インドシナニュース

カンボジア:米国への靴の輸出にも免税措置を求める

カンボジア衣料製造業者協会(GMAC)は、米国が一般特恵関税制度(GSP)を拡大して靴の輸出も含める可能性について話し合うためにメンバー靴製造業者との会合を昨日開催した。

GMACは、年末に予定されている米国の制度更新に先立って、履物のGSP免税措置取得に向けて働きかけることを提案した。 昨年、米国は一般特恵関税制度を改訂し、カンボジアの旅行用品には免税措置が適用された。

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最終更新:2017年07月22日12:39

カンボジア:初の縫製訓練所がオープン

アパレルデザイン、開発、経営、商品化計画、そして生産管理工学を目的とした、カンボジアで初の縫製訓練所が7月11日、授業を開始した。

国内14工場の160名以上の労働者が、カンボジア縫製製造産業協会によって編成されたプノンペン特別経済ゾーン内部に設置されているカンボジア衣料訓練所でコースを開始する。

当訓練所はカンボジアの最も主要な産業に存在する「技能の不足」に対する解決策の一環とされており、労働者の訓練と中間管理欠員の補填補助を目指している。

「こうしたコースは産業内で最も欠けている仕事をベースとしています。」訓練所所長のAndrew Tey氏は述べた。

同訓練所では3つの異なる学位プログラムを提供しており、期間は全て約3ヶ月間で、各3〜5日間に渡る27のショートコースの選択肢から構成されている。

Tey氏によると、ショートコースだけの利用が最も多くの関心を呼んでいるという。

「工場には従業員を長期間派遣する余裕がないため、学位コースを授与するために従業員を派遣している工場は今の所ありません。」最初のコースに参加しているほとんどの人たちの学費が、工場によって支払われているとTey氏は説明した。

生産技術に関するコースに加えて、同訓練所では、高校や大学の生徒、及び管理職研修生としての工場の職業実習を含む現衣料労働者向けに「訓練と仕事」プログラムも提供している。

同訓練所によると、プログラムには800米ドルの頭金が必要だが、学生は訓練生としての仕事中に250米ドルの最低給与を受給し、約1年後に卒業したのちには似たような勤口で月間最大450米ドルを稼ぐことを望むことができるという。

3月に発行されたアジア財団の報告書によると、縫製産業は現在、70万人以上の労働者を抱えるカンボジアで最大の正式民間セクターの雇用口である。国際労働機関によると、同セクターはカンボジアの合計輸出額のおよそ80%を占めているという。

しかしながら、適切なスキルを持った労働者を見つけることはまだまだ難しいとアジア財団の報告書は述べている。

地域企業Emerging Markets Consultingのシニア・コンサルタントであるChou Ngeth氏によると、生産ラインの労働者たちの生産性が懸念であり、同産業でより付加価値の高い製品を生産し競争力を保つためには、こうした労働者たちのスキルを向上させ、最新機械を使用しなければならないという。

賃金の上昇とミャンマーやベトナムなどの近隣諸国との激化する競争が、同セクターに対する投資家たちの誘引力を脅かしている。

衣料産業における経営機会が、雇用口を見つけるのに苦労している大学卒業生にとって魅力的な選択肢になりうるだろうとNgeth氏は加えた。

「彼らにとって、これがまず初めに専門的な仕事を行うチャンスなのです。」そして長期的には管理者レベルで働くことになると彼は述べた。

同訓練所によると、センターはフランス開発局(AFD)から出資されており、シンガポールに拠点を持つファッション協会TaF.tcインターナショナルが技術的な援助を行なっている。

GMACが訓練所に資金を提供するためのAFDのローンの使い方は、繊維労働者の生産能力を拡大するための試みというよりは「収益事業」のように見えるとカンボジア労働総連合のAth Thorn代表は疑問を投げかけた。

「労働者たちがこうしたスキルを学ぶためには、訓練所は良いアイディアだと思います。しかしながら、雇用者たちには元々労働者たちを訓練する責任があり、訓練所にはありません。この訓練所は、私たちが思っていたよりもずっとビジネス的なアイディアのようです。」と同氏は述べた。

