザイナーは適切なトレーニングを受けることに苦労しており、巨額のPRとマーケティング予算を掛けて既存のブランドと競争することは困難です」と、Faller氏は言う。

アパレル業界はカンボジア経済の最大の柱の1つであり、1990年代と2000年代に多くの人々に利益をもたらし、経済成長を促進した。ZaraHMGapPrimarkなど多くの主流ブランドは、カンボジアの工場でアパレル製品を製造している。

しかし、この分野には問題がある。 Faller氏によれば、カンボジアのアパレルメーカーは搾取的な工場の上層部にとって「ピンクカラー」部門と呼ばれており、好い鴨と考えられている。そのうちの90%は女性工場員である。

Faller氏は、最近の最低賃金の上昇にもかかわらず、労働者は依然として過酷な状況で働いており、工場員の大量失業と呼ばれる工場にとって共通の現象が存在する、と述べている。

アパレル縫製工場から廃棄された布地から衣料品を生産するTonleブランドを運営するFaller氏は、そのような企業の無駄な方法を直接目の当たりにしている。

「廃棄物は人々には縁遠い天文学的な問題であり、彼らはリサイクルなんて言葉は聞いたことがありません。染色から裁断など衣料品の製造加工のあらゆる段階で無駄があります。 品質管理の失敗や過剰在庫の原因となっている布生地は、あまりにも多くの無駄を生み出しています」と彼女は言う。



2008年に米国のフルブライト文化交流プログラムの学者としてカンボジアに拠点を置いているFaller氏は、衣料品製造に使用される材料の少なくとも50%が無駄になると推定している。「La Chhoukのデザイナーのような若者たちは間違いなく何かを始めています」と彼女は言う。しかし彼女は、廃棄物の問題に適切に取り組むためには、国が構造的かつ相対的な変化が必要だと考えている。

独立したリサイクルファッション団体が、カンボジアの川、畑、埋立地にある何百万トンもの廃棄物を減らせるということはほとんど無く、La Chhoukの幻想の元には無い。

La Chhoukの最新のプロジェクトは、クメール語のYouTubeチャンネルを作成し、人々に廃棄物を管理・リサイクルするためのアイデアやチュートリアルを提供することである。

「私たちだけでは廃棄物の問題を乗り越えることはできませんが、人々が廃棄物について考え方を変えるようになるかもしれません。泥だらけの水の中でも蓮の花が生えているように、私たちは廃棄物の中にも美しさを見つ出すことができるのです」とSuper氏は言う。

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最終更新:2018年09月15日12:02

カンボジア:ごみからハイファッションを生み出す--資源の浪費に再考を促す試み(前)

カンボジアは世界銀行の「最貧国」リストに留まっているにもかかわらず、ここ数十年で堅実な経済成長を遂げている。

東南アジア諸国は、過去20年間で平均GDP成長率7.6%を維持しており、世界で6番目に高い。しかし、プラスチックの消費も驚くほど速くなっている。

慈善団体Fondazione ACRAによると、首都プノンペンでは、1人当たり年間2000枚のビニール袋を消費している。対してEUの平均枚数は約200枚である。

公害においては、カンボジアは178カ国中145位に位置している。

「プラスチックゴミはそこらじゅうにあります。ゴミは道、川、湖にもあり、大変遺憾に感じます。」とカンボジアの22歳のデザイナーSeng Super氏は語る。

Super氏はプノンペンの王立美術大学で学んだ。彼は1990年代に生まれ、時を同じくして何百万人ものカンボジア人が極貧状態から脱し始め、環境破壊の悪化をもたらした。

多くの若者と都市部のカンボジア人にとって公害は大きな懸念点である。それゆえに、2014年に大学の年次美術展の準備期に入ると、Super氏と彼のクラスメイトは、環境の浪費を再考するよう人々に提案することに挑むというプロジェクトを作ると決めた。

その結果、廃棄物や再利用可能な材料から衣服を作ることを目指す“La Chhouk”という創造的なファッションイニシアチブが実現した。

他の国と同様に、カンボジアの汚染プラスチックの大半は、ペットボトル、ストロー、食品包装などの使い捨て品に由来する。

「プラスチックを消費するとき、多くの人々は廃棄物についてあまり考えません。5分間でペットボトル1本の水を飲むことができますが、そのボトルは何百年もの間、湖を汚染します。彼らは『ゴミはゴミでしかない。一度それを捨ててしまえば、何もできない』と考えるからです」とSuper氏は言う。

