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カンボジア:ごみからハイファッションを生み出す--資源の浪費に再考を促す試み(前)

カンボジアは世界銀行の「最貧国」リストに留まっているにもかかわらず、ここ数十年で堅実な経済成長を遂げている。

東南アジア諸国は、過去20年間で平均GDP成長率7.6%を維持しており、世界で6番目に高い。しかし、プラスチックの消費も驚くほど速くなっている。

慈善団体Fondazione ACRAによると、首都プノンペンでは、1人当たり年間2000枚のビニール袋を消費している。対してEUの平均枚数は約200枚である。

公害においては、カンボジアは178カ国中145位に位置している。

「プラスチックゴミはそこらじゅうにあります。ゴミは道、川、湖にもあり、大変遺憾に感じます。」とカンボジアの22歳のデザイナーSeng Super氏は語る。

Super氏はプノンペンの王立美術大学で学んだ。彼は1990年代に生まれ、時を同じくして何百万人ものカンボジア人が極貧状態から脱し始め、環境破壊の悪化をもたらした。

多くの若者と都市部のカンボジア人にとって公害は大きな懸念点である。それゆえに、2014年に大学の年次美術展の準備期に入ると、Super氏と彼のクラスメイトは、環境の浪費を再考するよう人々に提案することに挑むというプロジェクトを作ると決めた。

その結果、廃棄物や再利用可能な材料から衣服を作ることを目指す“La Chhouk”という創造的なファッションイニシアチブが実現した。

他の国と同様に、カンボジアの汚染プラスチックの大半は、ペットボトル、ストロー、食品包装などの使い捨て品に由来する。

「プラスチックを消費するとき、多くの人々は廃棄物についてあまり考えません。5分間でペットボトル1本の水を飲むことができますが、そのボトルは何百年もの間、湖を汚染します。彼らは『ゴミはゴミでしかない。一度それを捨ててしまえば、何もできない』と考えるからです」とSuper氏は言う。

Super氏と彼のクラスメイトは、カンボジア人の廃棄物に対する考え方に挑戦するだけでなく、最も分かりやすく洗練された方法で彼らの注意を引くことを望んでいた。

ごみ箱で見つけた再利用可能な材料のみを使用して、伝統的なアプサラのダンサーが着用する華やかなドレスを数枚製作した。

古代アプサラ舞踊は仏教とヒンズー教の神話に根ざしており、カンボジア文化の最も本質的な側面である。

スーリヤヴァルマン2(Suryavarman II)1113-1145)の時代まで信仰されていた伝統的な舞踊を演じる女性を示す彫刻はアンコール寺院壁にもある。

忌々しいポルポト派のクメール・ルージュ政権(1975-1999)の間、芸術形態はほとんど消滅してしまった。しかし、西洋バレエの要素を取り入れ近代化された文化舞踊は、カンボジアの伝統と文化の最重要要素として、カンボジアのロイヤル・バレエ団の後援の下、繁栄を続けている。

Super氏と彼のクラスメイトがアプサラの衣装を作り始めた時、多くの人々は彼らの誰一人さえもファッション業界でトレーニングを受けた者がいない点から、その目標はあまりにも手の届かない遠くにあり、大がかりなものであると思っていた。

それこそが、デザイナーがこの共同体をカンボジアのクメール語で「蓮」を意味する“La Chhouk”と名付けた理由である。

「蓮は泥や汚れた水の中でも生える美しい花です」とSuper氏は言う。

「私たちはゴミや私たちのドレスでやりたいことを表現するのは、美しいメタファーだと思いました」

彼らの最初のドレスは、茶色い米袋を使用して作ったボトムスであった。それらは気取らない素朴な外観となった。そして、本物のアプサラのドレスのように、壊れたCDの小さな断片とビール瓶のフタで光沢をつけて装飾した。その後、ビニール袋と米袋から対照的な明るい緑色の縞模様の茶色い服を装飾した。

アプサラの衣装は黄金の王冠なしでは完全ではない。

プノンペンのゴミ山の中では金は見つからなかったので、デザイナーはトイレットペーパーの芯と段ボール紙を使用した。これらによって、複雑なクラウン、仏塔のような形をしたもの、雄牛の角などを作った。

昨年、ミスカンボジア2016-2017で初優勝したEm Kunthongがフィリピンで開催されたミス地球環境意識美人コンテストのために彼らのドレスを着ることを選んだとき、多くの人々は滑稽なプロジェクトと考えたものに対して、La Chhoukのメンバーは信任投票を与えられた。

「このドレスは完璧なカンボジア女性を表現しています」と、Super氏はプノンペン北部の作業場の複合体にあるLa Chhoukのスタジオで誇らしげにそれを見せた。

「彼女はパワーを持っていて、地球に近くて雄牛のように強い。彼女は野生の牛の魂を持っています。それはカンボジアのアイデンティティと文化にとって非常に重要な要素です。私たちはまた、神殿の彫刻と神話に触発されました」と彼は加えた。

La Chhoukが存在するもう一つの理由は、LGBT問題に注意を喚起することであり、一部のメンバーは自分自身のアイデンティティをLGBTコミュニティの一員として認識している。「多くの人はLGBTの人々をおかしな人と考えています。LGBTの人々が美しいものを創造する能力があることを人々に示したいのです」とSuper氏は言う。

最初のアプサラドレスの創作以来、La Chhoukはカンボジアの文化と神話に触発された数多くのドレスをデザインした。

最近の「自然を守ろう」という最近のプロジェクトではインドシナトラ、川イルカ、様々な鳥などカンボジアで絶滅の危機に瀕している動物に注意を集めようと努めた。Super氏は、プラスチック廃棄物を使用してこれらの動物を表現するドレスをデザインした。

このプロジェクトは現在も進行中であり、La Chhoukは最近、WWFとタイガービールと展示会を共同開催した。



(後編につづく)



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最終更新:2018年09月15日

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