「彼らは訓練を受けたい労働者たちを受け入れるべきだし、料金も引き下げるべきです。」と同氏は述べ、プロジェクトはAFDの資金がどのように割り当てられているかを監視する委員会を海外に設置すべきだと加えた。

「もし工場が訓練を受けるために管理職員だけを送り込めば、仕事を得るために訓練を受けたい人たちは何もできません。」

訓練所所長のTey氏によると、提供されている全てのコースはTaF.tcから直接来たものであり、最初の年は国際的なトレーナーによって教えられる予定だという。2年目までには少なくとも50%のコースでカンボジア人のトレーナーが指導し、3年目には100%にしたいという。

訓練所には教室が8つあり、一度に200名の学生に対応できるという。

 

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最終更新:2017年07月18日15:35

カンボジア:Nike、Asics、Puma関連の工場で働く女性労働者が集団卒倒に苦しむ(後)

(前編より)

 

カンボジア労働省の国家社会保障基金のCheav Bunrithディレクターは、栄養摂取と気分が悪い際の手当てに関する教育プログラムのおかげで、卒倒事故の数は2015年の1800人から去年には1160人にまで減少したと述べた。しかし彼は、工場環境の改善の必要性についても認めた。「冷却システムは工場の規模に応じて設定する必要があり、加えて安全な電気供給システムも整えなければなりません。」

集団卒倒について研究している医療社会学者のRobert Bartholomew氏は、劣悪な環境下で長時間勤務が行われた19世紀の英国において頻発した類似の事故と、カンボジアの事故を比較検証している。それは「潜在的な政治的抵抗」の一形態である、と彼は指摘した。「こうした事故が頻発する原因は肉体的ではなく心理的なものであり、集団における心因性疾患の一種なのです。」とBartholomew氏は述べた。

「労働者に栄養価の高い食品を提供することは有効で良いことですが、長時間労働、ストレス大きい労働環境、低賃金の問題についても徹底的に改革することが必要です。」と彼は述べた。

Observer and DanwatchがPuma、VF Corporation、Nike、Asicsに確認したところによると、これらの企業では昨年の11月から今年3月にかけて発生した一連の事故について調査を行ったという。Nike社は火災予防の措置をとり、火災訓練の回数も増加させたとした。また内部監査によりNike社の定める上限値を超える最高30℃の室温が検出されたため、冷却システムと空調設備も新たに導入された。「社会への影響と工場における是正措置の必要性を示す兆候と受け止め、我々は真剣に失神の問題に取り組みます。」とし、Nike社ではまた、短期雇用契約制を採用しないこととした。

Puma社は、栄養補助食品の提供や健康診断の実施、換気システムのメンテナンス、労働者管理委員会の設置などの勧告を行ったことを明らかにした。またPuma社では現在、2年以上勤務する労働者について、短期雇用契約から切り替えようと計画している。こうした取り組みは、国連の労働機関と国際金融公社とのパートナーシップからなるBetter Factories Cambodia(BFC)と共同の取り組みである。「集団卒倒の原因は複数あり、それらは複雑に絡まりあっています。」とした。「ブランド各社、工場、労働者、政府との間で協力的な取り組みが行われてこそ、状況は改善されることになるでしょう。」

Asics社もまた、BFCとも協力し取り組んでいる。「労働者の失神は、さまざまな要因によって引き起こされる複雑な問題です。」とし、「工場ではAsics社とBFCと共に、労働者の意識改革と安全衛生トレーニングに注力するだけでなく、換気システムの改善を含む様々な問題に対処して参ります。」と続けた。

VF社は世界的に1000ものサプライヤー工場と共に取り組んでいるとした。「当社のチームは温度管理や休憩時間など、契約サプライヤー工場における労働条件がその地域の法律や規制に沿っていることを確実なものとするよう懸命に努力しています。」とした。

 

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最終更新:2017年07月01日12:01

カンボジア:Nike、Asics、Puma関連の工場で働く女性労働者が集団卒倒に苦しむ(前)

スポーツウェアブランド各社は、短期雇用従業員が30℃以上の室温の中10時間勤務する工場において事故が相次いだと総括

 