Super氏と彼のクラスメイトは、カンボジア人の廃棄物に対する考え方に挑戦するだけでなく、最も分かりやすく洗練された方法で彼らの注意を引くことを望んでいた。

ごみ箱で見つけた再利用可能な材料のみを使用して、伝統的なアプサラのダンサーが着用する華やかなドレスを数枚製作した。

古代アプサラ舞踊は仏教とヒンズー教の神話に根ざしており、カンボジア文化の最も本質的な側面である。

スーリヤヴァルマン2(Suryavarman II)1113-1145)の時代まで信仰されていた伝統的な舞踊を演じる女性を示す彫刻はアンコール寺院壁にもある。

忌々しいポルポト派のクメール・ルージュ政権(1975-1999)の間、芸術形態はほとんど消滅してしまった。しかし、西洋バレエの要素を取り入れ近代化された文化舞踊は、カンボジアの伝統と文化の最重要要素として、カンボジアのロイヤル・バレエ団の後援の下、繁栄を続けている。

Super氏と彼のクラスメイトがアプサラの衣装を作り始めた時、多くの人々は彼らの誰一人さえもファッション業界でトレーニングを受けた者がいない点から、その目標はあまりにも手の届かない遠くにあり、大がかりなものであると思っていた。

それこそが、デザイナーがこの共同体をカンボジアのクメール語で「蓮」を意味する“La Chhouk”と名付けた理由である。

「蓮は泥や汚れた水の中でも生える美しい花です」とSuper氏は言う。

「私たちはゴミや私たちのドレスでやりたいことを表現するのは、美しいメタファーだと思いました」

彼らの最初のドレスは、茶色い米袋を使用して作ったボトムスであった。それらは気取らない素朴な外観となった。そして、本物のアプサラのドレスのように、壊れたCDの小さな断片とビール瓶のフタで光沢をつけて装飾した。その後、ビニール袋と米袋から対照的な明るい緑色の縞模様の茶色い服を装飾した。

アプサラの衣装は黄金の王冠なしでは完全ではない。

プノンペンのゴミ山の中では金は見つからなかったので、デザイナーはトイレットペーパーの芯と段ボール紙を使用した。これらによって、複雑なクラウン、仏塔のような形をしたもの、雄牛の角などを作った。

昨年、ミスカンボジア2016-2017で初優勝したEm Kunthongがフィリピンで開催されたミス地球環境意識美人コンテストのために彼らのドレスを着ることを選んだとき、多くの人々は滑稽なプロジェクトと考えたものに対して、La Chhoukのメンバーは信任投票を与えられた。

「このドレスは完璧なカンボジア女性を表現しています」と、Super氏はプノンペン北部の作業場の複合体にあるLa Chhoukのスタジオで誇らしげにそれを見せた。

「彼女はパワーを持っていて、地球に近くて雄牛のように強い。彼女は野生の牛の魂を持っています。それはカンボジアのアイデンティティと文化にとって非常に重要な要素です。私たちはまた、神殿の彫刻と神話に触発されました」と彼は加えた。

La Chhoukが存在するもう一つの理由は、LGBT問題に注意を喚起することであり、一部のメンバーは自分自身のアイデンティティをLGBTコミュニティの一員として認識している。「多くの人はLGBTの人々をおかしな人と考えています。LGBTの人々が美しいものを創造する能力があることを人々に示したいのです」とSuper氏は言う。

最初のアプサラドレスの創作以来、La Chhoukはカンボジアの文化と神話に触発された数多くのドレスをデザインした。

最近の「自然を守ろう」という最近のプロジェクトではインドシナトラ、川イルカ、様々な鳥などカンボジアで絶滅の危機に瀕している動物に注意を集めようと努めた。Super氏は、プラスチック廃棄物を使用してこれらの動物を表現するドレスをデザインした。

このプロジェクトは現在も進行中であり、La Chhoukは最近、WWFとタイガービールと展示会を共同開催した。



(後編につづく)