世界で最も有名なスポーツウェアブランド複数社に対して供給を行うカンボジアの工場で働く女性たちは、労働環境に起因して繰り返して発生する集団卒倒に苦しんでいる。

昨年1年間で、Nike、Puma、Asics、VF Corporationに製品を供給する4つ工場で働く500人以上の労働者が病院に搬送された。昨年11月に3日間にわたって発生した最も深刻な事故では、360人もの労働者が卒倒した。ブランド側もこの事故を認めたが、これは60万人強の、そのほとんどが女性の縫製労働者を何年にもわたって悩ませてきた一連の失神騒動の一つであった。

デンマークの調査メディアグループであるObserver and Danwatchは、2015年に57億米ドル規模にも達したアパレル業界で働く労働者、労働組合、医師、慈善団体、政府関係者に対してインタビューを行った。

失神を経験したある女性は1日10時間、週6日働いており、疲れと空腹を感じていたという。室温が37℃にも達する3つの工場では、過度に暑い室温にも問題があった。隣国ベトナムでは工場の温度は32℃を超えてはならないと規定しているが、カンボジアにはそういった制限はなく、労働者の就業が困難となるほど室温が「非常に高い」レベルに達した場合は、雇用主はファンや空調設備を設置することが求められる。

また労働組合によると、3つの工場で働く労働者にとって短期雇用契約もストレスと疲労の主な原因であるという。

カンボジアの月額最低賃金は120英ポンドで、一日2時間の労働時間外労働を含むと工場によっては150~190英ポンドになる。賃金水準は様々であるが、労働者の権利同盟であるAsia Floor Wageによると、問題となった4つの工場ではいずれも、カンボジアにおいて月300英ポンドとされる「生活賃金」を支払っていないという。

米国の大学で構成され、縫製工場を監督するWorker Rights Consortiumで東南アジア地域を統括するBent Gehrt氏は次のように指摘した。「適切な労働環境や生活賃金に対するきちんとした投資は行われていません。労働者が失神するような事故は、もっと劇的に何かを改善する必要があるという明確な示唆なのです。」

短期雇用契約は雇用不安の「根本的な原因」となっており、それが故に労働者は残業を拒否できないのだ、と彼は続けた。「労働者は残業をしなければ、契約を更新されないと考えるでしょう。」

カンボジア縫製業協会(GMAC)によると、集団卒倒は工場の生産を停止させて生産性の低下を引き起こし、数十万英ポンドものコスト要因となるという。360人の労働者が3日間に亘って倒れた際は、コンポンスプー州のAsicsの靴を供給する工場では一時的な閉鎖に追い込まれた。

Collective Union of Movement of Workersの代表であるNorn Sophea氏によると、一人の女性が、気温が37℃にも達する工場で発作を起こした際、「集団パニック」が発生したという。「特定の部門にはその場所を冷やすための小さなファンがありますが、その他の場所では、ファンは工場のほこりを取り除くだけの機能しかなく、そういった場所は非常に暑くなるのです。」とSophea氏は指摘した。

Nikeに製品を供給している工場において火事から逃れるために殺到し、28人が倒れたという事故では、労働者たちは命の危険さえ感じた。Pumaに商品を供給している工場において分厚い煙が蔓延した際も、また別のパニックが発生した。

プノンペン郊外のPuma向けにスポーツウェアを製造する工場では、3月に煙が工場の床を覆い、150人の労働者が倒れた。28歳のある女性は、2時間も意識不明となった。

「私は爆発音を聞きました。ほどなく煙が工場に充満しました。皆怖がり、パニックになったのです。私は逃げるために出口に走りましたが施錠されていたため、マネージャー専用のドアの方に走ったのです。」と彼女は言った。「多くの労働者が後ろに殺到していました。何人かの労働者は逃げることができず、失神し始めたと聞きました。」

カンボジアのアパレル労働者連盟のKim So Thet会長は、工場に冷却システムの設置を求めた。「乾季には室温はとても高くなります。」とSo Thet会長は述べた。「毒物のような臭いがする発電機の火と熱が組み合わさって、労働者は病気になってしまいます。」

Puma社は爆発に関する報告は上がってきていないが、発電機の不具合によって煙が発生し、作業員は避難口から逃げようとしたようだ、とした。

長時間労働、ストレスの多い労働環境、そして低賃金という点で、抜本的な改革が必要となっている。

不十分な換気と工場内外の化学物質が劣悪な労働環境を引き起こしている上、地方工場の労働者はトラックで最大2時間立ちつくしなど、通勤に疲れきっている。

 

(後編に続く)

 

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最終更新:2017年07月01日06:01

カンボジア:最低賃金交渉は7月に開始予定

カンボジア繊維産業の今年の最低賃金交渉は7月に始まる見込みであると、Ith Sam Heng労働大臣が19日に発表した。Sam Heng大臣は交渉過程を「政治化」しないよう呼びかけているが、労働組合側は来年の国政選挙が有利に働くかもしれないと、慎重ながらも楽観的な見通しをしている。

組合・企業・労働省がそれぞれの希望賃金額を提示することから交渉は始まると、2日間に渡る賃金政策研修イベントの開会式にてSam Heng氏は説明した。翌月となる8月には、9月の三者間交渉に先駆けた、組合・企業との二者間面談を労働省が設定する予定である。最終的な国定最低賃金は10月に確定し、2018年に施行される。

来年の国政選挙を見通し、「不必要な混乱」を生む可能性があるとして、賃金を「論点」としないよう、Sam Heng氏は政治家たちに呼びかけてもいる。

2013年、国政選挙をきっかけに起こった最低賃金抗議は大規模な反対運動へと発展し、2014年1月にVeng Sreng通りでストライキに参加中の労働者達に当局が発砲し、5名が死亡することで幕を閉じた。実質的な関連性はないものの、反対運動家達の自由公園の占拠は翌日、暴力的に解散させられた。

Sam Heng氏の警告にも関わらず、カンボジアアパレル労働者民主連盟のAth Thorn代表は、各政党の点数稼ぎをしたいという気持ちが労働者にとって良い方向に働くよう望んでいると語った。

「繊維工場労働者達の支持を惹きつけるような政策をそれぞれの政党が打ち立てるため、

(労働者達が)より高い賃金を得るチャンスは高くなるでしょう。」とThorn氏は述べたが、自身が求める具体的な賃金額に関しては明らかにしなかった。

カンボジア組合連合の会長Chuon Mom Thol氏も慎重ながら楽観的な見通しをしているが、昨年ほどの賃金上昇は見込んでいないという。昨年、最低賃金額は月間140米ドルから153米ドルと、カンボジアの繊維産業では10%近くも上昇した。

「Samdech(Hun Sen首相)が(選挙)期間中に労働者達の興味を引き付けるのは定石です。」とThol氏は説明した。

一方、労働者権利団体Solidarity CenterのKhun Taro氏は、与党であるカンボジア人民党の年間賃金の引き上げが、政治的な結果を持つように明らかに意図されていることを考慮すると、賃金交渉から政治的な要素をなくそうという労働省の呼びかけは馬鹿らしいと述べた。

労働者の権利グループCentralのMoeun Tola氏はTaro氏の意見に賛同し、2012年、野党の救国党が民間セクターの最低賃金を150米ドルに、公務員の最低賃金を250米ドルにするよう呼びかけ人気を博すと、政府は両賃金とも上向きに調整していたことを指摘した。

「政治的な圧力がなければ賃金の引き上げは起こりません。」とTola氏は述べた。賃金関連の独立調査禁止や最低賃金に対する反対運動の禁止を含めた、労働省が提示する最低賃金法案に関しては、言論の自由を踏みにじり、各組合内での意見の交換を断つ可能性があると、Taro氏・Tola氏共に懸念を表明している。

GapやLevi-Straussなど、アメリカの大手アパレルブランド数社を代表するアメリカアパレル・履物協会のRick Helfenbein会長も、6月7日に法案の再考を呼びかけている。Taro氏やTola氏と同様、もし法案が成立すれば「すでに難しいとされている交渉にさらに大きな課題を投げかける」可能性があると、懸念を示している。