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最終更新:2018年09月15日06:00

カンボジア:暗礁に乗り上げた賃金交渉

アパレル・履物産業労働者の新最低賃金を交渉する第1回三者協議が決裂に終わった。

 

労働組合と雇用者、労働職業訓練省代表らがアパレル産業における数千人の労働者のための新しい賃金制度を打ち出そうとしたが、その金額が合意に至らなかった。

カンボジアのアパレル労働者民主組合連盟のAth Thorn代表率いる連合は、2019年の最低賃金として211.94米ドルを要求したが、政府系連合がこれを却下した。

現在の最低賃金は各労働者が月170米ドルに設定されている。

カンボジア王国では約70万人がアパレル産業に従事し、そのほとんどは女性である。

Thorn代表は、最初の協議は良い結果を全く生み出せず、関係者はこの件を審議するための時間を要求したと述べた。

また、労働省は今年の最低賃金170米ドルから4%または7米ドルの引き上げを提案したが、政府系連合がこの提案を拒否したとThorn代表は話す。

「私達は協議会で(最低賃金として)211.94米ドルを要求しましたが、政府を支援している連合はこれを受け入れませんでした。彼らにはもっと議論する時間が必要だ、という人もいます。しかし、彼らが低い数字を要求してくるため、私達は徹底的に議論することができませんでした。一方で企業側は、政府に複数の改革実施を要求しています。企業側はまだ彼らの立場をまだ表明していないのです」とThorn代表は述べた。

カンボジア縫製業協会のKiang Monika事務次長は、第1回協議で合意に達するのは難しいだろうと述べた。

代表者たちは協議で、労働条件や現在の経済・政治情勢だけでなくインフレや生計費といった諸々の指標を主要要素として考慮した。

「適切な数字で合意するために、全ての代表者が914日に再び協議を行い、その結果を政府へ提出します」とMonika事務次長は述べた。

Thorn代表は、彼の組合が労働者の家族の状態、生計費、インフレ、労働生産性、国の競争力、労働市場状況、そして産業の収益という7つの要素を基に最低賃金を決定したと述べた。

同時に、連合は4つの異なる調査結果を用い、192.67米ドル、211.94米ドル、221.013米ドル、286米ドルという4つの異なる賃金額を打ち出した。

最終的に、連合は211.94米ドルが来年の数字に適していると合意した。

たとえ連合が2%の引き上げを要求しても雇用者側は彼らの事業から利益を得る力があるとThorn代表は述べた。

今年、アパレル産業労働者の最低賃金は月170米ドルに引き上げられ、各種手当を含めると手取りで月約187米ドルになる。

労働省広報官のHeng Sour氏率いる政府の交渉チームは、全ての代表者が受け入れられる数字を見つけ出すために調停に関与している。

そして、その数字は労働諮問委員会に提出され、検討される。

労働省は、法案が成立する前に組合と雇用者、政府に最低賃金に関する意見を言う機会を与えるため、2014年に三者協議を導入したとHeng Sour氏は述べた。

交渉は労働省事務所で行われた。

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最終更新:2018年09月13日05:54

カンボジア:最低賃金は合理的にと首相

カンボジアのフンセン首相は最近、最低賃金の不合理な上昇が企業を倒産させ、国外に追い込む可能性があると労働者に警告した。プノンペンで首相はアパレル縫製労働者に対し、雇用者からの期待に合理的であるようにと促した。繊維産業の労働者の最低月給は、2018年に170ドルに設定されている。

今月初め、2019年の最低賃金について、労働省と関係者が協議を開始した。

カンボジアの報道によると、最低賃金はバングラデシュで67米ドル、スリランカで140米ドル、インドで143米ドル、ミャンマーで108米ドル、ベトナムで175米ドル、ラオスで133米ドルであると指摘した。

同氏は、労働省、労働組合、および雇用者に協力して、2019年の合理的な最低賃金協定を提出するよう求めた。

政府は労働者らの給与を支払わずに逃亡した工場所有者に代わって、問題解決のために2200万米ドルを補償したと彼は述べた。

カンボジアのアパレル労働者連合民主連合は最低賃金の会合で提案するために独自の調査を計画している。



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最終更新:2018年09月05日10:41

カンボジア:Grand Twins、生産拡大への努力むなしく巨大な損失

カンボジアの証券取引所に上場し、台湾に本拠を置くGrand Twins International (Cambodia) GTI)は、今年第2四半期に80ドル以上の損失を計上したと発表した。