労働省のHeng Sour報道官は、法案は本年末まで国会に採択されない見込みであることを説明の上、こうした懸念の声を退けている。

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最終更新:2017年06月22日06:00

カンボジア:米国アパレルバイヤーが審議中の労働関連法に懸念を表明

カンボジアで審議中の最低賃金及び労使問題仲裁に関する2件の法案をめぐり、米国のアパレル・履物のバイヤーに懸念が広がっている。

アメリカアパレル・履物協会(AAFA)は先週、カンボジアのフン・セン首相に対し、現在カンボジア政府が審議中の法案内容に対する懸念を表明する書簡を送付した。

現在検討中の最低賃金法案について、同協会は「最低賃金についての調査や討議を労働審議会のみに限定しようとしている」との懸念を表明している。

「関係者が労働審議会の枠外で最低賃金についての調査を実施したり、団体内外での討議を実施したりすることを妨げることで、最低賃金法はすでに困難な調整をさらに困難にし、この重要な決定に用いられる情報を限定することにもなりかねない。政府は労働審議会の関与の有無に関わらず、全ての関係者による調査の実施と意見の共有を認めることを望む」

現在、カンボジアでは縫製・製靴労働者のみが月額153米ドルの最低賃金を保証されている。しかし、昨年末に政府は全ての労働者を対象とした最低賃金の制定の計画を明らかにした。

さらに政府は現在、労使争議仲裁法の制定も検定している。

「労使争議という困難な問題に取り組むことは重要だが、独立した実効性ある仲裁委員会(AC)の発展に協力してきた企業側を代表し、この法律が仲裁委員会の仕事を妨げることになりかねないとの懸念を表明したい」とアメリカアパレル・履物協会のRick Helfenbein会長は書簡で表明した。

「この法案は現在すでに効率的に運用されているプロセスにさらなるステップを追加することとなる。仲裁委員会に必要な補強をせずに個別の仲裁まで持ち込まれるようになれば、仲裁委員会の処理能力を超えることになりかねない。

加えて、仲裁委員会を多数派を占める労働組合のみに限定すると、問題解決の手段を持たない労働者が多数発生する。これは仲裁委員会に持ち込まれる件数の大幅な減少からすでに明らかである。

仲裁委員会に影響を及ぼすような変更に注意を促したい。それにより、企業、労働者を含む全ての関係者が信頼できるような方法での仲裁委員会による問題解決と労働法の適用をさらに困難にしかねない」

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最終更新:2017年06月20日12:36

カンボジア:縫製・製靴産業、輸出増・雇用減

国際労働機関(ILO)のカンボジア報告書第6版によると、カンボジアの縫製・製靴産業からの輸出は2016年も増加を続け、輸出額は前年比7.2%増の73億米ドルに達したが、公式に登録された輸出工場の数は前年比10.7%減少し、労働者数も2.9%減少した。

最新版のILOカンボジア縫製・製靴産業報告書では、好調な輸出と雇用・企業創出の弱さの原因として主に3つの要因を挙げている。縫製・製靴産業の生産性の向上、雇用・企業数計測における統計上の問題、下請け工場による生産の増加である。

ILOタイ・カンボジア・ラオス事務所のMaurizio Bussi所長は、「もし労働法や最低賃金といった規制をくぐり抜けるために下請けが行なわれているのであれば、下請け工場による生産と雇用の増加は懸念すべき事態だ」と話す。

登録された輸出工場と異なり、下請け工場はBetter Factories Cambodiaによるモニタリングを受けず、政府の実施機関の監理も行き届かない可能性がある。

「カンボジア政府関係機関や関係者は状況を注意深くモニタリングしていくべきだ」とBussi所長は話す。

ILO報告書によると、縫製・製靴産業は依然としてカンボジアの最も重要な輸出産業であり、2016年の物品輸出の78%を占める。カンボジアからの衣料品、履物類の最大市場はEUで、その後に米国が続く。

EU、米国への衣類・履物輸出を合わせると2016年は輸出額の65%に達した。この2市場が占める割合は、日本、カナダ等の外部市場のシェア上昇により、2015年の72%からは低下している。

カンボジアの縫製・製靴産業労働者の残業代を含む平均月額給与は2014年には145米ドルであったが、2015年は175米ドル、2016年には195米ドルと上昇を続けている。インフレ率を考慮すると、2016年の実質的な月額給与所得は前年比で8%の増加であった。

この報告書は「グローバルサプライチェーンにおける労働基準」プログラムの一環として出版された。このプログラムはドイツ政府を代表し連邦経済協力開発省(BMZ)の資金援助により実施されている。

 

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最終更新:2017年06月07日06:01

カンボジア:中国人縫製工場オーナーが小切手不渡りで逮捕

プノンペンのTuol Kork地区で5月27日、5ヶ月間にわたって逃亡していた中国人の縫製工場オーナーが逮捕された。

内務省の刑事警察のSok Vuthy担当官によると、Zhou We氏は1月に小切手の不渡りで有罪

宣告されていたものの、27日に逮捕されるまで逃亡を続けていた。

「彼女は不在のままプノンペン市法廷で2017年1月に懲役1年の判決を受けていたが、それからずっと逃亡を続けていた。彼女は逮捕令状に従い拘留された」とVuthy氏は述べた。

警察の報告によると、Zhou氏は昨年7月に縫製工場拡張のためのローンの支払いとしてある男性宛てに6万ドルの小切手を発行した。

しかし、男性が銀行で小切手を換金しようとしたところ、彼女の口座には残高が全くない状況であった。

男性がZhou氏に連絡し返済を求めたところ、彼女は姿を消した。その後、昨年末に男性は警察に被害届を提出した。

プノンペン市の法廷は1月25日、Zhou氏を1年の懲役とし、男性への6万ドルの返済を求める判決を下していた。

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最終更新:2017年06月02日12:03

カンボジア:職業訓練センター創設で縫製労働者のスキルアップを支援

カンボジア縫製業協会(GMAC)は来月新しい職業訓練センターを立ち上げ、現状主に外国人が占めている中間管理職をカンボジア人労働者に置き換えることを目的に、スキル向上のためのコースを提供する。

カンボジアアパレル研究所(CGTI)は、フランスの開発機関であるAgence Française de Développement(AFD)から300万米ドルの融資を受けて設立され、昨年9月にプノンペン経済特区内でその建設が着手された。

GMACの運営マネージャーであるLy Tek Heng氏によると、国内アパレル部門の70万人分の職のうち約8000を外国人が占めているという。彼はカンボジアの労働者をこの新しい職業訓練センターにおいて、商品担当者、ファッションデザイナー、パターンメーカーなどファッション業界におけるハイレベルな専門家としてトレーニングすることによって、外国人の構成割合を減らすのに寄与したいと述べた。このことはまた、品質管理スキルの向上にもつながるという。

Tek Heng氏は、「現時点ではカンボジア人労働者ではその責務を担えないため、管理職として外国人を雇用しなければなりません。」とし、一方でアパレル業界の経営者は低コストの地元労働者を使い、経費削減することを望んでいると述べた。

「このトレーニング機関ではカンボジアの労働者がより高い賃金を獲得することを支援し、工場経営者には海外の人材を雇用するためのコスト削減に寄与するでしょう。」と彼は説明した。

GMACの加盟企業ではトレーニングセンターの業務運営のために300万米ドルのAFDからの融資に加え、3年間で約70万米ドルの運営費を見込んでいる。 CGTIでは受講生1人あたり4ヶ月の受講期間で140米ドルのコース料金とし、3種類のコースを提供する。

開講当初はGMACの加盟工場で働く労働者のみを受講対象とするが、最終的には一般で公募する予定としている。

Tek Heng氏は、カンボジア人が中間管理職を担えるほどのスキルを身につければ、労使関係が円滑になり、外資工場における文化的違いによる紛争を減らす助けになるだろう、と楽観的見通しを示した。