同社は、損失の原因を労働コストの上昇、ヨーロッパ向けからアジア向け夏服への輸出シフト、管理費の増加などによると述べた。

2四半期の損失は887143米ドルで、対昨年同期利益117万米ドルと比べ、約200%の減少となった。

今年の第1四半期には、ほぼ100万米ドルの利益を上げた。

Grand Twinsの第2四半期の総収入は、前年同期の2500万米ドルに対し、2370万米ドル。

同社のYang Shaw会長は、製品ラインを拡大する努力にもかかわらず、同社は依然として大きな損失を被ったと語った。

Grand Twinsは、当社のコーポレートガバナンスをより強固にし、顧客、特に主要顧客であるアディダスとの良好な関係を維持していくために、一層努力する」と述べた。



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最終更新:2018年08月30日12:02

中国への関税上昇により、「メイド・イン・カンボジア」が新しいファッションラベルになる(後)

(前編より)

 

投資奨励策

「カンボジアでは免税期間のような割の良い投資優遇措置を提供しています」と、東南アジアを中心とした投資顧問会社であるEmerging Markets Consulting社のカンボジア担当マット・ファン・ロスマレン(Matt van Roosmalen)氏は述べた。

「関税引き下げが続く限り、企業はカンボジアでの生産能力への投資に対し、更に奨励するでしょう」と述べた。

生産拠点の変化の動きは中国に影響を与えた。

香港を拠点とする、Prada SpAおよびGuess?Inc.社のようなブランドシューズを開発・製造しているStella International Holdings Ltd.社は 2009年以降、中国と米国が貿易レトリックを引き上げるにつれ、株価は最低にまで下がった。

米国からの需要増に部分的に起因しているカンボジア国立銀行の年次報告によると、カンボジアでの靴の輸出は2017年に25%増加し、アパレル輸出もまた同期間に8%増加した。

一方、ベトナムは、外国投資家主導の経済ブームを享受しており、サムスン電子やインテル社などから数十億ドルの投資を受けている。ベトナムは主に米やコーヒーなどの農産物輸出国から、 東南アジアの製造拠点に変貌を遂げている。

ハノイにあるアメリカ商工会議所長のAdam Sitkoff氏は、「ベトナムは比較的低いインフレ、安定した通貨、政治的安定性を享受しています。それらは外国投資の誘致に非常に有益です。」と述べた。

「ベトナムは9500万人の人口を抱え、自転車からバイクからBMWへの道のりでかなり速く需要が動いている国です。チャンスがあるのは明確です」と続けた。

中国と米国の貿易緊張が高まる前から、カンボジアは低所得国の発展を促進するための米国のプログラムの一環として、ハンドバッグ、スーツケース、財布などの製品に対する免税特権を享受していた。

この指定はこれまでトランプ政権によって維持されてきた。

関税の脅威に加えて、中国では労働賃金が着実に上昇しているが、カンボジアは労働賃金に関しては最低コストの国の一つである。

Oxford Economics社が提供する見積もりによると、カンボジアの労働コストは中国の4分の1である。

 

「容易ではない」

しかし、米国アパレル&フットウェア協会のラマー氏は、「残念ながら現実には中国からの移管は容易ではありません。」と警告を呼び掛けている。

一つの理由は、安価な労働が必ずしも同様に効果的な生産と限らないからである。

カンボジアの生産性は中国に比べて低く、より精巧な製品を製造することが難しい。

領域内の貿易および投資を促進する香港開発評議会の調査によると、工場管理者はカンボジアの労働者の平均労働生産性は中国人労働者の約5060%であると示唆した、という。

もう一つの理由は、カンボジアのインフラが中国より劣っていることである。世界経済フォーラムのグローバル競争力報告書によると、同国のインフラはベトナムとラオスなどの近隣諸国より劣る137ヵ国中106位であり、製品の国外運送を困難にする可能性がある、とラマー氏は語った。

 