シンガポール資本でジャケット、ショーツ、パンツ、水着などを生産するAkeentex Pte Ltdの管理責任者であるLim Sovannaren氏は、同社で約1200人の従業員が働いているが、CGTIのコースに誰も参加していないと明らかにした。しかし彼女は、経営者が彼女のスキルを高めるためにコース受講をサポートしてくれることを希望した。

「現在働いている業種に特化したトレーニングコースを提供してくれるのは良いことだと思います。」と彼女は述べた。

商務省の報道官であるSoeng Sophary氏は、アパレル業界で働くカンボジア人の潜在的能力は大きいものの、長期的な経済成長を可能とする生産性とスキルの向上には職業訓練が不可欠だと述べた。

「カンボジア労働者のスキルがレベルアップすれば、より高い賃金を得られるようになります。」と彼女は述べた。「このことは同時に、カンボジアにアパレル産業の成長や投資を支えるのに十分な人材を抱えられることを示しています。」

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最終更新:2017年06月01日12:07

カンボジア:縫製業で下請け問題に直面とILOが警鐘

5月29日に発表された報告書によると、カンボジアの繊維工場では下請けの利用が増加しているが、取り締まりの対象になりにくく、乱用の恐れがあると労働権利団体が警鐘を鳴らしていると言う。

労働者数と登録輸出工場数が減少しているにもかかわらず、カンボジア繊維業界の輸出は昨年も前年比7.2%増と強い成長を見せ、73億米ドルに到達している。国際労働機関(ILO)が発表した最新の報告書では、この要因に関して調査している。

繊維労働者は数年間一定の成長を見せていたが、昨年は3%近く減少し60万5000人となった。工場数も2015年の699から626に減少している。

改善しつつはあるがいまだ不完全な部分が残る商務省の統計と、生産性の向上がこうしたトレンドの理由となるとILOは説明しているが、ILOは同時に、輸出工場が下請への依存を高めており、今後問題に発展する可能性もあると警告している。

「労働法や最低賃金など、もし規制を回避する手段として下請けが利用されているのであれば、下請け工場の雇用数と生産数の増加は懸念材料となります。」とILOの地域主任のMaurizio Bussi氏は声明の中で述べた。

「関係者やカンボジアの関連政府機関は状況を注意深く観察する必要があります。」

国連の専門機関であるILOは、商務省所有の登録輸出工場数と、労働者数8名以上の全繊維工場を輸出の有無に関わらず記録している全国社会保障基金を比較して推定下請け企業数を算出した。基金に登録されている工場のいくつかは現地市場向けのみに生産している可能性もあるが、全体数の中では「ごく少数」と考えられるとILOは注記している。

個別の数値を比較すると、基金に登録された工場数は商工省の数字よりも2014年には82、2015年には106、昨年には244多くなっている。

下請け企業は公正に操業している場合もあるが、政府の規制の対象となりにくいことから法の網を逃れるために利用されている可能性もあるとILOは説明している。ILOのBetter Factories Cambodiaプログラムでさえも下請け企業を完全に見逃していることが報告書では非難されている。

「下請け工場は一般住宅や倉庫、工業建築物で運営されている。施設には事業名が表示されておらず、場所も転々としている。時にはそれが労働者に対する責任を免れるために行われる場合もある。」と報告書には記されている。

繊維工場を監督している労働省はインタビューには応じなかった。

しかしながら、カンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、ILOの数値解釈に大いに疑問を感じていると言う。

基金の数字は繊維工場のみを厳格に表していると報告書には説明があるが、そのほかの事業も多く含まれているはずだとLoo氏は考えている。

基金の数字は前年の医療保険導入数を表しているものであり、そこから確認できる前年比増加は実際には新工場数を表したものではないかと同氏はいう。

「これはすべての工場にあてはまるものであり、実際より多くの工場が数字に出てくるはずです。」と同氏は述べた。

すでにフル稼働に達している工場では突如大口の注文を受けた場合に外部委託するところもあるが、まだ余裕がある場合には「自工場の労働者に残業代を支払う方が下請けに出すより経済的に理にかなっています。単にビジネスの常識です。」

Loo氏は結論を出す前に基金の数字を今一度詳しく見る予定であるという。

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最終更新:2017年05月31日09:30

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