「欠陥のある」選挙

そして政治である。

米政府は最近、国民議会が国会で全125議席を獲得した7月のカンボジア選挙を「欠陥がある」と述べた。

その結果、米国と欧州は貿易政策を見直し、「カンボジアのアパレル産業に対する関税優遇措置を停止する可能性があります」とOxford Economics社のシニアエコノミスト、トミー・ウー(Tommy Wu)氏は語った。このような動きは、アパレル製品の輸出総額の64%を占める全国的な打撃となるだろう。

ロサンゼルスのOccidental Collegeの外交・世界問題担当副学部教授であるSophal Ear(ソファル・イヤー)氏は、「政治的な混乱が落ち着くまで、カンボジアでより多くの生産活動を配置することは慎重に行う必要があります」と述べた。

 

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最終更新:2018年08月25日13:16

中国への関税上昇により、「メイド・イン・カンボジア」が新しいファッションラベルになる(前)

あなたが購入する次のデザイナーズバッグは「Made in China(中国製品)」である可能性は低いだろう。中国製品の代替として、サプライチェーンの多様化を求めているファッション企業は既に東南アジアの生産拠点に進出している。そしてその後、貿易戦争が起こった。

現在、中国製のハンドバッグなどの製品の関税が上昇すると、Steven Madden Ltd.社やTapestry Inc.Coachのような消費者製品メーカーにとってカンボジアやベトナムはこれまで以上に魅力的になっている。また、トランプ政権は今年、多くの主要貿易相手国からの商品に関税を課しているが、一部のカンボジア製品は米国市場への免税を継続することが認められている。

米国アパレル&フットウェア協会(American ApparelFootwear Association)の執行副社長、スティーブ・ラマー氏(Steve Lamar)は「この変化は現在進行中なのです」と述べた。

関税に関する会談では「多くの不安」を生み出し、企業はいかに速く供給に対してより多くの変化が出来るかを予測しているという。

7月に米国ファッション産業協会が発表した調査によると、調査に参加しているすべての企業は中国から製品を調達していたが、内67%は今後2年間で中国内での生産量または生産量を減少させると見込んでいる。

米国の貿易保護主義は、業界にとって第一の課題とされていた。

 

生産拠点の移管

Steven Madden社のエドワード・ローゼンフェルド(Edward Rosenfeld)最高経営責任者(CEO)は、同社の最新の収益計算より、ハンドバッグの生産を中国からカンボジアに移していると語った。 靴やアクセサリーのメーカーは今年、同社のハンドバッグの内の15%をカンボジアからの仕入れる方向であり、この割合は2019年に倍増する見込みである。

ローゼンフェルド氏は731日の電話会議で、「それは大部分の我々の同業者よりも大体約3年程有利なスタートを得ていることになる。何故なら、彼らは今になってやっと、それに対して動き出したからです」と述べた。

「私たちのハンドバッグの供給源のトップは、実際にもう既にカンボジアにあります。そして、現在更に増やしていく計画です」

CoachおよびKate Spadeのハンドバッグの背後にあるラグジュアリー企業のTapestry社も同様の戦略を採用し、ベトナムでの生産量を増やし、中国からの調達額の5%未満を残した。

一方、Vera Bradleyは昨年12月に、中国からカンボジアとベトナムに製造オペレーションの移管を検討している、と述べた。

 

(後編につづく)



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最終更新:2018年08月25日12:08

カンボジア:縫製工場労働者ら、賃金を巡り会社に抗議

Cheng Yuan (Cambodia) Printer Garment工場の40人以上の労働者が816日、合法的な賃金と労働条件の向上について雇用主と合意した。

同工場の労働者は、工場経営者に労働法と労働者の権利を尊重するよう求め、816日、問題が解決した。

Por Sen Chey区のKhim Sunsoda副知事によると、Prey Pring Tbong 2村、Chom Chao 3村にある工場の経営者は労働者に約束どおり賃金を支払うのを拒み、職場で労働者に圧力をかけた。

同工場労働者は、821日に賃金を支払うとした工場経営者との交渉に最終的に合意したとKhim Sunsoda氏は話した。

「この抗議以前、同工場の労働者は問題を抱えていませんでした。しかし、最近、労働者は自ら退職を求めるようになり、経営者は毎月10日に賃金を支払うことに同意しました。しかし、経営者は特定の日に賃金の支払いを拒否し、労働者は抗議を行いました」とKhim Sunsoda氏は述べた。

ある女性労働者は、工場から40人以上の労働者が辞めたにもかかわらず、経営者は約束を守らなかったと話した。

「労働者が急用で休みを申請したり、病気で医療文書を提出しなかったとしても、賃金は差し引かれなかったが、今月から、経営者は認定休暇からも賃金を差し引きました。経営者は労働者が1日でも仕事に来なければ、1週間分の給与を差し引きました。労働者が病気になり3日間休みを申請した場合、21日分の給与を差し引きました。これは1カ月分の給与に相当します。これが抗議をした理由であり、工場の経営者に労働者の権利を尊重するよう求めました」とその女性労働者は述べた。

Collective Union of Movement of Workers代表のPave Sina氏は、同工場経営者は、労働者が休暇を申請する際、労働者の給与と毎月の報奨金を差し引くという非合法な対応をしていたと話した。

「これはまれな事例ですが、小規模の工場では工場経営者が労働規則に従わず好きなように振る舞うことがあるので起こりえます。このようなことは労働者の生活に影響を与えますので、当局はより注意を払うべきです」とPave Sina氏は付け加えた。



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最終更新:2018年08月23日12:01

カンボジア:新最低賃金交渉、来月開始予定

カンボジア政府は9月からアパレル産業労働者の最低賃金交渉の新しいラウンドを開催すると発表した。政府は、2014年初頭にアパレル産業労働者のストライキの激化が治安部隊による少なくとも5人の死亡を招いたため、工場オーナー、業界有識者、組合の間で年間最低賃金交渉を開催している。

政府の発表によると「カンボジアでの最低賃金に関して、関連するすべての関係者は社会的評価(家庭状況、インフレ、および日々の経費)および経済的評価(生産性、国の競争力、雇用状況および産業の所得水準)を使用し、また貧困ラインを基盤にしなければならない」ということになっている。

カンボジア労働組合連盟のYang Sophoan会長は、「2013年と2014年のストライキ以来、複数回の賃金上昇があったにもかかわらず、アパレル産業の力に比べて労働組合の存在は依然として弱いままです」と述べた。

「交渉に労働者の声と数字を提出し労働者を守ろうと努力してきた組合は少ないです」と彼女は述べ、労働者の権利を擁護している組合は日常的に政府によって疎外されていた、と言う。

「私たちの声がまとまっていなければ無視されます。では、雇用主の議論に基づいて決定した場合、どうしたら選挙に勝つことができるでしょうか。政府は通常、労働者を支援する声に賛成しません」と彼女は語った。

カンボジア労働組合総裁のAth Thorn氏は、新しい労働組合法と裁判所による独立組合指導者の標的設定が労働者代表に圧力をかけていたと指摘した上で合意した。

「裁判所は私の案件を含め、多くの訴訟を抱えています。私は裁判所に78件の刑事訴訟を起こしており、それが私たちの負担です」と彼は述べた。

主要野党が不在の中、先月の大統領選挙でカンボジア人民党が圧倒的に勝利したことも、交渉中に組合へ圧力を掛けていた可能性がある、と彼は語った。

昨年、Hun Sen首相は選挙に先立ち、70万人以上のアパレル産業労働者の支持を得るため、最低賃金を月170米ドルに引き上げ、交通費や医療ケアなどの追加給付を行った。

彼はまた、医療処置が容易に受けられるように、アパレル工場近隣に保健所の設立を命じた。

Sophoan氏とThorn氏は、近年の急激なインフレに対処するには、労働者の収入を大幅に増加する必要があると述べている。

それに対し、労働省広報担当者のHeng Sour氏はノーコメントであった。

カンボジアの主要アパレル産業団体であるカンボジア縫製業者協会(GMAC)のKen Loo事務総長は、工場オーナーが容認できる数字へのコメントを拒否した。

「我々は日々の競争に直面しています。労働組合には、要求する前に[雇用主の]能力を考慮して欲しいのです。競争のための猶予をあたえてもらわないと。賃金上昇が高すぎると、私たちは注文をもらえません」と述べた。



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最終更新:2018年08月22日06:01

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